2006年2月10日大改訂
2008年10月23日CAFE編、2009年10月05日
2010年1/28、3/01、7/27、2011年02/28、07/04、09/13、2012年02/08、06/19、08/07、08/21、09/18
2014年03月15日、08月16日、09月25日 2015年05月19日、07月17日改訂


シドニー食生活向上委員会



 シドニー現地での食生活に関するコーナーです。

 最初に執筆した時点(1998年頃)に比べれば今昔の感がありすぎるくらいあるのですが、この間の変化について書いておきます。なぜなら、この変化の延長線上に2011年の現状があるからです。

 まず、日本食材をとりまく状況です。最初に書いた98年とかそのくらいの時期に比べれば、日本食材をはじめとするアジア系食材は大きな広がりを見せています。日本食材も相対的に安くなってきたでしょう。ただその理由は、現地に暮らす日本人が増えたからでは「ない」です。現地在住の日本人の数は、詳しくは知りませんけど、そんなに増えていないんじゃないかな。永住希望者は増えているらしいけど、留学生やワーホリさんの数は減ってますし、長引く日本の不況で、日本企業の撤退、駐在員の方々の帰国などの要素がありますから、プラマイゼロ(or マイナス)じゃなかろうかと思います。

 つまり、日本食材が求めやすくなった原因は、日本人以外のところにあります。つまり、中国人がやたら増えたこと、その中国人の間で日本食が好まれて食べられるようになってきたこと、中国人以外にもアジア食がどんどんオーストラリアに浸透していったこと、という「日本食を好む外人(というのもヘンですね=日本人以外の人)」のおかげだと思います。実際、シドニーの日本料理店は信じられないような勢いで増えています。ニセコや長野で日本スキーをエンジョイしたオージーが、そこで知った居酒屋システムに感激し、こちらに輸入しているケースも増えてます。"SAKE"なんたらという「サケバー」形式ですね。僕の知ってるオージーも居酒屋にハマって、居酒屋に行くためだけにまた日本に旅行したいとか言ってます。

 次に、日本食材がリーズナブルに手に入るようになったと入っても、それは昔と比べての話であり、現在でも「全てがあるわけでない」「行くところに行かないと無い」という基本的状況は変わっていません。だから、合理的に代用品を探そうか、自分で作ってしまおうとか、そのあたりのものの考え方は同じだと思います。むしろ、モノが乏しい頃の方が必死に考えていたから、逆にバリエーションが広くなってたという部分はあったと思います。「絶対に売ってない」と思うとムキになって開発したろうと思いますが、適当にあってしまうと、「ちょっと高いけど買えばいいや」となったり、あるいは「別にそこまでして食べなくても...」ってな具合になってしまうように思います。自分自身そういう傾向がありますし、それだけに昔のサバイバル精神豊かだった頃のコンテンツは、今改めて読んでみると中々新鮮だったりします。

 変化の第二点は、オーストラリアはもう14年連続で経済成長しています。世界経済危機も先進国の中ではかなり上手いこと逃げてますし、景気が良く、それゆえオージーも金回りがよくなり、物価もガンガンあがってます。10年前に比べたら、肉も野菜も信じられないくらいに上がってます。レストランの値段もしかりで、その昔は一人20-30ドルでそこそこ立派なものが食べられたのですが、今ではその値段だったらかなりリーズナブルでしょう。一食一人200ドルクラスのレストランが結構流行ってたりするのが、前回改訂時の2006年、そして2012年現在のオーストラリア人の金持ち度であります。「シドニーの安くて美味しい店紹介」の基本書ともいうべき”Cheap Eat”という本が毎年刊行され、”チーピーズ”の愛称でオージーに親しまれていましたが、いつのまにか名前が、"Sydney Eats with cheap eat"になってしまいました。つまり、「必ずしも安くなくてもいい」というコンセプトの変化があるわけです。

 この時代背景を反映しているのか、「安くて美味しいレストラン」が少なくなってきています。かつて美味しかったレストランも、しばらくすると人手に渡ったのか、いきなり味が落ちてたりします。こちらではビジネス(営業)の売買が盛んです。日本に比べたらかなり気軽に譲渡できますし、流行ってないレストランを買って、流行らせて客を増やした時点で高く売ってしまうという傾向があります。そのため、いったい何軒のレストランを失ったことでしょう。レストラン紹介も全然UPDATEしてないから、たまにはしなきゃねーとか思ってたのですが、こうも変遷が激しいとおっかなくて出来なくなりました。ただ、それでも頑固として昔の味とリーズナブルさを守ってる素晴らしい店もあります。

 ただ、いずれにせよ、「安くて豊かな食生活」を営もうとしたら、以前にも増して、知識と技術と根性が必要になっていると思います。
 そのあたりを改訂に反映させられたらいいなと思います。

 なお、シドニーにおける食の基本、ベーシックな部分は「生活体験マニュアル第5章食事編」でやってます。レストランでの注文の仕方とか、飲茶の食べ方とか、サンドイッチの注文の仕方とか、そこらへんのことですね。こちらもあわせてご覧ください(こちらはまだ10年以上前のままだ、、、ああ、こじんまりしたHPにすればよかった)。


シドニー生活者のための料理メモロゴ


★シドニー生活者のための料理メモ


◆無ければ作れ!日本食材
◆無くても作る!和菓子編
◆あきらめるのはまだ早い!安く手に入る代用品の数々
◆どこに買いにいけばいいの?SHOP編
◆日本のものとちょっと違う?現地の食材研究

 日本にいたときは「買うのが当たり前」と思っていた数々の品が、試行錯誤を繰り返し、出来た時の喜びは海外ならではのものです。「ものが不足」ということをマイナスに考えず、「創る楽しみ、発見する楽しみ」としてプラスに考えることは喜びです。柏木主著、APLaC編集。


★留学・ワーホリのための生活向上委員会


食のDIY オーストラリア・シドニー自炊の超実戦ノウハウ  

第1回:料理の基本構造とその応用(1) ストック+調味料の二重構造
 〜その応用としての洋風スープ/シチュー、ホワイトソースとトマトソース、中華スープ&炒め物
第2回:基本構造の応用(2) 和風編
 〜うどん・蕎麦の麺つゆ系、煮込み料理系、丼系。インスタント食品は要らない(自分で作れるカレー、釜飯、麻婆豆腐など中華系)
第3回:基本構造の応用(3) エスニック編
 〜イタリア料理、タイ料理、インド料理
第4回:実践&食材調達編 (1)
 〜サンドイッチ編 基本コンセプト、パンの選定、具の選定、製作
第5回:実践&食材調達編 (2)
 〜ソーセージの偉大な効用
第6回:実践&食材調達編 (3)
 〜お米、ご飯編
シドニーレストラン情報

ヨーロッパ系
その1 : イタリア料理編(2015年05月10日新規店追加)
その2 : ギリシア料理編フランス料理編ポルトガル料理編ドイツ料理編
その3 : モダン・オーストラアン編 オーガニック料理編チェコ料理編その他

CAFE系
その1 : オーストラリアのコーヒーの種類と解説
その2 : カフェランチ編(1) (2015年05月22日新規店追加)
その3 : カフェランチ編(2) (2016年05月28日)

SWEETS/甘いもの系
その1 : いわゆるケーキ屋さん系

インド料理

アジア系(14年03月15日一店追加)
     インドネシア/ベトナム/マレーシア/タイ/韓国

中華料理系

日本料理系 (2014年08月16日追加)

その他
     トルコ/レバノン/モロッコ/アフリカ/ネパール・チベット/ペルー/メキシコ
料理エッセイ

★空腹絶倒
  料理凡人によるしょーもな料理録


関連
フィッシュマーケットで魚を買って調理するダンドリをまとめたエッセイ(今週の一枚エッセイ123回)
  鯛→湯霜作り、鯛茶漬け、潮汁。オコゼ→薄造り、骨せんべい。マナガツオ→煮付け、味噌漬

★シドニーで台所を預かるプロフェッショナルな男の料理について、経営学的アプローチを施した力作
 Essay 153/「男の料理」について
 Essay 154/続・「男の料理」について

★(日本食も含めて)料理のことだけ考えてシドニーに住むならどこがいいかというお気楽な話。プラス鯛の塩焼き→鯛雑炊の作り方
ESSAY/ 料理のおはなし

★シドニーのテイクアウェイ(テイクアウト)についてのエッセイ
 Essay14/TAKE AWAY
★シドニー現地でのお手軽アジア系インスタント系食品
 Essay33/面倒臭い感覚細胞
  メルボルンから特別寄稿!!


メルボルン生活向上委員会

★メルボルン家庭生活向上研究会

1)食材の工夫/日本はアジアの一部

2)食べたいときが工夫のチャンス/こんなものいかが?

3)Never Give Up/挑戦しよう高級難度

世界の料理のレシピー

★世界の料理のレシピ、一挙公開

 各国料理を見よう見まねで作ってみようと挑戦。中華チマキ、バジリコのスパゲティなどお馴染みのものから、ムサカやタブーリ、ガドガドなど、日本ではまだマイナーな料理まで、画像入りでご紹介。