★CAFE編(1) 〜まずはじめにコーヒーについて
オーストラリアのコーヒー事情 〜エスプレッソベースのイタリアンコーヒー
シドニーはコーヒーの美味しいところです。僕はマニアと言うほどではないけどコーヒーが好きで、日本でもよく飲んでましたが、日本はアメリカンコーヒーが主流なので、あまり美味しいと思うことも少なかったのですが、シドニーにやってきてコーヒーを飲んで不味い!と思うことはマレです。レベルの差はあれどそこそこハズレがない。これは、シドニー(オーストラリア全体にそうだと思うけど)のコーヒー文化が、イタリア系のコーヒをベースとするからなのだと言われています。イタリア系コーヒーというのは、エスプレッソマシンを使うエスプレッソコーヒーをベースとするもので、ものすごく”濃い”のだけど、コーヒーのツンツン、イガイガしたトゲが少なく、丸みを帯びつつ香りが高いものです。このエスプレッソコーヒーに、ミルクに蒸気を注ぎ込んで細かい泡状にしたものを上にかけるカプチーノは、いまやオーストラリアの定番の飲み物だといっていいでしょう。
もともとイギリス文化圏であるオーストラリアでは伝統的には紅茶文化がメインだったのですが、食の大国イタリアをはじめとして、色々な国からやってきた移民達が徐々にオーストラリアの食生活を塗り替えていきました。有名になったオーストラリアワインも、戦後にやってきたイタリア系、ドイツ系などの移民がワイナリーを作るところから広げていったと言われます。イギリス直系の人達だったらこうはいかないでしょう(イギリスワインって聞いたことがないでしょ)。
オーストラリアのコーヒーが美味しいと思うのは僕だけではないようで、日本ではあまりコーヒーを飲まない人でもこちらに来て好きになる人は多いです。単純に味が良いだけではなく、さすがグルメのイタリア文化だけあってコーヒー種類が豊富です。カフェインがどうも、、という人にはカフェイン弱めのデカフェネイトというのもあるし、フルクリームミルクではなくスキムミルクを使ったももの、ミルクの代わりに豆乳を使ったもの、、、様々です。
2008年と2014年にスターバックスがオーストラリアを撤退した件
日本でも有名なスターバックスの成功は、本格的なヨーロピアンコーヒーをアメリカに持ち込んだ点にありますが、もともと本家のコーヒー文化が根付いているオーストラリアでは、「何を今更」ということで、オーストラリアに進出したものの、4分の1を残して大部分の店舗は閉鎖を余儀なくされています。
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地元紙(SMH)の2008年7月29日付の
”Starbucks closes 61 shops, cuts 700 jobs”という記事で報じられてますが、オーストラリア国内84店舗中61店舗を閉鎖しました(完全撤退ではなく、幾つかは残している)。
記事中に書かれているように、
”The American company admitted it had struggled in Australia's "very sophisticated coffee culture
スターバックス社は、「オーストラリアのとても洗練されたコーヒー文化市場おいて苦戦を余儀なくされた」ことを認め)" ”、
”Associate Professor Nick Wailes, a strategic management expert at the University of Sydney, said Starbucks had failed to understand the Australian market. "Starbucks' original success had a lot to do with the fact that it introduced European coffee culture to a market that didn't have this tradition. Australia has a fantastic and rich coffee culture and companies like Starbucks really struggle to compete with that."
シドニー大学の経営戦略のニック・ウェイルズ助教授によれば"スターバックスはオーストラリアのコーヒー文化を理解しそこねたのだと指摘し、『スターバックスの成功の原点は、ヨーロピアンコーヒー文化が根付いていない国にこれをもたらした所にあるのだが、オーストラリアのように豊かなコーヒー文化を持っている国においては太刀打ちすることが出来なかったのでしょう』とコメントしている。
まあ、実際僕もスタバのコーヒーって美味しいと思ったことないですし(日本で飲んだスタバはもっと美味しくなかった)。そういえば、上陸当時東京で行列1時間という人気ドーナッツであるクリスピー・クリームも、オーストラリアに進出してますけど、誰も並んでません。まだ並んでいるのか?
2011年7月現在、オーストラリアに残されたスターバックスの22店舗(一つ減ったか?)は尚も健在。頑張っているようです。
スターバックスのWEBでお店の場所が分かります。シドニー、ブリスベン、ゴールドコーストと日本人がよく居るところはそんなに減ってないです。というかシティばっかり。シドニー7店舗のうち6つはシティ。あと一つは新興住宅地のMt Druitt。「お、Rockdaleにある!」と思ったらQVB店の表記ミスでした。これって逆に言えば「ヨーロピアンコーヒー文化が根付いていない(人が多い)エリアMAP」とも言えるのでしょうね。
なお、オーストラリアにおけるローカルのスタバ的存在は、
Gloria Jeanでしょう。オーストラリア国内に470店舗あります。スタバの21倍。「スターバックスを知らないオーストラリア人」はそれほど珍しくないけど、「グロリア・ジーンを知らないオーストラリア人」は珍しいかも。「マクドナルドを知らない日本人」くらいの感じでしょうか(日本の人口1億2000万/マクドナルド店舗数3800=3.15万人に一軒、オーストラリアの人口2200万人/GJ店舗数470=4.68万人に一軒)。
2014年03月追記:この時点でオーストラリアには24店、まだスターバックスが生存していました。てか2店増えてるし。
内訳はシドニー9(うち7つがシティ)、メルボルン6(うち5店がシティ)、ゴールドコースト3店、ブリスベン5店(シティ4店)、それとサンシャインコースト店が出来たようです。つまりは観光客とか「味にうるさくない人達」が密集しているようなエリアで、なるほどさすがはしたたかなアメリカ企業、ピンポイントのビジネス戦略を徹底していますな。
ほんでも、オーストラリアの地元民的には、自分の住んでるサバーブにスターバックスがあったら結構「恥」というか(笑)、それだけはちょっと避けたいかなと。シドニーのあとの2店は、シドニー第二の都市パラマッタはわかるとして、あとひとつはMt Druittでした。あの新興住宅地の。「ほう?」と思いますね。
一方グロリア・ジーンズですが、もうオーストラリアは頭打ちなのか480店で微増です。まあ、ここも美味しくないもんね、オーストラリアでは限界あるでしょ。そこで、世界展開に目がいってて、オーストラリア以外の38カ国に500店舗くらい展開しているそうです。このあたりはスタバのパクリだと思うけど。
ここ10年来、オーストラリア人のコーヒーへの傾斜はどんどん進んでいるようです。
消費者の舌もどんどん肥えてきて、バリスタが変わると店の集客も変わるようです。だからバリスタになるのは大変です。寿司屋の花板さんみたいなものでしょう。
実際、僕の実感でも当たり率が高くなってるというか、レベルが底上げされているな気がします。自分自身も要求水準があがってきてて、前だったら許せた味も、今では許せなくなっているような。
家庭用のエスプレッソマシンも百花繚乱に増えてきました。10年以上前は、ぼちぼちという感じで100ドル以下のレンジもかなりあったのですけど、オーストラリアの景気の良さとあいまってか、安くても100ドル以上だし、中には「誰が買うねん!」という高級機種もガンガン売られるようになって久しいです。
写真は、Googleの広告検索でみたシドニー市場の(業務用ではない)高級機種(約10万円以上)ですが、こんなにあります。こんなにあるということは、こんなに売れているということでしょう。中には30万以上するマシンもあったりして。
コーヒーの種類 〜何をどう頼めばいいの?
喫茶店でオーダーするコーヒーの種類ですが、これがメチャクチャ多く、オーストラリア初心者をまごつかせます。細かなところでは店によって微妙に違うし、サイトを色々見ても説明がこれまた微妙に違ってたりします。僕もよくは分からないのですが、一応のところを。
最初に?と思うのは、ショート&ロング、ブラック&ホワイトだと思います。ショートはエスプレッソコーヒーそのままの濃いやつで、ロングはこれにお湯を足した、いわゆる日本でいう普通のコーヒーです。ブラックとホワイトは、コーヒーの中にミルクを入れるか入れないかの差です。ミルクは、以下に述べるようにこれ又多くの種類があるので、日本のように小さなカップにミルクを入れて添えて出すというパターンはないです。また、砂糖はシュガースティックを各自の好みで入れるので、砂糖の有無はブラックかどうかとは無関係です。
いわゆる普通のコーヒーを飲みたかったら
Long Black(ロング・ブラック)と言ってください。エスプレッソコーヒーを飲みたかったら
Short Black(ショート・ブラック)。濃いコーヒーを沢山飲みたかったら、2ショット分のダブルエスプレットを頼むといいでしょう。
ミルクを入れるコーヒーは、ミルクに蒸気を注ぎ込み、細かな泡(フロス)を生みだしたものを注ぎ、表面にチョコレートパウダーを振りかけた
Cappuccino(カプチーノ)と、温めただけのミルクを入れた
Flat White(フラット・ホワイト)、さらにこの両者の中間で、ちょっと泡立てたミルクを沢山入れ、グラスに注いだ
Caffe Latte(カフェ・ラッテ)があります。日本的に考えれば、ミルク入りコーヒーがフラットホワイト、カフェオレがカフェラッテだと思えば大きく外れてはいないでしょう。ただ、コーヒー通の人はこんな荒っぽい定義では満足できないでしょうね。「泡立てたミルク」といっても、細かな気泡が混ざりクリーミーになってる部分と、比較的大きな気泡によってふくれている部分と、単に温かいミルクの部分という3種類があり、この3つの割合と出来具合でカプチーノやカフェラッテの美味しさが違ったりするといいます。オージーのストリートスラング的な言い方では、The Capとか、ラテとか省略したりします。
写真右は、カプチーノ。NewtownのCampos。
さらに不可解な
Macchiato(マキアート)というコーヒーがあります。そもそも「マキアート」と読むのが難しい(”まちゃーと”とか読んでた)。これも店によって内容が異なり、エスプレッソコーヒーにミルクを入れるという事までは同じなんだけど、そのときに入れるミルクの量や質(フロスだけか温ミルクだけかなど)によって差があります。通例グラスに入って出てくることが多いようですが、必ずしもそうとも言えない。エスプレッソ二杯分のダブルあるいはロング、一杯分のショートがあります。Mac(マック)と略称されたりします。
ミルクも
豆乳(ソイ・ミルク)、あるいはクリーム分の少ない
スキムミルク(スキニー)など種類があります。コーヒーのカフェインを減らしたいなら
デカフェネイト(デカフェ)、カフェインやや弱めだったら
ウィークなどなど、、。
以下、この順列組み合わせで色々あるわけで、吉野家の「つゆだく」、あるいはラーメン屋の「麺堅めのシナチク抜きネギ大盛りね」みたいな感じで、ソイ・ラッテとか、スキニー・キャプとか、ウィーク・ラテとかいうようです。個人的にはカプチーノかロングブラック以外殆ど飲まないので、このあたりの差は正直よう分からんです。店によっても違うし。行きつけの店を作り、ある程度試した上で「これぞ、私のコーヒー!」というのが見つかったら、この種の細かな注文になるのだと思います。
さらに、その店だけの細かなバリエーションがあったりします。カップ大きめでマグカップを使った「大盛り」のマグチーノやらメガチーノやら、小さめあるいはミルクだけのベビーチーノやら。コーヒーにフレイバーをつけたフレイバーコーヒーもあれば、コーヒの代わりにチャイをベースにしたチャイラテなんてのもあります。
右の写真は、チャイ・ラテ(Chai Latte)。まあ、写真だけだったらカプチーノもラテもチャイラテも似たり寄ったりかもしれませんが。
あと、まぎわらしいのが
Mocha(モカ)です。
モカといえば、日本的な感覚ではコーヒー豆の原産地であり、僕も来た当初は「なんでモカばっかりフィーチャーしてるんだろう、俺はマンデリンが好きなのに」と思ってたもんです。しかし、オーストラリアでモカといえば、「エスプレッソ(+ミルク)+チョコレート」の意味です。いわゆるココアであるホット・チョコレートではなく、コーヒー分が混ざってる分違います。
左の写真はホットモカ (Hot Mocha)ですが、グラスの内周にチョコレートが見えると思います。
アイスコーヒーですが、いわゆる日本風のアイスコーヒーは存在しません。
Iced Coffee(アイスト・コーヒー)というのがありますが、これはエスプレッソにアイスクリームと冷たいミルクを混ぜたものです。コーヒーフロートみたいなものですね。かなり甘い。上にホイップクリームが乗り、さらにチョコレートパウダーが振ってあったりすると、甘いモノが苦手なあなたは「ぐわー」と思うでしょう。僕も最初に飲んだときは「なんじゃ、こりゃあ」の世界でしたが、オーストラリアにくると甘いものが好きになるようで、今は大好きです。クリームを乗せない店もありますし、乗せるかどうかはあらかじめ聞いてくれる店もあります。これにチョコレートを混ぜると(最初にグラスの内側にチョコレートを塗布する)、
Iced Mocha (アイスト・モカ)。これも店によってかなり出来が違います。
ところで、こちらでは冷たい飲み物にあまり氷を入れません。氷を入れて増量するということはやらない。増量だけではなく味が薄くなりますし。ですので、アイストコーヒーでも氷は普通入ってません。アイスクリームで冷やす。マレに氷が入ってることもありますが、かなりマレです。日本にやってきた西洋人が空港をジュースを飲んで、そこに大量の氷が入っているのを見て「詐欺だ!」と激怒し、裁判も辞さないというくらいムカつくという話を、たしかウォルフレンの著作で読んだことがありますが、その気持ちが多少分るようになりました。
↑写真左上:もっとも一般的な形態がコレ。グラスの内周にチョコレートを塗ってあるのが ICED モカで塗ってないのがICED コーヒーという理解でほぼ良い。
↑写真中央:しかし、このような形態のICEDモカを出している店もある。この写真はBalmainの”Circle”(後述)
↑写真右上:かと思うと、こういう場合もある。LeichhardtのBar Italira(後述)。ジェラートの二色盛りがうれしい。
Iced Coffee やIced Mochaは通例かなり高く、カプチーノ3ドルだった5ドルくらいします。
しかし氷を入れずにこれだけの分量があるのですから、満足感は相当のものですし、カロリーも相当のもの。「飲んだ〜!」という気分になります。
オーストラリアに来ると甘いものが好きになる件
人によるとは思いますが、僕もそうでした。日本にいるときは甘いものはダメで、むしろ「大っ嫌い」なくらいでしたが、今では「大好き!」になりました。アイスト・モカなんか大好物です。
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周囲を見回すと、ヘルス・エンジェルス(超恐しいマッドマックス系暴走族ね)みたいなオッサンが、プロレスラー並の腕にタトゥーをキメながら、しかしうれしそうにソフトクリームをペロペロ舐めながら街を闊歩していたりします。ほんと老若男女を問わず甘いものを食べてます。
なんでかな?と思ったのですが、オーストラリアの生活環境ではナチュラルに肉体を使うので身体が糖分を欲するのかもしれません。バイトでこちらのマグロ漁船に乗った人が言ってましたが、場合によっては操業20時間ぶっとーしという超過酷な肉体労働をする現場では、船内の至る所に壺が括り付けてあり、その中にチョコレートが山盛り入っているそうで、皆通りすがりに手を突っ込んでチョコレートをわしづかみにして口に頬張るそうです。そうしないとぶっ倒れるとか。これは極端な例ですけど、身体がナチュラルに欲するというのはあると思います。
もう一点、西洋文化ではデザートがかなり大きな比重を占めます。日本だと最後の口直しのフルーツくらいの感じですが、こちらでは準メインの扱いで、レストランのメニューでもデザートの比重は高く、一皿1000円以上のデザートもザラです。菓子職人(パティシエ)の地位も高い。ホームステイで体験された方もいるかと思いますが、メインと同じ大きさの皿に巨大なスプーンでアイスクリームを「これでもか」という位に乗せ、それにクリームをかけ、さらにシロップを掛けるという。なんでそんなに甘いものを重視するのかですが?僕とカミさんのの仮説では、西欧料理には砂糖をあまり使わないからではないか?と。日本料理は、実は沢山砂糖を使います。醤油と砂糖の味付けは日本料理の基礎レシピーでしょ。牛丼や肉じゃがを食べただけでも糖分は結構取っている。寿司だって、シャリを作る段階の合わせ酢に砂糖を入れるから実は糖分を摂取してます。佃煮なんかもそうですね。だから日本にいると糖分を知らないうちに取るので、殊更に甘いものは欲しくなくなるのではなかろうか。
第三の仮説は、精神的なものです。僕個人の経験ですが、日本にいるときはかなりお酒を飲み、甘いものはゼロでしたが、こちらに来たらお酒の量はかなり減り、甘いものが増えました。なぜかというと、僕のオーストラリアでの生活はストレスが少ないのですね。だから「一発ぱーっと」というストレス解消( or ヤケ酒)的ニーズが限りなくゼロになり、純粋にアルコールを楽しむだけになります。そうなると意外と飲まない。同時に、ストレスがなくなると子供の頃のような気分に戻ります。そして子供は大体甘いものが好きです。総じていえば、「大人的なひねくれ」がとれたから、また甘いものが素直に好きになったのかもしれません。
ちなみに、塩分も欲しくなります。日本料理も塩分を使いますからね。むしろ塩分取りすぎとか定番の健康話題になってるくらいです。しかし、西欧料理はあんまり入ってない。実は、チーズや燻製肉(ハムとか)に入っているのですが、西洋人ほど大量にチーズもハムも食べませんから、なんとなく不足しがちになり、たまに魚の塩焼きなどを食べるとすごく美味しいです。ときどき、「あー、塩っ辛いものが食べたい!」「メチャクチャ塩辛い塩ジャケでお茶漬け食べたい!」と禁断症状が起きたりします。
さて、コーヒーネタに話を戻します。
Affogato(アフォガト)という物体があります。これは、エスプレッソコーヒーにアイスクリームをそのまま入れるという、甘さと苦みの極端な対比を楽しむ飲み物です。アフォガトという名前が覚えにくく、「ありがとう」の変形とか、「アホが通る」と覚えたもんです(^_^)。これも店によってかーなり違います。
↑写真左上:グラスにエスプレッソとアイスクリームが入ってる形態。もっとも一般的。Potts Pointの"Yellow"(後述)
↑写真中央:エスプレッソとアイスクリームを分けて出してくれるところもあります。Newtown の "Grub and Tucker"(後述)
↑写真右上:これが極めつけ。シロップまでつけての三点セット。Balmain "Circle"(後述)。
Campos Coffee Newtown本店
悲報(2017/02/18)
2017年に入ってから2回訪れましたが、経営権を売ってしまったのか、雰囲気も微妙に変わったし、なによりも最高のアフォガトが終わってました。もう全然ダメ。まずアイスクリームをケチりすぎてるから、十分にコーヒーが冷えてないし、コーヒーが多すぎるから味レシピーが違う。食べてる途中がアイスが崩壊して浮いてくる。何よりも、アイスの質が劣化している。これまでは、シドニー最高のSerendipityのベルギー白チョコアイス(White Belgian Choco)だったのに、やたら砂糖の甘さがツンケンする化学っぽいアイスになってて、期待がデカイだけに食べてて無性に腹が立ってくるという(笑)。
1月のときにも、あれ変だな?と思ったのだけど、そのときは夏休みホリデーでピンチヒッターのバイト君がやってるだけなんだろうと善解してました。が、2月中旬になってもこれだし、びしっとしたプロの板前さんみたいなカウンターの雰囲気がだれてて、若いアジア人のお兄ちゃんしかいないし、なによりも客は正直で激減してました。
以下は古き良き伝説のカンポス記事です。タックしておきます。
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一般にカフェというのはカジュアルな存在で、「家・職場の近所にあること」がかなり絶対条件だったりすると思います。料理と違って、いちいち電車に乗ってまで飲みに行くようなものでもない。ですので個別にカフェ店はいちいち紹介しませんが、一つだけ紹介するとしたら、ニュータウンのカンポスがイチオシだと思います。ここは有名ですので、ありふれた見解なのですが。
193 Missendon Road、Newtown NSW 2042 PH 9516 3361、Mon - Fri 7am -4pm/Sat 8am - 5pm
Campos Coffee Web Site
ちなみにカンポス本社は豆も卸してますので、カンポスマークのあるカフェ、レストランは他にも幾らでもあるでしょう。カフェ店の本店的存在はニュータウン店だと思います。
ニュータウンのKing StとMissenden Rdの交差点(T字路)、角にマールボローホテル(パブ)があるところですが、ミッセンデンRd沿いでホテルの隣の店舗です。といってもメインには関係ないピザ屋かなんかで、その建物一番端っこ、Longdown Stという路地の角にある、ほとんどトイレか清掃用具室みたいな小さな小さな一角がお店です。メチャクチャ有名なくせに、びっくりするくらい小さいです。
ここのコーヒーは確かに美味しい。僕のように濃いめのコーヒーが好きな人にはたまらんと思います。濃いといっても単に苦味や酸味が強いのではなく、なんというか味の輪郭がクッキリしていて濃密。ベースのエスプレッソがしっかりしてるから、あとはラテにしようがカプチーノにしようが外しません。
あと良いのは、サービスというか雰囲気。どっかのインタビュー記事で読んだ曖昧な記憶なのですが、英国の本格的なショットバーを意識して、プロとしてビシッ!とした感じでやりたいと。確かに狭い店舗にズラリと男ばかり(女性スタッフもたまにはいる)が並び、黙々とコーヒーを作ってます。制服も黒で統一(こちらの飲食店系は黒が多いが)。要するに全然チンタラしてないのですね。「店の気合が客に通じる」ってやつでしょうか。真剣度が違う。日本の、小さいけど筋の通った仕事をする気持ちのいいお寿司屋さんみたい。
場所柄シドニー大学の学生さんや教授らしき人も多いのですが、それに限らず、ひっきりなしに人がつめかけて、黙ってコーヒーが出来るのを待っています。
何を飲んでも美味しいですが、最近僕らが「こればっか」というくらい飲んでいるのが、上で紹介したアフォガトです。グラスのカップにアイスクリームを詰め込み、上からエスプレッソをかけただけのシンプルなアフォガトですが、これが美味い。コーヒーが美味いのはわかるけど、アイスクリームもなにげにかなり良いモノを使ってると思います。
各種コーヒーに作り方については、各コーヒー会社あるいはコーヒー専門の学校がいろいろなコースを出しています。
ちょっと検索しただけでもゾロゾロ出てきます。1日コースで1万円くらいですから、本格的にやりたい人、バリスタを目指している人はどうぞ。
語学学校プラスアルファ(
別窓)にも幾つかリンクを貼っておきました。
これらのコーヒーの種類と作り方を網羅的に解説してあるページを探したのですが、なかなか見つかりませんでした。一つだけ、"Life is too short to drink a bad coffe(短い人生で不味いコーヒーを飲んでるヒマはない)"というサブタイトルがコーヒーマニアの心意気を感じさせる
Whereismycoffe!(
別窓)というサイトの解説を紹介しましょう。
僕はそれほど気合いの入ったコーヒーマニアではないですが、これだけ飲んでたら上手い不味いの好みも出てきます。
僕なりの判断基準は、まずコーヒーそのものが美味しいこと。これはさらに良い豆を使ってること、量をケチらず使ってること、ちゃんとその場で豆を挽いていること、などのファクターがあります。美味しいなと思うコーヒーはこれらの条件を満たしてます。逆に、これはイマイチと思う店は、豆自体があまり良くないか、量をケチってる場合が多いです。カプチーノやラテはミルクが多く、またこちらのミルクは味が濃いこともあり、コーヒーがショボいとミルクにコーヒーが負けて何を飲んでるのか分からんようになります。あと、スチームミルクの作り方。フロスの気泡が細かくクリーミーになってる度合いや、ミルクとフロス部分のグラデーションが見事かどうかです。ボコボコの泡ばっかりとか、泡が殆ど感じられないのはパス。
アイストコーヒー&モカは、アイスクリームそのものが美味しいかどうか、チョコレートが美味しいかという要素が加わります。上で紹介したバーイタリアのアイスト・モカは、シドニーで一番と言われる当店のジェラートのうち、コーヒージェラートやチョコレート系のジェラートをグラスに入れ、そこにエスプレッソを注ぎ、さらにコーヒーリキュールとミルクを注ぎます。ジェラートの中に直接グラスを突っ込んで掬うという無造作な作り方ですが、ベースとなるコーヒーとジェラートが美味しいのでいい味出してます。
アフォガトは究極の一品のようなもので、アイスクリームとエスプレッソという素材だけで出来てますので、素材の良し悪しがモロに分るという。どれだけお金をかけていい材料を仕入れているか、あるいは粗悪品で利潤を上げようとしているか、店の姿勢もわかったりします(まあ、本当は分らないのでしょうけど、分ったような気分になれます)。
2013年03月追記:カンポスのアフォガトですが、お店に足繁く通ううちにアイスクリームがマリックビルの老舗のアイスクリーム屋のSerendipityの、ベルギー・ホワイトチョコだということが判明し(別にお店も隠しているわけでもないし、むしろそれが売りだろうけど)、このお店で買って(&溶けないうちに車でぶっ飛ばして帰宅し)、ネスプレッソで作ったエスプレッソをかけて楽しんでいます。
スィートの項目に追記すべきだけど、Serendipityのアイスは美味いです。値段もColesの4倍くらい高いけど、その価値あります。40種類くらいあるようだし、どんどん新しい味に挑戦してるしで、楽しいです。猛烈に目映るりするけど。今は、ここでまとめ買いしたのを3種盛りくらいにして、上からエスプレッソをかけ、さらにブランデーをかけたりして「うほほ〜」と昇天して喜んでます。
もっとも、コーヒーそれ自体のビシッとした美味しさはカンポス行かないと味わえないのですが。
→カフェの紹介 (CAFE編その2 CAFE LUNCHに行く)
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