★CAFE (その3) CAFE LUNCH編(その2)
Darlinghurst編
バンカー/Bunker
399 Liverpool Street, Darlinghurst
最終健在確認:2014年03月:常に質がキープされているし、メニューもちょこちょこ変わるのがよく、コンスタントに行き続けています。ちょっと離れると車が停められるのもポイント。いつもForbes Streetに停めてます。が、だんだんそれもしんどくなってきて最近は駐車場所が見つからずスルーという悲しい事態も。
何の気なしに入ったら病みつきになってしまったお気に入りの一店。
2016年追記、久しぶりにいったら、なんかメンツも変わってるし、イマイチになってしまった気もする。「気もする」くらいだからまだ良くわからないけど。
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外見はちょっと取っつきにくいかも。なんせ店舗は狭く、半分以上の席が路上(歩道)にあり、しかもそこらへんの粗大ゴミ回収日に拾ってきたような簡易な椅子が並べてあるだけ。店内も小さな6人がけテーブルがボンボンとあるだけで、「すんませんね」とローカルのオージーをかきわけ相席する。テーブルがなくて椅子しかないところもあり、膝の上に皿を置いてサンドイッチを食べてるローカルの人もいる。
高校の体育会系の部室みたいにシャビー(みすぼらしい)に見える店内も、しかし、実はかなりのセンスに裏打ちされているのが、中で待ってると分かります。壁はザラザラボコボコだし、ワケのわからない絵らしきオブジェがかけられているし、意味があるとは思えない小さな木箱が壁に打ち付けられているし、古い工場から持ってきたような表面凸凹の木製テーブルになぜかピカピカの金属椅子がついていたり、もうメチャクチャなんだけど、なぜか妙に味があって、統一感がある。実際、座っていると居心地悪くないし、みすぼらしい感じも全然しない。マクドナルドなどのド清潔なインテリアの対極をいくような店なんだけど、さすがダーリングハーストって感じ。
場所柄、通ってくる客も個性豊かな人が多い。アーティストっぽい人とか、インテリ風のカッコいい老婦人とか、病院から抜け出した来た勤務医とか(近くに大きな病院がある)とか、ビジネスマン風とか何やってるのか想像がつかない謎の人物とか。人を見てるだけで楽しい。殆どが常連らしく、半分はテイクアウェイ。10回以上通ってるけど、結構待たされるから一回あたり小一時間くらい滞在しているものの、未だにアジア人が入っているのを一度も見たことがないです(そういえば、こないだ見ました)。
コーヒーは文句なしに美味しいですが(Camposだし)、特筆すべきはランチで、やたら凝ったおしており、食材も原産地が書かれていたり、最初に入ったときハムの前に"Kurobuta"とか書かれていて、「なんだそれ?」と思っているうちに、「ああ、薩摩黒豚かあ!」と分かるという。こんなところで黒豚ハムがあるとはね。しかも調理法がまた凝ってて黒板に書かれるメニューを読んでも内容が想像できないものが多い。「スパイシーライス」とか言われても、「?」って感じ(カレー風リゾットみたいで、ライスを豆のように扱っており、柔らかい味で美味しい)。名物ステーキサンガは、「120日の穀物飼育」とか銘打たれています。で、それがただのハッタリではなく、実際に美味しい。値段は決して安くないし、量もオーストラリア平均からしたら少ないです。ただ、この質ならそこそこのレストランで倍の料金取れると思います。
↓下の写真はその一例ですが、左は珍しく魚料理です。サンマでもイワシでもなく、サヨリ(Garfish)でした。シドニー(だけかどうかは分からないが)では、意外とサヨリが人気があって、"Garfish"という名前のレストランもあるくらいです。このサヨリが美味かった。この種の西洋魚料理は、ともすればソースの味ばっかりだったりするのですが、これは日本人の僕が食べても「魚食った!」感がありました。サヨリにサワードウにベーコンサラダという何だか分からない取り合わせなんだけど、満足度あり。サヨリ丸々二本食べたので満腹感もあり。
右下の写真は、記憶もおぼろですが、モロカン(モロッコの)ライスだったかな(いい加減)。で、サーモンのフレークが散らしてあり、上にクリームチーズだっけな只のサワークリームだっけな(あやふや)、そして自家製らしきチャツネ。これも「へえ」って感じで美味しかったすね。
ただ、ここの「本日のスペシャル」は本当にコロコロ変わります。オムレツとかわりと定番メニューもあるけど、例えば上のサヨリをもう一度食べたいなと思っても、まず無理と思った方がいいくらい。もう、なんだかんだで20回以上行ってますが、常に「なんだか分からないけど興味深い」メニューには事欠きません。で、一回もハズレたことなしです。
店員さんもフレンドリーで、あまり移動がなく(行くたびにメンツが違うということはなく、既に顔なじみになってしまった)、意外とEFTPOSも使えます。食べた黒パンが余りに美味しいので、「パンだけ売ってないの?」と聞いたら、仕入れ先の場所まで親切に教えてくれました。で、そこまで行ったのが次の項目のSonomaです。
ローカル以外相手にする気がないって感じで、メニューはオージースラングバリバリなので注意されたし。ブレッキー(Brekky)というのはbreakfast、サンガ(Sanga)というのはサンドイッチのオージースラングです。
一昨年の年末だったかな、クリスマスホリデーで2週間閉めますという告知のあとに、"Don't Panic! It's just two weeks!"と書いてあって笑った。東日本地震のあとも、義援金寄付金ボックスを置いてました(ここに限らずかなりシドニーのかなり多くのお店にあった)。
Paddington編
SONOMA/Bakery Cafe
241 Glenmore Road, Paddington NSW 2021 (要するにFiveway)
Phone (02) 9331 3601
WEB :
http://www.sonoma.com.au/
2014年09月03日追記;
つい先日、本店のPaddington店に行ったのですが、なんか全然ダメでした。サンドイッチの数も減り、別にどこでもあるような一品が増え、コーヒーもSONOMAらしからぬシロモノで。サンドイッチも「そうなんだけど、違う!」って感じで、ミッシュのモチモチ感はないし、具の絶妙のハーモニーも感じられなかった。いつもはあふれんばかりに客が入っているのに、このときは閑散としてました。
そういえばここ1年くらいかなり急速に開店ラッシュで、ボンダイ付近に2つもつくったり、経営方針変わったのかもしれませんね。まあ、このときだけかもしれないから要経過観察です。でももう無条件にオススメはしません。
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上のBunkerで教えて貰ったパン屋さん。わかってしまえば、何を今さらっていうくらいシドニーでは超有名なパン屋さんで、トーマスダックス(ウールワースがやってるちょっと高級路線の食材スーパー)やオーガニックショップなどにも卸しており、表に「Sonomaのパン、売ってます」と表示してあったりするくらい。
滞在10年以上して、ようやく「パンって美味しいものだったのね」ということに気づき始めた今日この頃で、それまでやたら固くて取っつきにくい印象があったサワードウ(sourdough)も味の違いが分かるようになってきました。てか、そんなもん誰が食べても分かるのだけど、心理的なバリアというか、食わず嫌いというか、本当に美味しいパンを食べたことがなかっただけなのでしょう。どうしても日本のパンの、フワフワしっとり系のパンの刷り込みが強烈すぎて、なかなか目が開かれないという。
よく分からんのですが、昔ながらのフランス系のパンで、商業用イースト菌も保存剤も使わず、自然発酵させたsourdough starterと、小麦粉と水とシーサルトだけで作るらしいです。素材を厳選し、丁寧に自然発酵させているから、確かに食べると発酵食品独特の、びっくりするような深い味わいがあります。日本でいえば、昔ながらの本物の豆腐屋さんのお豆腐みたいな感じなのでしょう。同じようにパンが美味しいのは、BalmainのVicttorieもそうなのですが(未紹介)、あそこも純正フレンチだったと思います。
カフェは、本家パディントンの5Waysの店の他、Glebe(215 Glebe Point Rd)、Waterloo(24/198-222 Young St)にもあるそうです。Glebeは2−3回食べたことがありますが、店舗が小さく、品数が少ないことを除けば、質は同じでした。
Bunkerで食べた黒パンは、Miche(ミッシュ)と呼ばれるサワードウの一種なのでした。このあたり一当りネットで調べてみたのですが、Micheというのはフランス語で「尻たぶ」を意味するらしく、とある地方でのパンの俗語で、、とか、そんな話が延々でてきて、そのあたりの概念弁別がよう分からんかったです。まあ、美味しいからいいかって。
生で囓ると顎が疲れるくらいだけど、味が深くて美味しいです。でも、出来ればこのカフェでサンドイッチを食べていって、「ほう、こうやって食べるのか」というのを勉強した方がいいです。でもって、ここのサンドイッチ(片面だけというのもある)が、またミラクルに美味しい。なんか褒めすぎみたいだけど、メチャクチャ丁寧に作ってます。丁寧というのは形がどうとかではなく、素材、ソース、チーズ、ハーブの選別と組み合わせが緻密&誠実だということです。Pesto(バジルソース)はどこでもありますが、食べてて「ああ、バジルのソースなんだな」って味的に納得できたのはこの店だけです。色々な味のミックスなのですが、なんでそんな味になるのかよう分らん、どういう味付けをしたらこうなるのかって謎です。てか僕がそのあたりの西洋料理に無知なのがいけないのですけど。家に帰って再現しようと、最初にマッシュルームや野菜をオリーブオイルとガーリックで炒めてしんなりさせ、分厚く切ったミッシュに乗せ、そこに2種類くらいのチーズをブレンドし、塩気を出すために生ハムを乗っけて、ホットサンドプレートでじっくり焼いてカリッとさせてみたのですが、まあソコソコそれっぽいモノはできますが、本物にはほど遠い。やっぱピーマンとかナスを一回オリーブオイルで漬けておいて、それからオーブンでじっくりローストするとか、そういう1日以上の手間暇が必要なのでしょう(丁寧というのはそういう意味)。しかし、漬けるにしてもレシピーがわからんし。
この店は結構スタイリッシュな店で、また5Waysというパディントンの奥の院にあるという場所柄、いかにもパディントン本丸らしい地元のお洒落な(+裕福そうな)オージーが多いです。逆にアジア人比率は極端に低い。殆ど見たことないです。
コーヒーも当然外してません。ただ、アイスクリームを入れるアイスドコーヒーなどは扱っておらず、うっかり頼んだら、「無いけど、うん、やってみるよ」とアイスクリームなしのものを作ってくれました。メニューも上にパンのメニューがあるだけ(てか基本的にパン屋さんですし)、カフェ用のメニューはありません。レジ横の小さなガラスのショーケースに(↓下の写真左の女性の右横)、厨房から作りたてのサンドイッチを次々に出してきて陳列し、ガラスの上からホワイトマーカーで内容と値段を書いているという。最初にレジで注文するのですが、そのときに横のショーケースを指して品目を言います。大体8-10種類くらいあります。次々に無くなり、厨房からどんどん追加されるので、食べ終わる頃には内容がガラリと変ってたりもします。注文もなく作りたてが順次出てきて、客がそれを選ぶというのは回転寿司に似てます。価格帯は7〜9ドルくらいで、サンドイッチ一個の値段としては決して安くはないのですが、味の凄さを楽しめる人ならむしろ安いでしょう。
帰りがけにパンを買って帰ろうと思ったのですが、ミッシュをみたらこれが異様に大きい。もう直径50センチくらいで、こんなもんどうやって食べるのかといえば、4分の1づつ売ってくれます(↓下の写真右)。小さな丸形ミッシュもあります。今、何度か通いつつ、あれこれ試している途中です。しかし、昼に行っても、もうかなり売り切れているという。本格的に楽しむなら、パディントンに住んで、朝イチにパンを買いに行くという生活をしなければなりません。いいよね、それも。
ちなみにDarlinghurstやSurry Hillsには日本でもなぜか有名なBills (Cafe)があり、僕も行ったことがありますが、別に紹介するほどの事はなかったです。スクランブルエッグやサワドウは、まあ美味しいのではありますが、このレベルと創作性(味の楽しさ)だったら、上記のBunkerやSonomaの方がずっと良いというのが僕の感想。来ているお客さんや、雰囲気も含め。ま、人それぞれなんですけど。
2014年03月追記:
Glebe店も場所が便利なので(僕にとっては)、よく利用するようになりました。難点をいえばサンドイッチの種類が少ないことですね。3種類くらいしかなくて。でも、まあ、それでも十分っていえばそうだけど。
North Sydney 周辺
Indulgent Sage (North Sydney〜Lavender Bay)
165 Blues Point Rd, McMahons Point
WEB :
WEB
2014年09月発見。
たまたま見つけて、雰囲気よさげだったので入ったお店。
何がいいって、開放感ある広々とした店内。特に新緑が息吹きだした頃など、バコーンと開け放たれた窓とカントリー調とシティ風味が掛け合わさったような、でもあんまり作り込み過ぎてないカジュアルな雰囲気がいいです。
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場所は、行政区画ではMcMahons Ptになるんだけど、ノースシドニーです。駅の横の道(Miller St)をさらに南に下って(Blue Pt Rdと名前が変わる)、ラベンダーベイの信号交差点をちょい過ぎたあたりって言えば、土地勘のある人にはわかるでしょう。「坂下ってすぐそこ」です。
しかし、副都心とも言うべきノースシドニーのビジネス街至近という場所柄か、「エクスプレス・ビジネス・ランチ」などがフューチャーされてて、ビジネスランチ需要も見込んで、それなりのステイタス感もあり、お値段もそれなり。かといってツンとお澄まししているわけでもなく、あくまでもカジュアルな。この微妙なラインですね。
カフェというよりはレストランであり、夜はしっかり飲ませる店でもあるけど、日曜日のブランチにも対応し、キッズメニューも充実という、全天候型な対応。
それだけだったら紹介しないけど、肝心なのはメシが美味いという点です。
これは「PUMPKIN N QUINOA SALAD」で、mint,parsley,dressed with harissa aioli($14.5), +Chicken$4です。カボチャ・サラダですね。このキ(クィ)ノワという最近流行りの穀物が美味しかった。トビコとタピオカを足して二で割ったみたいなプチプチ感がGOODでした。ただ何となくあるだけのキノワもあるんだけど、ここのは存在感あって、その存在感が快感につながってて良かったです。
4ドル追加のチキンも、4ドルでこんなに?ってくらいあったし、炙り方が上手でしかもほんのりカレー風味がついててよく合ってました。この店、味付けが上手です。
”harissa aioli”ですけど、アイオリはイタリア風マヨネーズ(ガーリックとオリーブオイルと岩塩とレモンで作るんだっけな、美味です、Colesで売ってる)、Harrisaは知らなかったけど、もとはチェニジアの唐辛子ペースト。地中海のあっち側だから普通に西欧料理(特に対岸のフランス)に使われている。ま、ピリ辛マヨネーズですね。ただし、このサラダでは隠し味程度にしか使われておらず、全体に「なんだかよく分からないけど、とにかく美味しい」って感じに仕上がっていたのが良かったです。
次に、パイ。メニューに「バーガーとパイ」という項目があって、普通サンドイッチとバーガーなのに、そこまで書くなら「パイを食え」っていう店の主張なんだろうなあ、パイで22ドルもするけど、って頼んだら、正解。
ミートパイのようにパイ生地でパクっと食べるパイではなく、こういう陶器に入ってるやつは、日本人的には「グラタン」と言った方がイメージ近いですね。パスタが入ってないのでグラタンではないんだけど。でもって、冗談ばっか言ってる陽気なインド系のお兄ちゃんが、シーフード・パイといったのに間違えて「ビーフと赤ワイン」のを持ってきてくれたんだけど、こっちも何頼んだか忘れてて(いい加減な)、しばらく餓狼のように貪り食ったあと「あれ?シーフードじゃなかったっけ?」と気づくという。でも、怪我の功名というか、これが美味かったです。もうねー、クリーム分厚くこってりで、中のビーフがトロトロ感が美味しい。
で、ここまできたらデザートでしょうで頼んだのが、ワッフルとアイスクリームという普通の。これで14ドルもするのだけど、許せるのは、「ポーチド・ベリー」という、要するにラズベリージャムみたいなものなんだけど、これが絶妙だったのですね。ワッフルなんか出来合いのパキパキなやつなんだけど、これとアイスとラズベリーの調和が良かった。意外と食べでがあって、二人でシェアして丁度いいくらい。
Botanica Garden Cafe (Waverton)
61a Bay Rd, Waverton
WEB :
WEB(Facebook)
2014年09月発見。初稿時点での訪問回数2回。
「ボタニック・ガーデン」という名前で、一瞬、ドメイン(オペラハウスの裏手)にあるボタニックガーデンを連想して、「ああ、あそこね」とか早合点しがちなんですけど、全然違います。それに正確には「ボタニカ」です。
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場所はLower Northshoreで、Waverton駅。ノースシドニーのすぐ次の駅なんだけど、ノースラインってノースシドニーを過ぎるといきなり森林鉄道みたいになるのですよね。一番最初に乗った時ぶったまげたもんです。
この店もWaverton駅のド真ん前のあるのだけど、Wavertonという地味で閑静な土地柄で、全然「駅前」的な騒々しさとは無縁。メチャクチャ便利な立地にあるくせに、人も少ないし、車も停めやすいし、店舗敷地にドーンと巨木が生い茂ってるピクニックサイトのようなカフェもあるし。
このカフェの最大の長所は、どっかの緑豊かな公園とか裏山にいるみたいな、ヌケの良いアウトドアの空間感です。とりあえず気持ちいいです。もともとはナースリー(植物を売ってる店)だったらしい、道理で。
次に、単にアウトドアなだけではなく、ガーデン的な面白さがあります。それもマーケティング的に作りこんでいない普通っぽさがいい。
入り口正面の巨木のふもとには可愛いんだか気持ち悪いんだかの人形がWelcomeしてくれてたりして。
キャンプ場の管理棟みたいな佇まいの母屋、玄関先からブリキ製らしき翼の生えたブタのオブジェがぶら下がり、母屋の横の壁にはおよそ役に立たなそうなオブジェがまた下がっており、巨木の枝には空の鳥カゴ、、よく遊んでます。アンティークとガラクタの中間くらいのグッズが山盛りで、なんか幼稚園でメシ食ってるみたいな感じ。
またかなり敷地(奥行き)が広く、前庭の野外テーブルの奥には、ガラス張りの温室みたいな一角があり、さらにその上に小さな噴水のあるスペースがあり、さらにその上には、、と続くので、かなり人が入っているんだけど、混雑感はないです。
カフェってテーブル間が狭くてキツキツなところも多いんですけど、ゆったりのんびりカプチーノでも飲んで読書したりしたい人には向いてます。一人で入っても全然違和感ないし。
で、肝心な料理ですが、まずコーヒーはOKです。濃い目が好きな僕にはちょい物足りないけど、あまりキツいのはってカミさんにはジャストでした。マイルドだけど薄くはないという。最近この系が多いですね。
上はシグニチャーとメニューに書いてあるこの店オリジナルのステーキ・サンドイッチ。
ナイフがドーンと突き刺さって出てきますが、結局このナイフ、最初に二分割するとき以外には使いませんでした。
かなり大きめサイズのパンと全く同サイズくらいの大きなステーキがドンと入ってるんだけど、でもナイフ要りません。全部歯で噛み切れました。それも苦労してではなく、余裕ですっと噛みきれた。
なるほどシグニチャーねって思うくらい印象的な一品ですが、お腹いっぱいになります。晩飯いららないじゃないかってくらい。ただ、やや脂身あるかなって思うので、淡白系が好きだったら別のものを。
二回目に行った時に食べたワイルドライスのリゾット。ワイルドライス、最近よく見ますね。Wikiで調べると、
北米大陸の近縁種(Z. aquatica、アメリカマコモ)の種子は古くから穀物として食用とされており、今日もワイルドライス(Wild rice)の名で利用されている。
ワイルドライスの生育圏はオジブワ族やメノミニー族など、五大湖地方のアメリカ・インディアンの部族それぞれによって縄張りがあり、彼らの保留地(Reservation)で栽培されるワイルドライスは近年、スローフード運動の一環としても注目され、商品化もされている
(出典)
ということですが、まあ、でも良く分かりませんね。食べたほうが早いですね。
日本で言えば五穀米とか古代米にちょっと似た、色がやや黒っぽくて味が濃い感じのお米です。これはリゾットだから特に柔らかいけど、先日ネパール料理で食べたワイルドライスも柔らかく仕上げてました。ズシッとしたお粥みたいな感じ。
で、この一品ですが、いい味がつけてありました。美味しいです。
その上に大ぶりのエビが4尾ついてます。しかもこれ、炉端焼きみたいに綺麗に炙ってあって、頭から尻尾まで全部パリパリ食べられます。その炙った焦げ味がまた、日本人にはたまらないという(^^)。日本のどっか地方リゾートの、オーガニック系やマクロビ系の店で出してても不思議ではないって感じの味です。
上はノーマルにキッシュを食べたんだけど、これが出来合いを買ってきて切って出してるというわけではなく、おそらくは完全自家製で、しかも熱々で、ほこほこしてて、初めてキッシュを美味しいと思った。
キッシュは、普通冷えた状態で売ってて、なんか冷えて固くなった茶碗蒸しみたいで、イマイチうれしくなかったんですけど、これ食べて「なるほど、こういう食い物だったのか」と思いました。スクランブルエッグをもう少し味の奥行き深くして、ぎゅっと密度を濃くして、、って感じです。
ということで、アウトセットといい、料理といい、けっこうおすすめのカフェです。
上の3品はメニューの中でもやや高いもので、ステーキサンドが17.5ドル、リゾット22ドル、キッシュ14ドルです。でもこの値段でこの質だったら安いと思うよ。最近カフェでも一品30ドルくらいのものも出てきてるし。もっと手軽なサワードウだけ5ドルとか、卵料理+サワードウ8.5ドルとかもありました。
でも、次は、隣の人がトライしていた、理科の実験のようなコーヒー〜ベトナム風ドリップコーヒーらしく、甘いコンデンスミルクと氷の上にコーピーをドリップさせていくというのに挑戦してみたいなと。
スタッフは、なぜかフレンドリーなアジア系のお兄さんお姉さんが多かったです。オーナーさんらしき人?は、ちょい違ってるような、どこだろうな、ラテン入ってるかな、中南米?まあ、どこでもいいや。少なくともノースにありがちな100%全員白人って感じではないので、日本人でもやや取っ付き易いかな。場所柄、客の白人率は高いけど。
ANVIL COFFE CO (Kirribilli本店 Artarmon店もある)
WEB :
WEB
Kirribilli Commutter Wharf, Holbrook Ave, Kirribilli NSW 2061
17 Dickson St Artarmon
(Artarmon店 〜駅前ではなく自動車工場が密集しているあたりにある)
2015年03月発見。初稿時点での訪問回数2回。
2016年5月追記:知らない間にAnvilがAxilに名前を変え、しかしこの頃はまだクオリティも良かったが、先日まだCelsiusに名前が変わっているのを発見。今度は味も致命的に変わりました。もうダメぽです。場所はいいだけに惜しいです。2年間にこれだけ転々と売買され、変わる度に質が落ちるという。うーん。
また変わるかもしれないから、一応残しておきます。コーヒー(美味しくないが)飲むだけだったら、眺めが良い分まだ傷は浅いし、次に転売されたときに質が上がるかもしれないし。
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ここはとにかく場所がユニークです。キリビリのフェリー乗り場(まずこれが異様にわかりにくいのだが)です。フェリー乗り場「付近」ではなく、モロにフェリー乗り場です。「え、そんなところに?」と僕も実際に行くまでイメージできなかったのですけど、駅でいえば駅舎みたいなところ(昔は売店があったらしい)にあります。海の上の木材組み上げてって桟橋がちょっと広くなってるくらいの感じ。
まずキリビリの住宅街を抜けて奥の方まで行きます。すると住宅と住宅の間の小道のところにファリー乗り場のサインが。
この小道を入ると、なだらかな細い下り坂が。
行き着くところがフェリー乗り場なのですが、ココにあります。
フェリー乗り場の桟橋側からみると、こんな感じ。だ、大丈夫か?ってな感じで海の上にあります。
これがお店の入り口、手前には広いテーブルがあるけど、二人くらいでいくなら奥の方の小さなテーブルが眺望が良くてオススメです。
どのくらい眺めが良いかというと、目の前にフェリーが発着するのもこんな感じに見えます。やあ、海の風景はいつ見てもいいですよね。自分自身が船に乗ってるみたいな視界になります。
しかし眺望が良くてもメシが不味かったら意味がないのですが、ココ、ちゃんと美味しいです。てか、すごく美味しい。コーヒーはちゃんと出来ているし、ランチメニューも数は少ないんだけど、それぞれに美味しい。
どうも季節によってメニューを変えているのか、WEBのメニューと照らしあわせてもなかなかよくわかりません。記憶だけで書くので間違ってたらゴメンだけど、↓これはフレーク状になっている肉が美味しかったですね。
↓これはパンに塗ってあるオニオンジャムがえらく美味かったのを覚えてます。すごいアクセントになってて。
↓ぱっと見どってことないようだけど、この半分潰したグリーン豆がやたら美味かった。大した量のように思えず、最初は「え、これだけ」とかどれも思うのだけど、食べ終わると不思議と満腹になっている。
↓これはチーズバーガーなんだけど、ぱっと見には小さいようだけど、ハンバーグがすごい分厚い。僕が自分で作るハンバーグのようで、肉の味付けが良く、肉肉してなくて、すっと食べられる。これはメニューでも明らかだから書いておくと「Prime beef mince, house relish, onion jam, mild American mustard and aged Maffra cheddar cheese on a brioche bun」です。14ドル。メニューを見ても、チーズは一品ごとに全部変えていて、例えば、manchego cheese、pecorino romanなど、、、って言われても不勉強で違いなんか分からないんですけど(てかそれがチーズの名前であるかどうかすら分からん)。
ということで、眺望と味が一体化しててオススメです。
留学・ワーホリなど短期滞在組へのサジェスチョンとしては、日本から来た家族やデートに使える。サーキュラーキーからフェリー乗って、キリビリで降りて、降りたところがカフェですからね。迷わないよ。マンリーフェリーはよく乗るだろうけど、こういうドローカルなフェリーはそんなに乗る機会ないし、面白いですよ。
キリビリ店は年中無休だけど、でもカフェの属性として閉まるのが早い。ここも午後3時には閉まってしまうので注意です(朝は7時からやってるけど)。
フェリーは「Route F5 Neutral Bay」で、30分に一本でてる。サーキュラーキーの次の波止場で、所要時間7分。ここで食べたあとは、ゆるゆると古い建物の多い(雰囲気良し)キリビリを散策し(地図やGPSがあると良い)、首相官邸の前を通り、ハーバーブリッジのたもとについてきゃーと歓声をあげさせ、橋の下を散策し、さらにMilsons Pt駅手前(橋の東側、駅の南側)にある階段をあがっていくと、そのままハーバーブリッジを徒歩で渡れます。ゆっくりやって所要時間3時間くらいのコースですので、デートや”観光接待”によろしいかと。
Artarmon店もあるのですが、あの自動車整備工場が密集しているところで、駅から歩くくらいならPacific HWYをいくバスから降りて行ったほうが楽です。てか、別にそこに行くくらいならキリビリのほうがいいです。あれはその周辺で働いている人らのためのものだと思います。やはりオージーもわかるのか、出来るやいなや満員盛況で、すぐ売り切れてた。
Crows Nest周辺
Not Bread Alone(Crows Nest)
Shop 2, 376 Pacific Highway,Crows Nest 2065
Phone: 9966 9788
WEB :
WEB
最終"健在"確認:2014年08月末
パシフィックハイウェイからちょっと入ったところにあり、ほぼ全席テラスという入りやすい、感じのいい店です。コーヒーもちゃんと美味しいし、スペシャルの中にときどきクリーンヒットが出るのですね。パスタやリゾットなどイタリア系も多く、「本日のパスタ」なんてのもあります。デザートなんかも、とても美味しい一品があったりします。
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ただし、バーガーとかは普通だったり、シェフが日によって違うのでしょうか、モノによって日によって当たりハズレがあるんですよね。いっとき足繁く通ってたこともあったのですが、思いっきりハズレに当たってしばらく足が遠のいてました。また、久しぶりに入ると、「うん、まあ、結構いいじゃん」という気になったり。総じて言うとサンドイッチやバーガー類は普通で、パスタ系が良いです。特にラビオリは美味しい。また10ドル以上するのでビビるけど、デザートは美味しいです。デザートだけ食べに行ってもいいくらい。デザートは量が多いので二人で一品シェアで良し。
ただ、席もゆったりしていますし、ノースでそれなりのレベルのカフェランチを楽しんでのんびりしたかったらオススメです。
またよく働く店で、年中無休で夜もやってます(ただしさすがに日曜のディナーはお休みです=それでも5時までやってるけど)。
2014年09月追記:その後もコンスタントに行き続けてます。
サンドイッチやバーガー系のいわゆるカフェ系のメシよりも、お店のオススメのニョッキやラビオリなどイタリア料理系が美味しい。ソースが良く出来ていて、ノースのイタリア系だったら結局ここがベスト(それとLane CoveのVia Napoliのピザかな)。
上はニョッキです。”gnocchi”って書くから、ブランドの「グッチ」みたいね。ジャガイモと小麦粉をコネてつくった古代ローマからの古い料理。粉をコネて茹でて食べるという古くからの料理という意味では、長野県名産「ほうとう」みたいな感じ。郷土料理の一種なんでしょう。ここのニョッキも「自家製」をうたってます。むにゅむにゅした弾力のある触感が美味しい。弾力がないとグニグニして美味しくないんだけど。
やっぱデザートも良く出来てます。右の写真はアップルクランブルなんだけど、これにルパーブが入ってます。ルパーブって、日本にはない、「真っ赤なフキ or ゴボウ」みたいな、どう食べたらいいのか見当がつかない代物なのですが、こう食べるのね、という。"rhubarb and apple crumble"です。 一見小さそうだけど、二人で一つをシェアするくらいでちょうどいいっす。
Bean Drinking (Crows Nest)
Shop 1, 13 Ernest Place, Crows Nest NSW 2065
WEB、
Facebook
2011年〜2015年
この店は昔から有名なので敢えて書くまでもないということと、ランチがそんなに充実してなかった記憶があるので載せていませんでした。が、最近、いつの間にかランチが充実してて良いことを発見したので載せます。
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コーヒーは有名なだけあって美味しいです。が、そーんなに言うほどか?というと、そこは好みでしょう。
アジア系の若い子を積極的に雇ってて(行く度にわりと顔ぶれが違うんだけど)、それは別に結構なことなんだけど、先日、「これ練習用じゃないの?」ってのが出てきたりして、必ずしもベストが常に出てくるってもんではないなってのがネガ点。NewtownのCamposみたいに、20回以上行って一回も外れがないって水準維持ではないかな〜?って疑いはあります。
で、ランチですけど、そんなに品数は多くはないんだけど、素材もいいし、手間暇もかけてて美味しいです。
↑へえ?と思ったのは”JAFFLES"。「なにそれ?」と思ったら、日本でいう「ホットサンド(トースト)」ですね。三角形で袋とじになってるやつです。中身がわからないけど、これは”sun dried tomato, mozzarella, lemon and dill mayo"で、モッツァレラチーズがやたら美味かったです。
↑これは見たまんまでチョリゾのピリ辛ソーセージと、メニューによると"65度エッグ”(半熟卵ね)、アボガドなですが、ひとつひとつが良いもの使ってるみたいで、満足感ありです。
↑これはサンドイッチなんだけど、中身が見えなくて悪いんだけどメニューによると” chicken breast, prosciutto, avocado, fresh tomato, lemon and dill mayo, wild roquette ”です。
↑なんのスープだったかな〜。レンティルだったかな。温まってよかったです。
いずれもちょっとしか無いようでありながら、食べると結構満足感があって、腹持ちもいいです。「ああ、これならいいじゃん」って。
The PORCH (Crows Nest)
72A Willoughby Road, Crows Nest NSW 2065
WEB :
WEB
2014年10月発見〜15年05月まで頻繁に訪問---だったのだが...↓
2015年07月追記:今日(17日)訪れたら、なにやら雰囲気がちょい変わって、人も違ってて。聞いてみたらオーナーチェンジしたらしい。Oh My God!もうかよ!?という。いやもう、シドニーの店関係の転変の激しさはすごいですね。お店紹介なんかやめようかなって思うくらいで。
で、どう変わったかですが、コーヒーはまあまあイケます。が、食事がね〜、メニューはそのままだし、それなりに頑張ってはいるんだけど、これまであったようなプラスアルファのミラクル成分が無くなってました。偏差値50は超えますけど、以前のような「感動」はないですね。まだ始まったばかりなので即断は出来ないんだろうけど、下記のJamie'sでも書いたけど、同じような食材で同じメニューを作っても「こうも違うか」って思います。料理ってほんと不思議。
Crows NestのメインストリートであるWilloghby Rd商店街の真ん中あたりにあります。公園とコミュニティセンターと教会のお向かいくらい。
なにげに入ってところですが、コーヒーが美味いのは当然のこととして、メシが美味いです。都合7-8回くらい行ってますが、ハズしたことはないです。ちょいこだわりがあって、ひねってて、で、美味しい。
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ここのカフェは、いつもいるマスターのおじさんが中々のキャラで、ロマンスグレーのいかにもモテそうなナイスな親父さんなんですけど、ちょい中東地中海風な。その昔、レバノンとか中東のパリとか言われてセンスのいいリゾート地として栄えてたことがあるらしいのですが、よう知らないながらもそんな感じがする。明るくて大らかで、なんかしら海の感じがして、でもアホでもガサツでもなくて、センスがよくてって。ま、思いすごしかもしれないけど。
↓内装にも凝ってて、一面の壁画はアーティストに描いてもらったらしい(とマスターは語っていた)。結構な費用かかったと思うんだけど。
今週の一枚エッセイの写真でも軽く紹介したように、面白い看板とか並べてます。
でも中東の影響というのはメニューみててもあります。
例えば、"ARABIC SCRAMBLED EGG"(アラビア風スクランブルエッグ)とか、”SHAWARMA”(シャワルマ)は日本には全然紹介されてないけど、世界的には有名な一品(ググってみたらわかる)、 ケバブみたいな感じだけど。下の写真は、”Shakshouka"(シャクシュカ)で、言うならば「トマトソースの卵とじ」ですが、ここのはトルコソーセージにデンマーク・フェッタチーズが入ってました。
この種のトルコ、レバノン、アラビック系の傾向のあるカフェというのが、実はシドニーに多いし、センスいいですよ。ターキッシュブレッドなんかもう普通にどこにでも広まってるし。まあ、世界史最大に栄えたオスマン・トルコ流なんだろうから、悪いはずがないんだけど。
下は、これも
今週の一枚エッセイの写真で書いたように、ケールの入ったオムレツ(アーモンドスライス乗せ)が良かったです。メニューでは”SUPERFOOD OMELETTE/with wilted kale, almonds, goji berries & organic chicken"だそうで。ここでケールを入れるのがアイディアですね。ケールって、日本では中々売ってないけど、こっちでは普通に売ってます。青汁のもとになる栄養の王様みたいな言われ方をしますが、苦味があって食べにくいんですよね。そこはほんと青汁的。だから料理法に苦慮するんだけど、なるほどオムレツにいれるのか?と。もっとも単に入れてるだけではなく、あれこれ手の込んだことしてるみたいです。おいしかったですよ。ケールの苦味がほとんど消えてて。
↓えーと、これは多分、” PORCH-ED EGGS/with smoked salmon or black forest ham on croissants, avocado velvet, saffron poached eggs, chilli tomato salsa & blood orange hollandaise) で、イイお値段なんだけど、芸が細かい。ポーチドエッグもサフランハニーを入れたり、ホーレンダイスソースにブラッド・オレンジ使うとか。ま、細かな能書きはどうでもいいんだけど、単純に美味かったです。
↓これは普通のカフェバーガーですが、「普通」じゃないか。バーガーって、マクドナルドみたいなものだけ考えてると大ハズレですからね〜。「丸いパンで挟んでる」くらいの感じというか、全然挟んでないのもバーガーって呼んでるのもあるし、実際にカフェで見るのは千差万別。これは日本料理における「ゴハンに魚を乗っける=寿司」くらいのアバウトな概念、あるいは「丼もの」くらいの感じです。
ここの弱点はスィーツが乏しいことです。メインのランチを食べ終わった後に、ちょっと食べたいなというケーキ類が少ないのですよね〜。だから、メインレベルのものを食べるしかないんだけど、これが美味しい。メシ代わりになるくらいボリュームも栄養もある感じ。甘いものも欲しかったら、二人でいって、一人がセイバリー(甘味がなくゴハンになる、とかいう意味)のものを頼み、もう一人が下の甘めのものを頼んでシェアするといいです。
↓下は、CRUNCHY BRIOCHE FRENCH TOASTで、フレンチトーストにブリオッシュ・パンを使い(これブリオッシュなんかな、いまいちその概念がつかめない)、且つマスカルポーネをつけてくれているのがうれしい。
メニューに探しきらなかったんだけどパンケーキで、これも良かった。
Jamies Kitchen (Crows Nest)
114 Willoughby Rd, Crows Nest
2014年09月新規追加。
CrowsNestの商店街(Willoughby Rd)にある、ごく普通のローカルのカフェ。
去年くらいまでは"Cafezien"って店だったらしいのだが(Googel Mapでは未だにそう)。
でも、名前が”Jamie's"だから、ネットで調べても、有名人シェフJamie OliverがシティでやってるJamie's Italianが出てきてしまうのですよね。中々認知されにくいという可哀想な立ち位置にいます。
★2015年03月追記:つい先日のことですが、スタッフが総入れ替えになってました。店名もメニューも食材も何も変わってないんだけど顔ぶれだけが変わって、「?」と思ってたのですが、どうも売ってしまったようですね。
で、味、落ちました。いや食材とかは同じだし作り方も同じなんだろうけど、腕が違うというか、気合が違うというか。同じサンドイッチでも「こうも違うか?」というくらい変わるもので、それにびっくりしました。
こちらのしっかりしたサンドイッチは、その場で中身を調理をして、ほぼ同時に焼きあがってくるパン(ターキッシュブレッドなど各種)に正確に盛り込んでいって作るので、そのタイミングがズレたり、盛り込みが甘いと、もうとっ散らかった感じになります。前の料理人は上手かったのですね〜。いなくなって初めてわかるというか。
多分店を購入してまだ間がないので不慣れなのかもしれず、したがってimproveする可能性も無いとはいえず、食材や値段は前と同じなので一応「経過観察」で残しておきます。
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なにが良いというか、普通に良いカフェなんですよね。コーヒーは外してないし、何を頼んでも満足しうるレベルのものが出てくるという安定感がある。わざわざバス電車乗り継いでまで食べに来なくてもいいけど、近所にこういうカフェがあってほしいというローカルのための良店。ちょっとランチとかいうときに、「とりあえずココに行っておけば間違いはない」って店は、ほんと重宝しますから。
で、サンドイッチ等を作るところが見れるのですが、見てるとなかなか丁寧な仕事ぶりだし、ジュースなんかもトロいわけではなく、時間かけてちゃんと作ってるし、手抜きがなくて良いのですね。なんとなく衝動的にFish & Chipsが食べたくなって頼んだんだけど、衣が竜田揚げみたいになってて、さくさくして美味しかったし。
でも、何かが凄いって特筆モノや飛び道具はあんまりないです。メニューは結構豊富だったように思うけど、シグニチャーの一品があるのかどうかもわからない。自前のWEBも持ってないし、なんか「普通」「地味」をテーマにしてるかのような、真面目に仕事することしか考えてないんじゃないか、マーケティングとかあんまり考えないんじゃないかって感じなんですよね。
だって、そうでなかったら"Jamies"なんて、Google検索したらカブるに決まってる店名にするはずないと思うのですよ。でも、その考えてない感というか、不器用な感じが、故郷の町の昔からある美味しい蕎麦屋さんみたいで、好感持てるのでした。珍しい店ではなく、普通に頑張ってくれている良店を紹介しようかと思った次第です。
SPROUT WHOLEFOOD (Crows Nest〜Narrenburn)
272-274 Willoughby Rd, Naremburn
WEB :
WEB
2014年09月発見。
Crows NestのメインストリートであるWilloghby Rdをどんどん真っ直ぐいって、高速道路の陸橋にでるちょっと(100メートルほど)手前のあたり。土地勘ある人は上の写真を見ればわかると思うけど、トンガリ屋根の教会のもうちょい行ったところね。
店名になっている「スプラウト」=「発芽」って意味ですね。「もやし」を英語でいえば"Bean Sprout(豆の発芽)で要するに若芽一般の総称。カイワレ大根なんかもそうでしょう。芽キャベツも、天麩羅にすると美味しいタラの芽なんかもスプラウトなのでしょう。
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オーガニック系に特化したカフェで、オーガニックの食品(野菜も)店も併設されてます。
行った時は、これも土地柄か、有閑マダムじゃなくて有閑ママ友の巣みたいになってました。それもオーガニックなどに関心ありげの"意識高め"の。
このあたりちょっと面白なって思うのですけど、同じオーガニック食意識でも、ノースのそれとエンモアなどインナーウェストあたりのそれとは微妙にアプローチに違いがあるような気がして。多少値段は高くても良いものをって経済的に解決するアプローチと、ライフスタイルそのものまで組み替えていこうというアプローチと。こんなの人それぞれなんだけど、ビジネス的 or 社会学的に面白な〜って。
そのあたりの客層に受けているのか、周囲の他の店がわりと閑古鳥っぽかったんだけど、この店だけやたら混んでました。また、ママ友フレンドリーというか、奥の方にはゆったりしたガーデン的なエリアもあるようで。
店内のインテリアは、アート系でも自然系でもない、普通系。いや綺麗だしニート&タイディなんですけど、なんか新築の校舎の教室みたいな感じで。あんま印象に残ってないなあ。
さて、上の一品はメニュー(サイトにある)によると「Green Bowl」です。「緑の鉢」「グリーン丼」とでも訳しましょうか。内容は、"quinoa, seasonal steamed green vegetables, sprout super green pesto, topped with an organic poached egg"に追加で"shredded organic poached chicken breast"をつけたもの。
まずはキノワ、最近よく見かけますね〜。プチプチして美味しい。季節の青物野菜の蒸したもの。ペスト(pesto)はバジルをすりつぶしたソース、別名「パジリコ」。最後のスペル"o"を抜かすと"pest"=害虫獣、病気になっちゃうので気をつけること。それが「スーパーグリーン」なのですね。何がスーパーなのか分からないけど。それにオーガニック卵のポーチドエッグ。さらにオプションで、オーガニックチキン(胸肉)をポーチしたものを細かく割いたもの(シュレッダーね)。
Miso Smoked Trout Bowlというやつで、”antibiotic free smoked ocean trout,brown rice,kale, avocado, shallots, black sesame,nori and miso dressing”です。
これがオーシャントラウト(海でとれる鱒、一見鮭と見分けがつかないような大きなマス)の燻製なんだけど、普通のマスではなく、養殖で抗生物質を与えていませんと。それに玄米、ケール、アボガト、ネギ、黒ゴマ、海苔と味噌ドレッシング。和風です。マスも味噌味になっているとのこと。
お味はどうかというと、いずれもあっさり風味の精進料理みたいな感じで、ああ野菜食べたいな、ヘルシーぽいもの食べたいなって向きにはオススメです。味もそんなに悪くはなかったけど、凄い美味しい!ってほどでもないかな。味噌味のマスも味噌味なのかなあ?って薄めだし、シュレッドされていたチキンも淡白すぎて、どこにあるの?って感じで。
個人的にはちょい物足りなかったけど、カミさんは満足だったみたい。そのあたりは本当にお好みです。
でも、いちいちオーガニックとかアンチバイオテックとかネーミングにあって、それはそうなんだろうけど、大事なことなんだろうけど、ちょいクドい気もしたりして(^^)。
Chatswood周辺
In Season(Chatswood)
168 Victoria Ave, Chatswood
WEB(Facebook)
2013年発見、初稿時点での訪問回数3回。ここもコンスタントに行ってます。安定してるし。ただ、ちょっと前まで白人だけだったのが、ここ1年くらいアジア人や日本人をよく見かけるようになりました。最終健在確認は2014年07月。
Chatswoodの目抜き通りであるVictoria Ave沿いにあるが、駅からは結構歩く。RTAよりももっと先。
Chatswoodは「北のチャイナタウン」であり、やたらアジア人だらけなんだけど、ここまで来ると白くなってきます。特にこの店は”真っ白”に近く、白人系のオージーばっかりです。それもオバサマが多い。開店して1-2年くらいの筈ですが(Google Viewにはまだ載ってない)、やたら人気です。
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でも、それも分かるわってくらい、今のところノースのカフェでは最強ではなかろうか。いや、そんなに多くを知ってるわけではないのですが、それでも紹介したいなと思うのは10軒中1軒もないから、やっぱこの店は抜きん出ているように思います。Balmain とかNewtownに遜色ないです。
何が良いのか説明に困るのですが、まあ、素材や料理法にこだわりと気合が感じられることでしょうか。名前からして「旬のもの(in season)」ですし、店内に陳列されているタスマニアの農家ブランドのチャツネとか、地元アーティストの瀬戸物とか、こだわってます。
単にこだわってるだけだったら自己満足なんだろうけど、実際に美味しい。そして、大事なのは「楽しい」。「へえ、こんな食べ物があったのか?こうすると美味しいんだ」という新たな発見があって、食べる楽しさを教えてくれるような店が好きなのですが、この店も教えてくれます。
例えば、上の写真はチキンバーガーなのですが、付け合せがKipflerというジャガイモとサツマイモの中間みたいなホコホコ美味しい小ぶりのポテトであり、真っ赤なソースはチャツネであるとか。ちょっとヒネってて、ひねってる分だけ新鮮で、美味しいのが気に入ってます。
Raffi's Cafe (Willoughby〜Chatswood)
104 Victoria Ave (cnr Penshurst), CHATSWOOD NSW 2067
Booking Ph: (02) 9417 2388
WEB :
WEB
2013年03月追加・最終健在確認2014年09月
上の"In Season"から(Chatswood駅を背にして)さらにトコトコ5分ばかり歩いて、Penshurst Stとの交差点あたりにあるカフェ。
"Middle Eastern Inspired"と銘打ってるだけあって、中東系カフェ。「中東系カフェ?なんじゃそりゃ?」と思われるかもしれませんが(僕も最初はそう思った)、意外と多いですし、意外と美味しいです。
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トルコ、レバノン、さらにペルシャ系、、その昔は全部ひっくるめてオスマン・トルコだったし、世界三大料理のトルコ料理もあるんだから(=シルクロードの東西の結節点で、紀元前から常に大帝国があったエリアだからメシが不味いわけがない)、「意外に」なんて大ボケ言ってたら我が身の不明を恥じねばなりません。
Chatswoodはチャイナタウンと化してますが、おとなりのウィロビーは昔からペルシャ系の街です。レバニーズスーパーマーケットとペルシャ・スーパーが軒を並べてますから。だから、Rafffi'sがこのエリアで中東系をうたっていても、当然すぎるほど当然。
さて、この店ですが、いいです。
インテリアも、なにげに凝ってるし、、、てか「なにげに」じゃないよな、なにやら骨董品屋のなかでメシ食ってみたいだわ、テーブルの大きさがめちゃくちゃ不揃いだわで結構トリッキーなんだけど、でも妙に落ち着くんですよね。微妙に薄暗い感じも、親戚のおばちゃんちで食べてるような懐かしい感じがあるし。
あと、スタッフもおしなべてフレンドリーだし、店主らしきおっちゃんの大らかというか、いい加減な感じも。先のクリスマスも全部営業します!と宣言しつつも、年が明けたらいきなり大連休を取り、しかも営業の再開の日にいったら再開してないという。もう、自分ら家族のホリデー予定とまんまリンクしすぎっていうか、営業再開しなかったのも、多分楽しいから延泊したのかなって思っちゃうくらいで。
そして肝心な味ですが、美味しいです。ただし、その美味しさはとっつきにくいかもしれないです。
多分コンセプトは「しっかり作った家庭料理」って感じだと思うのです。
それだけに「媚び」が少ない。日本料理でいえばカルフォルニアロール的な部分が少なく、紀州の梅干と切干大根と里芋の煮っころがしみたいな感じで、異民族に媚びてない。それだけにとっつきにくい。
中東系の料理は、そんなに何を語れるというほど知らないのですけど、乏しい僕の経験で言えば、独特の酸味と苦味があります。ハーブやスパイス、さらによく使われるヨーグルトやレモンジュースの関係かなって思うのだけど。酸味と苦味のある食べ物は、大体において「深み」もあります。
それがわかれば「美味しい!」って思うのだけど、ケチャップ味や化学調味料みたいなわかりやすさはないです。同じ中東系でもケバブはわりとポップな味だからとっつきやすいけど、ハマスやタボーリはちょっと分かりにくい。お子ちゃま向けではない。
ハマスは、ものの本によると、ひよこ豆(chickpea)とガーリック、オリーブオイル、そしてタヒニ(練りゴマペースト、中国にいくと芝麻醤になる)とレモンジュースで作るらしいのですが、要するに「中東風きんとん」みたいなものです。しょぼいハマスは酸っぱいだけって感じだけど、美味しいハマスは本当に豆の美味しさが残ってます。そして、この店のハマスも美味しかったです。豆とか穀物系の美味しさは、華麗に天空を駆ける系ではなく、地に足がついてくる、ほこほこした感じ、家庭料理の美味しさだと思う。
あ、あとファラフェル(中東風の野菜コロッケみたいな、"腹減る”って覚えた)ですが、味がボケてて今イチ好きではなかったのですが、この店で食べて初めて美味しいと思いましたね。そうか、そうだったのかあ!という。
まあ、そんな話はどうでもいいんだろうけど、要するに普通のカフェの感じを期待していると外します(まあ、普通にサワドウとかエッグベネィディクトもあるんだけど、わざわざここまで行ってそれ食べるのもね)。むしろ、イスラムのおばちゃんちに招かれてご馳走になってる、くらいの感じでいくと吉、です。
だからメニューを見ても味の見当がいまいちわからないし、出てきたのを見て「おう、そう来ますか」という意外性がある。それが不快な人にはオススメしないけど、それが愉快に感じる人にはオススメします。僕は後者。だって、これまで知らなかった美味しさに出会うのは、すごい楽しいじゃん。なので、最初は「ほう?」「ふむ」と戸惑ったけど、勝手がわかれば、「今日はなんにしようかな〜」って楽しい店になりました。
もう10回以上行ってるはずなので(家も近いし)、あらかた食べたんですけど、なかなか覚えません。だから写真を適当にピックアップして掲示したものの、「これはですね」と説明できません。
あ、でも一番最後のカレーライスみたいなのは覚えています。これは「Fessenjoon」ですね。メニューの解説によると(HPにあります)、「braised chicken in pomegranite and walnut puree served with saffron and fresh dill rice」ということで、油で炒めてから蒸煮にした(braised)鶏肉でクルミとザクロのピューレーソースにはいってて(これはカレーみたいに見える、赤い小粒がザクロ)。ライスにはサフランとハーブのディル(金魚藻みたいな細いハーブで結構美味しい)が混ぜてあるという。ね、よく分からんでしょ。でも美味しかったですよ。
Upper Northshore方面
Tongue Teasers (Wahroonga)
18 Railway Ave、Wahroonga
2014年09月新規追加。
ワルーンガに行った時にたまたま見つけたお店。
Wahroongaって地味なエリアで、シドニー在住者でも知らないかもしれないけど、アッパーノースの、ChatswoodとHornsbyの間、Hornsbyの手前になぜか頭文字がWの駅が3連続であるのですね、Warrawee〜Wahroonga〜Waitara(アボリジニ系の名前のように思うけど)、その真中の駅。
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あのあたり好きなんですよね。ホーンスビーやChatswoodは、東京近郊でいえば町田や松戸みたいな感じがして普通にわかるんですけど、その途中の閑静な駅の佇まいが、緑が多くて、適当に賑わってんだけど、でもベーシックに(いい意味で)田舎っぽくて、なんか日本の観光地っぽい感じがして、妙に懐かしさに心が潤うのですね。ワルーンガも最初見た時に、「鬼怒川温泉」を連想しました。いや、全〜然違うだけど、妙に脳内に符合する。
ま、そんな超個人的な感覚はさておき、この店、カフェというよりも、ファインフードのデリカデッセンですね。
ワルーンガの店というと、
Pastadelliの方が圧倒的に有名だと思うし、実際ここでもコーヒーとラザニアとか食べたんですけど、うーん、まあ、普通な。お店の人は頑張ってるし、コーヒーもいい線いってるし、魅惑的な品揃えもいいし、人もメチャクチャ入ってるんだけど、でも、僕ら的には普通で。
その代わり、そのお向かいにあるこのデリに、なんか惹かれるものがあった。店名が洒落てるし、なんかピピとくるものがあって入って見た。とりあえずは甘いモノが食べたくてケーキをみたんだけど、ちょっとしかないんだけど、そのちょっとがどれも美味しそう。あ、ちゃんと選んでるぞと。でもって、お惣菜のようなコーナーを見ると、これもまたよく出来てる。で、やるじゃんって感じで、その日二杯目のハシゴ・コーヒーと、ストルーデルを頼んだら、ちゃんと美味しく、カミさんが春雨サラダみたいなものを買って帰ったら、これも当たりだったという。
要するに美味しいものを選んで揃えているという、食のブティックみたいなものです。デリってそういうもんだけど。センスや選球眼の勝負というか。地場でデリの小売店でやっていくのは、日本の路面店の乾物屋がやっていくようなもので、スーパーや量販店、コンビニ優勢の昨今なかなか難しい。それで何年も頑張ってる(5年前のレビューもあったし)んだから大したもんだと思ったのでした。
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