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2008.10/24初稿〜逐次改訂



世界経済の動向とオーストラリアへの留学、ワーホリについて



 もともと本稿は、2008年のリーマンショック当時、渡豪を考えている皆さんに対し関連するレベルで綴ったものです。以後、刻々と状況が変わり、変わるごとに補充を重ねて来ました。

 あれから時は流れて10年以上、結局、リーマンショックの問題構造(金融経済の暴走と世界的なバブル)はなんら改められてないし、いつまた同じことが繰り返されないとも限りません。このページも、リーマンショックが終わったらさっさと削除しようと思ったのですが、問題状況が全然変わらないので削除する機会を逸したままになってます。



 2008年9月、アメリカのサブプライムローン問題をきっかけに世界の金融に激震が走りました。それに続く世界経済不況(日本では「リーマン・ショック」と呼ばれている)によって、オーストラリア留学等についても影響がありました。円豪ドル相場が乱上下したし、倒産する学校や留学エージェントもあったし。

 その後、リーマンショックという一時的な影響は少なくなりましたが、それを引き金にして欧州、アメリカそして日本の経済情勢は不安定になったままです。そうかと思うと中国の成長も鈍化したり、それがまたフィードバックのようにヘロヘロな先進国の経済に鈍痛を与えたりもしています。これら情勢の展開に伴って改定しているうちに、最初は一時のトピック的なこのアーティクルも、だんだんと「世界経済と留学」という大風呂敷な話になってしまいました。

 そんな「世界経済」なんて大それたことを考えなければ留学は出来ないのか?といえば、いや、出来ます。ご心配なく!

 でも、知っておいた方が得です。なぜなら日本国内の就職状況ですら世界経済の影響を受けて激しい勢いで変わりつつあるからです。また「海外体験」「語学力」ということが、今まで以上に実際的な大きな意味を持つようになってきています。これまでは留学やワーホリというと、「ホリデー」という語感が示すようにどこかしら趣味的で遊興的なニュアンスがありましたが、今はもう「就活アイテム」「人生を組立てるツール」方向にシフトしています。

 1.何が起きているのか?世界経済危機とはなにか(←今ココ) 

 2.オーストラリアにおける影響
  2−1:語学学校や留学
  2−2:ワーホリや生活面
  2−3:永住権やビザ

 3.どう対処すべきか?
  3−1:とりあえず円高メリットをどう確保するか
  3−2:渡豪すべきか、いつすべきか 
  3−3:世界と日本のメガトレンドと将来のキャリア


1.何が起きたのか?世界経済危機とは何だったのか?


 以下に述べるのは、世界経済危機に関する一般的な説明であり、月日が経つにつれ”歴史的経過”でしかなくなっていきます。この際、順次事柄を正確に理解したい方のみ「続きを表示させる」をクリックして読み進んでください。

サブプライム・ショック(リーマンショック)

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不況の連鎖 第一次ドミノ倒し

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第二次ドミノ倒し

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第三次ドミノ倒し

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2012年の状況と震災後の日本 (2012年記)

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2013-14年の状況

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2017年以降の状況

 2008年のリーマンショックの影響は、10年経過した現在においても尚も続いていると思います。というか、結局対処できないままその場しのぎの対症療法(金融緩和)を続けているうちに世界的にバブルが膨れ上がって、もうどうしようもなくなっているという状態だと僕は思います。

 そのメカニズムを簡単に言えば、金融崩壊しそうだから緊急輸血的市場に大量のお金が流れ込んだ→その資金を「有利に運用」する世界の金融ファンドらが必死に投資先を探した→実体が伸びてなくても「上がりそう」という投機と思惑だけで投資が集中し、集中するから実際にも値が上がるということで、実体と相場とがどんどん遊離していったということです。

 結果として世界の超金持ちは投資リターンで益々裕福になったのだが一般市民は置いてけぼりを食らったままなので、どんどん格差が広がった。実際、アメリカの市民は、リストラやホームレス、フードスタンプ(食糧配給)、新卒者の奨学金地獄、デトロイトなどの破産自治体など決して好調であるわけないのに、株式は史上最高値を更新とか言ってますよね。日本でも「いざなぎ」景気を超えた、バブルを超えた、企業業績は最高とかいってますが、皆さんの実感はどうでしょうか?経済上の数値と、実体とがかけ離れてきて、もう定着している。実体の裏付けのない資産(株や不動産)価値の上昇=バブルですが、もうここまできたら今さら止められないって感じじゃないかと思います。

 それに加えて、リーマンショックとはまた別の、もっともっと根本的で長期的な問題が露呈してきています。
(1)少子高齢化
 これは日本だけではなく先進国どこも同じです。多くの若い人達で少ない高齢者を支える原理でやっていたのが、人数が逆転すればコケるのは当然。医療、福祉、年金などこれから膨大にお金がかかるから、帳尻を合わせるために国もせっせと増税やら支給減少やらしますが、それがまた景気を悪くするという悪循環。昔から分かってたことですけど、昔はまだ先の話と知らんぷりできたけど、もうそれも出来なくなってきた。

(2)先進国の沈下
 そもそもなんで先進国が先進してられたのかといえば、植民地時代の搾取の蓄積、戦後の人口爆発の人口ボーナス、科学技術商業の先進性ですが、今はいずれも賞味期限切れになってきてます。それに代わって、中国インドその他の国々が追いかけてきています。

(3)科学技術とグローバリズムが墓穴を掘っている点
 今の先進技術は、ITやグローバル化ですが、これもやればやるほど、自国の産業は空洞化し、AIやロボットで職は減るという、先進すればするほど一般市民にとばっちりが来る矛盾

(4)政治の迷走
 人々はこの閉塞状況の不満を政治にぶつけるのですが、政治とて解決案があるわけでもない、でも支持率は取らないといけないで、人気取りのポピュリズムに走ったり、戦争有事を演出して話題そらしを図ったり、ダッチロール化していきます。マスコミもネットの影響で食えなくなっているから、政治による利権保護を頼みに劣化します。

 とまあ、暗くなるような話なのですが、だからこの10-20年、世界の感度のいい連中は、脱資本主義、貨幣経済ということで新しいフレームを構築しようとしているのでしょう。こと日本経済に話を限定すれば、今や世界で儲かるのは経済的に伸びている発展途上エリアで頑張ることでしょう。日本企業も海外では頑張ってるところも多いですしね。

 もうひとつは、2015年あたりから顕著になりましたが、豊かになってきた途上国の皆さんが海外旅行(日本旅行)を楽しもうという日本人が昔やってたことをやりだしたので、訪問外国人が爆発的に増えていることです。これから先、日本国内で一番伸びていくのはこのエリアじゃないかなと思います。

(グラフは【2017年】日本の旅行収支・訪日外国人数推移をグラフ化(1996年〜)という記事からキャプってたもの。

 ということで、今どきワーホリや留学をやるメリットとしては、英語や外国人慣れを武器にして、これから伸びていく外国人訪問者市場で活躍することじゃないかと思います。



→次(2.オーストラリアにおける影響)へいく

 1.何が起きたのか?世界経済危機とはなんだったのか(←今ココ) 

 2.オーストラリアにおける影響
  2−1:語学学校や留学
  2−2:ワーホリや生活面
  2−3:永住権やビザ

 3.どう対処すべきか?
  3−1:為替の変動にどう対応すべきか
  3−2:渡豪すべきか、いつすべきか
  3−3:世界と日本のメガトレンドと将来のキャリア

参考 
オーストラリア留学/ワーホリ/移住の新しい局面/時代が変わった


ESSAY 627/∪−6失業率 〜今どきの「失業率」について思うこと
ESSAY 628/デトロイト市の破綻〜問題は破綻云々ではなく「その次」である
ESSAY 656:「今このあたり」の歴史GPS感覚
Essay 679:「貨幣」いらないかも論 〜 ケニアのm-Pesaシステム
Essay 683:第三次世界大戦の二重絵 〜「とばっちり」に気をつけて
Essay 684:シェアリング経済とミクロ起業家の時代(1)
Essay 685:シェアリング経済とミクロ起業家の時代(2)
ESSAY 440/不思議な日本の不況〜本当に不況なの?なんでそうなの?
ESSAY 441/不思議な日本の不況(2)〜いわゆる「日本はもうダメだ」論の検証。ホントに?
ESSAY 442/不思議な日本の不況(3)〜”内需と外需、雇用不安、グローバル化など

Essay 493 :A型定食とB型アラカルト
 先進国の宿命〜中間層の没落/「みんな教」のゆらぎ/逃げ切ろうとする年長世代/列の前と後ろ/で、今の就活は?自分らしく生きるための6つのメソッド

ESSAY 527/斜陽貴族の戦略とGFC2
 GFC2(Global Ficnacial Crisis part2)の大きな流れ、日本も含めた先進国の企業・個人の活路

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