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お金の移動方法について




これは一筋縄ではいきません。けっこう難しいです。

@現金/A現地ATMで引き出す(海外プリペイドカード)、B第三者機関による送金サービス/Cオーストラリア銀行の口座を日本で開設する/Dオーストラリア現地で口座を開設して日本から送金してもらう/Eクレジット利用、Fそれ以外の方法、などが考えられますが、どれもこれも一長一短あります。

このページでは上の利害得失を執拗なまでに検討してますが、長い長い検討の結果、最終的な結論は、哀しいことに、正解なし!です。

でも、それは当たり前の話なのですよ。なぜなら、いずれにせよどっかで金融機関のお世話になるわけであり、彼らも何らかの形で利潤を得ているわけですから、その分どこかでこちらが負担(手数料や換金率)を負うわけです(サイトなどでは巧妙に分かりにくく書かれているけど)。完全無欠な正解(こちらになんの負担もない夢のような送金方法)なんかあるわけないです。あったらその金融機関は大損して潰れてます。

 ただし、「こんなのはいかが?」というモデルプランはあるので、それを最初に書いておきます。

 もしあなたの渡豪資金が100万円以下だったら、
・クレジットカード+海外ATMが利用できるカード
 この二つは必須で、あとはオプションで口座送金等がいいと思います。
 もし、100万以上の資金があるなら、三番目のオプションを充実させる方向にすると良いかと。

 結論だけ知りたい人はこれで十分です。
 以下、なんでそう考えるに至ったのかの理由を延々書きます。

目次

第一章:各移動方法のメリット・デメリット

第二章:総合判断 考えるべきポイントとミックス案

第一章:各移動方法のメリット・デメリット

@ 現金


 一般的にいってキャッシュは為替レートが悪いです。もちろん交換する場所や時によって違ってきますし、昔ほどメチャクチャレートが悪くなってるわけでもありませんが、それでも現金の方が有利という局面は滅多にないと思います。現金に関する唯一の長所は、とりあえず自宅の現金をひっつかんで飛行機乗れば良いという簡便性で、ほとんどそれに尽きると思います。

 例えば、東京三菱銀行の為替レート表を見てみましょう。最初にこのページを書いた2005年11月02日時点でのオーストラリアドルとのレートは、TCなどが88円なのに比べて現金はなんと96円。おおよそ10%違いました。その後、08年9月は85円/98円、2010年2月で83円/91円、2011年7月1日では88.54円/96.24円、13年1月16日では95.59円/103.29円、同年07月27日時点では93.84円/101.54円、14年03月20日時点で94.56円/102.03円、16年01月18日で82.35円/90.05円、17年09月07日89.50円/97.20円、19年12月12日で76.61円/84.31円でした。コンスタントに10%程度の差がついていることがお分かりかと思います。

 10%も違うということはデカいです。100万円につき10万円損するということですから。

 どうしても現金交換をしなければならなくなったら、後に述べるKVBもレートがいいと言われています。しかし、一番良いのは、これから日本に帰る人(オーストラリアドルを日本円に換えたい人)と直接交換することです。銀行の中間利ザヤをカットできますから究極のレートです。そうそう都合よく出会わないとは思いますが、在住日本人の掲示板などによく「オーストラリアドル売ります」広告が出ています。「帰国直前の(&遣い残した豪ドルの始末に困ってる)日本人がいる場所」ですが、つまりはホテルやバッパーで、アクティブな人だったらシドニー中の(日本人のいそうな)バッパーに貼り紙をして廻ることを思いついたりもするでしょう(しかしその交通費を考えたら、?)

 以下のA〜Dについては、キャッシュほどのレート差はありません。しかし、手数料や利便性、安全性などで違いがあります。

過去の遺物化したTC(トラベラーズチェック)

 TC(トラベラーズチェック)については、2014年03月末でTCの発行元であるアメリカンエクスプレスは、日本でのTCの販売を終了しちゃってます。これで事実上日本でTCを購入する機会はほぼ無いでしょうし、過去の遺物化してます。
 だからTCに関して過去に書いた部分は削除しても良いのですが、しかし、世界的にはまだ存在してますし一応、一般教養的に残しておきます。興味のある人だけ。

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オーストラリア生活心得: Always, Ask!〜アテにならない現場


 関連して述べます。
 オーストラリアの生活常識としていえば、「全てが一律になってると思うな」です。末端窓口での実務はびっくりするくらいマチマチで、同じ銀行に同じ日に行っても窓口担当者が違うと言うことが違うとか、日によって違うとか、支店によって違うというのは良くあります。転職社会のこちらでは皆さん職務内容を正確に把握していない。だからネットで情報を得て現場に行ってみても、その通りになっていないケースがよくあります。また、今日通用したことが明日も通用するとは限らないし、同日同所であっても窓口の人が変わったらもう言うことが違います。さらに、こちらは万事腰が軽いので、驚くほど簡単に規則も変えるし、支店の引越もします。もうアメックスの交換所なんかどれだけ引越してるか。また頻繁に変えるくせに周知が不徹底だから、スタッフの言うこともバラバラになる。

 ゆえに実戦のコツとしては、 always ask!です。まず聞いてみろ、です。TCのケースで言えば、交換手数料は"fee"とか"charge"、無料は"free"。TC現物を見せながら、"Do I have to pay any fee? or for free? free of charge? "とか言ってれば教えてくれます。で、「無料だよ」というところ(人)でバシッと交換しちゃおう。

B 海外ATMと国際カード(デビットカードとプリペイドカード)

 その昔は、「海外キャッシュカード」というのがあって、Citi Bank(今は住友信託銀行/SMBC PRESTIA)のウリだったのですが、多くの邦銀でも出来るようになり、そしてまた潮が引くように邦銀が撤退してます。

貸金決済法と邦銀のベタ降り傾向

 これも2013年頃のトピックなんでタックしておきますね。
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 ということで昔の海外「キャッシュ」カードはほぼ絶滅してしまったのですが、しかし、それに代わるものとして、国際「デビット」カードと国際「プリペイド」カードが出てきています。それとはまた別に昔ながらの「クレジット」カードがあります。

 もーね、メッチャややこしいですね。
 ここで言っておきたいのは、呼び名はどーでもいいってことです。

 だいたい何が固有名詞(各銀行の商品名)なのか、なにが一般的な普通名詞なのかも定かではない。もともとクレジットとデビットは、会計帳簿でいう借方/貸方に対応しているんですけど、そんなこと考えているとワケがわからなくなります。

 本当に各金融機関によって呼び名は千差万別です。「いい加減にしてくれい!」と言いたくなるくらいバラバラ。「バンクカード」でも、一般の銀行のカードのことかと思いきや「株式会社バンクカードサービス」なんてのがあったりして(横浜銀行の子会社)。あとは、クレジット一体型とか、プリペイド方式とか、オンラインディビットとか頭がウニになりそうです。

 そのあたりのネーミングは、ハッキリいって趣味の世界です。「海外」というか「国際」というかみたいなものです、ネーミングなんかどーでもいいから、本質を見極めましょう。

 では「本質」とはなにか?ですけど、煎じ詰めれば次の2点だと思います。

(1)海外ATMで使えるか(簡単&低費用でキャッシュが手に入るか)?
(2)為替交換をいつやるか?

 です。

 (2)の為替交換の時期については、最後の方にまとめてやります。ここでは海外ATMが使えるかどうかに焦点を絞って書きます。

海外ATMが有用なわけ

 まず第一に、現金の必要性=シェア費用です。
 オーストラリアの場合は、日本よりもクレジットカードの利用が徹底していて、まずほとんどの場合で使えます(安いテイクアウェイなどでキャッシュオンリー店がありますが)。

 しかしそれでも現金が必要な場合があります。
 単なる観光ではなく、留学やワーホリで来られる肩に直結するのはシェア(アコモデーション、ハウス)の費用です。
 詳しくはシェアの項目を参照ですが、こちらのシェアアコモは不動産仲介業者が入ることは稀で、ほとんどの場合は普通の人同志でやりますから、クレジットカードなんか受け付けていません。したがって現金が必要です。着いてすぐシェアを探す場合(ホームステイをしないで)、すぐに現金が必要です。

 「おはじめ」にいくらかかるか?ですが、だいたい「前家賃2週間分+保証金/敷金(ボンド〜退去時に返ってくる)2-4週間分」です。シェア代金が週200ドルだったら、800ドルから1200ドル必要です。これだけのキャッシュは用意しておかないとなりません。

 第二に、利便性です。

 豪ドルキャシュを得るだけなら、空港の両替所で変えてもいいです。でも上でみたようにかなり損をする場合が多いです。また最初に大きな現金を抱えて過ごすわけで安全性の点でも問題アリです。銀行送金→引き出しもありますが、こちらの銀行口座を開設するのがまた手間ですし時間もかかります(そもそも住所も決まってないのにどうやって口座を開くの?問題がある)。

 その点ATMで引き出すなら手間いらずです。
 オーストラリア現地のATM、殆ど全てで利用できます。多くの場合PLUS、CIRRUS、VISA経由で下ろすのですが、ほぼ例外なくこちらのATMで受け付けています。

 シドニーのATMはメチャクチャ沢山あります。しかも全て24時間利用可です。
 びっくりするくらい至るところにあり(スーパーやガソリンスタンド、パブの中にすらある)、「オーストラリアのATMの場所」なんかイチイチ確認する必要なんか毛頭ないです。普通の郊外の小さな商店街にも最低数カ所はあります。ありすぎて数える気にもならない。ほんとに「いつでもどこでも」です。

 なお、予め外貨に交換してプリペイドカードにチャージしておくカードと、使った分だけ現在持ってる日本円の口座から引き落とされるカードがあります。後者の場合、遣い残した分はそのまま円で残存してますから、再び円に戻す二重差損が発生しないことなどです。為替レートは、ATM利用時のレートになります。

 注意点としては、お手持ちのカードが海外で利用できるか、あるいは自分の口座が海外で下ろせる設定にしているかどうか、そのあたりの手続きは各銀行によって違いますので、十分に確認しておく事です。

 デメリットとしてはATM使用料が200円ほど取られること、及びATM使用の場合の為替レートが3-4%前後割高になることです。また、多くの場合1日の使用限度額(1000ドル程度)があるので多額の支払いには不向きであることです(何日も連続して引き出さねばならず、その都度大金抱えて緊張します)。

 使用料+レートやや悪は痛いのですが、最初の数千円単位の手数料(銀行送金の場合の口座開設費や送金手数料)のことを考えたら、何回下ろすかによって損益分岐点は決まってくるでしょう。非常に頻繁に下ろす人には割損になるけど、せいぜい十回未満だったらお得では?なぜなら、オーストラリア銀行口座を開いたところで、ATM使用料は取られる場合が多いし、口座の種類によってはカウンターでも手数料を取られたりします。あるいは口座管理料で月5ドルほど取られますから、ランニングコストは同じようにかかるからです。

 なお、現地ATMの使い方の解説は、生活体験マニュアル/お金について(1)外貨交換に書いてあります。
 意外と気づかない大きなメリットは、日本からの緊急ヘルプ送金に一番使えることです。

 もうこの一点だけで「一枚はもってこい」と言いたいくらいです。

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 結論的にいえば、「とりあえず一枚」くらいだったら、どこでもいいんじゃないかって思います。実際そこまでキャッシュが必要なのは最初のシェア費用くらいで、あとはバイトなり何なりで現地収入がありますしね。

 あ、それとカードとATMの相性が悪いときがときどきあります。新生とコモンウェルスとだったかな?常にそうというわけでもないのだけど、「ご利用できません」みたいな表示が出るときがあります。こういう場合は、あまり気にせずに別の銀行の別のATMでトライしてください。どういう法則性でどういう理由なのかまだつかめておらず、また河岸を変えたら即解決するので突っこんで考えてもいないのだけど、まあ「相性」ってのがあるのかね?って感じです。


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 ★関連リンク = 語学学校の選択の基準(その2)予算で選ぶ 語学学校の経費の構造
 ★関連リンク = 世界経済と留学/ ワーホリ3−1:為替の動きにどう対応するか

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