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シェア探し入門(付録)


シェア探し入門(付録)





付録:実録シェア探しサポート   理論から実践へ、そして栄光へ

 今回はちょっと目先を変えて、僕が一括パックなどで皆さんのシェア探しをどのようにサポートしているかを書きます。これまで長々とシェア探しのノウハウを書いてきたのですが、実のところこれを読んだだけでマスターするのは難しいと思っています。理論を実践に移すためには、まだまだ多くのステップがあります。設計図があるからといって、それで現実に製造できるかどうかは別問題です。

 今回はそのあたりを書きます。一種の企業秘密みたいなものですが、「サポートというのはこうやってやる」という一端を知っていただければ、独力でトライするときにも参考になるでしょうし、また後日自分が他人の助力をするときの参考にもなるでしょう。

 最近は、はじめからSMSでやってます。SMSを好む広告主も増えてきましたし、とりあえずこちらのプロフも伝えていけるし、最初にバーっと全部SMSしておいて、返事が来たものから組み立てていく方が効率が良いので。

 だけど、向こうから電話がかかってくることはザラですし、近くまできて道がわからなくなったらこっちから電話もするし、いよいよとなれば電話が一番手っ取り早いんですよね。だもんで電話技術は未だに必須です。てか、これが出来ないと、ジャパレスの電話番もできないし、将来の仕事探しのときだって電話かかってくるんだから。

 というかそれ以前に携帯やSIMをゲットしなければなりませんし、そのアクティベートも難しいので一緒にやります。それはまた別の話ですが。

電話英語教室〜まずは発音矯正と英語の泥縄錬成

 これはしっかりとやります。最低限の意思疎通が出来なかったら一歩も先に進めませんから、想定問答集をテキストにして、平均で2時間くらいミッチリやります。

まあ、実際には英語の授業と変わらんですよ。ただ、思いっきり実戦的だという点が違うだけで。単なるお題目や練習のための練習ではありません。本当にオージーに電話するわけです。そして、通じる/通じないという結果が残酷なほど露骨に出ます。「とにかく現場で通用する」という基準。それ以外に基準はない。最初の一文だけで、30分以上みっちり時間をかける場合もあります。だって、通じなかったらほんとに意味がないんだもん。それにしょっぱなから余りにも通じない電話の連続だったら、すごいトラウマになって、人によっては一生英語が恐くなりかねない。だから教える方も必死ですよー。

 最初は発声練習で、僕が聞いてOKが出せるところまでやってもらいます。次に「英語を喋るコツ」を伝授します。多くの人は、「英語の朗読」でしかなくコミュニケーションになってないので。

 次に、最初の一文がOKレベルで言えるようになったら、実戦のやりとり練習です。まずは、「それでも聞き取って貰えなかった場合にはどうするか」という練習。「何言ってんのかわかんねーよ!」「ちゃんと喋れよ!」と相手から叩きつけるように言われてもメゲないだけの「打たれ強さ」の錬成(←これメチャ大事。そしてコツさえつかめば意外と簡単)、そして同じフレーズを3度続けて通じなかった場合のテクニックなどを伝授します。

 既に決まってしまっているという "It's gone" パターンの習得。これも千変万化しますから、いろいろな「断われパターン」に慣れてもらいます。また、なんで "It has gone"という表現になるのか(どうしてここで現在完了がでてくるのか?)という英語のド基礎文法も併せて。

 それと、「いやあ、決まってるっちゃ決まってるんだけど、決まってないっちゃ決まってないんだよね〜」「明日の11時まで来てくれたらまだ君にもチャンスはあるだけどね」とか、ややこしいことを言われた場合の対処法。

 「まだ空いてるよ」と言われたときの話題の持って行き方。これは「時間の設定」と「住所の聞き取り」という二つのタスクに要約されますが、まずは時間の設定。時間の英語表現が意外と皆さん知らないので、その基礎から。例えば、"ten to five"=4時50分とピンとくるようになるまで練習。その他、「早(遅)すぎる」、「もっと早く(遅く)」など基本的な言い方のオサライから応用。「うーん、夕方5時はちょっと早すぎるので、、もう少し遅い時間になりませんか?」という言い方。さらに「午後の早いあたりで」「午後だったらいつでもいいです」「夜の7時以降でしたら」「1時から3時の間で」などのフレキシブルな表現方法。

 次に住所の聞き取りです。
 Unit (room) Number→Building (Street) Number→Street Name→Suburb という住所構造の徹底理解。
 数字を聞き取るときの注意点、聞き返し方、確認の仕方。ストリートの名前のスペルの聞き取り方、確認の仕方。
 このへんも多くのコツがありまして、例えばルームナンバーがあるもの/無いもの、あるけど(面倒臭いから)言わないもの。13と30など聞き間違えやすいもの。オーストラリア訛りへの慣れ(8がアイトになるなど)。そしてストリートネームの聞き取りで、簡単なものから難しいもの、間違いやすいもの(同じ文字が続く”だぶるえる=LL”など)。スペル確認のための技法である「A for Australia」のマスター。
 さらには、話がゴチャゴチャになってきたときに整理の仕方、確認の仕方。「SMSで送ってあげるよ」と言われるときの英語表現のパターン。

 英語想定問答の最後には、留守番電話の録音の仕方。
 また、自分のことを聞かれたときに咄嗟に答えられるように、自分のことを簡潔に英語で説明する練習。最低限、自分の携帯番号はスラスラ出てくるように。自分の名前を英語圏の人に分かるように発音するコツ、名前のスペルをすぐに言えるようにする。
 ワーホリや学生であること、こちらに来てどのくらい経つか、今後どうするつもりか、どのくらい住むつもりか、今何をやってるのか、働いていて収入はあるのか、日本でやっていた職業はなんなのか。いずれも前のページで解説してますが、ポンと聞かれたらスラスラでてくるように。すぐには無理でも「こういうことを聞かれるよ」というのは一回頭を通しておくと、かなり違いますから。

物件のピックアップ、リストの作成と地図

 以上は基礎理論であって、あとは仮免の路上練習のように実戦で覚えていくしかないです。

 そのためには電話をかけるべきシェア先というのをネットなどでピックアップしておかねばなりません。
 最初から決まるまでこのピックアップ作業は僕がやります。土地勘もシェア広告英語に慣れてもいない段階で探していたら、時間が幾らあっても足りないので。

 僕のやることは、夜明け前にGum Treeを検索しまくり、めぼしいものを20-30件ピックアップしてWORDにコピペしていきます。なお日本語サイトは補助的にも使いません。別に意地になって使わないわけではなく、単純に当たり率が低いのと、ババ抜き広告(イヤなシェア先から出ようとしても、後釜を見つけてこいと言われて出している場合)など微妙なものが混じってるからです。

 一応「週230ドル以下」「半径10キロ内外」「一週間以内に入居可能」など厳しい条件で検索しますのでヒットするのは数件に1件もないです。検索で絞りをかけつつ1時間に200〜300件を流し読みしていく技術が要ります。特にガムトリーは玉石混淆の最たるものですので、何度も同じ広告が出てきたり、どっかのアホがパースの物件を投稿してたりして消耗します。やっとヒットしたと思ったら、今度は年齢制限、民族制限(インド人に限るとかいうのも多い)、性別(female preferred)とかでまたバサバサ切っていきます。入居予定日が来月とか先過ぎるのもダメ。但し2−3週先くらいだったら入れます。良いシェアほど青田買いをするべきですし、その間にすっぽりハマる「2週間だけシェア」なんてのもあるからです。

 個々のシェアの特徴を考えます。何年もこのサポートをやってると、「あ、ここ知ってる」「あ、○○さんの行ったところだ」という顔なじみ物件が出てきます。ダメだった物件もあります。こういうのは内容を知ってるだけに楽です。リストから外したりコメントつけたりします。

 広告の文案などを読みながら、「これは英語出来ない人にはキツそうだな」とか「ああ、ここは韓国系のシェアだな」とか推測します。推測が正しいという保証はないけど、文面などを見てると「英語の出来ない学生なんかお呼びじゃないよ」という臭気が漂ってたりして、こういうのをあてるとトラウマになりかねないので保留(×にしないのは本当にそうかは確言できないから)。最初から、"Sorry, no travelers, no students"と書いてくれてあったらいいんだけど、そうは書いてない、でもイヤそうってやつ。こういうのは△マーク。

 日中韓国系のシェア広告は、まず広告文の英語がこなれてないという点、そして、「〜」という漢字やハングルなどPC2バイト民族独特の記号が出てくることで結構わかります。"Call me now〜!"みたいなやつ。あと、オーナーがミュージシャンであったり、ジャーナリストだったり、家の雰囲気にテイストがあったり、「おお、これいいじゃん」というやつもあるし、多分安かろう悪かろうだろうなあってやつもあります。それは個別にコメントつけておきます。


 大雑把にエリア別に分類した物件を、今度は移動しやすさという観点から交通機関のルートに合わせて細かくグルーピングしていきます。こうして出来た幾つかのグループの物件の山の睨みつつ、もっともクラスター(集団化)しているところを見つけて切り口にします。どうせ○○というエリアに行くなら、ついでに2件でも3件でも見て回りたいからです。

 最初はわりと行きやすいエリア(電車路線が走ってて、物件数も多いところ)から、徐々に難しいエリア(バスしか行く方法がなく物件数が少ないとか)も含めていきます。難易度が容易なところから→難しいところに自然に上げていく。

 しかし20-30件もあるシェア広告を一目瞭然に把握するためには、やはり地図が必要です。この地図も僕が作ります。これが超面倒臭いんだけど(笑)、これがあるのと無いのとでは全然違いますからねー。

 以下、実際に使った地図を参考までにあげておきます。

 ↑これは最初の方。西のエリア限定でピックアップ

 ↑これは後半戦で、シドニー全域を対象にしていきます。

初陣の準備

ギア

 いよいよシェア先訪問の第一日目。自分の力で公共交通機関を乗り継いで、知らないところに行くという初体験の日であり、はじめてシェアというものを見て、そこの人と話をする日でもあります。

 ただその前にやることがあります。印刷したリストと地図をお渡しすると同時に、補助的にコピーした地図もお渡しします。

 さらに、シェア現場のノウハウの詰め合わせた「補助教材」もお貸しします。咄嗟の一言英語の詰め合わせでもあり、各エリアの細かい歩き方、シドニー周辺のバス系統図、タクシーの乗り方などなど、およそ現場で必要になりそうなことをファイルにして解説してます。

 シェアリストや記入するためのバインダーやら、必要があれば使いやすいエコバッグも貸します。

携帯とアプリの習熟

 そして、携帯の使い方に習熟してもらいます。いくつかあるのですが、

(1)Google Mapによる行き方の調べ方とその欠点
(2)実際の交通機関のアプリではTrip View(apple iPhone, google android)が便利です。ダントツといってもいい。Liteという無料版もありますが、一旦閉じると検索記憶がパーになるので、そこが厄介もの。4.49ドルと高いのですが、買う価値はあります。でも、飼っただけではダメで、これの使い方が意外と難しいので、その要領を説明します。
(3)OpalCardのアプリ。色々出てますがなんでもいいです。要は、今自分の残高が幾らで、過去どれだけ乗ったかがわかり、且つクレジットでリチャージ(トップアップ)したい人はその機能があるかどうかです。

(4)GumTreeのサイトのレジ(登録(無料)しないと電話番号が見れないので)

 スマホが普及したのでかなり便利になったんだけど、今度は各アプリの使い方に習熟する必要があります。

(5)SMSと番号登録
 問い合わせの文案をいちいち書いてたら日が暮れますので、まず作っておく(僕がモデルで作ってあげます)。それをSMSの発信欄にコピペして、送る。送った先は、番号登録しておく。その際、共通の通し番号でやるといいですので、その番号も僕が振ります。思いつきでやってるとあとで何がなんだかわからなくなります。
 それだけのことですが、こちらで初めてアンドロイド携帯を買う人もいますので、その使い方に慣れるのがまた大変(しかし、いつかはやらねばならないことなので、最初にやっておいた方がいい)。

個々の行き方

 あとは個別の注意ですが、今日行くかもしれないエリアで必要があれば簡単な注意をします。タウンホール駅のホームの下にもう一つホームがある構造、セントラル駅の長い連絡通路、ボンダイジャンクションのターミナルの階層構造など、必用に応じて。ある程度方向感覚のいい人だったら、口頭で済ませますが、自信なさそうな人、あるいは移動が難しいときには、バスや電車のルートマップや時刻表の該当箇所をダウンロードして印刷したり。

初陣〜初めてのおつかい

 実際の動き方は、とりあえず今日のリストの中から、一番遠いエリアに行ってみる。そして行くまでの過程で、リストに全部SMSを送る。SMS送信も、最初はもたつくけど、あとは同じことの繰り返しだから、すぐに慣れます。1分一件くらいのペースで送れます。

 その返事を待たずに(送信しながら)、とりあえず遠そうなところにまず行く理由は、土地勘をつけるためです。2つのことに慣れたいのですが、一つは現場英語とシェアに慣れること、もう一つは土地勘です。そして、土地勘こそがシェアが決まったあとにも大きな財産になりますからね。だからアポの有無を問わず、とりあえず遠くまで行ってみる。行けば、行ったという自信ができるし、そこが自分のテリトリーになる。最初に遠隔にするのは、日が高いうちに遠くにいき、あとは徐々に帰ってくるほうが心理的に楽だからです。

 さて、そんなこんなでSMSの返事が返ってくるでしょう。「わ!本当に返ってきた!」てなもんで感動します。でもって、いくつか貯めておいて、大体この時間にしようと決まっていきます。相手からも○時に来いとか言ってきたりしますから。その上で、OK!と返事をしてアポ取れちゃいます。

 口頭電話でアポが取れるよりも簡単だから、感動もやや少なくなるけど、それでも初アポゲット!はうれしいですよ。「やった!」って思うはずです。一件でもアポが取れるとものすごく自信がつくし、考え方が全然違ってきますからね。

 一旦やりかけた以上は、もう何が何でもアポを取るまで止めないのがいいです。仮に手持ちの30件、全部SMSしても何の返事もかえってこなかったら、それでメゲずに(めったにそういうことはないが)電話してみる。でも、まあ、大体10-20件内外やってればどっかで取れます。アポまで至らなくても、善戦したということだけで大きな収穫だし、またとにかく初めて現場を走り回ったという経験は計り知れないです。最初の10件なんか練習台、捨て玉でいいから、多少予算がオーバーしようが、遠距離すぎようが、それでもいい。この段階で大事なのは、「アポを取って自信をつける」ことなのだから。

 一件目のアポが取れた後の二件目、三件目となるにしたがって、時間的場所的制約が出てきます。最初のクラスター(集団)のうちの一つにアポが取れたら、同じエリアのものを集中的にアポを入れれたら良いです。30分とか1時間くらいズラしてほぼ同じような時間帯にアポを入れる。そんなに上手くはいかないのですが、それを目指す。それが無理なら、今度は同じ沿線上、あるいは同じバス系統上のアポを目指す。移動が迅速にできるからです。

 こうやってアポを確定させていくわけですが、ここが一番頭を使います。もうパズルのようなもので、「1時にキャムシー、4時にニュータウンだから、このダルィッチヒルの物件だったら2時から3時の間、あるいはニュータウンが終ってからの5時以降」とか細かに時刻指定をしていきます。相手も都合があるし、こちらの都合よく物事が進んだりしないから、思いっきりバッティングしちゃったりもします。

 でもそんなの初日から出来なくていいです。全ての返信に答えなくてもいいです。やってりゃ誰でも上手くなりますからね。最後の方になってくると、11時マリックビルだったら3時にマルーブラ、そしてそのままAnzacを上がっていって、キングスフォード、ケンジントンと絨毯爆撃していって、夕方にはシティ周辺を軽く潰して、夜にはニュートラルベイとかチャッツウッドなどの北を攻める、、みたいな感じに出来るようになってます。最初から焦ってはいけない。

初めてのシェア見学

 おっかなびっくり地図をみながらシェア先に行きます。もうドキドキものですけど、意外といい人が多いです。これは誰でも言いますけど、いい人率高いです。そりゃ100%ではないですけど、なんとなく日本で考えているよりもずっとフレンドリーだし、「あ、こんなんでいいんだー」って思うと思いますよ。

 もちろん英語は壊滅的にわからかったりするのですが、それでも対面しての英語は、電話と違ってはるかに楽ですよ。見ればわかりますしねー。最初は緊張して、ほんの1分くらいでシェア見学が終わっちゃったりしますけど、それでいいです。そのうち慣れてきて、長っ尻するようになって、数時間一緒に話すというケースも珍しくないです。

 見れば一目瞭然にどういうシェアか、どういう人かは分かる。いろいろなシェアがあり、いろいろな人がいるということも問答無用でよく分かる。そして広告に書かれていた英文内容の意味、例えば建物の構造(セミとかテラスハウスとか)、表現内容が一致するでしょうし、ゴチャゴチャになりそうなユニット番号とストリート番号も自分で一回訪問してみればその違いが一発で分かる。実地に勝る教育なしです。

 これで、英語で電話し→アポを取り→交通機関を使ってそこに行き→実際にシェア先の人と話をする、という一つのサイクルが完結する。ここまで出来たら一丁上がりで、自信も格段に付くし、あとは単純にこの繰り返しをやっていけばよいだけ。戸惑っていた交通機関も、何度も使っているうちにすぐ慣れるし、道に迷って他の乗客や道行く人に聞くのも段々恐くなくなってきたらしめたものです。また、オーストラリア人やローカルの人達と接触する初めての日であり、集中してやることで一気に慣れてしまう。

 不思議なもので、何件も繰り返し繰り返しやってるとリズムもでてくるし、慣れてもきます。そして、落ち着いてくるから、最初全然聞き取れなかった英語も、断片的に分かるようになる。また、10件訪問して全員がイヤなヤツってことは確率的にまず無いので(全員いい人というのはある)、陽気なオジサンに当って楽しくお話しできるってこともあるし、それがとても大事です。

 帰ってきたらクタクタになってる筈ですので、さっさと風呂に入って寝る。ただししっかり食べるものは食べること。緊張してたり、面倒臭がって食べない人もいるけど、食べないとテンパったままで疲れが倍加します。なんでもいいから食べるとゆったりしますよ。おすすめ。

事務処理

 アポ取ったら取りっぱなし、見学したらしっぱなしではダメなので、リストにして清書しておくといいです。前述しましたが、コンタクトを取ったシェア先は番号登録しておくと良いです。掲示されている名前を書いても、Davisが3人でてきたりわけわからなくなりますから、僕が全部に共通する統一番号を振ります。絶対に重複しないように工夫もします。その番号を地図に記載します。そうすれば、○番から電話がかかってきても、どのエリアのどの物件からかかってきたのか即座にわかりますから。

 シェア廻りをしている最中にも、翌日以降のアポになったりしますから、それは別紙でリストアップするなど。これら一件記録は、有能な秘書や営業マンがそうするように、3秒でReady状態になるように整理するといいです。でないと電話かかってきてアタフタする羽目になりますからね。

 空いている時間に、シェアの広告英語を読み、辞書で調べたりしてその表現になれておく。あるいは地図を見て、各サバーブの位置関係を出来るだけ頭に入れておく。

初日から二日目以降

 二日目は初日よりもずっと気楽になっている筈です。
 ただ、段々アポが入り組んできたり、サーチするエリアが広がっていきますから、単純に同じことの繰り返しではないです。

 他の面でも二日目は重要です。なまじ初日にアポが良く取れ、初訪問で6−7件も廻れると、つい油断して二日目の行動が鈍ったりします。そうするとツキが逃げたりして、なかなかアポが取れないというスランプになったりします。アポというのはパチンコと同じで、取れるときはやたら取れるけど、一回ツキから見放されると、嘘のように取れなくなるので、気を抜かないこと。

 一方、初日に比べたら、こちらも数倍パワーアップしています。なんせ、既にアポも何件も取れ、自分の足でシェア見学まで済ませているという経験に基づく自信、また出先で僕のヘルプなく完全独力でアポが取れたりしたら自信倍増ですからね。淡々とマシンのようにかけつづける。

 大体3〜4日目以降になってくると、トータルで何件電話したかなんて到底覚えておらず、英語で電話するという恐怖心はかなり薄らいでいる筈です。

水平飛行から着陸態勢へ

自分の基準や視野を広げる

 シェア物件の見学を続けつつ、一方では最後にどこにするのか決めなければなりません。

 その際、自分が定めた条件は絶えず見直すべきです。「ルームシェアはちょっと、、」という人がいても、ルームシェア自体を見たことがなく想像で言ってるだけ。ルームシェアでも酷い物件もあれば、相手の人が超いい人で、この人とだったらシェアしてもいいかもと思える物件もある。そんなものわからんのだ。

 また、お金をケチって安い物件ばかりあたってる人は、敢えて予算オーバーの物件を見る。そうすると「わずか週に1000円上積みするだけでこれだけ違うのか」「この物件に入れるなら、必死になってバイトするだけの価値がある」と思えるような物件にブチあたるかも知れない。なんせ、一生に一度のチャンス、しかもその大勢を決める最初の一歩を、わずか千円札数枚にこだわって台無しにする恐さ。視野の狭さが幸福を逃すという恐さを知ることも大事なレッスン。180ドル以下で探しつつ260ドルの物件に行った人もいるし、「出来れば歩けるところ」といいながら結果的に1時間50分もかかるシェア先にした人もいる。いずれも、自室の窓を開けたらバーン!と青い海が広がっていて、毎日優雅にフェリー通学というパターンで、「ここに暮らせるなら、多少のことは目をつむってもよい」と得心できたからです。

 要は本人の納得であり、最初からストライクゾーンを狭めるのは愚かなことです。実際に現物を見ているうちに、ストライクゾーンが変わってきますが、それこそが「成長」なのですよ。視野が広がってるわけですからね。

アクセントをつける

 段々と「勝ちにいくためのアポ」にします。10軒以上数をこなして経験を積むのはもう良いので、「むむ?」というアポは大胆に割愛し、ここぞというアポにこだわる。場合によっては、既に取ってあるアポをキャンセルしたり、もう一度電話して時間をズラして貰うという「アポ変更」というワザも覚える。変更ワザを覚えると、大分スケジュール管理が楽になります。

 なお土曜日は皆も家にいるケースが多く、また、土曜日はシェアに限らず、売買、賃貸物件のインスペクション本番ですのでアポも取りやすい(もっともビーチサイドでは遊びにいってて不在ということもあるが)。歴代最高は、土曜日一日で15件見て回った人もいますしね。

着陸態勢〜管理職レベル

 「決める」ためには高度な技術が要ります。見ればいいだけだったらパワー一本でまだ簡単ですが、決断は難しい。部課長級の管理職レベルのスキルが要求されます。ある程度見て回れば、「いいな」と思えるシェアが必ず一つ以上出てくる。優先順位もつくでしょう。そこにすべきか、あるいは第二志望も捨てがたいか、それとも引き続き探すか。
 複数の選択肢があるなかで一つを「決める」というのは、「他の全てを捨てる」ということでもあり、なかなか切ない判断になる。しかし、グズグズしてると他人に取られてしまう。まさに時間との闘いである。特に1日目に素敵なトコロが出てきてしまい、相手から「決まったか?どうする?」と矢の催促を受けてるときは、心理的にも追い詰められる。「もう、そこにしちゃおうかな、、」「でも、こんな決め方でいいのか?」という激しく逡巡する。力任せにガンガンやってさえすれば良かった平社員時代が懐かしくなります。「いいよな、悩みが無くて」と思えるようになる。

 僕のサポートの内容も自ずと変質し、いよいよ「決め」に入る段階になるので、注意点やアドバイスもケースバイケースで変わります。この手のシェアはこういう点に気をつけろとかいう一般的な注意点(あまりにも多いので書ききれません)、また話を聞き、シェア広告を読んでみて、「ははあ、ここは多分、、」というシェアのタイプも分かる。シェアといってもそのバリエーションは無数にあり、注意点もそれに応じて変化します

 パワー主体の見学体力系と決めるという頭脳系とがミックスして、そのバランスが難しい。一旦決めにかかると、「もう、あそこでいいか」とか気が抜けてしまう場合もある。頑張らなくなる。しかし「あそこでいいか」と言っても確定的に決まっているのではなく、電話をかけたときには既に流れてしまっているというケースもある。じゃあ、流れるのが恐いからといって、焦って決めてしまった場合、あとになって「やっぱりもっとちゃんと探しておけば」という後悔が出てくる恐れもある。

 このように一方で着陸態勢に入りつつ、他方でさらに巡航高度を保つという相矛盾した活動が求められます。

僕の役目

 日が経つにつれて、最初の頃の手取り足取りから、徐々に僕は手を引いていきます。あれこれやりすぎず、気がついたら全部自分で出来ていたってところまで持って行くのがポイントなのだが、この見極めが難しいのですね。総じていえば教師というよりも、後見人やお母さん的になってきます(笑)。

 また、最寄り駅までクルマで送っていったり、夢中になって健康管理がおろそかになる=特に食事をいい加減にしがちなので、オニギリとかお弁当を持たせてあげる場合もあります。オヤツのチョコとか(^_^)。脱水回避のために小型のペットボトルの水をもたせたり、お母さん的なケアですね。結構大事なんですよ、こーゆーことって。

最終局面 決断〜入居


 さて、決断ですが、前述のようにココが正念場です。突出して素晴らしいのが一件だけあるなら悩みも少ないが、素敵なシェアが2−3件、どんぐりの背比べ状態である場合には、かなり悩みます。ウンウン悩んでようやく決断!で、一件落着かというと、ここからが最終局面に入ります。

 意を決して第一志望に電話をします。これで決まればOKなのだけど、こういうときに限って相手が出ない。虚しく呼び出し音が続く。13回、14回、、でも出ない。又かけ直すけど出ない。留守番電話になって吹き込もうと思ったけど、はたと思い直して止める。もうこうなったら第二志望に移るべきではないか。ここで妙に第一志望の留守電に「行きます」とか吹き込んでしまったら、第二志望にも同じ事は言えない。しかし第一志望の人が折り返し電話してくれる保証もないし、既に決まってる可能性もある。どうする?とりあえず第二志望に電話をしてみるが、これが又出ない!Oh My God!状態で何度も電話しても出ない。もうこの時点になってたら「英語で電話するのが恐い」もヘチマもないです。携帯を握りしめ、「頼む、出てくれい!」って気分になります。でも出ない。

 そこでしょうがなく第三志望に電話します。今度は通じたと思いきや、やたら向こうが騒々しい。どうもパブかどっかで仲間内でパーティーやってるようだ。面倒臭げの声が聞こえ、何やら早口の英語でペララララ!とまくしたてられ、OK?と言われる。”OK?”だけ聞き取れるけど、何がOKなんだか分からない。もごもごやってると、またドドドと喋られ、今度はマンデーという単語だけ聞き取れる。「月曜日にまた電話しろということか?」、何がなんだか分からないうちに電話を切られる。

 てなことにならないとも限りません。というか実際にこういうことはあります。それどころか全て決まって、浮き浮き気分で僕と一緒にスーツケースをゴロゴロ運んで家の前でピンポーンと押したら、「あれ?誰、君?」と言われちゃったり、「え?なにしにきたの?」と不審そうに言われたりすることもあります。2回ほどありますね。さて、こういう局面でどうするか?という実戦課題がでてきて、最終局面の難しさが浮き彫りになります。

 最終局面の難しさは、詰めの難しさです。よく「詰めが甘いんだよ!」と怒られたりしますが(僕もよく怒られた)、勝負は下駄を履くまで分からない。

 シェア探しに即していえば、「鍵をゲットするまで安心するな」です。幾ら話がついても、いくらデポジット(手付け)を打っていても、実際に鍵を貰うまでは安心してはダメです。何があるか分からない。もしかしたら、オーナーの気が変わるかもしれないし、もしかしたら英語が出来なくてぜーんぜん勘違いしてるかもしれないし、もしかしたら入居する前に火事で家が燃えちゃうかもしれないのだ。実際、オーナー夫妻の奥さんが急病で救急車で運ばれ、旦那に電話してもオロオロしているだけで、とてもじゃないけどシェアの話なんか切り出せる雰囲気ではなかったということも実例であります。

 これはシュミレーションでもないし、試験でもない。本物の現実世界ですから、何があるかは分からない。このあたりの認識は、年が若い人ほど甘いので、この際徹底的にシビアになること。希望的観測で物事を考えるのを一切止めること。冷徹クールなビジネスマンになること。そうすれば、まさかという事態が起きて部下達が発狂同然に取り乱していても、唇の片端を軽く歪ませ、「ふっ、やはりな」と呟いて、冷静な処理を次々に打てるカッコいい上司になれますよ。いつのまにか「仕事の出来る私」になっているという。いいじゃん(笑)。

 対策としては最後のキメ、最後の商談は、もう一回現場に足を運んで、対面して言った方がいいです。なぜなら英語電話は難しいし、微妙なニュアンスを間違える可能性がある。「住みたいんですけど」「そうか、わかった」という会話があったとしても、その「わかった(OK)」が何を意味するのか定かではないのですよ。「キミが住みたいという意向は了解した」という程度の意味かも知れないのです。それをシドロモドロの電話英会話で聞き分けろというのは場合によっては難しい。でも英語電話に苦手意識があるうちには、及び腰で電話してるから、無意識的に早く電話を切ろうとする、そこであと一歩の確認を怠る。そしてドボン!です。まさに詰めが甘い。だったら直接会って話してしまった方が確実だし、早いです。

 あと、宙ぶらりんになって最終確定に至ってない間は、手を緩めずどんどん新規アポを取り続けるといいです。幾らアポを取っても、いざ決まってムダになったら、あとで同報SMSでキャセル入れたら済むだけのことです。そして、第一〜第三志望が曖昧だったようなケースでも、淡々と探し続ければ、それまでの物件なんか問題にならないくらいスーパーミラクルな物件が出てきます。

 これまでの経験で大雑把に言えば、難産した人はだいたいいいシェアに行ってます。そしてその後もいいオーストラリアライフを送ってたりします。シェアは見つければいいってもんじゃないです。その後もあるのだし、逆に入ったは良いけど1日で出て、ウチに戻ってきた人も何人かいます。実際に夜そこに寝てみないと本当の居心地は分からないので。

理想の水準

 さて、長々書いてきましたが、僕が「よく出来ました!もう大丈夫!」って太鼓判を押すのは、

 @、最低で10件は見ること。そこまで出来たら大したもんです。
 とりあえず10件色々なエリア(最低でも8つ以上のサバーブ)を行けば、シドニーの交通機関や土地勘は大体のところ制覇でしょう。現場英語も外国人と接することもそれほど恐くなくなっているはずです。もっとも件数は目安であって実質的にA以降の条件も加味して考えるべきですが。
 A、「十分探しきった」と思えること。
 ここで不完全燃焼感が残ると、シェアに入った後「ああ、やっぱりもっと慎重に決めれば良かった」という後顧の憂いを残す。客観的には別に問題なかったとしても、どっかしら心に引け目があると、あとでジクジクと膿んでくることがある。ここで「いや、もう十分探しましたよ。ココ以上の物件なんかそうそうないですよ」と思えたら、多少のギクシャクがあっても納得できるし、不満にも思わなくなります。

 B、「ラッキーでは決めなかった」と思えること。
 10件以内にいい物件が出てきたときは、「ラッキー」と思ったりします。また、人との出会いは運不運ですからまさにラッキーなのはそのとおりなのですが、あまりにもラッキーだとばかり思うと、そのラッキーにしがみつくようになる。つまり「たまたま」良いところが見つかっただけで、本当に実力で見つけたわけではないという心の弱味になる。そうではなく「ココは確かに最高なシェアだけど、でも、このくらいの物件だったら又探せば絶対出てくる」「もう一回同レベルのシェアを探せと言われたら、楽勝で出来る」「別にラッキーで見つけたわけではない」と思えることです。この意識がとても大事。

 なぜかというと、入った後に「イヤだったらいつでも出ればいいや」と気楽に思えるからです。気楽に思えるからこそ逆に我慢も出来るし、あまり不快にも思わない。ところがラッキーで見つけたと思ってると、ここを離れたらそんなラッキーはもう無いかもって気分になるから、「我慢して解決」という消極的な方向にいきます。しかしその我慢が既にストレスになってるから、常時不幸感やイライラを抱えることになって、さらにつまらなくなる。こうなると悪循環の袋小路。

 C、同じように、決めるにしてもどっかで「逃げ」「守り」の要素が入ってる場合はあとで祟ります。もう疲れた、しんどい、「もう、ここでいいじゃん」「早く楽になりたい」という意識で決めると、Bと同じ問題が出てきますから。勝ちきった感、征服感がないから次に進めないという。

 D、出来れば「ドラマ」の一つや二つ、欲しいです。5つアポをとったけど、そのうち4件にすっぽかされたとか、ヒドイ目に遭うことです。シクシク涙目になって帰りの電車に乗ってると、親切そうな老夫婦が「どうしたの」と話しかけてきて、家でご飯をご馳走になったとか(実話)。シェアを見に行ったら、やたら意気投合して、ワインを2本あけてしまって、ついに一晩泊ってしまったとか(実話)。

 以上のアレコレの試練を乗り越えたら、たった数日だけど顔つきが変わります。特に男の子はよく変わる。いい男になったりしますね。

 この時点で、獲得したスキルはことシドニー生活に限ってみても、@シドニーだったら住所だけで、何処でも自力で行ける自信がある、A道行くオージーに話しかけるのに1秒も躊躇わない、B日本人以外のローカルと話すのが恐くなくなる、というかむしろ楽しくなる、そして最後にCシェア探しそのものが楽しくなる。「これ、超面白いですよね!」といえるようになったら、もう大丈夫!

 それと同時に、長期的には宝石のようなスキルを身につけてます。どっちかといえば、こちらの方が大事だと僕は思うのだけど、
@実際に何事かを成し遂げるためのプロセスを体感する。
 これは成功するためには何をどのくらいやるべきなのかという成功パターンの原型になる。
Aありとあらゆる人生スキルのヒントを得られる。
 事務処理能力から、詰めの甘さから、咄嗟のときにテンパってしまって肝心なことを聞き忘れたり、言うべき事を言えなかった自分の肝っ玉の小ささやビビリ根性やら。ヒントも課題も山のように得られる。そして、言葉にするとクサくなるけど、人情のありがたみですよね。通りすがりの赤の他人、それも外国の人から受けた無償の善意、厚意の温かさです。たったこれだけのことで、こんなにもハッピーな気分になれるものかって不思議な気分になるでしょう。

 これらのスキルが、今後オーストラリアでひとりぼっちでやっていく大きなステップになります。だから、何度もいうけど、シェア探しがちゃんと出来たら、あとは何でも出来ます。職探しでも、ボランティアでも、なんでもそうです。


 かなり長くなってしまいましたが、大体のトコロはわかったと思います。

 この一連の行程というか、教程は、別に僕の独創ではなく、皆さんのお世話を続けていくウチに自然とこういう形に調琢されれていったという感じです。それにあなたに教えるのは僕ではなく、「オーストラリアという現実」です。これ以上の教師はいないでしょう。僕は先生の前まで連れて行くだけです。

 思い切ってやってしまえば数日で形になる程度の簡単なことなんだから、是非トライしてみてください。シェア探しでは日本人はアドバンテージ高いですよ。ほとんどエコヒイキ、逆差別じゃないかってくらいで、"Japanese? Oh good! コンニチワ!”とか少なくとも一回は言われると思います。どれだけ世界の人達に高い評価を受けているか、それだけでも肌身に感じてください。



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1.シェアアコモデーションとは何か
2.ホームステイとシェアの実質的な違い
3.シェア探しの電話英会話・想定問答集 (シェア探し入門その2)
4.シェア広告用語、エリアの簡単な説明 (シェア探し入門その3)
5.シェア探しの実戦的なTIPS (シェア探し入門その4)
6.シェア探しのための実戦サバーブ別解説 (シェア探し入門その5)
7.「道に迷った!」は英語でなんと言うか?実戦現場英会話用例集(シェア探し入門その6)

あわせてご参照下さい。
 100%英語環境でのシェア探しがなぜ成功の第一関門になるのか?

 みんなの写真館
APLaCを訪ねてこられた皆さんのスナップショット集。シェア探しのリアルな記録写真も載せていますので、「なるほど、こんな感じか!」と一層理解が深まると思います。

 みんなの動画館
一括パックで来られた方々の最初の一週間終了時のインタビュー、実際にシェア先の中まで入っていっての映像、レストランや移動中などのオマケ映像、さらには労働ビザを取得して長期滞在された方のインタビューも掲載しています。。