このコンテンツはコラムです。
皆さんの留学&ワーホリ生活をヘルプしている間に頭にぽっかり浮かんだこと、妙にチマタに蔓延している都市伝説まがいの誤解など、メモ書きあるいはエッセイ風味で軽く書いたものです。
4.現地に着いたらすぐ銀行口座を開設すべきか?
よくそう言われていたり、その手のサポートがあったり、そーゆーもんだと思いこんでる人がいますが、本当にそうかな?
そもそも銀行口座なんか要るの?という根本的な疑問もあります。
住所
冷静に考えていただきたいのですが、
銀行口座を開設する場合には「住所」が必要ですよね。キャッシュカードやステイトメントと呼ばれる明細書を送付する住所です(最近はオンラインオンリーもありますが、それでも住所登録は必要です)。着いてすぐの段階であなたは住所を持っているのか?そして、その住所は1ヶ月先、3ヶ月先においてもあなたの住所でありうるのですか?
とりあえず着いた当初はバッパー暮らしという場合、そのバッパーに来週も再来週も居るという保証はないでしょう。日本からホームステイの斡旋を頼んだとしても、そのホームステイが気に入らなくてすぐにチェンジしてもらう可能性もあろうし、またそもそも4週程度の申込みだったら1ヶ月後の住所は未知のままです。APLaCの
一括パックで来られる人でも、当初は近くのバッパーなどを取りますが、1週間くらい後にはどっか別のシェア先に移動しているでしょう。
このように
住所というものは、現地到着から数週間は安定しません。暫定的に適当に住所申請して口座を開設することは出来ますが、その後すぐにまた住所変更をしなければならなくなります。当面必要なことはキャッシュカードを送ってもらうことですが、これが口座開設から"5 working days(5営業日)" かかると言われますから、最低でも土日抜きにした5日後にも確実に居るであろう住所が必要です。
学生証と口座管理料減額
第二に、語学学校などに行く場合、学生証を発行して貰ってから銀行口座を作った方がいいです。銀行によりますが、学生さんの場合、口座管理料(月5ドルくらい)をオマケしてくれます。他行でも似たようなサービスはあるでしょう。そのためには学生証、ないし学校から発行した貰った証明書が必要です。現地に着いたばかりで、まだ学校を決めてない場合、あるいは学校は決まっててもまだ学生証を貰ってない場合は、焦って開設するよりは、ちょっと待ってこれらの書類をゲットしてからにした方が良いでしょう。学生証をゲットした後に、またぞろ銀行に足を運ぶのも二度手間だし、それで割引を受けられたとしても、銀行の事務処理上の基準日の関係で「次回以降」ってされてしまわないとも限らない。
具体的にどう必要なのか?
第三に、根本的な疑問ですが、
着いた当初から銀行口座なんか要るの?という点です。
お金の移動の仕方に詳しく書いておきましたが、日本からお金を持ってくる方法は沢山ありますし、それぞれ一長一短あります。そして、多くの場合、着いてしばらくはバイト代などのお金が入ってくる機会は少なく、
もっぱらお金を使う局面ばかりでしょう。特に現地で学校も家も決める場合、学費やシェアのボンド&前家賃などで、着いてからの一週間で所持金の大部分を使い切るくらいの感じになるでしょう。ドカンとお金を支出するのはそれくらいで、あとは細々とシャンプーやらコーヒーやらを買いそろえるくらいでしょう(精々1−2万もあれば足りる)。そして2週目以降になり学校もシェア生活も始まって安定飛行に入れば、シェア代含めても週2−3万円くらいしか使わないでしょう。つまり、お金というのは
着いた当初にドカンと使い、あとはそれほど遣わない。
しかし、上述のように着いて一週間は口座を開設したくても住所もないです。開設したところで来週になるまでキャッシュカードは手に入らないから、土日はATMからお金を下ろせない。だから土曜日のシェア探しで見つかってもボンドを払う預金は月曜日まで引き出せない。これ、面倒臭いですよ。でもって、口座開設が出来るような(住所も決まって)安定期になれば、もう週に2−3万くらいしか使わないという。これだったら別にシティバンク(現在SMBCプレスティア)や新生銀行の海外キャシュカードで十分間に合うでしょう。週イチに200ドルづつ下ろす位の感じで。
あと学校の費用というのは、何も一種類の支払方法しかないわけではなく、複数の方法を併用できます。例えば、2000ドルはクレジットカード、1000ドルは別のクレジットカード、残りはキャッシュという支払い方法でも受け付けてくれるところも多いです。
稼げるようになってから
本当に銀行口座が必要になるのはアルバイトなどで収入というものが生じた以降です。それも給料は銀行振り込みやチェック(小切手)などの場合で、その多くはジャパレスなどの日系企業ではなく、ローカルのオージー企業で働く場合です。ワーホリの皆さんに最も関連するとしたらラウンドでのファーム作業などでしょう。ジャパレスなどの場合、キャッシュジョブが多いと思われます。
ここを説明すると専門的な話になりますし、キチンと調査をやって調べたわけではないですが、僕がジャパレスの経営者だったらキャッシュで払いますよ。なぜかというと、基本的に長く働けない学生やワーホリさんを雇う場合、人の出入りが激しすぎるからです。イチイチ従業員名簿作って、源泉徴収で税金を控除して、税務署に申告して、、、なんてやってたら経理の手間と経費だけで気が狂いそうになるでしょう。アカウンタント(税理士)の経費だって高いですよ。1日で辞める奴だっているんだし。長期の従業員は別としてもカジュアルなヘルプ程度だったらもう帳簿にも載せないでキャッシュで済ませる、、、本当はイケナイのでしょうが、実際やってられないと思いますもん。
したがって、ローカル企業で働くような場合、あるいは日系でもある程度安定して長期で働き、しかも給料が小切手や振り込みだと言われた場合にオモムロに作ればいいじゃないですか?先走ってANZで口座作ってても、「ごめんねー、ウチはウェストパック銀行と取引してるから、この銀行のRandwick支店に口座作ってね」なんて言われないとも限らないです(というか、そういう実例あり)。
ということで、本当の本当に銀行口座が必要になるのは、シドニーの場合は日系ではなくローカルで仕事がゲットできた人、あるいはいよいよラウンドに旅立ち、行く先々でファームの仕事をするような場合じゃないでしょうか。実際、ラウンド前の準備として作る人も多いですよ。
一方、銀行口座を作る場合に「住所証明」が必要です。地元人はこちらの運転免許(なければ自分宛の電気代の請求書など)で済ませますけど、皆さんは持ってない。パスポートも役に立たない。だから住所証明が難しい。ところがオーストラリア入国2ヶ月までなら住所証明不要(無理だから)としている銀行もあります。ANZなんかそうだったと思います。ですので、いよいよ5カ月目にラウンドに出る際に口座を作ろうとしたら住所証明が無いからダメだったという話をききます。しかし、Don't worry、もう数軒ほかの銀行、ほかの支店をハシゴしたらいいです。どっかで絶対作れるから。なぜかというと、そもそも銀行によってそれらの規定はバラバラだし、その規定も年柄年中変わります。そして、ここがキモなんだけど、オーストラリアの多くの場合、末端の職員は職務に精通してないです。これだけの転職社会だから、トレーニングもみっちりやってるヒマもない。そもそもそんな規定があることを知らないという職員も沢山いるわけですよ。だからこそ移民局に3回聞きにいったら3回とも違う答をされたりするわけです。困ったもんだけど、そこが付け目でもあります。学生やワーホリがウジャウジャいるシティやボンダイの銀行だったらこの種の規定は頻繁に出てくるから皆知ってるかもしれないけど、ちょっと離れた地元人ばっかりサバーブにいけば、あっさり作れたりもします。実際、ANZではダメだったけど隣のコモンウェルスだったらOKだったとか、ボンダイだったらダメだけど○○だったらOKだったという実例は沢山あります。
以上のことを総合すれば、どうしても銀行口座が欲しければ、
着いて生活が軌道に乗ってから〜2カ月までの間に作るといいかも。その頃には住所の目処も立っているだろうし、学生証もある反面、その期間だったら住所証明もまだ要求されないでしょうから。日本の口座から資金移動をする人も、こちらの銀行口座を日本の銀行に届け出たりするので(郵送しかダメとか)、結局、ゆっくりやるしかないです。
5.現地に着いたらすぐTAX FILE NUMBER(TFN)を取得すべきか?
これもよく聞くけど、焦る必要は全くないと思いますよ。
そもそもTFNとは何か?ということを知ってる人が意外と少ない。「なんだか分からないけど着いたら直ぐにやらなきゃイケナイもの」くらいの感じでしょう。この機会に知っておきましょう。TFN=タックス・ファイル・ナンバーとは
納税者番号です。納税者一人一人に固有のID番号があるわけです。
何のために必要か?というと、
あなたがオーストラリアで一銭も稼がないのであれば不要です。稼がなければ納税する必要もなく、納税する必要もなければ納税者番号も要らない。したがって観光客にはTFNは要らない。
ということは、あなたがオーストラリアで
何らかの収入を得るまでTFNなんか必要ないということです。
留学生あるいはワーホリであるあなたがオーストラリアで何らの収入を得るとしたら、おおむね二つのパターンがあります。@働く、A利子収入です。Aの利子ですが、オーストラリアの利率は日本よりも良いので、もしまとまったお金を持ってきたら定期でも何でも入れておくといいです。いっときよりもだいぶ落ちたけどまだ2%前後はつくかなー。さて、こういった利息が入った場合、税金がしっかりかかります。何にもしないと銀行で勝手に一律税率で引かれちゃったりするのだけど、銀行にTFNを伝えておけば、銀行は何もしません。銀行は税務署に「TFN○番の人の預金です」と伝えれるだけ。引かれないで済みます。あとは本人が確定申告(TAX RETURN)のときに申告する。しかし、これは利息がウハウハという比較的リッチな人の場合の話で、限りなく金利ゼロに等しい普通預金の場合には仮に利息を銀行に控除されたとしても1円前後でしょう。多くて数円。別に大騒ぎしてTFNがどうのと言うような話ではないです。
@の仕事ですが、4の銀行口座で述べたように現地のジャパレスのキャッシュ払いの場合、いちいち従業員名簿や源泉徴収なんかやってなかったりするかもしれず、そういう場合は「TFN番号は?」と聞かれることもないでしょう。しかし、ファームで働くような場合にはキッチリやってますから、必要です。
いずれにせよ、働くようになってからでいいわけで、「着いたらすぐ」と強迫観念に駆られるような話ではないと思います。それに、TFN番号取るにも「住所」が必要であり、結局上と同じく住所問題が出てきます。
TFNの取得方法ですが、ATO(税務署)のサイトでオンラインで取ります。わざわざ税務署まで足を運んでも「オンラインでやってね」と言われちゃいます。
How to apply for a tax file number (TFN) - IndividualsというところにTFNの詳しい解説があります。
このページのリンクから
Foreign passport holders, permanent migrants and temporary visitors ? TFN applicationに飛んでやります。APLLYってところをクリックして登録すればいいです。
TFN番号は9桁の数字オンリーの番号です。「123 456 789」みたいな感じ。これを印刷した紙を、申請した住所に送ってくれます。28日以内に送ると書かれてます。郵送される書類そのものが重要なわけでもなんでもなく、書類に書かれている番号が大事です。
番号情報のみが大事で、紙そのものはどうでもいい。だからメモったり写メった番号を職場等に伝えておけばいいです。
ちなみにこの種の申請や照会などをする際、参照番号(リファレンス・ナンバー、よく"Ref."と表示される)というものを同時にくれます。後日、「申請したけど通知がこないぞ、どうなってるんじゃ?」と問い合わせたような場合、その申請を当局のコンピューター等で調べる場合に使うのですね。「リファレンスナンバーを言ってください」と言われます。これも後日のために控えておくといいですよ。
なお、これからラウンドに出るので「郵送先住所」と言われても困る!という人は、頼れる知人の住所を書いておき、その知人にあとで電話で番号を読み上げて貰えばいいです。
★TIPSその1
ラウンド先でTFNの通知書を無くしたり、書いたメモをなくしても大丈夫です。お近くのATOに行って、パスポートなどで身分証明(本人確認)をしてから、自分のTFNを聞いたらいいですよ。教えてくれます。
6.イノチより大事なパスポート?
海外旅行に出掛けるときによくこう言われますが、命の方が大事なことは言うまでもありません。
それだけではなく、チマタで言われているほどパスポートが重要なものかどうかについて僕個人としては疑問があります。少なくともオーストラリアで留学&ワーホリをする場合、そこまで金科玉条のようにパスポートを崇め奉る必要はないと思われます。
なぜかというと、
実際に現地に住み始めてしまうとパスポートなんか殆ど使う機会が無いからです。あなたは日本に住んでいて、日常生活でパスポートを使いますか?使わないでしょう?それと同じことです。以前エッセイにも書きましたが、あまりにも現地で使う機会がないから、僕もパスポートを期限切れで失効させたことがあります。それも期限切れになってから3年以上もほったらかしにしてたので、最後は再交付ではダメで改めて新規申請からやり直す羽目になりました。海外で新規申請するのは手続面倒臭いので、皆さんも有効期限にはご注意を (^_^)。しかし、3年以上(実際には4年半くらいの期間)、僕はパスポートの事なんか全く意識せずに現地で暮していたわけです。パスポートなんかそんなもんです。
ポイントは、パスポートが必要な局面とはどういう場合か?です。
90%以上の場合、それは
「国境を越えるとき」です。
パスポートというのは、国民としてのあなたのアイデンティティを、当該国政府が公的に証明したものです。国境を越えるとき、多くの場合は空港の出入国のカウンターで、「○○国の○○という人が▼▼国に入った」ということをチェックするためのものです。
だから国境を越えずにずーっと一つの国に滞在しているんだったら、日常的にはあんまり必要ではないです。
一般に日本人の海外旅行者は、限られた日数のもと、非常にタイトなスケジュールで動き回ります。「半年ほどスイスでのんびりしてくるよ」なんて人は珍しいでしょう。今週行ったと思ったら来週もう帰ってくるという。それもオーストラリアやアメリカだったら一国だけですが、ヨーロッパなどでは各国周遊しますから、年柄年中「国境を越える」という事態が起きます。したがって、セカセカと国境を出たり入ったりする日本人の海外旅行においては、まさにパスポート命といって過言ではないでしょう。紛失したらその時点で動きが止まってしまうわけで、芸術的ににタイトに組んであるスケジュールが破綻してしまい、かなり面倒なことになります。実際にパスポートを使う日本人の圧倒的大多数は、この種の海外旅行強行軍でしょうから、その意味で「パスポートは絶対なくすな!」という教えは正しいです。僕もそこに文句をつけようというわけではないです。
僕が言っているのは、ワーホリや留学の場合はこういった
一般的な日本人の海外渡航パターンから外れて、準住民として現地で暮らすわけですから、話は自ずと変わってくるでしょう?ということです。他の箇所でも書きましたが、「海外旅行=スーツケース」という固定観念も同じく妥当しません。あなたの現地での暮らし方は、日本での生活とそんなに大差ないです。
日本での日常生活にスーツケースやパスポートが要らないように、こちらに暮らせば要らないよ、と。
とはいえワーホリなどの準住民でも全くパスポートが要らないわけではありません。
現地で暮らしていてもあなたが
「海外からきた外人として行動する場合」には必要です。すなわち、トラベラーズチェックを使うような場合です。また、ビザその他でオーストラリア政府に用があるような場合、逆に日本政府(領事館など)に用があるような場合です(海外選挙とか)。しかし、トラベラーズチェックも殆ど見かけなくなった現在、そう頻繁にあるものではない。
その他、
身分証明書として使う場面があります。銀行口座の開設などですね。パブでの年齢証明に必要という説もあります。が、留学生の場合はもとより、ワーホリさんも多くは学校に通われるでしょう。年齢証明くらいだったら学校が発行する学生証で事足ります。そんな、飲みに行くのにいちいちパスポート持参だったら大変でしょう。
あとは、こちらで労働する場合、「労働する権利を持っている」ということを証明するためにパスポートが必要という場合もあります。ただし、これはパスポートが必要なのではなく、パスポートにリンクされているオーストラリアのビザに「働いていいよ」と書いてあるかどうかを確認するのが目的です。オーストラリア政府としては不法労働を閉め出すために雇用主に確認するよう励行を求めてますが、実際どれだけ実施されているか、かなり怪しい部分はあります。それに雇用者は非雇用者のビザの労働条件についてインターネットで調べることも出来ます(調べることが義務付けられている〜VEVOという専用のサイトもある)。あるいは労働権だけが問題なら、ネットでビザを取ったときに送られてくるメールをプリントアウトして見せれば足りるとも言えます。要するに証明できればいいんだから。
僕の感覚では、パスポートが集中的に必要なのは、最初にオーストラリアに入国してから1−2週間でしょう。学校に入学したり、シェア契約をするときの本人確認とか、生活の基本を立ち上げる局面です。それを過ぎて、学生証を交付して貰ったら、あとは特に必要がない限り、パスポートが求められる場面は極めて限られているように思います。少なくとも毎日必要というケースは少ないのではないでしょうか?
なお、もっと長期で住まわれる場合、永住、駐在、大学数年コースの留学などの場合は、逆にパスポートだけで足りません。出来れば早めにこちらの運転免許証を取られたらいいと思います。州によって扱いは異なりますが、日本の免許証をそのまま書き換えられたと思いますから。使い勝手では、免許証の方が、パスポートの数倍の価値があります。なぜならパスポートは国民証明はするけど住所証明にはならないからです。だからパスポート持っていってもレンタルDVDの会員になれません。これは日本でも同じです(僕も日本で同じことをしたけどダメだった)。それに小さいし、軽いから財布に入れられるし。僕が4年以上もパスポートなしにのほほんと暮らせたのは、運転免許証という万能IDがあったからです。
パスポートについてしつこく書いているのは、パスポートにナーバスになりすぎて二次災害を引き起こさないためです。
リスク管理の項にも書きましたが、致命的な危機というのは二発目に来る二次災害である場合が多く、また多くは自分からそれを招いてしまいます。例えば、街を歩いていて、ふと「あ、さっきの銀行にパスポート置いてきちゃった!」と気付いてパニックになり、焦って車道に飛び出して車に轢かれるような場合です。あるいは、シェア探しでも命よりも大事なパスポートを保管するために完璧セキュリティマンションじゃないと住むがイヤだとか、ラウンドでもバッパーなどでは安心できないからホテル住まいしかダメとか言ってたら、貴重な体験機会を逃すことになります。だから、パスポートなんか「それほどのもんかい?」って逆説的に書いているわけです。
パスポートを紛失した場合の救済方法
さて、パスポートを紛失したり、盗難に遭った場合はどうするか?です。
あなたに1週間以上の時間の余裕があるなら、日本領事館に行って再申請すれば足ります。費用も186ドル(2018年04月現在)ですから、日本の場合の1万6000円と、それほど大きな差はないです。
そんなに時間的な余裕がない場合、すなわち帰国が目前に迫っているような場合は、悠長にパスポートの再交付を待ってることは出来ません。そう言う場合は、日本領事館に行って
「帰国のための渡航書」というものを発行して貰えばいいです。これは即日(ないし翌日)出ます。日本への片道&一回限り有効の暫定措置ですが、これで速やかに帰国できます。手数料は29ドル。
詳しくは、
在オーストラリア・シドニー日本領事館のなかの、
旅券発給の各種手続きなどをご参照ください。
「明日帰国なのに、パスポートがない!」で絶望的な気分にならないでください。It's not the end of the world. 「帰国のための渡航書」というテがあります。考えてみれば、オーストラリアに訪れる日本人観光客は年間70万人とも言われます。全員が全員パスポートを紛失しないわけがないです。仮に1000人に一人なくしていたとしても年間700人、1日に約二人の割合でなくしているわけですから、旅行会社も領事館も、それに対応していないワケがないです。
しかしながら渡航書はあくまで、帰国&一回限りと暫定的な措置であり、オーストラリアのあとNZやアジアを周遊して、、というわけにはいきません。また、いくらすぐに交付されるとはいえ、土日休日だったらまた面倒でしょう。また、移民局に行って再度ビザを貰わないと空港で足止めを食らうという説もあります。リアルタイムにどうなってるかは僕もよく分かりませんが、
直前パニックを避けるための実践的なノウハウでとしていえば、「帰国(or出国)2週間前の時点でパスポートを確認しろ」と言えると思います。
まあ、一週間あれば新パスポートが交付されるのですが、あんまりギリギリなのも問題だし、土日問題もありますから、余裕を持って2週間とします。「あそこにあるはず」とタカを括らず、実際に手に取ってみて確認すべし。その後は、絶対になくすな!です。
パスポート盗難 〜日本人のパスポートは高く売れる?
パスポートの盗難にやたらナーバスになる人がいますが、準住民としては、常に肌身離さず、、、なんてやってなくてもいいです。というかやってられないでしょう。肌身離さずも良いけど、妙に常時持ち歩いて紛失する確率と、家に泥棒が入って持っていかれる確率とどっちが大きいかです。
これまで僕がサポートしたなかでパスポートをなくした人が3人おられますが、3人とも拾った善意の人が届けてくれてます。あなたは、落としたら最後、「日本人のパスポートは高く売れる」から速攻で闇ルートに流されるとお考えではないですか?WRONG!です。確かに闇ルートはあるでしょう。日本国内だってブラックマーケットで戸籍の売買をやってるくらいなんだから裏社会に入れば何でもアリでしょう。でも、その裏社会にコネクションを持ってる人が一体どれだけいるというのだ?あなたは、自分のパスポートを闇ルートで高く売れますか?誰に話せばいいの?オーストラリアだって事情は同じです。あるいは日本よりもその種の闇組織の力が弱いので(オーストラリアには日本ほど暴力団がはびこっていない)、普通の住人は日本人と同等、あるいはそれ以上に善意だったりします。そんなに誰も彼もが闇ルート知ってるわけでもないし、それで金儲けしようと思ったりもしません。
以上、パスポートについてまとめれば、あなたが年がら年中国境を越えて、外人旅行客として行動するならパスポートはとても大事なものですので、大切にキープしてください。ワーホリ&留学生のように準住民の場合、パスポートが活躍するのはもっぱら当初の1−2週間に過ぎず、必要以上にナーバスになりすぎて、二次災害を引き起こしたり、貴重な経験をミスったりしないでください。リスク管理のコツは、やたらビビることではなく、第一にメカニズムを理解することであり、第二に被害救済方法を知ることです。
そうでないと、当初はやたらナーバスになっているものの、そういう情緒的な反応というのは得てして「喉もと過ぎたら熱さを忘れる」ことになり、帰国直前まですっかり忘れてしまうことになります。で、いよいよ帰国という段になって、真っ青になって慌てるという。それで転んでケガでもしたら処置なしです。要は、メリハリをつける、ということです。
なお、以上のことは、オーストラリアで且つワーホリ&留学というケースについて書いてます。これが別の国だったら話は全然違うでしょうし、オーストラリアでも別のビザだったらまた話も違うでしょう。それぞれの特性をしっかり把握しましょう。
→次に行く