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食のDIY オーストラリア・シドニー自炊のススメ

胃にやさしく、財布にやさしく
Why don't you cook it by yourself?
  

 移民国家オーストラリアには世界中の食材と料理法が集まっており、食いしんぼには天国みたいな環境です。僕がオーストラリア永住を決めた理由の一つは、「メシがバラエティに富んでいて、しかも安くて美味い」という点があります。

 一方、デフレ日本からみたら今やオーストラリアの方が賃金も物価も高くなっており、そんなに「安くて美味しい」とは言い切れなくなっています。これは長期生活をされる留学生さんやワーホリさんには厳しい環境です。

 しかし、それでもまだまだ安くて美味しく、しかも栄養のバランスも取れている自炊方法は沢山あります。料理というのはちょっとしたコツを知ってるだけで、そこそこレベルであれば作れてしまうものですのですから、これを利用しない手はありません。

 カップ麺食べたり、そこらでコーラ一本買ってたりしてたらお金が幾らあっても足りないでしょう。栄養や添加物の議論はさておき、20代男子の晩飯がカップ麺一つで済むとも思えない。小腹が空くから結局間食をしてしまい、その間食代がもっとかかる。コーラなどは一本だけ、それもテイクアウェイなどの店先で買ったら1缶2〜3ドルほどします。しかし、24本カートンをスーパーの大安売りのときに買えば一缶50セントで済む。1日平均1缶飲んで価格差2ドルだったら年間730ドルもの差になります。日本への航空券くらい余裕で出ます。ビールだったらもっと差が出ます。こういう金の使い方を改めるだけでも年間十数万円は浮くでしょう。

 ということで、ここでは「安く」という点を重視しますしかし貧乏臭くなったり楽しくなかったら意味がないです。だから質は落とさない。同時に作るのに異様に手間暇がかかるのもカットします。だけど将来的に「料理が上手な奥さん(ダンナさん)」としてのスキルアップにもつなげたいです。要するにイイコトづくめにしたいわけですね。こんなのやり方一つです。

 一応の基準でいえば、目標は平均単価一食1ドル以下。これはあくまで目標なので実際には数ドルくらいかかるでしょうが、それでも5ドル以下に抑えたいです。調理時間は30分以下。出来れば10分以下。カレーのようにドカンと作ってしばらく同じものを食べるという場合もあるので、この場合は最初に数時間かかりますが、以後は一食数分で済みますから。

第1回:料理の基本構造とその応用(1) ストック+調味料の二重構造
 〜その応用としての洋風スープ/シチュー、ホワイトソースとトマトソース、中華スープ&炒め物

第2回:基本構造の応用(2) 和風編
 〜うどん・蕎麦の麺つゆ系、煮込み料理系、丼系。インスタント食品は要らない(自分で作れるカレー、釜飯、麻婆豆腐など中華系)

第3回:基本構造の応用(3) エスニック編
 〜イタリア料理、タイ料理、インド料理

第4回:実践&食材調達編 (1)
 〜サンドイッチ編 基本コンセプト、パンの選定、具の選定、製作

第5回:実践&食材調達編 (2)
 〜ソーセージの偉大な効用

第6回:実践&食材調達編 (3)
 〜お米、ご飯編

料理/味の構造を知ろう

基本と応用

 料理が上手な人は、冷蔵庫をあけて余り物などを「ふんふん」と眺めて、ほんの10分くらいで料理本もみずにチャッチャと作ってしまいます。下手な人は、料理本と首っ引きになって、書かれている食材や調味料がなかったら「もうダメだ!」で投げ出しちゃったりします。

 料理に限らず「○○がヘタな人 」というのは、

@基本構造がわかってない

  ↓ だから

A難しく考えすぎて、マニュアル(解説本)がないと何もできない

というパターンに陥るようです。しかし、この種のコツというのは煎じ詰めれば1分で理解できます。極論かも知れないけど、僕は本当にそうだと思ってます。

 ここでは個別の料理法をあれこれ書きません。そんなの書いても忘れるし。それよりも大きな「発想」「構造」を書きます。その方がはるかに覚えやすい。そして、基本から応用への考え方の筋道やパターンを覚えてもらいます。とにかく応用が利くようにする。

 応用はとても大事です。自炊においては生命線だといってもいい。
 応用が出来なければ自炊する意味がないと言い切ってもいいかもしれません。少なくとも経済的メリットかなり減ります。
 ここでいう「応用」とは、「ありあわせのものでチャッチャと作る」ことです。絶対にこのレベルまでは来てください。また絶対に出来ます!このページの日本語を理解できるだけの知能があったら出来ます。

 単純な自炊だけならそれほど節約になりません。
 むしろ材料費や調味料代でもっとお金が嵩むかもしれない。
 自炊でお金が激しく節約できるようになるには、幾つかの条件があります。@コンスタントに作ること、Aどんなものでアドリブで作れること、です。つまりは応用がきくこと。冷蔵庫に残っている萎びかけた野菜、賞味期限のヤバい食材、それらをいかに有効活用できるかどうかです。だから応用が大事です。ありあわせのものでチャッチャと作れるからこそコンスタントに作れるのだし、コンスタントに作るからこそ食材や調味料の無駄も少なくなり、平均単価がドカンと落ちるわけです。

味の原理

 能書きはこのくらいにして本論いきます!
 まず、料理の構造を知ってください。これは要するに「味の構造」です。味というのはどういう具合に組立てられているかですが、これがまた拍子抜けするくらい簡単です。


ダシ+調味料 という二重構造


 まず、この事を頭に叩き込んでください。
 これが中核部分です。これが大本の幹の部分であり、その他の料理ノウハウの多くはここから派生する枝葉や小知恵に過ぎません。

 今度味噌汁を作るときに、ダシを入れないでお湯に味噌だけ溶いた時点で味見してみてください。かなり不味いですよ。もう飲めたもんじゃないです。これは一回やってみて、もうどれだけマズイか身体で覚えてください。じゃあ次に和風ダシ(「ほんだし」のようなもの)を入れて下さい。これでいきなりなつかしい味噌汁になります。ここで、あなたは「ダシ」ということの意味を、身体を知ったことになります。この体験知識は宝石レベルに大事です。
 (注:これが激マズになる本当の理由は市販の味噌に入っている化学調味料その他の添加物のせいなのでしょう。本物の味噌だったらそれほど不味くはない筈です)。


 このように、料理/味というのは、ダシ(ストック)+調味料という二重構造になっていることを理解してください。

 「そんなの知ってるよ!」と言う人もいるでしょう。でも機械的に本だしを入れたり、鰹節をかいたりしてるだけでは分かったことにはなってないと思います。それは手順を覚えているだけで本質が分かってるわけではない。僕もこのことに気づいて、「そうか、そうだったのかあ!?」と目からウロコが落ち、料理がグンと気楽になり、同時に上手になったと思います。この構造さえ知っておけば、だいたいの調理法の見当はつくようになるから、調理法を暗記しなくても済みます。数学の公式をベタ覚えしなくても、公式の出し方、その発想だけ知っておけばいいということです。また、あとでも書くけど「○○の素」というインスタント系のものは買う必要もなくなります。日本料理に限らず、中華でも西洋料理でもある程度こなせるようになります。

ダシ=ストックとは

 ダシは、日本料理に限らず世界の共通の原理です。家の土台のように、ダシに相当する下部構造があり、その上に調味料やスパイスという建物という上部構造がある。二階建て原理になっているのですね。もちろん、ステーキやお好み焼きのようにダシが要らないものもありますが、通例の汁物、煮物、そして炒め物にもダシが使われています。

 ダシというのは、もともとは食べ物の素材の味です。食材本来がもっている味がジワジワにじみ出てきて、何ともいえない「うまみ」をつける。しかし、これが面倒臭い。ラーメンのスープもそうですが、鶏ガラやら野菜やらをグツグツ(×10)くらい煮込んで煮込んでようやく取れるものです。西洋料理でもコンソメやブイヨンのようにグツグツ煮込みます。数日どころか1週間以上煮込む場合もあるようです。超面倒臭いです。

 日本料理の場合、伝統的にインスタントに取れる二大ダシがあります。カツオブシと昆布です。世界に誇るべき、ナチュラルでオーガニックなインスタントストックです。インスタントといっても、鰹節やダシ昆布を作るまでに気の遠くなるような工程があり、トータルで言えば世界で最も手間暇をかけているのですが。しかし、オーストラリアで日本料理を作る場合、鰹節そのものは手に入らないからパックの削り節でとるか、あるいはこちらでも売られている昆布で取るかですが、一般には和風だしでいいでしょう。そんなに時間もないだろうし。ここでは「いかに本物の料理を作るか」論ではなく、「いかに財布・胃袋・手間暇に優しく作るか」論ですから。

余談(食の安全が気になる人へのコラム):化学(うま味)調味料と和風だしとMSG

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ストック
 
 西洋料理の本だしに相当するのが、一般に売られているストックと呼ばれているものです。日本ではコンソメといった方が通りがいいかもしれません。こちらのスーパーで色々と売られています。チキン、ビーフ、ベジタブルなど色々ありますが、基本はやはりチキンでしょう。鶏ガラスープの味になりますから、中華料理ほかあらゆる料理のベースになります。「中華だし」なんか他に買わなくてもいいです。

 銘柄も沢山ありますが、個人的にお好みなのが右の写真ほぼ中央にあるMasselのストックです。写真では減塩だけしかなく、スタンダードのものが品切れになってますが、どっちでもいいです。僕はチキン、ベジ、ビーフの三種を常備してます。使用頻度は10:5:1くらいでチキンが多いですね。どういうわけか同じ銘柄でも、上の段のカンに入ってるものよりもサイコロ状の方が美味しいように思います。気のせいかも知れないけど、缶入りは開けたり閉めたりする過程で湿気っちゃったり、変質するからかもしれません。


 ということで、和風だしとチキンストック、何はなくともまずこれらを用意してください。
 この二つがあれば、和+洋・中と応用がきくから、かなり万能です。
 和風ダシはシドニーだったら手に入ります。「これでなければ!」というお気に入りのレア銘柄があれば日本から持ってきて下さい(まあそのくらいこだわりのある人だったら、余裕で自炊できるでしょうからこのページは読まなくてもいいです)。

 以下、ダシ(ストック)を使った調理の発想と応用ヒントをいくつか書きだしておきます。

洋風スープ

 超簡単。お湯にストックと食材を入れて煮るだけ。

 例えば、冷蔵庫の中にある使い残したしなびた野菜があった場合、スープか野菜炒めですよね。でもスープが一番食材を選ばないから楽です。適当に鍋にぶち込んで、チキンストックを入れて煮込めばちゃんとしたスープになります。

 スープの種類なんか味噌汁の種類と同じで無限にあります。ストック入れて煮込めばいんだから、こんなに簡単な料理はないです。インスタントコーヒーを作れる人なら誰でも出来る。

 コツらしきものを言えば、とにかく時間の許す限り煮込めということです。弱火でトロトロと。煮込み系というのは時間が経てばたつほど食材の味がにじみ出てくるので美味しくなります。1日以上煮込んでたらストックなんか要らないです。食材からダシがでちゃうから。でもまあ1日というのは大変なので、最初は数時間、それがダメなら1時間弱でもいいです。味は、別に煮込まずに放置してても出てきます。キッチンに冷えたまま放置しておいた二日目のカレーやおでんが美味しくなるのと同じ原理です。だから、わりと多めに作っておいて、連続して食べる。後になればなるほど飽きてくるが、後になればなるほど美味しくなる。そうそう作ったその日に食べるにしても、煮込んでから一回火を止めて寝かしておき、食べる直前に再び温めると味の染みこみ具合が進むような気がします。

 あ、あと、西洋系スープを作る場合、白ワインをドバドバと入れるといいです。4リットルで1000円程度のカスクワインが安いですから好都合です。僕の場合、ストック少なめにしつつ、殆どワインで味付けします。料理酒というのは、あれは調味料というよりも一種のストックだと思います。日本の鍋物で、お湯の代わりに全部日本酒を使って作るものがありますが、そのくらいの感じでもいいくらい。

 あとは好みや食材の具合によってアドリブでキメて下さい。
 例えば、賞味期限が近いベーコンが余ってたら、ベーコンとジャガイモ、キャベツなどを入れてポトフというか、気分はドイツ風にする。

 イタリア風にしたかったら、トマトをミジン切りにしてブチ込み、さらにシェルなどの小さめのパスタをドバドバ入れておくとミネストローネ風になります。スーパーのライスの棚の近くに、穀物や豆類売り場があり、そこにミックスした豆セットが安価で売ってます。豆を入れても美味しいですよ。パスタや穀物が入るのでパンやご飯は無くてもいいです。スープだけで十分な食事になります。

 僕個人の好みでは、ソーセージとフェンネルのスープがいいですね。フェンネルは日本では珍しい野菜ですが、こちらではふんだんに売られてますし、安い。一個100円程度。説明が難しいのでグーグル検索の画像を見てください。独特の香り高さがイイです。これと次項に述べる予定のオーストラリア名物ソーセージ。あとは適当に人参などをぶち込んで煮込む。

スープとシチュー

 スープとシチューの違いは、今書いているような素人レベルにおいては殆ど同じです。「味噌汁と豚汁の差」とか言ってるようなものです。あっさり目がスープで、こってり目がシチューだという程度の差。もっともシチューは最初にタマネギと肉を炒めてから水を足すという意味でカレーに近いかも知れませんね。要は辛くないカレーをシチューというような感じ。なんで最初に炒めるかといえば、別に炒めなくてもできあがりにそれほど大きな差はないのだけど、タマネギというのは強火で炒めて「きつね色」にすると甘味が出るので美味しくなるってことです。だからスープでこれをやってもいいです。

 スープやシチューにベイリーフ(月桂樹)やブーケガルニを入れないとダメとかいうのは中上級者の言うことです。そこまでこだわれるようになったら料理も楽しいんでしょうけどねー。でも、ここでは別にいいです。味が良くなるかも知れないメリットと、あれこれ言って「面倒臭そう」と腰が重くなるデメリットを考えたら後者の方が大きいと思うから。

 さて、日本人的に「シチュー」といえば、ホワイトシチューとビーフシチュー(てか「茶色のシチュー」)でしょう。本物の西洋料理ではそんな大雑把な分け方はしないのだけど。例えばビーフシチューらしき物体も、ビーフストロガノフになったり、あるいはGoulashというスープに分類されてたり。しかし、ま、ここではナニゴトも大雑把にいきましょう。らしきゃいいんだ、らしきゃ。

ビーフシチュー

 ビーフシチューは、ちょっと手強いぞ。
 牛肉とビーフストックとトマトとワインを入れます。最初から長時間煮込むつもりならば一番安い肉でいいです。牛肉はかなり煮込まないとグニグニしてゴムみたいで食えたもんじゃないです。だから時間が短いなら高額な良い肉あるいはミンチで肉団子にしちゃう。時間が長いなら安い肉でいいです。「osso bucco」と呼ばれている骨付き肉が安いです。骨からいいダシが出ます。

 コツはとにかく煮込むこと。煮込んで煮込んで、肉なんか原型を留めなくて溶けちゃうくらいが美味。野菜もセロリや人参、あと見慣れない白い人参みたいなパースニップとかでもいい。スーパーにシチュー(キャセロール)セットとしてパックになってたりするので、あれを参考にするといいかも。これは野菜の甘味を出すもので、これもトロトロに溶けてしまうくらいがいい。結局出来上がったら何の具もないスープ状になってますが、これが栄養満点、消化にも良い。

 でも、これじゃ物足りない人は、中途でまた肉や野菜を追加するといいです。そうそう、ジャガイモはすぐに煮くずれるので、ジャガイモ状態で食べたいなら、最後の最後に入れたらいいです。電子レンジで柔らかくして入れてもいい。いわゆる自然のトロミを出したいならわざと煮くずれさせるのもテです(↓以下に指摘したように日本の片栗粉の殆どはジャガイモのデンプンで作ってるから同じこと)。なお沢山作って冷凍保存しておくなら、ジャガイモは外した方がいいです。コロッケのようにすり潰するならいいですが、そのままの形で冷凍したジャガイモは解凍するとカスカスして不味いです。

 ビーフシチューのワインは赤ワインがいいでしょう。白ワインでも上品な仕上がりになりますが、赤ワインの方が迫力が出る。色もグンと濃くなるし。あと、トマトは自分で刻んでいれてもいいし、カンカンでもいいし、トマトピュレーが別に売ってるのでそれでもいいです。トマトジュースでもいい。

 煮込み時間が長いという点でビーフシチューは結構気合がいります。週末のホビー的。美味いですけどね〜。
 肉をバラ肉や薄切り肉を使い、且つ出来上がりにグリーンピースを散らしたりすると気分はハヤシライスです。

 アジア系肉屋では、店先で言うとタン(舌)が出てきます。これがまた原型まんまで一抱えの砲弾くらいあるのでグロテスクなのですが、湯で皮を剥き、グツグツ煮込むと美味しいタンシチューになりますが、これも趣味の一品。もう「プロジェクト」って感じ。

 ホワイトシチューとホワイトソース

 ホワイトシチューは、ホワイトソースさえ出来れば簡単。スープにホワイトソースを入れればいいんだから。肉はチキンが合いますねー。ビーフでもいいけど、そうするとまた煮込むのに時間が掛かります。肉団子なんかもいいけど。
 ホワイトソースは、小麦粉+バター+牛乳という三種の神器で作ります。

 手順とか色々あるんだろうけど、大事なのは小鍋で別途ソースだけ作ること。つまり、ホワイトソースになってから他と混ぜること。スープに直接バターや小麦粉を入れるとダマになったりしてドツボになります。そこだけ気をつけて。あとは、テキトーでいいです。なんとかなります。

 僕も全部せーので小鍋にぶち込んでます。加熱しながらヘラで忙しくかき混ぜる(延ばす)こと。箸ではダメ。すぐ焦げるので、火力に注意。ミルクは順次追加していくこと。完全にクリーミーにならなくても、だいたい混じり合えばそれでいい。あ、あと、小麦粉は面倒でも一回フルイ(ザル)にかけるといいです。それだけでかなり固まらなくなるし、またこっちの小麦粉は小麦の皮とかかなり混じってるのもありますから。

 ホワイトソースさえ出来れば、これでグーンとバリエーションが広がります。ホワイトソース系のパスタだろうが、グラタンだろうが、スープスパだろうが、やり方は同じ。濃度や具が多少違うだけです。しかしホワイトソースの本当の実戦的な効用は、「賞味期限の迫った牛乳を使い切れる」という点にあります。こちらの牛乳は2リットルサイズですからね。ついつい余る。余りそうになったら、「よしホワイトソースだ」で、牛乳仕立て系の料理にする。まあ、ケロッグのシリアルでもいいんだけど、晩飯がシリアルというのも寂しいモノがあるよね。

トマトソース

 この際、トマトソースの作り方をやっちゃいましょう。これも簡単。

 トマトソースですが、こちらで迂闊に「トマトソース」というとケチャップが出てきてしまいます。ここでは、漠然とした概念だけど、パスタなどのイタリア料理でトマトベースのもの、「赤っぽいやつ」くらいの意味でいいます。

 ベースは、オリーブオイル+ガーリック+トマト(みじん切り)です。流儀によって、タマネギのミジン切りと一緒に炒めるとか、ハーブ(オレガノとかローズマリーとか)を入れるとか、色々ありますが、基本はこれだけ。トマトのミジン切りが面倒だったり、トマトが高い時期(キロ4ドル以上したら高いと思う)は、1缶60円くらいのDiced Tomatoを使うとよろし。「赤っぽいの多め」にしたかったらトマトの量を増やせば良いだけ。

 このトマトソースに食材を入れて(タマネギとか肉とかピーマンとか)を入れて炒め、パスタに絡めたらそれでOKです。ミンチ肉を入れて炒めたらミートソースになる。

 ホワイトもトマトソースも味付けはストックと白ワインです。ただし、トマトソースの場合、あっさりパスタに絡める程度だったらストックはなくても可。オリーブオイルとガーリックだけでそこそこ食べられる味になってるので、ストックの有無は味見して決めてください。

 

中華風スープ&炒め物

 西洋スープであろうが中華であろうが、鶏ガラ(チキン)ベースでダシを取ってるならば殆ど変わりません。途中までは一緒で、最後の仕上げで方向性が分かれます。

 例えば、白菜やネギなどが余ってたら中華風の方が美味しそうですね。これに卵を落としたりトロミをつけたら立派な中華スープになります。

 トロミをつけるのは片栗粉ですが、別に日本の片栗粉を探さなくても、そこらのスーパーでコーンスターチ(フラワー)を買えば済みます。水に溶いて流し込めばトロみがつきます。トロみとは要はデンプン部分ですから。片栗(ユリ科の植物)から作った本物の片栗粉は非常に高価であり、日本で売られている多くの片栗粉は実はジャガイモのデンプンから作ってます。

 さらにゴージャス化を図るならば、乾燥シイタケ(チャイナタウンに売ってる)をそのまま入れ(ダシが取れる)、柔らかくなったら引き出して千切りにする。奮発するなら缶詰のコーン(カーネルと書いてあるツブツブのやつがいい)、さらに豆腐なんか入れちゃったりしたらどんどん豪華になっていきます。一発キメたいあなたは、カニの缶詰(意外とこちらでは安い)を買ってきて入れると、「卵とカニの中華スープ」というゴージャスな夜を迎えられます。

 寒い日や風邪気味のときはスーラスープ(酸辣湯)でしょう。ショウガの千切りを山のように入れ、胡椒をガンガン振りかけ(辛味は胡椒の辛味で出す)、そしてお酢を入れる。出来ればチャイナ系スーパーで鎮江黒酢(香酢)があるとベスト。この黒酢、飲茶なんかにもよく出てきますが、小龍包につけて食べるにはこれがベスト。200円程度で売ってた筈。

中華風炒め物

 普通の野菜炒めなどの炒め系ですが、これにちょっとストックを入れると塩胡椒以外の味がついて美味しくなります。ちょっとでいいです。入れすぎるとストックの味ばかりになって詰まらんです。これに、後でも述べる中華各種のペーストを入れてピリ辛系にしたりするとますます雰囲気は盛り上がってきます。

 先ほど述べたスターチを炒め物にかけてトロミを付けると、あんかけ風になります。つまりは八宝菜とか、五目うま煮とか。ショボイ野菜炒めも、なぜかあんかけ風になっているだけで、妙にゴージャスに見えたりするから不思議です。

 応用編としては天津飯があります。卵に具を多少いれて平べったく(ホットケーキみたいに)フライパンで焼いてご飯に乗せ、他方では醤油とストックと砂糖と料理酒(無くても可)などでテキトーに味付けし、スターチを入れてトロミをつけたもの(1分もあったら出来る)を上からかけたら天津飯ができちゃったりします。

 炒め物のチャンピオンはチャーハンでしょう。しかし、チャーハンって意外と難しいんですね。まずご飯のカタマリをほぐしたり、かき混ぜたりするのが結構難しい。特に空中に放り上げなくてもいいのだけど、それにしてもかき混ぜるの腕力要ります。さらに、下準備にしても各野菜を細かく切らなきゃいけなくて面倒だったり。どってことなさそうなんだけど、意外と手間暇と技術がかかります。冷や飯をチンして、あとは大雑把に切った野菜を炒め、トロミあんかけにして中華丼にしちゃった方が手間的には実は楽です。

 でも、チャーハン美味しいです。書いてたら食べたくなってきた。中華風チャーハンはストック微量の他、オイスターソース(こちらは安い)と料理酒(日本酒)、あるいは酒と醤油を割ったものを入れると美味いですよ。酢を入れる人もいますね。こちらのチャイニーズレストランで店先に北京ダックとか吊り下げてある店で焼き豚(BBQ PORK)を買ってきて、さいの目に切って、ラード&肉として使うとかなり本格的に美味しいです。美味なタイチャーハンは、後でも述べるナンプラーと醤油を入れると美味い。インドネシア風ナシゴレンは多分サンバル系チリソースを入れるのでしょうか、インド風ブリヤーニと共に今は研究中です。

 長くなったので取りあえず一回切ります。
 ノウハウはまだまだ山ほどあります。

 →次に続く

第1回:料理の基本構造とその応用(1) ストック+調味料の二重構造
 〜その応用としての洋風スープ/シチュー、ホワイトソースとトマトソース、中華スープ&炒め物

第2回:基本構造の応用(2) 和風編
 〜うどん・蕎麦の麺つゆ系、煮込み料理系、丼系。インスタント食品は要らない(自分で作れるカレー、釜飯、麻婆豆腐など中華系)

第3回:基本構造の応用(3) エスニック編
 〜イタリア料理、タイ料理、インド料理

第4回:実践&食材調達編 (1)
 〜サンドイッチ編 基本コンセプト、パンの選定、具の選定、製作

第5回:実践&食材調達編 (2)
 〜ソーセージの偉大な効用

第6回:実践&食材調達編 (3)
 〜お米、ご飯編

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