5.「正しい地図」を入手せよ
STEP 01 : 「正しい地図」とはなにか
あなたが典型的な日本人観光客としてパックツアーでシドニーを訪れたのであれば、焦って地図など買わなくても良いです。おそらくはシティ内しか歩かないでしょうし、シティの地図だったらどんなガイドブックにも載ってますし、空港その他で手に入る無料パンフの地図で事足ります。
しかし、長期間シドニーに住むあなたは、もはや観光客/ツ-リストではなく、住民 or 地元民になります。地元民に相応しい行動半径と土地鑑を持たねばやっていけません。東京に何ヶ月も住んでいながら、「上野ってなに?それ人の名前?」なんていってる住民はいません。同じように、シドニーの各土地、CityやBondi Beachだけではなく、Nuetral Bay, New Town, Coogee, Glebe, Ashfield, Chatswoodあたりは必須、さらに行ったことなくても、Bankstown, Parramatta, Liverpool,Hornsbyが何処にあるのかくらいは知っておくべきでしょう。東京に住むんだったら、千葉と横浜の位置関係くらいちゃんと知っておけというのと同じです。
そうなると東京駅周辺や丸の内界隈しか載っていない地図では全然足りません。東京を中心とした通勤圏内をカバーしている地図が必要でしょう。
第二に、区分地図だと全体の位置感覚が把握できません。一覧で全てのエリアの位置関係がわかる地図が必要です。
第三に、シェア探しなどをする場合、
すべてのストリートの名前が記されている地図が絶対必要です。なぜ「絶対」なのかというと、ストリートの場所がわからなければ、正確な現在地点も目的地も分からないからです。
こちらの住所システムは、「建物番号+ストリートの名前+サバーブ(町)の名前+州(+郵便番号)」という構成になっています。
例えばNSW州にある、Chatswoodというサバーブの、Vitcotria Aveというストリートの、123番目の建物だったら、"123 Victria Ave, Chatwood, NSW"という住所表示なります。つまり、「住所さえわかれば必ず辿り着けるシステム」になってるわけで、だからこそシェア先に電話して行き方を聞くときも、普通は住所しか言ってくれない。それで必要十分ですから。しかし、地図上にストリートの名前が記載されていなかったら、たどり着けないことになります。
以上を整理して「正しい地図」の条件を列挙すれば下記の通り。
@シドニーのある程度の範囲(最低CBDから半径10キロ程度)が表示されている地図
A区分地図ではなく、全体の位置関係が把握できる地図
Bすべてのストリートが記載されている地図
STEP 02:スマホのGoogel Mapなど
Google MapとTrip Viewの使い分け
スマホのGoogle Mapや、地図アプリはたくさんありますし、行き先検索やら、ストリートビューやら、交通渋滞やら、かなり便利ですし、活用してください。
これはこれで真剣に活用しようと思ったらかなり奥行きがあります。例えば、スマホは電波状況が悪く、ネットに接続できなくなったらお手上げという致命的な欠陥があります。しかし、Google Mapでも「先に地図をダウンロードしておいて、ネットが切れても使えるワザ」もあります。日本語の解説サイトはたくさんありますのでお調べください。
例えば行き先ルート検索でも、Google Mapと公共交通機関アプリであるTrip Viewでは一長一短があります。Googleの良いのは、公共交通機関を一括して検索できること、さらには徒歩検索もできることです。また、何のバスと電車をどう乗り継げばいいか見当もつかない場合にGoogele Mapは威力を発揮します。
ただし、Googel Mapにも欠点はあって、リアルタイムに電車バスがどこにいるかはわかりません。あと無料GPSの宿命で、それほど精度が高くないことです。大体10-20メートルくらいズレてますから、いよいよどの道を曲がればよいかという至近距離においてGoogle Mapを使うと、ほぼ自動的に間違えます。なぜなら自分がいる場所を間違って表示しているからです。最後の最後は、ストリートの名前をちゃんと確認すべきです。でもGoogleの地図デザインはストリート名がわかりにくいのですよねー。Open Mapの地図デザインの方がわかりやすいです。
一方、Trip Viewは正確に何に乗るかがわかってるときに重宝します。バスや電車のGPSシステムをそのまま使ってますから、待ってるバスが今どのあたりに走っているかリアルタイムに分かります。これはかなり重宝します。Googleにこれは出来ませんので。ただし、どの電車バスをどう使うかはっきりわかってる場合には良いのですが、それすらわからないときには逆に使いにくいです。乗降のバス停の位置を入力しないといけないし、同じ場所にバス停が複数あったときに面倒臭いとか、その種の欠点はあります。
アバウトに調べるにはGoogleで、精密に調べるにはTrip Viewがよく、そのあたりの使い分けは必要です。
スマホ系の欠点
いくつかありますが、最大のものは「いつまでたっても土地鑑がつかない」という点です。もう二度と行くことがない土地で、締め切り間近で一刻を争うなら良いのですが、これから自分が暮らすような土地の場合、土地カンというのはめちゃくちゃ貴重な財産になります。頭の中に見取り図が出来ている人と出来てない人とでは、行動計画一つ建てるにしてもその効率性や正確性に雲泥の差があります。
スマホだと土地勘がつきにくいのか?といえば、大まかにはYESと言えるでしょう。なぜか?といえば、おそらくは
画面が小さいからだと思われます。新聞紙くらいの紙の地図で全体を見ていると、フィジカルに距離感がわかります。身体感覚でA地点とB地点の位置感覚が身につく。しかし、手のひらサイズのスマホの画面でやってると、ズームダウンしたら細かいところが見えなくなるから、結局は細切れの局地だけ、区分地図だけってことになるので、頭のなかでの全体像を作りにくい。
第二に、電子機器一般の弱点ですが、電気が無ければただの箱ということで、充電が切れたら終わりです。絶えず地図を見てたら電池の減りは早いですしね。モバイル充電器も併せて用意されるといいです。あと、ネット電波が切れたらアウトです。これも上に述べたように先に地図をダウンロードしておくワザでクリアするといいです。ただし、常にそこまで用意周到ってことはないので、その日に限って充電器を忘れるとか(重いし)、そういうことはありえます。
ということで紙の地図は、現在もなお有効だと思います。僕自身、転居回数十数回あり、知らない町に住むのは慣れっこですが、まず最初にやることは、ヒマさえあれば地図を読み込むことですね。頭の中に、その土地の細かな地名(固有名詞)を叩き込み、おおよその位置関係と距離を把握しておきます。大体のことは地図なんか見なくてもアバウトわかるようにする(最後の細かい住所とか番地は地図が要りますけど)。これをやっておくと(大した手間ではない)、あとで格段に違ってきます。
★表示させない 僕がオススメしていて、今もなおベストだ思うのは
Gregory社のMAP216番"Subrbun Sydeny"という地図です。
この地図が良いのは、ペラ一の地図でありながら、片面には半径50キロのシドニー全体図が、そして片面には半径10キロプラスアルファ(実践的にシェア探しの対象になりうるエリア)が網羅され、且つ
全てのストリート名前が記載されていることです。
上の地図の紺色の表紙の画像にマウスを乗せると拡大し、クリックするとさらに拡大しますので、右下に"MAP
MAP216"と地図番号が記されているのを確認してください。
左の画像で、「ストリートの名前が記されている」というのはこういうことなのだと理解してください。
この地図は、おおむね7ドル前後で売ってます(再販売価格制度がないので、書籍でも買う店によって値段はバラバラ)。これまで黄色い表紙でしたが、2008年11頃から上記の紺色の表紙にリニューアルし、適宜表紙の写真が変わっています。出版元のサイトは
ココ。
しかし、超残念なことに、
2012年後半頃から品薄になり、ほぼ絶版か?!という感じになっています。
したがって、実践的には次に述べるセカンドベストになるのですが、もし、あなたがどっかの本屋でこの地図の売れ残り(あるいは奇跡的に再版されたもの)を見つけたら、すかさずゲットされることをオススメします。
なんでこんな素晴らしい地図を絶版にするんだ、出版社のアホ〜!と思うのですが、でも、これよく考えると、シェア探しでもしないとそれほど必要ではないかも。地元オージーだったら、普通Street Directryという詳細な地図帳を持ってますし、シティ周辺のサバーブの位置関係が一目瞭然!とかいって、地元民だったら最初から知ってますもんね。だから売れない、、ということも十分にありえます。
STEP 03 : セカンドベストは?
おなじペラ一の地図で対抗馬として挙げられるのは、
UBD社の "Suburban Sydney" MAP262という地図があります。表紙が赤いやつです。これでもいいです。
なぜイチオシにしなかったかというと、対象範囲がやや南北に広く、東西に狭いのですね。もし自分の生活圏がManlyやChatswoodよりも北だったらこちらの方がいいです。ほんのちょっと北、つまりCurl Curlや Brookvale、ForestvilleやKillaraまで載ってます。しかしその分東西に狭く、特にシェア探しでよく出てくるAshfieldエリア以前で切れてしまっているので、シェア探しには若干不向きだと思います。
あと、妙にタテに長いのでバスに乗ってて広げて見るような場合、ぶわっと広げにくいように感じます。それに表紙が厚紙で堅牢なのはいいのですが、必要な個所だけ見るために折りたたんだりするときに邪魔だったりして、微妙に使い勝手が悪い。それと、多少お値段高めであるということ。
ですので、どちらかを選べといえば、Gregory社の地図の方がコンパクトで安目なのでいいかなと思う次第です。でも、どうしてもGregory社のものが見当たらず、これしかなかったら次善の策として買えばいいと思います。
STEP 03 : Sydney Streets and Suburbs Map262
★ここまで表示させない
STEP 03 : 紙の地図〜Sydney Streets and Suburbs Map262
現時点で紙の地図を探すなら、これ一択だと思います。
Sydney City Streets & Suburbs map 262(出版元のサイトの当該商品のページ)。
この地図が良いのは、ペラ一の地図でありながら、片面には半径50キロのシドニー全体図が、そして片面には半径10キロプラスアルファ(実践的にシェア探しの対象になりうるエリア)が網羅され、且つ
全てのストリート名前が記載されていることです。「ストリートの名前が記されている」というのはこういうことなのだという画像をつけておきます。
特徴的なのは「紙」というのか、オーストラリアのお札のようにプラスチック製ではないかと思われるのですが、「WATERPROOF & TEAR RESISTANT」となっており、防水加工、さらに破れにくくなっているようです。11.98ドル。
ただしデザインが似たSydneyの地図がたくさんありますので、間違えないように!
"
MAP262"と
必ず地図番号を確認してください。
なお、地元民的はどういう地図を使っているかといえば、なんといっても
Street Directry/ストリート・ディレクトリという地図帳でしょう。
地図としての詳細さ、わかりやすさは抜群に優れていますし、ストリートの名前から場所を検索できる索引(Street Index)があるのも強みです。1年以上の長期にわたってシドニーに住む方、また自動車を運転する人には必須だろうと思われます。
ただ、来たばかりのワーホリさんにとってはちょっとヘビーでしょう。地図帳なだけに分厚いし、重いです。ヘタすればノートパソコンくらい重いのではなかろうか。こんなの持って歩いてたらヘバっちゃうし、値段も最新版を買えば40ドル前後します(版遅れを探すと安い)。また、およそ行くことも無いだろうなと思われるようなエリアも膨大に載ってます。小さな判のものもありますが、その分区分が細かくなり全体把握に適さなくなるし、ペラ一の地図に比べればなお重いでしょう。
現地の日本語コミュニティ新聞である日豪プレスが、
MOVEという無料の小冊子を発刊しています。昔は重宝したのですが、今となってはスマホで代用できるのか、それほどでもないかも。
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日本で刊行されているシドニーのガイドブックの殆どは、日本にいる日本人が日本にいる日本人のために発刊してます。だから、ボケ(記載ミス)があってもツッコミを入れる人がいない。極端な話、新宿と渋谷の位置関係が間違って印刷されているようなミスがあってもチェックする人がいないし、地元の交通機関に精通している人も少ない。しかし、MOVEは、現地にいる日本人が現地にいる日本人に出しているものですから、ミスが少なく、ツボを突いています。なんせ現地にいる日本人だったら、一度くらいは間違ったバスに乗ってとんでもないところに連れて行かれて半泣き経験をしているでしょうし、現地で動くことの難しさと大切さは骨身に染みているでしょう。
このMOVEにも地図がついています。日本人がよく出没するであろうエリアの地図が載っていますし、特にシティ内部の地図が良く出来ています。しかし、シドニー全体、10キロ範囲で見た場合でも虫食い状態で載ってないエリアが多い。また細かく区分されて過ぎていて全体の位置関係を把握するには不向きだと思います。
同じように、
DOMOという小冊子もあります。DOMOは、その昔、「オーストラリア生活便利帳」といっていたのですが、DOMOと改称し、大きなサイズでやっていましたが、その後、JAMS-TVと一体化し、MOVEと同じサイズのモノになりました。内容的にもMOVEと殆ど同じです。
どちらも公共交通機関の説明は良くできてますが、地図に関していえばシェア探しには不十分です。逆に言えば、これらの地図で足りてしまうようなシェア探しだったら「まだまだ」って気がしますね。シェア代が安い+遠くに見えて意外と便利という、おいしいエリアがすっぽり抜けてる。というか、これって基本的には広告誌であり、地図も広告クライアントの店の所在を示すためのものですから、そこまで願うのは身勝手というものでしょう。
※地図の表紙デザインは結構変わります。特にMOVEは年に何度も発刊されるので、その都度表紙のデザインが変わります。が、生活的には交通料金が上がるかどうかくらいの差であり、またそれも絶対的なことでもないので、どうしても最新でなければならない理由もないです。というか、特集記事とかが微妙に違っていて、三代前の方が良かったなんてこともありえます。そのあたりは好みですよね。
※MOVEやDOMOは本屋さんには売ってません。そもそも無料だから売ってません。
日本人が集まる場所に置いてあります。すなわち、日本食レストランや、日本食材店や、日系旅行代理店や、語学学校や、日系情報センターなどです。常にあるとは限らないし、いざ探すと無かったりするものですが、そのうち見つかるでしょう。うーん、無責任な言い方なんだけど(^_^)、そうとしかいいようがないです。まあ、なかったら絶対困るかというとそうでもないし、あったら重宝するくらいです。
その昔はネットそのものが無いor非常に貧弱だったので、この種の日本語情報は重宝したのですが(というか日本語そのものが超レアだった)、今はネットで幾らでも調べられますから。
STEP 04 : どこでゲットすればいいのか?
地図というのは意外とドンピシャのものが売ってなかったりします。似たようなものはあるのですが(シティだけしか載ってないとか、全体図はあるけどストリートの名前が載ってないとか)、ドンピシャがない。なので手当たり次第に探して、あったら速攻で買っておかれるといいです。また、お店の人に聞いてみると出してきてくれる場合もあります。
地図を売っているのは、もちろん本屋さんですし、あるいはNews Agentいう新聞雑誌を売ってる店(どこの町にも必ず一軒はある)にあります。本屋さんですが、タウンホールに日本の紀伊国屋書店が来ています(Citiバンクのビルの3階、エスカレーターで上がる)。また、Dymocksというチェーン店が一番大きいでしょう(George St沿いのDymocks本店(QVBの北側の筋向かい、424 George St, King Stと Market Streetsの間、紀伊国屋のちょっと北の方)。Dymocksの各地域の支店の位置は、同HPの
ストア・ロケーターを見るといいです。別にそれらに限らずあったらゲットしておくといいです。
ただし、どの店舗であれ、オーストラリアの通弊で品切れのときが多い。でもって、なっかなか補充しない。日本人的には信じられない流通状況なのですが、一回品切れになったら数ヶ月無いままってこともザラです。
地図がないとき( or スマホの充電切れ)どうするか?→頭を使う!
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シェア探しなどで地図が切れている部分(丁度切れるあたりからお手頃物件や掘り出し物があったりするから悔しい)をどうするか?ですが、「頭を使え!」です。仮にオススメ地図をゲットしても足りないエリアは出てくるし、ホームステイなんかの場合は楽勝に圏外なるだろうし、ラウンドなんかしたらこんなもんじゃないですから。
@、自分で略図を作ってしまう
上記のディレクトリなどの大きな地図、あるいはGoogleなどの地図をみながら、サラサラと簡単な略図を自分で作っちゃう方法。地図をじーっと見ながら、駅からこっちにいって、ここの角をここで曲がって、、という行き方を最初に予習しておいて、ポイントを書くと。実のところ、それでほとんど済むと思います。
一見大変そうだけど、その程度の実務能力は誰にでもあります。「地図が無い!」と真剣にやるから、地図頼みでやってる人よりも、結局は早くキチンと着けます。地図を持ってても、現場に行けば周囲の地形に合わせて必死に地図を読み込まねばならないので、同じ手間なんですよね。要するに「きちんと予習をする」方が早いぞ、ということです。
A、人から借りる
大きなディレクトリ地図帳を持っている人から借りる。既にシェアやステイにいる場合、地元のオージーは普通持ってます。特にクルマを持ってる人だったら持ってる人が多い。こういうときに地元民と暮らしてないとハンデがあるのですが、それでもバイト先などの職場、知り合い、そのあたりのコネで持ってる人から借りたらいいです。あるいは借りてコピーすることです。Office workなんか安いですから。一枚8セントから出来ます。
B、図書館
図書館にいって調べて&コピーすることです。図書館は実は至るところにあります。誰かから地図を借りて図書館にコピーしに行ってもいいし、その図書館に地図帳があるかもしれません。こんなことでもないと地元の図書館って入ったりしませんから、いい経験です。勉強場所とか時間潰しの場所にもなるし、掲示板に「陶芸教室」「ヨガ教室」などが貼ってあったりして「ほう」という発見があります。
C、現場で調べる。
出先でネット(+PC)の場所(日本のネカフェみたいな形態になってないけど、意外とどこでもある。図書館などにもあったりする)に飛び込んでGoogleMapなどで調べる。
D、その辺の人や家に入って聞く。ある程度慣れてきたらこれで十分です。一括パックで頑張ってる人も慣れて度胸がついてきたら、地図を持ってても、見るのが面倒だからそのへんで聞くようになっていきます。トイレ借りるためだけに他人に家に行った人もいます。
ということで、方法は幾らでもあります。臨機応変に思いつき、実行!です。だから、良い練習になります。
シェアというのは見つかれば良いというよりも、その過程で色々考えて学ぶところに意味があるので、どんどん「これも体験だ!勉強だ!」でやってみてください。
地図が読めない人、すぐに道に迷う人問題
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「地図が読めない」とか「道にすぐ迷う」というのはよくある「症状」です。
でも現場ではそんな言い訳は通用しません。
というか、別にあなたが地図が読めなくても道に迷っても、誰も困りません。困るのはあなただけ。どうぞ、心ゆくまで迷ってください、、、、という北極海のように冷たい環境になると、人は自然と必死になるし、自然と地図も読解できるようになります。一括パックでも「地図が読めない」「方向音痴」という人は二人に一人くらいいますが、最後までそうだった人は一人もいません。相変わらず苦手かもしれなけど、全くダメダメってことはない。だってそうでないと何処にも行けないんだもん。
アルツハイマーで徘徊癖がついているならしょうがないですが、日本であなたが毎日自宅に帰れていたなら、基本的に方向音痴とかいうことはない筈です。本当の方向音痴は、自宅にも帰れない筈ですから。
「すぐ道に迷う」という現象はなぜ生じるか?
一つには上記のように「本気でやってないから」でしょうが、もう一つ心理的な原因があると思います。
それは恐怖心と、それによる心理的な切迫感が原因だと思います。つまりは「焦ってしまう」。
その典型的な症状は、すぐに「安易な決めつけ」をすることです。「多分、こっちだ!」とか。
「多分」とか言ってないで、地図と見えている風景とを照らし合わせて確認していけば、およそ迷うなんてことはない筈です。(海上とか山中とかいうなら格別、普通の街中で)正確な地図を持ってて道に迷うなんてことは、通常の知能(IQ70以上)があったら本来あり得ないです。地図というのはもともと平均点な社会人が使うように作ってあるのだから。
迷わないコツは、「納得するまで動かないこと」です。特に最初が一番大事。駅に着いたとか、バス停から降りた時点が、最も現在地を確認しやすいのだから、ここで現在地と方向を地図上でガチガチに鉄板で固める。確信が持てるまで5分でも10分でも一歩も動くな!です。それが結局一番早いです。
しかし恐怖心に駆られ、心が切迫している人は、その「じっくり構える」という作業が心理的にツライ。とにかく早く目的地に着いて安心したい一心でズンズン進む。そこには「イヤなことは早く終らせてしまいたい」という心理もあるのでしょう。「もうなんでもええわ」みたいな「やっつけ仕事」になっている。だからドツボにはまる。「あれ?」と迷った時点でじっくり検討すればまだ傷は浅くて済むのに、「あの角を曲がれば正解になるんじゃないか?」とか、なーんの根拠もない願望にすがり、歩き続ける。まるで足を止めたら死んでしまうかのように。もうそれが身体に染みついたパターンになってしまっている。
以上をひっくるめてキツイ言い方をすれば、なんで迷うの?といえば、「怠け者だから」(本気を出さない) and/or 「小心者だから」(じっくり構えられない)だ、ということでしょう。
つまりは甘えているんだと思うのですが、これは非難とか馬鹿にしてるのではなく、そういう「甘さ」は早々に取り去っておくといいです。「楽天的」であるのと「甘い」のは、似てるようで全然違います(その違いはわかるよね)。甘さが残ったままだと、「道に迷う」なんて可愛いレベルでは済まないドツボにはまることになりかねない。例えば一本英語で電話で確認するのを怠ったから数千ドル請求された!みたいなこともあるかもしれないし、一言聞き返せば済むのにほったらかしにしたから○○、、なんてことは多いです。
甘えが一切許されない状況、例えば、軍隊とか、刑事とか、第一線のビジネスマンなどが「道に迷って辿りつけませんでした」なんてことはないでしょう?あなただって、これが仕事になれば、十分に準備もするし、本気も出してやる筈です。仕事では他人のためにあんなに頑張ってるんだから、自分がハッピーになるためにもやったらいいと思います。だって勿体ないじゃん。せっかくハッピーになる「力」を持ってるんだから、出し惜しみしないで使えば良いではないですか。
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