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学生ビザ、観光ビザ、ワーホリビザの活用法




INDEX

1.どのビザが適当か?ビザ選択の基準 (←今ココ)
2.学生ビザの取得方法 Aパターン:日本国内から取得
3.学生ビザの取得方法 Bパターン:オーストラリア国内で取得
3-2.学生ビザオンライン申請記入要領・詳細解説
4.観光ビザ→学生ビザ実戦活用ガイド/その他(就労許可、学校変更、ビザ延長)

付録:いわゆる「ビザ取り学校」と滞在延長方法論
2024年7月から、現地での学生ビザ申請に大きな制約が課せられました。
申請時点でオーストラリアに滞在しているわけですが、何のビザで滞在しているかによって、現地申請ができたり、できなくなったりしています。

 簡単にいえば、これまで皆が活用していた、観光ビザで入国→学校見学など→学生ビザ申請というやり方ができず、日本にいる時点で学校を決めて学生をビザを申請し、交付を受けてから渡豪というダンドリになります。

 詳しくは、Restricting onshore visa hopping to the Student visa programという移民局のページに書かれていますが、現地申請ができなくなった元ビザは
Subclass 485 (Temporary Graduate)
Subclass 600 (Visitor)
Subclass 601 (Electronic Travel Authority)
Subclass 602 (Medical Treatment)
Subclass 651 (eVisitor)
Subclass 771 (Transit)
Subclass 988 (Maritime Crew)
Subclass 995 (Diplomatic Temporary) primary visa holders only
Subclass 403 (Temporary Work) International Relations)) Domestic Worker (Diplomatic or Consular) stream
Subclass 426 (Domestic Worker (Temporary) Diplomatic or Consular)


などなどですが、関係するのはETAなどの観光ビザです。あと485の卒業ビザ。ワーホリビザから学生ビザへの切り替えは書かれていないのでいけるようですけど。


 なのでこのビザのページや活用法も前面書き換えになるんだけど、しかし、この改正はどれだけ意味があるのか怪しいし(実害が多くて効用が少ない=一旦出国して申請すればいいだけだし)、また戻るような気がしないでもない。
 それも合わせて考えて、これまでの記述は敢えてそのままにしておきます。物の考え方を理解するのはその方がいいですから。

 

★どのビザが適当か?ビザの選択の基準


 オーストラリアに入国する場合、ビザ(VISA・査証)が必要です。

 ビザの種類は永住ビザや労働ビザ等たくさんありますが、留学を目的とする場合は、通例 学生ビザ(Student Visa)を取得します。
 しかし、観光ビザでも3ヶ月まで学校に行くことも可能ですし、ワーキングホリデービザでも4か月通えます。

 以下、いろいろなビザの種類をみながら、学生ビザの位置づけやメリット・デメリットなどを見ていくことにします。

 オーストラリアのビザ規定はよく変わりますし、消費者保護の見地からビザに関するいい加減なアドバイスや代行業をすることも禁じられています。特殊なケースなど正確に知りたい場合は、オーストラリア移民局日本のオーストラリア大使館にお問いあわせになるか、資格を有する代行業者さんに相談されることをオススメします。


観光ビザ
 メリットとしては、取得するのが非常に簡単で安い(20ドル)のことです。ネット上でETAという電子ビザを取りますが、こちらのページからすぐに取れます。

 もう一つのメリットは、学生ビザのような厳しい出席基準がなく、通える学校の範囲が広いことです。すなわち、フルタイムでなくてもパートタイムコースでもOKですし、サボるのもまた自由です。また、学生ビザは当局に正式に認められたフルタイムコースでなければ取れません。ワークショップや私的なセミナーなどカジュアルなコース(だけ)を受講しようとすれば、学生ビザではなく、この観光ビザか下のワーホリビザを活用することになります。なおメインコースで学生ビザを取りつつ、オプションでこれらカジュアルなコースを並行して受講することは可能です(週末のセミナーや、夜間のコミュニティカレッジに通うなど)。

 デメリットとしては、滞在期間が3か月と限定されていることです。特別に書類申請で6ヵ月もありますが、その場合でも通学できるのは3か月だけです。なお、3か月満了前に一旦オーストラリア国外に出て、再度入国すればまた3か月滞在できます。例えば、3か月終了時にちょっとNZまで観光旅行に行って、またオーストラリアに帰ってくるということも可能です。

 もう一つのデメリットとしては、働けないことです。

 このビザが相応しいのは、3か月以内の通学で良い場合であり、しかも働かなくても良いだけの資金のある人です。夏休みの短期留学や、後々のためのお試し留学などに向いています。もう一つ、これは後述しますが、学生ビザの準備段階として、最初観光ビザで入国し、現地で学校を決めて学生ビザに切り替える場合です。

ワーキングホリデービザ
 滞在期間は1年ですが、年齢制限(現在は申請時30歳までがあること、通学期間の制限(4ヵ月)があります。1年目にファーム労働を3ヶ月やれば2回目ワーホリ、2年目に6ヶ月以上やれば3回目ワーホリも可能です(その都度4ヶ月通学できる)。

 観光ビザと似ているところは、通学期間が限定されていること、その代わりフルタイムである必要もなくどんなコースにも通えますし、出席基準も厳しくないことです。

 現地で学費や生活費を稼ぐことですが、学生ビザの場合は週20時間までという労働制限がありますが、ワーホリの場合は週の時間制限はないのですが、同じ雇用先に6か月までという制限があります。


※2023年7月以降、学生ビザの労働制限は、週24時間(正確には2週で48時間)になります。

 ワーホリビザの手数料は485ドル(13年01月には280ドル→365ドル→420ドル→440ドル→450ドル→485ドルと物凄い勢いで値上げされちゃってます)、申請の方法については「はじめてのワーホリビザ(一回目ワーホリ)」に詳しく書いておきました。

 ということで、半年とか一年じっくり通学したい場合は、学生ビザということになり、数ヶ月程度の通学でしたら観光やワーホリが有力な選択肢になります。

 ちなみに、現地で労働をする場合、ある程度固い職場では、6ヵ月で終わってしまうワーホリさんではなく長期雇用ができる学生ビザ保持者を好む傾向があるとも聞きますが、これはケースバイケースでしょう。また、カジュアルなバイト→正式雇用による労働ビザの取得→さらに永住権取得という現地展開を望む場合、観光/ワーホリから労働ビザにジャンプアップするまでの間に、学生ビザ期間が入るケースが多いです。


マボロシのワーホリ35歳

 2016年10月に、ワーホリ年限が35歳に延長されること、申請料が390ドルに値下げになること、税率が19%になること、その他(同じ雇用者で1年働ける=ロケーションを変えれば)、出国時のスーパー(年金)の還付金に95%の税率がかかること、など政府試案が発表されました。日本をはじめ世界的に色めき立ちました。
 詳しいことは、APLACのFB Pageの速報続報続報(2)、そしてその意味や457ビザやENS、永住ビザとの絡め方などについてはエッセイ、以後続報としてその4その5その6と続きます。本決まりになりましたら、本文を更新します。

 しかし!待てど暮らせど広報はありません(17年12月現在)。結局、決まったのは16年末に税率は15%に、スーパー課税は65%にそれぞれ減額されたことだけです。それ以外は、35歳にもならないし(アイルランド人とカナダ人は35歳になった)、申請料390ドルに値下げというのもシカト(それどころか450ドルに値上げされた)。一応移民局のサイトでは「検討されています」という形にはなってましたが(17年12月時点)、そのうち移民局の名称とURLが総取り替えされるなどを機に影も形も残っていません。ひどいわー。
 
ビ ザ 比 較 表
ビザの種類
観光ビザ
学生ビザ
ワーホリビザ
滞在可能期間 3ヵ月以下
特別申請をすれば最長6ヵ月滞在できる。しかしその場合でも通学は3か月に制限される。

現地でさらに観光ビザの延長更新も出来る。ただし必ず申請が通るという保証はないし、申請料が最初のETAS20ドルに比べて365ドルと高額になる点に注意。
申し込んだコース期間
+ボーナス滞在期間
コース期間に前後して各約1か月ないし2ヶ月。さらに細かいルールはあるが、大まかなところとしては。

なお、学校に申し込む段階で、途中でホリデーを入れることが出来る(学校が多い)。だいたい12週通学すると3週くらいホリデー期間を入れられる。48週申し込むにせよ、ベッタと連続で申し込むのではなく、12週で3週休みを繰り返し4セットやれば48週の授業終了までに9週のホリデー期間を入れられ、その分滞在期間が延びる。そのあとにボーナスがくるから、48週で事実上60週以上滞在出来る。
1年間
2回目ワーホリを取得すればさらに1年間。
これは分割で利用できる。つまり1年目に2年目の権利をゲットしたあと、しばらく日本に帰国し、数年後にまだ30歳年限を超えてなかったら2回目ワーホリが出来る。

2019年から3年目ワーホリが出来たが、利用者がどれだけいるかは不明(2年目に半年以上ファームをやるのが条件だから余程ファームが好きな人でないと、、、)
通学可能期間 3か月以下 コース全期間
学生ビザ取得可能の学校・コースであれば、原則として制限なく、そのコース全期間。
但し、滞在の方便としてビジネス学校を転々とし、あまりにも更新更新が続くと「これで最後=no further stay」条件を出されてしまう
4か月
但しこれは学生ビザ取得可能のコース&フルタイムの場合の話であって、パートタイムやカジュアルコースだったら制限はない
年齢 制限なし
制限なし 申請時30歳まで
2回目ワーホリも同様
31歳になる誕生日の前日に申請すれば、交付が31歳時でも良い。
また入国リミットは交付後1年以内、滞在は入国後1年間だから、理屈の上では「33歳のワーホリ」というのも存在しうる
就労 不可
週20時間まで
ただし大学などの休暇期間には制限なし
2012年3月24日より「2週で40時間」に微妙に緩和
2023年7月1日より「2週で48時間」に拡大
同一雇用主に6か月まで
週の稼働時間の制限はない
取得費用 20ドル
ただし、本当は145ドルかかる(Subclass600でオーストラリア国外から申請)。ETASという「観光客お得意様用特別割引」だから20ドルで済んでいるだけの話。
 オーストラリア現地でさらに観光ビザをとると365ドルかかる(同じSubclass600でオーストラリア「国内」から申請)。さらに2回目以降になると申請料の他に「更新料」のように追加で700ドルかかる。
620ドル19年12月現在)
+OSHCが月50ドル前後×月数
+健康診断費用(300ドルくらい)
診断不要にしてくれる場合もある

2013年7月から、二回目以降(オーストラリアで取得したビザが2つ目以降になると)は追加で700ドルかかるようになる。
485ドル(19年12月現在)
+基本不要だけど、場合によっては健康診断費用(3-400ドルくらい)
2013年7月以降、オンラインではなくペーパー申請だと追加80ドル


※正確に言えば3ヶ月未満でも学生ビザを取れないこともないようですが、実際に取る人はマレでしょう。なぜなら無料の観光ビザで目的を達することができるのに、わざわざ数万円かけて学生ビザをとるメリットが殆どないからです。唯一メリットがあるとすれば週20時間まで働ける(23年7月から24時間)ことですが、それがどれだけ大きなメリットかは疑問でもあります。

※18歳未満の学生の場合、就学に際してオーストラリアに居住する保護者代理人(ガーディアン)が必要です。ほとんどの英語学校では保護者代理人を学校側でアレンジしてくれますが、保護者代理人の手配を請け負わない学校もありますので、入学手続きの際ご確認ください。


 以下、学生ビザの取得方法を書いていきます。

 ビザ取得の複雑さは、観光<ワーホリ<学生ビザになりますので、以下、丁寧に書いていきます。
 なお、学生ビザの申請の際の個々の項目の記入の仕方ですが、ワーホリビザの場合と90%以上同じですので、ワーホリビザ申請の記入要領をも併せて参考になって下さい。

 学生ビザの申請料は620ドル(なぜか11年の565ドルを12年に535ドルに値下げし〜しかしいつ値上がりしてもおかしくない→とか書いてたら13年7月以降2回目は追加700ドルかかることになり→15年07月より550ドルになり、18年07月以降575ドル、19年07月以降620ドル)。この費用の順番も、観光<ワーホリ<学生ビザです。

最近の改正

 オーストラリアの財政黒字化のため(と思われる)、情け容赦なく値上げされてます。

 ビザの料金の詳細は、Current visa pricing tableに書かれていますが、年がら年中サイトのURLは変わるわ、内容も良くわからないわで、Googleで検索したりサードパーティ(民間のビザ代行業者さんのサイト)を見た方がずっとわかりやすいです。

 以下、過去の改正についてその都度書いたものですが、今となっては「歴史」の話なんでタックしておきます。ご興味のある方だけ。

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1.どのビザが適当か?ビザ選択の基準
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