に書かれていますが、年がら年中サイトのURLは変わるわ、内容も良くわからないわで、Googleで検索したりサードパーティ(民間のビザ代行業者さんのサイト)を見た方がずっとわかりやすいです。
★2016年07月からの学生ビザの改正
これまで学校種別に8つのサブクラスに分かれていた学生ビザが550番一本に統一されました。これまで学校の種類×国籍(不法滞在のカントリーリスクのランキング)で入り口が細分化されてのだけど、入り口は一つになったので、その意味ではシンプルで簡単になりました。
が!その分だけ、後が面倒になりました。これまで日本人×英語学校という組み合わせ=不法滞在の恐れが限りなくゼロってことでほとんどフリーパスだし、申請時に聞かれることも少なかったです。ところがミソもクソもいっしょくたになった単一フォーマットの今回以降、やたら無駄に聞かれる事項が多くなりました。実質的な権利義務は何にも変わってないし、フリーパスという点も変わらないと思いますが、プロセスのお役所仕事レベルでやや煩雑になったということです。この点は、実際の記載例に細かく説明しておきました。
★2015年07月01日からの値上げ
学生ビザは535ドルから550ドルに、ワーホリビザは420ドルから440ドルに値上げされました。(そのあとこっそり学生ビザは560ドルにさらに値上げ)
これは「インフレ率(2.3%)に比例して〜」みたいな書かれ方をしてますが、そのレベルの値上げなのは学生ビザ(535→550)とか短期ビジネスビザ、永住ビザなどで、実際にはワーホリビザは5%(420→440)、投資家永住ビザは50%増などです。詳細は右画像を参照。
★追加人数料金
あるビザの申請で、その家族などを一緒に申請する場合があります。これを追加人員(additional applicant)といい、これまではけっこう無料だったのですが、これからは徴収されます。ご家族で移住目的で来られ、一人が学生ビザ、あとの家族がその学生ビザの被扶養者として滞在する場合、コストが上がります。
学生ビザの場合、18歳以上の追加人員は420ドル/人、18歳未満の場合は140ドル/人になります。
★2回目以降の追加料金700ドル〜
→MORE
この概念(subsequent temporary application )がわかりにくい。
”subsequent”(次回以降)ということで、最初のビザはOK(追加料金なし)なんだけど、二回目以降のビザになると追加料金がかかる。そして、何が「最初のビザ」になるか(カウントの対象になるか)といえば、「オーストラリア国内で申請・交付を受けたビザ」のようです。
上の「ケーススタディ」の頁で書かれている例は、最初は普通の観光ビザ(オーストラリア国外の普通のもの=ETASではない)だったら115ドル。そのビザでオーストラリアに滞在中、さらに観光ビザの延長(てか新たにオーストラリア国内で観光ビザを申請)すると290ドル。さらにその滞在中に、もう一度同じ観光ビザを取ろうとすると、290ドルに加えて700ドルの特別チャージがかかるという。
まあ、こんなことするくらいなら途中で一回NZあたりに出て行って又帰ってくれば良く(最初の観光ビザは1年有効=連続滞在が3ヶ月のみ=なのだから可能)、こんなアホなことをする人がいるとは思いにくいのだが、だからそれがお役所の設例なのでしょう。
このあからさまに金儲けに走ってるヘンテコな規則は、ヘンテコなだけに限界事例がよく分からないし、移民局のHPにも分かりやすく書いていない。もちろん理由も書いていない。
言えるのは、日本でETAS取って観光ビザで入って、現地で学生ビザを取る場合、最初の学生ビザは追加料金はかかりません。それは現状どおりで、それは問題ないです。しかし、家族を同伴する場合、家族の追加料金がかかるし(18歳以上は420ドル、以下は140ドル)、また本人は連続ビザ700ドルはかからないくせに、家族の場合は人数分だけ700ドルづつかかるようです。ここがイヤらしいところで、なんで本人はかからないのに、家族だけ連続ビザ規定になるのか、正直合理的な理由がわかりませんし、書いてもいません。
法律というのは思いつきで作るとグッチャグチャになるのだけど、この場合、もうなりふりかまわずお金稼ぎに出てきていると言っていいと思います。ほかにもOSHC(海外留学生保険)がありますが、昔は家族何人いても大差なかったのに、段々家族が多くなるにつれて増大し、今は、本人だけなら700ドルくらいで済むものが、配偶者と子供をいれて合計3人でOSHCに加入すると、3倍どころか、10倍の7000ドルという意味不明な高額になってきています。
さて、この状況をもとにクールに対策を考えると、まず一人(本人だけ)の場合ですが、将来的に学生ビザをさらに延長する場合には追加料金がかかります。だとしたら、最初の学生ビザを取る段階で比較的長めにとっておくべきか、あるいは最初から日本で学生ビザを取るべきか(しかし学校も見ずに決める賭博性の方が強いのでオススメできない)という問題があります。さらに、延長して追加700ドルも払うくらいだったら、その費用でNZに旅行にいくか( or一時帰国して)、また観光ビザで入ってきてやるか、あるいは既に学校も決まっているだろうから国外から学生ビザの申請をするという手もあるでしょう。
という具合にいくらでも対抗案が考えられるので、これはケースバイケースでやるしかないです。
なお、ワーホリビザの2回目申請は、従前どおりで、追加料金はかかりません。なぜなら一回目のワーホリビザは必ず国外で申請しなきゃいけないので、一回目はノーカウントになるからです。
★ペーパーによる80ドル追加
要するにオンラインでやれってことですよね。紙申請でやると手間暇かかるから値段が高くする。高くすることでオンラインに向かわせ、その分人員削減してコストカットしようといのうが当局の思惑だと思います。
ただし、学生ビザの場合はペーパーによる追加コストはありません(2019年12月現在)。ワーホリビザにはあります。
学生ビザにおける2011年以降の改正
2011年にはかなり色々なことが代わりました。重要なものは、@韓国のアセスメントレベルが2から1になった、 A学生ビザの週20時間労働→2週で40時間に変更、B25週以上申し込む場合の学費分納です。
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2011年後半からちょこちょこ学生ビザの改正が行われています。これはHon Michael Knight氏が率いる学生ビザの見直し審査会による41の提言(KInght Review、41recommendations)を随時実行しているからです。まあ、留学はオーストラリア産業の重要な柱ですから、オーストラリア的には、ぶっちゃけ「もっと儲けるにはどうしたらいいか」論です。
これは二つの柱があるようで、
@お金を落としてくれる真正の「お客さん」には、より魅力的で簡単なオーストラリア留学をデザインする、
A学生ビザに名を借りた滞在者(いわゆるビザ取り系)については、オーストラリア国内労働市場を守るためにツラく当る
ということです。詳細は
Implementation of the Government Response to the Knight Review of the Student Visa Program参照。
@については、学生ビザがより簡単に、魅力的になるので、僕らの利害とも一致します。めちゃくちゃ数多くあるのですが、多くは「ヨルダンから留学生の条件を緩和します」等あまり僕らには関係ないものだったりもします。以下、関係あるかも、と思えるものを摘示しておきます。
★韓国のアセスメントレベル2が1になった(現地ビザ取得可能)
2008年の改正で韓国籍の方も現地取得が可能になっていたのですが、その後全般に学生ビザの締め付けが厳しくなり、韓国籍の方のレベル2では"exceptional reason(特別事情)”がないとダメという逆改正がされてしまいました。個人的には納得しがたい改正なのですが。ただし既に学生ビザでオーストラリア現地にいる場合にさらに学生ビザを取る(更新、延長)することは出来ます。この場合、@とりあえず短期で申し込んで学生ビザを取り、現地で様子を見てさらに延長・更新をする、A視察のために観光ビザで通ってみて、さらにダメ元覚悟で"exceptional reason"を述べてみる。ダメだったら帰国後学生ビザ取得などの方法があるでしょう。しかし延長が良くて初回がダメというのも、どうにも理由がわからんのですが。 また、韓国がアセスメントレベル2なのはサブクラス570のELICOS(語学学校)と572VET(ビジネス学校等)であり、小中学校、大学、大学院はレベル1です(現地取得可)。また英語学校→大学と決まってる場合は、メインコース基準で判断されます。
ところが2012年2月15日の改正(実施は3月24日)で、この問題が解消しました。韓国籍の方でも現地で学生ビザを申請できます。正確に言えば、これまでレベル2(現地申請基本不可)だった語学学校やビジネス学校への進学が、レベル1に格上され(てか、元に戻った)、日本国籍と同じく、現地で学生ビザの申請ができるということです。詳しくは、移民局のサイトの
Reduction of Certain Student Visa Assessment Levels、あるいは
アセスメントレベル一覧表参照。
★学生ビザの週20時間労働→2週で40時間に変更
一見変らないようですが、シフトや繁忙の関係で、ある週に30時間働いても前後週を10時間に抑えたらOKという、ややフレキシブルな扱いになるということです。短期集中的なバイトには好都合です。
More Flexible Work Condition。2012年3月26日から実施。
★語学学校→大学進学ビザの簡易化
これは
The University Sector Streamlined Visa Processingというもので、語学学校から特定の大学に進学する場合のビザ申請を簡単にしてお客さんに沢山来て貰おうというコンタンなのですが、ざっと見たところあんまり意味ないかも。あらかじめリスト化された特定の大学×特定の語学学校にハマれば、アセスメントレベル1(最優遇)扱いにして、ビザ取得を簡単にしますよってことです。語学学校のダイレクトエントリーがビザ的にも簡易化されたかのようですが、現場に多大な混乱を与えているようです。ひとつには、このマッチングリストがいい加減で、ダイレクトエントリー出来る契約になってる語学学校×大学であっても漏れが多いというお役所仕事ぶり。別に漏れていたって今まで通りの手順で問題なく出来ます。第二に、アセスメントレベル1扱いといっても日本人の場合は最初から1ですからメリットないです。第三に、これって一種のパックビザだから、途中で変更がしにくそうです。これが結構大きいです。日本にいるときにあれこれ計画を立てていても、現地に来て暮らし始めたら気持ちは変ります。ほぼ全員が何らかの形で変るといってもいい。当たり前ですけど。だから志望の大学やコースも変るし、実際に見学したらしょーもなかったということもあり得る。しかし、パックになってたらこのあたりの変更がしにくい。このあたりで、「より売りたい」「でも事務で楽をしたい」というオーストラリア政府の都合がメインであることが透けて見えるわけですね。しょせんは「士族の商法」かという。「あんま意味ないかも」ってのはそういうことです。
A後者については、
The Genuine Temporary Requirementというもので、要するに「ビザ取り」=単なる滞在のための方便として学生ビザを取るケースを厳しいチェックをすることで減少させようというものです。具体的に何がどうなるかは"genuine(真正の)"であるかどうかを「総合的に判断」と語るだけでよく分かりません。まあ、そうとしか言いようがないのでしょうが。過去のビザ歴や、本国の状況、コースの内容などから「本気で勉強する気あんの?」と言われるという。しかし、これまでだって似たような査問はあったわけで、何がどう違うのかはよく分かりません。最終的に現場の係官の裁量次第という点に帰結するという時点で竜頭蛇尾って気もしなくもない。総論はブチ上げるけど現場はあんまり、、という、よくあるお役所パターン。これは2011年11月から実施されているのですが、それによってビザ取り学校が壊滅したという話も聞きませんし。
★25週以上の学費分納可能(TPS=Tuition Protection Service)
2012年7月1日から施行されています。これは超実務的な変更で、一般の皆さんには分かりにくいし、それほど大きな関係はないかと思いますが、学校サイドは事務手続やら会計管理やら大騒ぎさせられているところです。
簡単にいえば、語学学校の場合は、これまで何週申し込もうが学費は全額一括前払いだったのですが→25週以上申し込む場合は分割払いが可能になりました(前払いは50%でよい)。24週以下の場合はこれまでどおり全額前払いですが。
何を目的とした「改革」なのか?というと、皆さんのお財布に優しい留学システムにしたわけ
ではないです。そーゆー問題ではなく、これは学校が倒産した場合どうするか(海外留学生をどう救うか)?問題です。管轄は移民局ではなく、ESOS(Education Services for Overseas Students)であり、改正される内容はESOS法("海外留学生保護法"みたいな)であり、システムはTPS(Tuition Protection Service)です。もう何がなんだかわからんでしょう(^^*)?
背景事情は、多分数年前の永住権規定の大改正(学校いけば永住権取れるという特急ルートの廃止)によって、永住権ゲットを売り物にしていたエージェントやビジネス学校がバタバタ倒産したことだと思います。オーストラリアは海外留学生が大きな経済支柱になっているので、消費者保護もしっかりしていて、通っている学校が潰れても、残余の学費分の権利で他の学校を斡旋してもらうことができます。その資金プールがこの授業料保護システムでした。学生ビザを発行する場合、授業料全額は学校ではなくお役所が保管し、実際にコースが始まってから初めて学校にその授業料が渡されるというシステムです。それをさらに進化させて、25週以上の長期留学の場合は、最初のコースが始まっても半分までしか学校に渡さないで政府が管理し、まさかのときに備えるということです。
でも、まあ、そんな詳細は、一般ユーザーである皆さんは、別に知らなくてもいいです。学校倒産のまさかの際の保護が一層固められたというくらいでいいです。ただし、学校側は大変で、コース週数に応じてこっちの授業料はこっちの別口座(別口座にすることが法律上要請されている)にいれて、次の支払分はこっちでとか、会計や事務作業が悪夢的になっているようです。実際の運営は各学校とも手探り状態ですが(2000年の消費税導入のときを思い出すなあ)、いずれ落ち着いてくるでしょう。
一般ユーザーの皆さんにとって何が変わるかというと、ほとんど別に変わりません。24週までだったら一括全額であることに変りはないです。25週以上の長期留学の場合は、これは僕が以前からオススメしているように、そんなに長いこと最初に申し込まないで一旦半年くらいで切った方が良いです。確かに学生ビザをまた取得すると5万円前後費用が嵩むのですが、ぶっとーし通学するのは半年くらいが限界でしょう。ヘロヘロになりますよ。学習効率的にもどっかで大きくブレイクを入れた方がいい。また来た当初の感覚と半年後のそれとはまるで違ってきますから、学校へ求めるものも変わってきます。
それに学費半額といっても免除ではなく、分割後払いになるにすぎません。そして後払いの方がキツイです。通学中にそれほど貯められるものではないし、こちらの生活感覚に慣れてから、まとまった金額を支払うというのは、背骨が折れそうなくらい精神的にはしんどい筈ですよ。そんなお金があるんだったら、学生ビザ代をケチらず小刻みに様子をみながら進めていった方が確実です。また逆に「安く長く滞在したい」場合も、同じく学生ビザを一回切って、ビザに伴うブレイク(学校修了後4週間のオマケ滞在期間+第二ターム開始までのブレイク)を賢く使った方が結局安くて長くなり得ます。
したがって、この改正規定を有効に利用できるケースとして考えられるのは、学校開始後にまとまった収入が確実に予想される場合くらいでしょうか。つまり全期間分を一気に前払いする資金的余裕はないが、しばらくしたら税金の年末調整やら退職金や印税やらがドカンとまとまって入ってくる予定があるとか、そういうレアケースでしょう。それか半年後になれば確実に円高になって得であるという確証がある場合(この地球上にそんな確証を持てる人はいないと思うが)。
ということで、業界的にはてんやわんや状態なんですけど、それほど一般ユーザーには関係ないかなって思う所以です。