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  4. ワーホリ実戦講座(その9-4)ラウンドのススメ(4) 一人旅、車の旅


9−4 ラウンドのススメ(その4)
  一人旅、車の旅




 ワーホリ実戦講座 INDEX ↓


一人旅がいいか、複数人での旅がいいか


 これは好みですから、どっちでもいいです。それぞれに良さがありますからねー。

 でも、「女の子の一人旅は絶対危険だから避けるべし」とは言いません。二人だったら安全かというと、別にそんなこともないもん。むしろ複数居る方が気が緩んで却ってリスキーという面だってあるのだ。いずれにせよ、何でもキメ打ちするのは良くないと思います。発想が狭まり、思考停止になるのが一番恐いですから。賢く、メリット・デメリットを知っておく方がいい。

 逆に、「絶対一人旅にすべし!」と強力に主張する人もいます。僕も、「べし!」とまでは言わないけど、無理に仲間を誘って行くくらいなら一人で行った方が良いとは思います。原則は一人なんだし。一人旅派の挙げるメリットは、@旅先で友達が出来やすいこと、です。これが一番大きいかも知れませんね。なぜなら一人の人には話しかけやすいんですよ。バッパーに行けば世界一周やってるヨーロピアンとかゴロゴロいますが、原則皆さん一人ですよね。だから同じように一人旅でやってる人が多い。行く先々で色々な人と交流していくわけだけど、やっぱりグループには話しかけにくいよね。一人でポツンと座ってたら、「やあ」って自然に仲良くなれる。でも複数でいたら、誰も声をかけてくれない。かといって自分達から声をかけるのは、シャイな日本人には難しい。だから一人で居た方がいいよ、ってことだと思います。結局一人旅の方が、いろんな人と知り合えるから寂しくないという。

 他のメリットとしては、A気ままに行動できることです。いくら仲がよい友達だって、感動するツボは個々人で微妙に違いますし、興味の持ち方も違います。最初は二人三脚で息を合わせて走ってられますが、段々とペースがズレてくる。もうお金がヤバいから、ここらで本腰を入れて働きたいと思ったとき、相棒はまだ遊ぶことに夢中とか。「本当はもうちょっとこの町に居たいんだけどなー」って時でも皆が移動すると言えば行かねばならない。そのあたり、自分なりの気ままな旅というのがやりにくい。

 Aとやや重複するけど、B人間関係の煮詰り、です。これは最初はいいんだけど、24時間他人と一緒にいるとだんだん鼻についてくるって部分はあります。学校や職場だったら顔を合わせている時間も限定されますが、旅は24時間ですからね。どんなに仲がよくても、いい加減ウンザリすることもあるでしょう。下で述べる自動車編とかぶりますが、4人の仲間で出資しあってクルマを購入しラウンドに出た人がいます。だけどやっぱり相互に不満が出て(多くはお金のトラブルだそうです)、シドニーから反時計回りに一周したそうですが、アデレードあたりで完全に険悪になり、一日中誰一人口もきかない。もうシドニーに帰って解散したい一心で、メルボルンなんか真夜中に猛スピードで通り抜けただけ。そのまま徹夜でシドニーまで戻ってきたそうです。それもツライよね。

   でも、複数旅は必ずガタピシするってもんでもないですよ。
 カップルやご夫婦でラウンドされる方は居ますが、おおむね上手くいっています。というか、夫婦でやって来て別れたって話は聞いたことがないです。喧嘩は盛大にするけど、だけど別れはしない。まあ、ほんまもんの結婚生活に比べたらラウンドごときってこともあるでしょうし、二人で力を合わせてっていうのがいいのでしょう。特に日本で夫婦やってたら、職場にせよ何にせよ、日常生活でお互いが見ている風景は違うのだけど、こちらに来たら二人で同じ物を見て、同じハードな思いをするでしょう。だから同じような物の考え方や感じ方になったりして、息が合うようになります。それになんだかんだ言って、終わってみれば自分と同じ経験量と感性をもってるのは結局相方だけになり、こんなに話が通じる人間はこの世にいないってことにもなります。だから、夫婦なりカップルなり最初に人間関係の基盤がある場合には、ラウンドは「二人で力を合わせて」という関係の原点を強める作用があるように思います。

 それに、一人旅だグループだとかいっても、そんなの出発時点での話に過ぎません。一人旅でも、道中で気のあった友達が出来、旅は道連れで一定期間行動を共にするのはよくある話です。だからその時点でもう一人旅ではなくなる。グループで来てても、途中でやりたいことが別々になったので笑って「じゃあね」ってことはありますよ。ファームの仕事でも一人だけ見つかったけど、相手は見つからないってこともあるだろうし、一人は彼氏・彼女ができてってこともあるでしょう。また、グループで行くにせよ、最初から「ケアンズまで」と終点を設定しておく場合もある。長い旅路ですから、なりゆきでどんどん変化していきます。したがって、一人かグループかという点にこだわること自体ナンセンスだって見方もあるでしょう。

車の旅

 クルマを買ってラウンドした人は、「クルマはいいよ〜」って言います。
 確かにバス路線や交通機関の有無を問わず、好きなところを自由自在に行けるから、フットワークは格段に良くなりますよね。また、ファームの仕事でも、直接農家を訪れて探せるからヒット率が高いというメリットもあります。バンやワンボックスカーのように室内スペースが広い場合は、車内にマットレスを積んでそこで寝るからバッパー代が浮くという点もあります。

車のデメリット

 しかし、車にはデメリットもあります。

購入コストと相場

 最大のデメリットは、購入&登録コストがかかる、ということでしょう。
 オーストラリアは中古車が高いです。というか、新品信仰の強い日本が安すぎるというべきか。オーストラリアで車を買う場合、ココで大体の相場傾向が分かります。車種や年式を入力して検索してみてください。仮にトヨタ・カローラで検索すると、2017年時点での検索で2015年モノが、1万6000ドルとか出てました。ドル100円換算で160万円もします。日本の中古市場の感覚でいえば、信じられないでしょ?もっともカローラは世界的には高級車だったりしますが(いい車だし)。これでお手頃な2500ドル以下で調べてみると、数自体が少なくなって、走行距離が20万キロとかそんなもんです。

 rule of thumb(大雑把な目安)で言えば、大体1万ドルが基準で、ケチったらケチった分だけあとで修理代がかかると。例えば3000ドルで買ったら、1-2年のうちに7000ドル分くらい修理代がかかるだろうということです。永住者の場合はある程度いい車を求めることをオススメしますが(安い車を買って苦労するのもいい経験だけど=僕がまさにそうでした)、ワーホリさんの場合は短期決戦ですから、数ヶ月間持てばいいんだという考え方もあります。バクチですけど、その勝率を高めるのは、車の目利きができるかどうかです。自分がメカニックなど技術のある人は、しっかり探せばいい物をゲットできる筈です。逆に壊れて動かない車を無料同然で買ってきて、自分で直して高く売って儲けていた人もいます。あるいは自分でギアを削ってチューンアップしてた人もいます。このくらい出来たら心強いです。なお、日本人のメカニックの人が一緒に買いにいってアドバイスをしてくれるというビジネスが時々あります(リアルタイムにあるのかどうはちょっと分かりませんが)。自信のある人はそれでアルバイトする手もあります。

 (日本人の)売ります買いますコーナーあたりには、ラウンド車が流通してたりします。あるいは一般のGum Tree。そして、バッパーなんかにも張り紙がしてますよ。

 どこで買えばよいかってことはなく、もうロシアンルーレットみたいなもので、どの人の代でシャフトが折れて廃車になるかって世界ですね。車というのはちゃんとメンテしたらかなり乗れます。こちらは中古部品も出回ってますし、エンジンがイカれて別の中古エンジンに積み替えるなんてのもザラです。それか組み立て直しのリコンディションをするか。物にもよるけど20万円くらいかな。「今のエンジンで4代目」なんてこともあります。安い車はそれなりだから、どのパーツが新しくなってるかは買うときに色々聞いてみたらいいと思います。ワーホリ同士の売買などでは、帰国が迫って余裕が無くなってきたら投げ売り状態になるので、売るときは余裕を見て売りましょう。こんな状況ですから、3000ドルで買って、一周したあと3500ドルで売り抜けるという賢いパターンもありますし、7000ドルで買って2000ドルで泣く泣く手放すということもあるでしょう。

登録費用

 いわゆる”レジ”というのはレジストレーション(登録更新)のことで、車検です。REGOともいいます。費用は、車体検査(Pink Slip)強制保険(Green Slip)、それに交通局(RTA)への登録費用で、年式や車によりけりですけど、ざっと500-1000ドルくらいでしょうか。このあたりは州によっても規制が違います。Pink Slipそれ自体は40ドルくらいですが、故障箇所があった場合は直さないといけません。古い車になるほどチェックが厳しくなります。保険は、強制保険(CTP=日本の自賠責)でも対人賠償がかなり出ますので(物損はダメ)、それだけでもいいです。心配の人は任意保険(Comprehensiveと言われる総合保険など)に入ってもいいです。ただし、車の年式、搭乗者の年齢、住んでるエリアによってきめ細かく積算されます。ネットで見積もりだしてくれるのでやってみるといいです。例えばNRMA(日本のJAFみたいな存在)の場合、ココにあります。結構高いですよ。

ランニングコスト〜ガソリン代

 Aコストのその2はランニングコストです。定期点検(こちらでは”サービス”と言う)を除いても、ガソリン代ガソリン代がかかります。

 ガソリンはペトロール(Petrol)といいます。相場はシドニーでリッター110-140セントくらいです(2017年時点)。これが周期的に循環します。これが各都市によって循環サイクルが違ってて面白いです(ACCC(オーストラリアの公取委)のPetrol price cyclesで見るとわかる)。僕の感覚では、シドニーにおいては昔一週間サイクルで毎週○曜日が安いとかあったんですけど、だんだん読めなくなってきて、今は2-3週間サイクルにのびてる気もします。また、同じシドニー内でもエリアによってかなり違います。リアルタイムの値段を調べるアプリが幾つかあります。シドニーだったら、Motor Mouseを僕は使ってます。

 ちなみにオーストラリアの価格COM的なサイト(家電メインではないが)としてComparethemarket.com.auがあり、ここでガソリンの値段も見られます。


 上の図で、緑が安くて、赤が高いところです。これで大体シドニー内の生活価格の差がわかりますよ。シェア代その他もだいたいこんな感じで分布してます。

 ガソリンの種類ですが、UNLEADEDが日本でいうレギュラーです。LEADは鉛の意味で「無鉛ガソリン」です。その昔はガソリンに鉛を入れると爆発力が高くなって良かったらしいのですが、排気ガスがひどいので禁止されてきてます。その名残で「鉛をいれてない=UNLEADED」です。
 ほかにも安いヴァージョンとしては植物性の有機燃料を配合したE10とかそのあたりのものもあります。Eはエコを意味してるのかな。
 あとは石油会社によって商品名も違うのですが、95とか98という日本でいえばハイオクになるのかな、高級ガソリンがあります。ちなみに、エンジンを長持ちさせようと思ったら一番いいガソリンを使うのがいいです。乗り比べてみると走行の感じも違いますし。高いのですが、長期的にみれば結局は故障リスクを減らすので得かなとはおもます。

 あと地方に行くと高いです。20%くらい高くなるかな?
 シドニーはレントなど住居費は高いですけど、それ以外はそんなに高くないです。てか、どうかしたら一番安いかもしれない。なぜなら大きな都市(日本的には大したサイズでもないが)なので、競争が激しいですし、選択肢が非常に多いからです。田舎にいくと一軒しかないからノーチョイスで高いと。

 地方でガソリン代が高いのは、これは輸送費がかかるから仕方がない部分もあります。富士山頂のコーラが高いのと同じ理屈ですね。

 しかし、車ラウンドの最大の問題はガソリン代です。何しろオーストラリアは想像を絶してデカいですからね。本当にとんでもない距離を走りますよ。万キロ単位で走ります。タスマニアなんか地図で見ると小さいですけど、それでも一周したら3000キロになりましたから。都会と違ってゴーストップが少ないので燃費は良くなりますが、それでも頻繁に給油することになるでしょう。50リッター入れたら60ドル、100リッターで120ドル。田舎は滅多にスタンドがないので見つけたときにコマメに給油しますから、1日に2回とかいう場合もあるでしょう。一周してたら車本体よりもガス代の方が高いってこともありえます。

 だから車ラウンドを単純にコストだけで割り切っていえば、赤字になる可能性も十分にあります。いくら車中泊でバッパー代を浮かせるといっても、ガス代1−2回分でバッパー一週間泊まれたりするので、どっちが良いのか分からん。また、ファームもコマメに探せるといっても、探す過程でガス代その他の経費(購入、修理、メンテ)がかかってるということです。総じて言えば、車でラウンドするかどうかは、車が好き、運転が好き、大陸をぶっ飛ばしてみたい!という趣味的要素がプラスして入ってくるかどうかだと思います。

リフト

 なお、リフトという慣習というか、習わしがあります。
 要するに「相乗り」ですね。自分一人で運転してたらコストがかかって仕方がないので、同乗者を募集するのです。バッパーの掲示板などに「リフト募集」というのが貼ってあったりします。応募者と相談し、商談がまとまればGOです。例えば、総勢4人で行く場合、ガソリン代は常に4等分するとか、行き先は○○までにするとか、修理費用などはオーナーが半分払い残りをメンツで均等割するとか、細かな取り決めをしたりします。最初から仲間を集めて車を買うという手もありますが、前述のように最後まで仲がよいとは限らず、またお金で揉めるのはよくある話です。だから、最初から最後までとか考えず、小刻みにメンツを集めては変えってやっていった方が賢いと思います。まあ、好みですけど。自分で車を買って半周した人がいましたが、半周の間に合計27人とリフトしたって人もいました。また、自分は車を持ってないけど、他人のリフトに参加するという手も大いにあります。

リロケーションサービス

 レンタカーの乗り捨てサービスがありますが、乗り捨てられた車をもとの事業所まで持って帰らねばなりません。パースからシドニー乗り捨ての場合、従業員を派遣して8000キロ走ってこさせるんだったらどんだけ費用がかかるのか?です。そこで、誰かに乗ってきてもらえばいいやってことで募集します。

 car relocation australiaでGoogle検索してみてください。
 頭のいい方法で、物々交換バーター的に、利用者は限りなく無料に近く車に乗れますし、レンタカー会社も限りなく安く車を持ってきてもらえるわけですね。幾つかのサイトがありますから、そこにいって、日時と場所で検索して案件を探してください。大体「シドニーからメルボルンまで、○月○日から3日以内で」など条件が付されてます。この条件を守らないとならないので気ままにはできませんが、かなり安くできます。1日5ドルとか。

 昔は条件もよかった(1日1ドルで10日とか)最近は流行ってきて利用者が増えたのか、条件きつくなってきましたねー。でも、まだまだ使えます。




ワーホリ実戦講座 INDEX

1:ワーホリとは?近年の環境変化
1−1:グローバリゼーションの読み解き方とワーホリの新活用法
1−3:二回目ワーホリ
2: Watershed(分水嶺)運命の分かれ道〜 あまりに高い言葉と文化の壁
3.早いうちに「やる気」を「経験」にエクスチェンジすること
4.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その1(バスを制覇せよ)
5.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その2(地図を入手せよ)
6ー1.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話を入手せよ)
6ー2.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話編 その2)

7.シェアを探そう〜100%英語環境でのシェア探しがなぜ成功の第一関門になるのか?
※↑関連シドニーシェア探し入門を参照

8−1.仕事をしよう(その1) 仕事の効用 
8−2.仕事をしよう(その2) 仕事の探し方 日系〜ジャバレス編
8−3.仕事をしよう(その3) 仕事の探し方(2) 日系その他編、ローカル編
8−4.仕事をしよう(その4) 英文履歴書・実戦例

9−1.ラウンドのススメ(その1) 
9−2.ラウンドのススメ(その2) 
9−3.ラウンドのススメ(その3) 宿について
9−4.ラウンドのススメ(その4) 一人旅、車の旅



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