このコンテンツはコラムです。
皆さんの留学&ワーホリ生活をヘルプしている間に頭にぽっかり浮かんだこと、妙にチマタに蔓延している都市伝説まがいの誤解など、メモ書きあるいはエッセイ風味で軽く書いたものです。
8.タックスリターンをすると税金が返ってくる?
2015年新予算の発表で”バッパー税”と言われるものが導入、、、って、規定的には細かなことで、ワーホリの場合、税制の居住者資格を認めず一律非居住32.5%になるということです。が!すったもんだの末、15%に落ち着きました(年収3万7000ドル以下なら)。その
経緯はFBのアーティクルに書いたのでご参照のこと。また
ATO(オーストラリア国税局)のワーホリさん用の頁はここ。
そうであっても15%の所得税(PAYGという名称で呼ばれる源泉徴収=給料天引き)があることには変わりなく、タックスリターン=「天引きされた給料を取り戻す」ことが出来るかどうかが問題になります。
もともとワーホリなどに居住者資格があるかどうか微妙なところもあって(6ヶ月以上同じ場所に滞在要件とか)、申請してもダメと言われたり、タックスリターンのあまりの面倒臭さにやらなかったりってケースが日本人の場合多いので(〜そもそも最低賃金以下のジャパレスで働いてるから土俵にすら乗らないとか)、税制とかそこらへんはマメでうるさいヨーロピアンに比較すれば、日本人ワーホリの影響は少ないでしょう。
ただし、学生ビザや、457ビザほかの労働ビザ、さらに永住者においては、以下の基礎は知っておいて損はないと思います。
★基礎知識=タックスリターンとは何か?なぜ税金が返ってくるのか
バイトの給料から税金が天引き(源泉徴収)されている場合、あとで請求したら天引きされた税金分が返ってくる、、、というのはよく聞く話ですが、多くの場合は”都市伝説”に近かったりします。つまり、請求すれば誰でもゲットできるものでもないです。当たり前ですが、そこには一定の条件があります。
TAX RETURN(タックスリターン)というのは、日本でいえば確定申告。過去一年分の収入や支出を税務署に申告し、税金を納めるものです。本来は納める(払う)のに、なんで「リターン(返還)」なのかというと、多くのオーストラリア国民の場合、給料を貰う時点で既に源泉徴収されているからです。また僕のように自営業者の場合は、前年度所得を基準に四半期(3ヶ月)毎に税務署から請求が来て払わされます。これをオーストラリアではPAYG(Pay As You Go)といいます。感じとしては実際よりもやや多めに取られている気がしますね。最初にちょっと多めに取っておいて、あとで申請によって返還するという。これはお金が返ってくるよというご褒美を設けて、皆に頑張って申請させようということなんでしょうね(オーストラリアは原則として全員確定申告しなければならない)。あの面倒臭い確定申告をやって、その上でさらにお金を払うんだったら、誰もやる気がおきないですもん。
ワーホリや留学生であるあなただって、税金を天引きされているんだったら、申請によってお金が返ってくる可能性はあります。ただし、何故返ってくるのか、幾ら返ってくるのか、そのメカニズムと理屈は何のか、これを知ってる人はかなり少ないです。まあ、知らないから「申請すれば返ってくる」という大雑把で夢のような情報として流布しているのでしょう。
★難関になる「居住者」要件
税金(この場合は所得税)には税率というものがあります。高所得者には高い税率が、低所得者には低い税率が決められているのは日本もオーストラリアも同じです。累進課税ってやつですね。もう一つ皆さんが知っておくべき重要な概念で
居住者(Residency)という概念があります。「オーストラリアの居住者」と「通りすがりのビジター」の場合とでは、税率その他の扱いが全然異なります。
どのような点が異なるかというと様々で、例えば、健康保険が々とか株式配当とか銀行金利がどうとかありますが、一番大きな点は
税率が違うという点です。
2017-18年の税率は、
非居住者(Foreign residents)の場合、年収8万7000ドルまでだと税率32.5%、以下37、45%と上がりますが、留学生やワーホリで年収8万7000ドル以上稼いでいる人はマレでしょうし、そんなに稼げたら自分でアカウンタント(税理士)雇ってるでしょう。なお、ワーホリの場合は15%の税率になりました(3万7000ドルまで)。一方居住者の場合、年収1万8200ドルまでは無税、18201ドルから3万7000ドルまでは19%となっています。
全然、違うわけです。
もし、あなたがどこかの会社で働いて合計5000ドル稼いだとします。そして会社から非居住者として32.5%天引きされていたとします。つまり5000×32.5%=1625ドル源泉徴収されているわけです。もしあなたが居住者だったら無税ですので、申請すれば返ってくるかもしれません。あるいは2万ドル稼いで6500ドル天引きされていた場合、居住者税率は(18200ドルを超えた分につき)19%ですから、えーと幾らだ?2万ドルー18200ドルの1800ドルに19%だから342ドルで、これと6500ドルの源泉徴収の差額だから、6158ドルですか?返ってくるわけです。ラブリーな結果ですねー。ここが都市伝説の発祥の由来なんでしょうね。
でも、世の中そうは問屋が卸しません。
こーゆーラブリーな結果をゲットするためには、大きな関門が控えています。あなたが「居住者」であるということを申請&立証しなければなりません。
さあ、ではどういう人が「居住者」なのでしょうか?
一般にあちこち旅をして(&働いて)いるワーホリは居住者ではなく、定住型の留学生は居住者であるとされていますが、正確には税法上の居住者要件に合致するかどうかです。
ワーホリは一律15%とされていますが、特に永住を目的とするなど長期滞在・生活を目指し、それが客観的にも窺われるような場合には「居住者」にしてくれる余地はあるようです。が、要件は厳しいです。
ATO(オーストラリア国税庁)のサイトのなかに、
Work out your residency status for tax purposesというページがあり、「居住者」要件の判定について書かれています。
さらに個別に、ワーホリさんの場合は
Are you an Australian resident for tax purposes if you come for a working holiday or visit?、学生さんのその他のばあいは
Are you a resident?でチェックページがあります。
以下の画像は、チェックページで「こんなもんかな」って感じでチェックしたもので、これだと「居住者」として認定されるという結果が出ました。
簡単に言うと、留学・ワーホリがオーストラリア「居住者」と言えるためには、
オーストラリアに継続して6ヶ月以上滞在し、その滞在期間の大部分を
(1)一つの仕事を継続し、且つ
(2)同じ場所に住んでいたか、
あるいは会計年度の半分以上をオーストラリアで過ごしいていたこと(但し(1)定住先が海外であり、(2)オーストラリアに住み続けるつもりはない場合は除く)
という条件に該当しなければなりません。
かなり厳しい条件です。(A)半年以上オーストラリアにいて&(B)その期間の大部分を同じ所に住んで同じ仕事をしていた、というのが条件です。
多くのワーホリさんはこの条件を満たすのは難しいでしょうね。理論的にはワーホリ税15%となっても、居住者として認定されたら0%になるのですけど、ATOのサイトの事例解説を見てると、あんまりそういう感じではないです。
ところが語学留学や大学などに1年以上留学していて、その間ずっとレストランでバイトしていた、、ということになれば居住者認定されやすいです。だから長期留学生には希望はあるけど、ちょこちょこ移動しつつ、しかも同じ雇用者に6ヶ月までしか働けないワーホリの場合、この条件を満たすのはかなりレアケースだと思われます。
★第二の難関 タックスリターン実務
もっともネット上で調べたら居住者条件がOKだった!といっても何が変わるわけではなく、問題は「ちゃんと申請をする」ってことです。これが面倒臭い。
まず、一般的常識を知ってください。
オーストラリアの会計年度は、
7月1日から翌年6月30日までです。これが1会計年度。だから5月から8月まで働いている場合は2期分になります。そして6月30日で締めた年度の確定申告(タックスリターン)の締め切りは10月30日です。
ちなみに日本の個人所得税は1月1日から12月31日までで、翌年3月が確定申告になってます。法人の場合は、4月1日から3月31日までというケースが多く、3末で締めた会計年度の決算報告をするために6月頃に株主総会が開かれたりするわけですね。
タックスリターンのやり方は、オンラインでやります。昔は、ニュースエージェントや郵便局などにビニール袋に包まれたTAX PACKと呼ばれる納税キットをゲットして記入するというアナログのやり方でしたが、どんどんオンライン化が進み、今では専用の納税ソフトを国税庁からダウンロードするところからやります。
ただ、内容的には昔のTaxパックと同じで、個々のページのリファレンスもやりやすくなったとはいえます。が、内容量は細かい活字で優に百数十頁あります。それも「課税所得(taxable income)」とか「控除(deductions)」とか独特の税金用語のオンパレードです。まあ、ワーホリでちょこちょこバイトして給料貰ってる程度であれば、殆どの部分は記載の必要はありませんし、95%の部分は読むまでもないでしょう。が、何を読む必要があり、何を読まなくてもいいかの判断は自分でしなければならないから、やっぱりある程度は読まないとならないことに変りはありません。しかし、まあ、先進経済大国JAPANでビジネスマンですって顔をしたいんだったら、この程度は初歩ですから頑張って下さい。僕だって出来たんだから。
なお、年度途中でオーストラリアを離れる場合には、途中であってもタックスリターンの申請ができます。
詳しくは、
Lodging your tax return early(年度途中で申請する場合)
Lodging your tax return from outside Australia(帰国してから申請する場合)
を参照して下さい。
ハッキリ言って居住者要件クリアよりも、現実的にこのタックスパックをやりきるという方が壁としては高いかもしれません。まあ、それようの税理士さんもいるみたいですが。
★実戦ステップ講座
以上が概説ですが、これじゃなんのことか分からんわって人もいるでしょう。もうちょい親切に日本語で解説してくれいって人もいるでしょう。とりあえず今から何をすればいいのか途方に暮れる人もいるでしょう。まあ、これだけの解説で「なるほど!」と思える能力のある人は、上記のリンクをたどって国税の英語のページを「ふんふん」と読み進んでやっていけるでしょう。
「じゃあ、頑張ってください!」、、、と突き放してしまうのは簡単ですが、もう少し”実戦的”に考えてみましょう。
まず自分一人の力で全てやるのは無理だと思った場合、誰かのヘルプが必要です。@ATO(国税庁)の職員、A税理士、です。@は無料、Aは有料です。そしかし、いきなり駆け込む前に、ある程度ホームワークをしておかれるといいです。すなわち、、、
STEP1:おおよその見込み
全てが夢のようにうまくいったとして最大限幾ら返ってくるのか、それが問題です。死ぬほど頑張って、一生分のラッキー運を使い果たして首尾良く税金が返ってきたとしても、それがたったの3000円かそこらだったら骨折り損です。
もしあなたがジャパレスでしか働いておらず、しかも一切源泉徴収されていなかったのならば、タックスリターンをする意味はゼロです。本来は時給20ドルなんだけど3割引かれて14ドルしか貰っていない、、、こういう状況があってはじめてのタックスリターンです。「納めすぎた税金を返して貰う」わけですから、最初から納めてなかったら返ってくるわけもない。
複数の勤務先があり、且つある所は源泉徴収されておらず、あるところはされていた場合、問題となるのは後者の場合だけです。後者の場合だけ合計で税金を取られているかを計算しましょう。給料総額が1000ドル程度で、源泉徴収額が300ドル程度だったら、最大うまくいって300ドル返ってくるということです。
この時点で「(あまりにも戻ってくるお金が少ないので)頑張るだけ時間の無駄」と思えたら、それ以上のことは考えなくてもいいです。Forget it.
STEP2:客観的事実の確定
(1)いつからいつまで、
(2)何処で働き
(3)幾ら貰って
(4)幾ら源泉徴収されているか
この基本的な数字は1ドル単位でビシッ!と音がするくらい正確に把握しておいてください。あとで、国税庁や税理士に相談するにしても、このあたりの基礎的のデーターが無かったら話にならず、「阿呆か?」という目で見られるのがオチです。
大体タックスリターンの時期になると、今まで源泉徴収していた雇用主は、源泉徴収票というのを送ってきてくれるはずです。送らない筈はないし、もし紛失その他だったらもう一回話して再発行して貰って下さい。そのためにも、働く時点、辞める時点でキチンと話をしておかれるといいです。タックスリターンをするためには、源泉徴収をした雇用主のABN(Australian Business Number)やWPN(Withhelding Payer Number)が必要で、それは源泉徴収票(その旨のレターやステイトメント)に全部書かれています。
まずはこういった必要書類をしっかりゲットし、キープしておくこと。これが基本。
STEP3:自分で計算してみる
STEP1でおおよそのアタリがついた金額を、STEP2で根拠資料をもとにしっかり計算し直してみましょう。
10カ所くらいで働いている場合、ちゃんと表にしたりしないとワケがわからなくなりますよ。また、会計年度途中でブッタ切られているのもあるでしょうから、そのあたりもしっかりと。また、源泉徴収されてはいないようなケースも一応書き出しておくといいです。
STEP4:ヘルプを求める
根拠資料をもとに大体の概算額や計算がわかって初めて、上記の二つの難関にたどり着きます。@居住者要件をクリアするか、Aタックスリターンをどうやってやるか、です。
これは町のアカウンタントにいって相談してやってもらってもいいし、あるいはATOに出掛けていって職員の人にアドバイスを求めたらいいです。
注意点ですが、アカウンタント(税理士)は当然有料です。チャージの方法は一件幾らか、時給幾らという方法でしょう。バッパーやワーホリさん相手にリーズナブルな値段でやってる税理士さんもいると聞いてますから、相談してみるのもテです。しかし、相談料というのもちゃんと発生するでしょう。相談料や手数料は、それはアカウンタントによってマチマチだとは思います。50ドルかも知れないし、500ドルかも知れません。ただ、バッパー雑誌などに載ってるようなところは、安さが売りなので500ドルとかそんな額ではないとは思いますけどね。まあ、そのあたりはコマメにショップアラウンドするしかないですね。
ここで、前のステップで概算額を計算しておいたのは、税理士の費用が300ドルで返ってくる税金の額が200ドルだったら「何のこっちゃ」になるからです。
「税理士にお金を払うだけの価値がある」か、その損益分岐点はどこかを知っておかねばなりません。
また、きっちり資料や表を作っておくのは、相談する場合にも時間が節約できるし(時給幾らだった場合この差は大きい)、正確な資料をもとにすれば相手も正確なコメントや見通しが立てられるからです。いい加減な資料と話だけで、ダラダラ話して、しかも間違った見通しのもとで申請したけどダメでした、、では泣いても泣ききれません。また、後述のように「ヤブヘビ」があります。
その点、国税庁の場合は無料ですから気楽ではありますが、その分、人によっては無愛想だったり、全然ヘルプフルでなかったりすることもあるでしょう。まあ、その場合は人を換え、役所を換え何度でもトライしましょう。優しい人に出会えるまで。その場合も、基礎資料がバッチリで、自分にも質問や相談の論点がハッキリわかっていれば、かなり突っ込んだところまで正確に聞けるでしょうし、特に居住者要件などについては申請の仕方などもしっかり教えてくれると思います(何度も出てくる成功事例は、ATOの職員の人に具体的にどんな補助資料を出せばいいか事細かに教えてもらったそうです)。
ヤブヘビケース
名前はタックス「リターン」ですけど、申請すれば常に返ってくるわけではないですし、場合によっては払わされる羽目に陥る場合もあります。
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例えば、あなたがファームで2万ドル稼いだとします。源泉徴収もされています。喜び勇んでタックスリターンを申請したところ、もっと払えという追徴請求を食らってガビーン!となる場合もあります。なぜかといえば、確かに源泉徴収はされていたのだけど、最初から居住者並みに19%しか引かれていなかったからです。
こういうケースは実は結構あります。
まあ、15%になってこういうケースはそんなにないかもしれないけど、15%税率にするためには、雇用者が「ワーホリを雇うという登録」をしないとなりませんので、めったにワーホリを雇わないようなローカルの場合、控除率がマチマチになるケースはなおあるでしょう。
源泉徴収で何パーセントを引くかは、タックファイルナンバー自体が”居住者””非居住者”になっているかにもよりますが、多くはそのファームや雇用主の会計実務の日常例によるでしょう。非居住者、つまりワーホリさんを日常的に使ってるファームでは、最初から会計ソフトに非居住者用の税率がインプットされているかもしれないし、日頃はローカル(オーストラリア人)しか雇っていない場合では最初から居住者用の数値がデフォルトで設定されていたりするでしょう。それはその雇用者の会計実務によって千差万別。
もし最初から居住者として低いレートで天引きされていた場合、申請して居住者として認められてもトントンですから、やる意味は少ないでしょう。最低課税基準以下の場合は全部返ってくるのでやる意味もあるでしょうが、がっちりローカルで稼ぐと最低基準を超えてしまうこともあるでしょう。そして、止せばいいのにタックスリターンを申請して、その結果、国税庁があなたを「居住者」として認めなかったケースもありえます。するとどうなるかというと、非居住者税率32.5%で計算し直しますから、19%を差し引いた13.5%分、つまりもうあと2700ドル(2万×13.5%)払えという請求を食らうことになります。税理士費用を150ドル払って、さらに2700ドル払わされるという、踏んだり蹴ったりケースになるわけです。下手に申請したから、寝た子を起こす。藪を突いて蛇を出すというヤブヘビケースです。
さらに面倒臭いのは、Aというローカル会社では32.5%引かれたけど、Bという会社では19%しか引かれず、Cというジャパレスでは最初から引かれてなかった、、、こういう場合、もし非居住者として認定されたら、BとCの分は追徴になります。うまく居住者として認定されれば、Aの32.5%が19%になるからいいですけど、そのあたりの最終判断は国税庁にあります(もっともその判断が不服だったら異議申立のうえ税務訴訟を起こせばいいけど、そうなると費用だけで数十万円以上かかるでしょうから現実的ではない)。だから、そのあたりはバクチです。
また、申告をする以上、1年間の全ての収入について申告しなければなりません。勝手に自分で32.5%の雇用主だけ選りすぐって申告してたら、いわゆる「申告漏れ」になり、悪質な場合は「脱税」として見なされます。そういったことが発覚する恐れがどれだけあるのか?それは僕にも分かりません。しかし、32.5%と19%がありながら、32.5%だけ申告するなんて馬鹿なことやってたら、まあ間違いなく発覚するでしょう。だって、あなたのTFN(タックスファイルナンバー)については19%の会社からも連絡がいってる筈ですから。同じように、ジャパレスやお土産物屋など、自分では忘れているようなところでもTFNを告げていたような場合、もしかしたら連絡がいってるかもしれないわけです。
日本に逃げて帰っても、日豪間で税金については相互条約が結ばれていた筈ですから、当局がその気になったら日本政府を通じてどこまでも追いかけていくのは可能だと思われます。まあ、そこまでするかどうかは不明ですが。また、追徴金などの税金関係の債務の利率は高いです。重加算税とか延滞税とか。それと、後日オーストラリアに入国する場合、ビザ申請のときに「オーストラリア政府に債務を負担しているか」というシビアな問いがあったりして、とんでもないところでツケを払わされる危険もありますよね。まあ、後顧の憂いは残さない方が無難だと思います。
ケースバイケース
上に書いたようなことを、まーったく知らず、ぜーんぜん気にせず「居住者でーす」と申請したら、通ってしまってお金が返ってきたというラッキーケースもあります。
MORE→
税務署だって書類審査ですし、マンパワーでやってる部分も大きいから、何の問題意識もなく通してしまったとしても珍しくないです。そういうラッキーケースが一人歩きをして、「申請すれば(必ず)返ってくる」という一般論になって流布されているなら、それはもう都市伝説でしょう。
信号無視して、違法駐車しても、だからといって直ちに捕まるものでもないです。毎日のように交通違反やってても捕まらないラッキーな人だっているでしょう。でも、だからといって、「信号無視しても大丈夫」とは言えないはずです。それと同じことです。また、さんざん解説したように、いろいろな条件が複合的にからんでいるから、同じワーホリ友達は返ったきたから私も大丈夫、とはならないです。
以上、全ての収入を把握し、計算し、最悪でも○○、最高でも○○とある程度アタリがつき、自分でタックスパックやってみて、こりゃアカンとなった場合、ATOなりアカウンタントにヘルプを求めて申告する、、ってな感じでいくといいと思います。
なお、タックスリターンですけど、馬鹿正直に最初から読まなくてもいいですよ。まず、だーっと目次をみたらいいです。必要なのは収入部分のサラリーくらいでしょ?その他利子収入やら、株式配当、不動産売却益なんかないでしょうし、自分で企業経営してるケースもレア。だから経費にしたって、まあ、ファームの虫除けスプレーとか軍手くらいかあな。あと、深夜勤務のパブなんかのときの帰りのタクシー代なんかがあるならレシート貰っておくといいかも(通るかどうかわからんですけど)。その他の配偶者控除や、子育て減税なんかも要らないし。だから、やってみたら意外と出来たりしますよ。いずれにせよ基礎資料をキッチリとキープしておくことです。
分厚いインストラクションの細かい英文を見た瞬間、「あかん」と諦めてしまう人もいますが、やってみたら案外と出来ます。これまでのオーストラリア滞在の総決算、「実戦ビジネス現場でどれだけ英語が使えるようになったか」という卒業試験のようなものです。
タックスリターン(情報)泥棒に注意!
最後に、タックスリターンは難しいので色々な人に相談するのは良いでしょう。
ただし、自分の番号や源泉徴収の個別データーなど、何もかも税理士でもない他人に見せたり、渡したりするのは止めた方がいいです。
なぜなら、これも実例があったのですが、あなたの細々とした税金のデーターを全てパクられ、あなたがタックリターンをする前に、勝手にあなたになりすまして申請し、リターン分のお金をゲットしてしまうという情報泥棒というか詐欺のようなケースがあるからです。
まあ、相談のためにぱーっと見せるくらいだったらいいでしょうが(よほど記憶力のいい人でないとチラッと見ただけで全ての数値を覚えきれるものではないでしょう)、相手にメモされるような余裕を与えるようなやり方は避けた方が無難です。
個人の情報管理は自己責任。お気を付けて!
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