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9−3 ラウンドのススメ(その3)
  宿について




 ワーホリ実戦講座 INDEX ↓


”ユースホステル”と”バッパー”って同じもの?

 よく言いますよね、「ユースに泊まったら〜」「バッパーで」とか。ユースやバッパーって何なのでしょう?この際、正確に覚えちゃいましょう。

 まず”バッパー”から。背中に背負えるように荷造りすることをバック・パッキングといいます。リュックサックみたいなものですね。それを背負っている人をバックパッカーといいます。だからラウンドセル背負ってる小学生も理屈の上では”バックパッカー”だったりするのだけど、一般的には大きなバックパックを背負って世界を放浪している人という意味であり、さらに典型的な属性として、若者が多い、お金を持ってなくて貧乏旅行をしている人が多いという点があります。そういった貧乏旅行している若者向けの宿(アコモデーション)が、バックパッカーズ・アコモデーション(backpackers accommodaton)です。つまりは安宿。日本語のワーホリ用語では、全部ひっくるめて”バッパー”と呼ばれてます。

 ホステル(Hostel)という言葉もあります。ホテルよりも低廉で泊まれ、且つ客同士のフランクな交流を企図した宿形態を言います。意味内容はほとんどバッパーと同じだと思います。ホステル/バッパーとホテルとの違いは、まず@安い。シドニーの場合、ホテルと名が付いたら一泊100ドル前後はするでしょうけど、バッパーの場合一泊20ドル代からあります。それだけにAプライバシーが乏しく質素でもあります。バッパーではドミトリー(寄宿舎)タイプと呼ばれる大部屋がメインで二段ベッド(バンクベッド)がボンボンと並べられ6人部屋とか10人部屋とかあります。だから安い。B客同士のフランクな交流。オーストラリアのバッパーの場合、ラウンジとかコートヤード(中庭)などがほぼ必ずあり、そこでTVを見たり、ビールを飲んだり、客同士がなごやかにやってます。ホテルの場合は「隣は何をする人ぞ」的な都会のマンション的な孤独とプライバシーがあります。

 ただし!このあたりは別に正確な定義があるわけではなく、ボーダーラインは結構曖昧です。シドニーのような大都市の場合、バッパーでもかなり高いですし(ドミでも一泊40ドル以上したりする)、中にはバストイレ付き個室(ensuit)などもあり、個室になるとホテル並みに一泊100ドル前後することもあります。

 また、バッパーとホテルの中間形態の宿群というのがあり、これを指して”ホステル”と呼ぶ人もいます。バッパーと違って個室がメインであり、ドミも多少はあるという原則と例外が逆転してます。かといってホテルほど高くもなく、質素さとフランクさはバッパー並みという中間形態ですね。僕がシェア探しの延長戦用によく紹介していたCarnabonはこのタイプです(最近では高くなってきたから利用してないですけど=それでも週割で個室1日50ドルは安い方)。まあ、目立たないけど、探すと意外とあるんですよね。バッパーとは言えないけど、ホテルとも言えないという。いずれにせよ宿によって個性はバラバラなので、正確に区分けするのは不可能でしょう。ここでは大雑把な概念をつかんでおけばいいです。

 さて、次にユースホステル(youth hostel)です。よく「ユース」と略称されてます。
 「ユース・ホステル」というのを字句どおり訳せば「若者のためのホステル」です。安くて、フレンドリーで、若い人達向けの宿泊所ってことですね。これだけだったら、どこがバッパーやホステルと違うのか?という疑問がありますが、現物的には殆ど同じです。「ユースホテル」っていうのは、一種の商品名というか企業名、ブランドネームです。

 ユースホステルの源流をたどると1912年に、ドイツの学校の先生であるRichard Schirrmann (ドイツ語的には"リヒャルト・シルマン"とでも発音するのかな)という人が、若い人達の野外活動用の宿として作ったものが最初だそうです。林間学校の施設、山小屋や海の家みたいなものがオリジナル。その後、ヨーロッパに広まり→世界各地に広まり、今日では80カ国にまたがる90の組織、4500の施設を抱える巨大なNPO団体であるInternational Youth Hostel Federation (IYHF-国際ユースホステル連盟)に発展しています。なおHostelling Internationalという別名もあります。この国際組織下に各国のユースホステル連盟があり、そこが基準や綱領をつくってエリア内の各施設を監督しているって感じらしいですね。オーストラリアもYHA Australiaというのが世界連盟に加盟しています。

 ユースホステルが世界に広まるのはいいのですが、その分当初リヒャルト先生が考えていたのとは違った形になっていきます。青少年の野外活動のための宿泊設備という「青少年の家」的な質実剛健さは徐々に薄らぎ、別に若者(ユース)だけ対象にすることもなく、一種のホテル・ビジネスモデルとして広がったり、ツアーの予約や航空券まで売る旅行会社チェーンになってる場合もあります。「宿泊客同士の交流」とか、”ミィーティング”なんてのもやらなくなってきてますね。日本では、その昔ユースカルチャーが盛んだったのですが、最近ではすっかり下火のようです。まあ、皆で集まってハンカチ落としをやったり白いギターでフォークソング歌ったりというのは団塊の世代カルチャーですから。しかし、世界的にはユースはガンガン伸びてます。

 なお、リヒャルト先生がユース施設を作ったのは1912年ですが、発案して運動を始めたのは1909年らしく、2009年にはユース百周年を記念して、オーストラリアのユース連盟(YHA)でも各地でイベントをやってたようです。

 バッパーとユースホステルの関係ですが、簡単に言ってしまえば、バッパーと呼ばれる宿のうちユースホステル連盟に加盟している宿を”ユース”と呼んでいるだけのことです。加盟店契約などビジネスの詳細は分かりませんが、加盟申請をして、施設の基準がクリアされているかどうか本部から検査にきて、合格となったら加盟承認、、なのではなかろうかと。宿のメリットとしては、加盟すれば世界中から会員のお客さんがやってくるし、ユースホステルという看板を掲げられるから信用も得られるのでしょう。その代り、ライセンスフィーとかは払ってるじゃないかなあ。ま、全部推測ですけど、それほど外れてもいないとは思います。一方、ユース連盟は旅行・ホテル業者としてビッグな企業体になっていますから、自己資本で直営店を出すこともあるでしょうね。

 概念でいえばバッパーが広く、その一部に”ユースホステル”という名称の企業なりフランチャイズ・チェーンがあるくらいに考えたらいいのでしょう。比喩でいえば、「ファミレス」という概念があり、その中には”すかいらーく”があったり、”ロイヤルホスト”があったりするようなものです。”すかいらーく”はファミレスだけど、ファミレスは”すかいらーく”に尽きるものではないのと同じく、ユースはバッパーだけど、バッパーはユースだけではない。

 数えたことないけど、オーストラリア全土のバッパーの数は膨大にあります。シドニーだけでも、そうですね、細かく数えたら100前後はあると思います。例えばHostelzなどをみると、142施設とか出てきますもんね。


 このうちユースホステル(YHA)の看板を掲げているのは2017時点で7施設です。
 その昔はGlebeだけじゃなかったかな?それがセントラルに出来、ボンダイに出来、、と増えていって Railway Square, さらに都心から遠方であるCollaroy、Pittwater、The Rocksに出来、一方、Dulwichhill、Cronulla、Garie Beachは脱退したみたいですね。

 ちなみに一括パックなどAPLACの事務所の近くにあるのが、Glebe YHAで、ここは閑静な住宅街にあるから、ファンキーでパーティアニマル的なバッパーではなく、年齢層も高めで、落ち着いた雰囲気で初心者に良いと思います(だからこのエリアにAPLAC事務所を構えているのですが)。


 このように同じ宿があるときはユースの看板を掲げ、あるときは外すことからも分かるように、バッパー=ユースではないです。ユースが存在しないエリアには泊まれないなんて、間違っても思わないように。

 ここでは、バッパーとかユースという概念を覚えておけば足ります。

 よく、「ユースの会員になっておくべきですか?」という質問があったりしますが、「その必要に迫られてからでいいんじゃない?」とお答えしてます。確かに会員になると割引料金(約10%引き)になります。お得です。でも会員になるためには会費も払います。でも最近は会費が安くなって2年で15ドルです(昔は年間32〜42ドル)。このくらいだったら、1週間ほど泊まったらディスカウントだけでモトが取れますね。まあ、でもYHAに泊まらなかったら全く無駄だし、アナタ次第です。

 でも、直前=泊まる(予約)の時点でも会員になれますし、僕が一括パックでやってるときは、一緒に着いていてチェックインして、その際に会員になるってこともしています。カウンターの事務手続が面倒くさかったら(5分で済むが)事前になっておいた方が楽です。Glebe YHAは、何曜日かにドミノ・ピザを無料で貰える(まるまる一枚)日とか、金夜は屋上でBBQとかしてます。

 ↑ 今、試しに料金を見てみましたが、5人部屋で1日30ドルちょい、3人部屋で38ドル(日)くらいです。もしあなたが出来るだけ個室環境を求めるなら、個室は73ドルと2倍に跳ね上がるですが、「出来れば」個室程度でしたら3人部屋がいいです。バッパー=安宿ですから、安い部屋から埋まっていきますし、3人部屋は高くて人気がないので、(時期によって違いますが)直前でもガラガラそうだったら(あと一人"Left 1"とか出る)、3人部屋にすると、同室者が誰もおらず独り占めできる場合も多いです。事実上個室と同じだという。絶対そうなるという保証はないですけどね、もちろん。

キャラバンパーク(Caravan Park)

 よく"キャラパー”などとワーホリさんの間で略称されるキャラバンパーク(Caravan Park)という存在があります。

 ベッドや冷蔵庫など生活用具一式を積み込んだトレーラーはご存知だと思うのですが、リタイアしたオージー夫婦などがこのキャラバンを運転し、1−2年くらいかけてゆっくりオーストラリアを周遊していたりします。そういった人達のための施設がキャラバンパークです。駐車する場所を提供するだけではなく、BBQやキャンプファイアーなど他の人達と交流できるような場所があったり、本部棟に入ると、シャワーや洗濯機、キッチン、それに電源(携帯電話の充電など)もあります。設備や値段はパークによってマチマチであり、キャビン(小屋)があったりもします。

 施設の性質上、都心部にはなく、そこそこアクセスの悪い(その代り風景は良い)場所にありますし、トレーラーなど持っているはずもない多くの日本人ワーホリのラウンドにおいては、キャラパーの存在自体知らない人が殆どでしょう。しかし、ひとたび旅に出ると、これが意外に活用されていたりします。なりゆきでそうなるって感じでしょう。

 良く分からない概念を調べるときは、Googleの画像検索をするといいです。下はキャラバンパークで検索したもの。

 キャラバンパークには、トレーラーの駐車エリアやキャビンの他、キャンピングサイトがあります。1日何ドルか払ってそこにテントを張らせてもらって暮すという。バッパーではなく、テント暮らしになるのですね。これがやってみると、狭苦しくてうるさいバッパーよりは、海辺にあったり、星空がきれいだったり、周囲の人達のBBQにお呼ばれしたし、安いわ楽しいわだったりするのですね。もちろん、快適な気候ばかりとは限りませんし、暴風雨でテント全壊!なんてこともあるでしょう。でも、それが笑えるくらいタフになったりするという。

 このような所に泊まるようになるキッカケというのは人それぞれでしょうが、多くは仕事の関係でしょう。とあるファームで働くようになり、宿は近くのキャラパンパークでテント生活をするとかいう感じ。それか、車でラウンドしている人。かといって、何も自分がテントや車を所持しなくてもいいんですよ。テントや車を持ってる人と旅先で意気投合して行動を共にする、、って感じでしょう。


バッパーについてのあれこれ

 利用方法は、別に難しいことはないです。
 「こんちわー」と入っていって泊まればいいだけです。

 何がなんでも予約をしないとダメってこともないです。というか、してる人の方が少ないんじゃないかな。まあ、最初は不安だろうから予約する人もいるだろうけど、だんだん「別にいっか」ってなっていくと思います。そのあたり、どうしても不安な人は予約し続けるだろうし、面倒になる人はやらなくなる(あるいは最初からやらない)だろうし。

 特別なイベントがあるとか、よほどのハイシーズンでもない限り(シドニーの年末花火とか、オーストラリアオープンとか)、大体どこでも多少の空きはあると思われます。ネットでシコシコ次の行き先のバッパーを探して電話して、、そんな苦労をしてもいい加減だから全然予約が入ってなかったりして、そのうち面倒になって、、って。また、キャラパーなどでテント暮らし、寝袋暮らしに慣れてきたら、別に寝るだけだったら何処でも寝れるようにもなります。部屋が空いてなかったらラウンジのソファを借りましょうかという具合に腹も据わってきます。それに次の日に何処に行くのか前日段階では分からないってこともあえりますよね。バスに揺られて十数時間、なんとなく気に入った町に着いたので、ここでちょっと降りてみようかってこともあるでしょう。


 バッパーの探し方ですが、ネットやスマホでいくらでも調べられます。
 その昔は空港などの宿のパネルがあったりしたし、行く先々のインフォメーションセンターやバッパーに各地のパンフレット山のように置かれていますし、情報はいくらでも手に入ります。まずバッパー探しに困るってことは無いんじゃないかな。駅や空港までのピックアップサービスがあるバッパーもありますし、客引きもあります(やってた人もいます)。シドニーのような大都市の場合バッパーも沢山あるので探すのも選ぶのも手間取るかもしれないけど、ド田舎にいけば一軒しかなかったりします。探すも何も3分歩いたら町が終わったりしますし、バスから降りたら目の前がバッパーみたいな。

 初めてのバッパーは緊張するだろうし、「げ、こんな所に泊まれるか!」って思ったりもするかもしれないけど、皆の体験によれば「すぐに慣れます」ということです。ヨーロピアンの威勢のいいのがガンガン盛り上がっるて横で一人でポツーンとなっていても気にしないこと。別に仲間外れにされてるわけでも、嫌われているわけでもないです。自意識過剰にならないこと、一人でニコニコしてビール飲んでたらいいですよ。構えずに、のんびりマイペースでやってたらいいと思います。

 バッパーの良し悪しというか、個性差というのはかなりあるようです。設備とか雰囲気とか料金とか、、、これは人によって評価も全然違うし、また時期によっても違うでしょう。評判の悪さでは有名なバッパーに恐る恐る泊まったら、すごく楽しかったという人もいますし、まあバッパーの数だけ個性はあるし、人の数だけ評価の差もある。時期もあろうし、たまたま泊まりあわせた他の人達のキャラという要素もある。だから、あんまり深刻に考えても仕方がないと思います。考えてどうなる問題でもないでしょう。

フリアコ

 バッパーで働くことも出来ます。給料が出る場合もあるでしょうが、多くはシーツ洗いとか掃除をやるのとバーターで宿泊代を無料にしてくれるフリーアコモデーション(通称"フリアコ”)が多いでしょう。フリアコは結構普通にやってますよ。体験談読んて面白いところでは、ラウンジのビデオ係とか、壁にイラストを描いて無料にしてもらったとか。

盗難

 大部屋なので盗難の心配とかあるかもしれませんが、心配しててもキリがないし、盗られたらそのときのことって割り切るしかないって感じでしょうね。絶対大丈夫です!とはよう保証しないし、不心得者だっているでしょう。どうしても盗られたら困る貴重品は金庫(safeと言います)に預かって貰ったり、ロッカーがあるところもあります。ただ、だんだん旅をしていくうちに持ち物は必要最小限に削ぎ落とされていきますから、仮にバックパックごと盗まれたところで、よく考えたら汚れた下着と穴のあいたTシャツしか入ってなかったって感じになってくるので、自然とそれほど気にしなくなる感じでしょう。盗る方だって、そんなモノ盗ったって仕方がないという。大体お互いビンボーしてるからバッパーに泊まってるわけで、貧乏人同士が盗り合っても仕方がないという。

 ただ、いくつかの注意点はやっぱりあって、全部盗られた人がいますが、何が一番悔しいって旅先の写真などのパーソナルな思い出系グッズです。他の物は数え上げても保険を請求する手間だけで費用倒れというくらい殆ど無価値なものだし、いくらでも取り返しはつくけど、写真などは絶対に再生がききません。もの凄く悔しい思いをするので、それが一番大切なんじゃないかな。だから、適当な所でDVDに落として(あるいはコピーして)先に日本に送ってしまうとか、ネットのクラウドやらフリースペースを借りてアップロードしておくなどの予防措置をとっておかれるといいかも。あと財布やカードなど金目のものは、リスクヘッジのために分散して持っておくといいでしょう。まさかのために、ベルトバックルの裏に最後の100ドルを縫いつけておくとか(笑)。

 ”盗難”というほどのこともないですが、冷蔵庫にしまっておいた卵や牛乳を誰かに使われてしまって悔しいって話はよくありますね。卵に名前を書いたり、"I'll kill you!"って書いたりしたり(それでもムナしくその殻がゴミ箱に捨てられてたりして)。これも、まあ、だんだん慣れてきて、そのうち「ちょっとだけだから」とかいって、今度は自分が他人のものを拝借したりして。

 先日帰ってきた人も言ってましたが、シドニーにいるとお金が無いって気になるけど、旅先ではそんなに気にならなくなると。お金が無かったら皆ゴハンを分けてくれるし、夜はタダ酒飲ませて貰えるし、何処にでも寝れるし、友達は沢山出来て楽しいし、、、寝るところとゴハンと気のいい友達と楽しい時間がほとんどコストがかからず手に入るので、あまりお金お金って思わなくなると。だから、なんというのか、馴染んでしまえば、ゆるやかな原始共産制みたいな感じなんでしょうね。皆も最初のシェア探しは「絶対個室!ルームシェアなんかありえない!」なんて言ってたりしたのが、ラウンドから帰ってくると、「個室なんか寂しい!皆と寝てた方が治安的にも安全だし」ってガラリと変わってたりします。

 このようにバッパー生活、ラウンド生活というのは、Before/Afterでかなり変わりますよね。あんまり変わらない人もいるだろうけど、変わる人の方が多いですね。予約もしない、盗難もそれほど気にしない、相部屋全然OK、お金も気にしないとかね。だいたい男女別の部屋が多いけど、男女混合という部屋すらあるし、それどころか皆が寝てるそばで堂々とセックスしてる奴がいたりしてぶっ飛びますけど、でも、まあ、これも慣れます。「うるせーなあ」って感じ。

 これ、日本で読んでる人からしたら、およそ想像がつかないかもしれないし、どんなトピックにも「慣れます」としか書いてないわけですけど、本当にそうとしか言いようがないです。別に慣れなきゃいけない義理はないですし、慣れたからエラいってもんじゃないです。それに必死の努力の末に克服って感じでもなく、自然にそうなったりします。人間の感覚ってけっこうフレキシブルというか、いい加減です。

 外国の人(伝統的なオージーなど)からしたら、日本の旅館の大浴場なんか「ありえない!」ですよ。赤の他人に全裸を晒すなんてヌーディストクラブのやることであり、ましてや露天風呂、ましてや混浴、ましてや混浴露天風呂!絶対ありえないですよ。あなただって他人の前で全裸になるのは死んでもイヤだろうけど、そこにお湯があるだけで何故か許せてしまうという精神分裂的な行動パターンを取ってるわけです。「自然に慣れる」というのは、そーゆーことだと思います。だから今の基準でモノ考えたり準備したりしても、ムダだし、有害ですらある。温泉行くのに水着を持って行くようなことになりまっせ。

ベッドバグ

 えーと、あと、健康面でいえば、ベッドバグ(bed bug)と呼ばれるダニのようなものがベッドにいることもあります。ベッドバグ(日本ではトコシラミ)だけではなく、他にダニとかノミとかもいるかもしれない。別にバッパーに限らず、日本にだっていますけど。痒いなーと思ったら、ちょっと気をつけてみたらいいと思います。でも、ベッドのせいだ、バッパーのせいだと他人のせいにする前に、自分がファームで拾ってきて広めているかもしれないので、それも注意。この種のバグで重篤な疾患になるのは殆どなく、実害は痒いことと、何よりも気分的に不快だということでしょう。肉体健康というよりも精神的要素が大きい。痒いと思えば痒くなるし、気にするほど痒くなる。そして掻けば掻くほど毒が廻って被害拡大するし、皮膚の表面が敏感になって一層痒く感じるという泥沼になります。

 本格的な駆除は、Pest Controlと呼ばれる害虫駆除専門家がいますが、自宅でもない場所でそこまで出来ない(被害がヒドイときはやってくれと要求するのも手)。個人的な駆除方法はこれまでの人生経験である程度は知ってるでしょう。衣類やシーツの洗濯、乾燥(熱に弱い)、殺虫剤(insecticide)虫除けスプレー(insect repellent)などなど。ちなみに蚊ですけど、オーストラリアにも蚊取り線香は売ってますし(モスキート・コイルという)、べープマットみたいなものもあります。今度大きなスーパーに行ったら、電子辞書片手にゆっくり商品を見ていくといいです。意外といろんなものがあります。

 せっかくオーストラリアにいるんだから、オーストラリア特産品であるユーカリオイルやティートリーオイルを使う手もあります。普通のスーパーで売ってます。特産品だけに質が良くて安いですから。いずれもかなり水に薄めて使用(原液は濃すぎて危険、数滴垂らす程度でいい)。ユーカリは猫のノミ取りに日本でも使われてますよね。ノミが嫌う(猫も嫌うけど)。風邪のときにはお湯に垂らして水蒸気を呼吸するという使用方法もある(映画「クロコダイルダンディ」に出てきた)。それほど強力ではないかもしれないけど、100%ナチュラルだし、駆除にも痒み止めにも使えるし、また抗菌作用があるから他の場面でも応用が利きます。香りもいいので安眠作用もある。ただし揮発性で燃えやすいので注意!このあたりは検索したらアロマセラピー系ほか、利用法や注意点などいくらでも出てくるので、ご興味のある人はどうぞ。


 Colesのオンラインショップで表示されたユーカリオイル ↓

オーストラリアの危険な動物・昆虫

 本当に恐いのは、レッドバックスパイダーとか致死性のある毒クモ、毒ヘビ(世界の猛毒ランキングの上位の殆どがオーストラリアにいる)、そしてサソリなどです。もう命に関わりますからベッドバグの比ではないです。

 ただし、出くわすような場面というのはアウトバックのツアーなどでしょうから、ガイドさんや地元の人の予防対策をしっかり聞いて学んでおくこと。英語がわからないなんて寝言を言ってる場合ではなく、しっかり何度も聴いておくこと。うかつにブーツに足を突っ込んで刺されるのはよくあるパターンだそうで、履く前に逆さに振って確認すること、など。まあ、危険があるところ対策アリで、レッドバックで本当に死んだ人なんかここ数十年いないんじゃなかったかな。調べてみたら最後の犠牲者が1955年で、翌年に血清(anti-venene)が開発されてからは死亡者ゼロ。それだけ対策も進んでいます。

 ということで、それほど心配することはなく、まず準備として何をすべきかといえば、上に書いた個々の専門用語の英単語を覚えることでしょう。「虫除けスプレー」とか。上に限らず、健康被害が心配な人、医者にかかるかもしれないと思う人は、医学用語というほどでもないけど、簡単な病名や症状の英語表現はメモしておくといいかも。どうやって調べればいいかって?例えば、シェア先にある薬箱や、地元のスーパーの薬コーナーでパッケージや効能書に書いてある単語の意味を調べることでも出来ます。和英辞典で調べてると、ときとして硬い専門用語に偏ったりします。「風邪」と言えばいいものを「流行性感冒」と言うとか。多少砕けた日常表現がいいです。


 書きだしたらいろいろ思いついてしまいました。次に、クルマや一人旅などについてです。
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ワーホリ実戦講座 INDEX

1:ワーホリとは?近年の環境変化
1−1:グローバリゼーションの読み解き方とワーホリの新活用法
1−3:二回目ワーホリ
2: Watershed(分水嶺)運命の分かれ道〜 あまりに高い言葉と文化の壁
3.早いうちに「やる気」を「経験」にエクスチェンジすること
4.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その1(バスを制覇せよ)
5.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その2(地図を入手せよ)
6ー1.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話を入手せよ)
6ー2.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話編 その2)

7.シェアを探そう〜100%英語環境でのシェア探しがなぜ成功の第一関門になるのか?
※↑関連シドニーシェア探し入門を参照

8−1.仕事をしよう(その1) 仕事の効用 
8−2.仕事をしよう(その2) 仕事の探し方 日系〜ジャバレス編
8−3.仕事をしよう(その3) 仕事の探し方(2) 日系その他編、ローカル編
8−4.仕事をしよう(その4) 英文履歴書・実戦例

9−1.ラウンドのススメ(その1) 
9−2.ラウンドのススメ(その2) 
9−3.ラウンドのススメ(その3) 宿について
9−4.ラウンドのススメ(その4) 一人旅、車の旅

10−1.2年目ワーホリの難しさ(その1) 
10−2.2年目ワーホリの難しさ(その2) 「ワーホリ定食」論
10−3.2年目ワーホリの難しさ(その3) ゼロベースからの自家製メニュー
10−4.2年目ワーホリの難しさ(その4) 余談(自分の場合)と結語



APLaC/Sydney(シドニー多元生活文化研究会)


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APLaC(アプラック)は、オーストラリア現地(シドニー)に拠点を構えて、移住・留学・ワーキングホリデー等についての現地情報・無料相談・学校紹介を行っているエージェントです。
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