★イタリア料理
シドニーで最も頻繁にみかけるレストランのベスト3は、中華料理、イタリア料理、タイ料理だと思うのですが、イタリア料理店は、本当にた〜くさんあります。もともと癖がなく万人に親しまれやすい料理であることに加えて、イタリア系移民が沢山いる等の事情によるのでしょう。「イタリア料理店」という形でなくても、ピザ専門の店や、ファーストフード系のピザやパスタの店、あるいは紅茶よりも多く消費されているのではないかと思われるようなカプチーノの浸透ぶりなど、その影響力は大です。
何度も他のページで紹介してますが、イタリア料理のメッカといえば、シティから西に数キロいったところにある
Leichhardt(ライカード)という町です。イタリア系移民が多く住む地域で、ここ行けば、どこの店入ってもそう大きくハズすことはないでしょう。ただ、ここ数年有名になりすぎたのか、週末なんぞに行こうものなら駐車に苦労しますし、オシャレな外観で高値設定している店もちらほらあります。が、シティあたりの気取った店よりはまだしもリーズナブルでしょう。が、オーストラリアバブルの進行で、ライカードも結構チャラくなりつつあるように思います。今は、より本格的な町としては、ライカードの隣町である
Haberfield(ハーバーフィールド)の方がいいんじゃないかって気もしています。2013年以降は、さらに奥に侵攻し、もっぱら
Fivedockあたりに行ってます。
Leichhardt(ライカード) エリア
バー イタリア Bar Italia
169 Norton St, Leichhardt 9560-9981
Mon-Thu:9:00am-midnight Fri-Sat:9am-1am Sun:10am-midnight
イタリア人の街ライカードの中でも老舗のカフェ。佇まいはこの10年何も変わってません。
ジェラートの美味しさで有名ですし、その味も変わってないと思います。
料理の値段もパスタ一人前で10ドル前後というのはライカードでもっとも低廉だし、値上げ率も低いです。味は特別うまい!って感動するほどではないけど、コストパフォーマンスはいいと思います。先にカウンターのところで注文し、お金を払うというシステムです。飲み物はその場で受け取り、食事はあとで席に運んでくれます。奥に中庭があり、豪華じゃないけど緑に囲まれ、学食の開放感みたいな感じでイイです。時折上空を通過する飛行機がうるさいのが玉にキズ。ジェラートは感動しますが、それ以外は別に「おお!」というほどの味ではないです。結構盛り付けもゴージャスじゃないし、学生街の定食屋さんみたいにチャッチャと炒めてそこらへんの皿に盛って「はいっ」てな感じ。でも、食べてると結構満足してしまう。
写真下段左は、話題のジェラートバー。パンナコッタ、ティラミス、ピスターチオほか聞いたことないような味も楽しめます。量が多く、2スクープ(2種類の盛り)で十分でしょう。それでもどんどん溶けていくから、食べている間は必死で、会話が出来ない(^_^)。写真下段右は、質素なんだけど感じの良いコートヤード。青空にブーゲンビリアがいい雰囲気出してます。
Moretti
47 Norton St,Leichhardt 9568 1354
ここは地味に、地元的にけっこう有名。お値段そこそこリーズナブルだし、美味しい、常連店になりうる店。
Colesの入っているショッピングセンターの隣で、Norton Stに面しているというか、軽く奥に引っ込んでます(下の写真参照)。
ピザがメインと思いきや、ピザ以外のイタリア料理も十分な出来かと。数回行ってハズレはなかったです。下右の写真は、”Involtini di pollo ”と呼ばれる、チキンを巻いた料理。
余談ですが、メニューもねー、中国料理やベトナム料理だったら英語で解説があるのだけど、なまじ英語に近接しているイタリア料理だと、英語解説抜きのイタリア語オンリーの場合が多く、殆ど闇鍋か、CDのジャケ買いかってな感じで頼んでいたのですが、段々覚えましたね。
英語と単語が似てるからうまくリンクさせられたらいいんですけど。Involtiniは、おそらく英語のInvolve(巻き込む)だろう、PolloはおそらくPoultry(鶏肉、家禽。見慣れぬ単語と思ったらスーパーの肉コーナーの分類を見ると書いてある)だろうと。真ん中の"di"ですけど、イタリア語やフランス語などラテン言語のこの種の"La""De""Di"というのは、theなどの冠詞か、ofなどの前置詞だと思われるところ、ようするに日本語の「てにをは」だわと荒っぽく推測をつけ、involtini di pollo =鶏肉を巻いたもの、くらいの意味だろうとするとそこそこ当たります。でも、英語で書いて欲しい、、
それはさておき、料理はGOOD!です。一品料理も美味しいけど、ピザがまず外れません。
下の写真左はCalzone(カルツォーネ)と言われる二つ折にしたピザ。
右の写真は、これは季節商品らしいのですが、プロシュート(生ハム)ピザに新鮮なFIG(無花果・いちじく)とマスカルポーネチーズを乗せたもの。めっちゃくちゃ美味かったです。こちらは本当によく無花果を食べます。日本にいるときよりもずっと多く食べる機会があります。
ライカードの店は幾つか行ってますが、「おお、ここは!」という店はそんなに発見できてないです。むしろ失望する店の方が多いかも。
→以下、書いたのが古く、リアルタイムの話ではないのでタックしておきます
イタリア料理屋は難しいのですねー。最初シドニーに住み始めた頃に食べたGlebeのイル・クロスティーノ(後に消滅)があまりにも美味しかったので、どうしてもあの水準で比べてしまいます。決してマズイわけではないのですが、群を抜いてオススメできる店は少ないです。
Frattiniとか
Grappaとか有名な店もライカードにはありますし、多分美味しいとは思うのですが、それなりにお値段も張ります。Frattiniは昔っから伝統的に有名。だけど、先日ついに機会があって食べに行ったのですが、オーナーが変わったのか正直ガッカリでした。このレベルでイタリア人の中で有名店になる筈はなかろうと思うので、多分オーナーチェンジしたんだろうな。
Grappaは、マスコミなどによく取り上げられていて有名。SMHのGood Food Guide的にはGrappaの方が高得点だけど、口コミ掲示板であるeatabilityではoverpriceという批判もあります。
Carpaccio
Shop 8, 39-45 Norton St、Leichhardt、9550 9365
ずっと前に行ったきりだから多分もう無いかも
ここも有名な店です。行ったこともありますが、時期が悪かったのか(クリスマス時期の昼間)、かーなり待たされた挙げ句、頼んだ3皿のうち、2皿が売り切れと言われ(しかも五月雨式に)、「これがおすすめだよ」と言われたものを頼み、さらにかーなり待たされて食べたのでした(1時間以上軽く待った)。場所もいいし(Norton Stに面したテラス)、味は悪くないし、盛りつけも楽しいんだけど、やっぱりオーバープライス気味かしら。ハレの日に通う”とっておきの店”にしては味はミラクルではないし、腹が減ったから通う常連店にするにはお値段が、、、って感じ。
あと、そんなオススメってわけではないけど、何気に数回行ってるのが、
La Botte d'oro
137 Marion St、Leichhardt、9560 1349
です。Norton Stではなく、直角に交差するMarion Stを下ったあたりで、ちょっと外れているから車が停めやすいんですよね(^_^)。
ここはシーフードが売りのようですが、満遍なくそこそこのレベルで美味しいです。
Haberfiled (ハーバーフィールド) エリア
IL Goloso (POST OFFICE)
60 Dalhousie Street、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9716 4344
ココ数年行ってないので、リアルタイムのことは言えないな〜と思ってタックします
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その昔はRamsay Stに面していて、ファミレスっぽい気安さとリーズナブルなお値段でよく行ってました。びっくりするほど美味しいってわけではないにしても、コンスタントにハズレが少なく、出塁率7割の二番バッターみたいな感じ。ところが去年、突然閉鎖になり、店に貼られた告知紙もなにやら破産チックな雰囲気(そうは書いてなかったけど)。「ううむ、店のオヤジが投資物件に手を出して、首が廻らなくなったか」と思いきや、すぐ近くにリニューアルオープンしてました。しかしそんなに大々的にリニューアルオープンを謳っておらず、それどころか昔の郵便局の建物を看板もそのまま、店名も"Haberfield Post"としてて、もしかして債権者の追及を逃れているのかもとか余計な詮索をしてしまったのであった。しかし、内容はやっぱりIL Golosoで、
地元の掲示板も何事もなかったようにIL Golosoのスレが続いていたりします。
08年12月にこの新ポストオフィスに行ったのですが、確かに店主らしき人の顔も見覚えがあるし、IL Goloseっぽかったです。ただし、以前よりもちょい高級路線をいっているのか、お値段もちょい高め。でも、二人で100ドル超えることはないでしょう。ピザとその他の料理を比べると、やっぱりピザの方が水準が高く、お値打ちかなと思います。
リニューアルしてからの掲示板の評判は例によって人それぞれなんだけど、以前と比較する人はやっぱり高くなった分期待値も高まるので採点辛め。僕もやっぱりちょっと変わったかなという気がします。アップグレードを狙っているのだけど中々果たせていないって感じ。腕のいい職人さん探すのも大変なんでしょうね。また、スタッフもビギナーっぽいかったりして、好意的な見方をすれば、新装による初動調整期間って感じでしょうか。でも店の外のオープンスペースはナイスです(
今週のエッセイでも写真を載せてます)
↑写真左上は前菜のブルシェッタ(Bruschetta)。フランスパンを斜めきりにして焼いたオープンサンド風のもの。
写真中央はメイン、シーフードのダシがちゃんと出ているトマトソースでした。このサラダの野菜の切り方がIl Golosoeでしたね。「やっぱ、そうじゃん」と思った。もっとも皿に"Il Goloso"って書いてあるんだけど。
右上はピザ(見ればわかるか)。薄焼きでパリッとしていて美味しかった。
Dolcissimo
98 Ramsay St、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9716 4444
ここも2013年終わり頃からかな、わりとドンと値上げしてしてしまってから足が遠のいてますね。雰囲気は変わらないみたいだけど。
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Ramsay StとDalhousie Stのカドっちょにある昔からあるレストラン。ここもピザ中心です。
ここもファミレス風で(特にメニューの体裁)、値段といい気安さといい、お気軽な感じ。いかにもイタリアンコミュニティ風、ハーバーフィールド風なファミリービジネスで、一階の店内で食べてると、誰がスタッフで誰が客で、誰が近所(or親戚)の人なのか良く分からないゴチャゴチャ感があります。悪い感じはしないんだけど。
ハーバーフィールドは昔ながらの感じで、ランチとか結構やってなかったりしますが、ここはいつ行っても開いてます。その意味では重宝します。
それにIL Golosoが高級路線にいってしまった現在、このエリアで一番コストパフォーマンスが高いのはココかもしれません。
↑上は2011年7月5日に行ったときのもの。左はローストベジタブルのピザ。野菜の甘味が良く出ていてナイスでした。右はてんこ盛り海鮮リゾット。カニ(Blue Swimmer)や、高級エビであるScampiまで入っているという豪華さ。「これって、見た目、日本でよくある”豪華海鮮丼980円!”とかいって、全然美味しくないやつっぽいよね」とか言ってたのですが、しっかり美味しかったです。26ドルですけど、カニやエビが無くてもお値打ちだと思う。海鮮系のものは海鮮ダシがどれだけ上手に出るかであり、僕は未だに自分でやって成功したことは一度もないです。でも、これはしっかり海の味が出てて、満足。日本で見かけるカニ道具も出してくれて、しかも見た目だけのカニではなくちゃんと身も結構入ってました。
その後2013年段階まで定期的に行ってますが、質は安定しています。
Napoli in Bocca
73 Dalhousie St、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9798 4096
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ここは上の二店よりも世間的には有名だし格上っぽいのだけど、それだけに毀誉褒貶が激しい。
僕個人の経験では、あんまり芳しくはなかったです。リゾットはブルーチーズの臭みがちょっと強く、またライスもかなり生煮えでキツかった。もっともこれはより本格的な一品だからこう感じられるということでもあるのでしょう。でもなあ、ブルーチーズはおいおい慣れるから良いとして、いくらリゾットは芯が残るくらいがいいといっても段ボールみたいな食感で本当のいいのかという疑問もある。ま、わからんけど。ピザも、上の生ハムは美味しかったけど、生地がいまいちイケてなかった。
ただ、本格的なものを目指してるんだろうなってのは分かりますし、有名なのもそれなりにわかります。もしかして別のメニュー、別の機会にしたら素晴らしいものになったのかもしれない。だから判断保留にしておきます。あと掲示板でも多くの人が「サービス1(十段階評価で)」にしていて、その理由もなんとなく分かる。ちょっとスノッブでカジュアルで、あんまり誠意のある感じではなかったですね。常連とベチャベチャ喋ったり。サービスを受けてるというよりも、あしらわれているって感じ。で、値段はそこそこしますから、やっぱ料理面でツボにはまらないとしんどいでしょう。
Il Locale
94A Ramsay St、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9797 8966
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これもRamsay StとDalhousie Stの角にある(Dolcissiomoの向かい)。Good looking で高級感を出しているお店。ピザ屋というよりもレストランって感じ。
ランチタイムに行ったのですが、羽振りの良さげなビジネスマンなどが食べてました。お値段もそこそこ。で、美味しいか?というと、もちろんハーバーフィールドですから水準はいってるけど、「おお!」って印象はなかったです。何を食べたかあんまり覚えてないくらいですから。岐阜で司法修習していたときの岐阜会館(だっけな)を思い出してしまった。地元の弁護士とか議員とかが会ったり、メシ食ったりするには手頃な会館なんだけど、味は別に普通だったりして。
あと、Napoli in Boccaと双璧をなす有名なピザ屋で "La Disfida"という店があるのですが、未だ行ってないです。ここも有名(07年度にSMHで賞を取ってる)なんだけど、ナポリ以上に毀誉褒貶が激しいので、何となく行くのを躊躇っています。
Paesanella Cheese Shop (デリカデッセン)
88 Ramsay Street、 Haberfield NSW 2045、(02) 9799 8483
ホームページ
これは2015年時点も健在!ただし10ドル冷凍ティラミスがちょい値上げしてるのは良いにしても、前ほど美味しくなっていたのは残念。でもチーズ工場直営なので、商品がよく入れ替わっていて面白いです。
地味なたたずまいで、なにげに入ったお店なのだけど、実は美味しい。HPを見てわかったのですが、ここってチーズ工場(Marrickvilleにある)のアウトレットショップだったのですね。
いかにもハーバーフィールド(イタリアンタウン)らしいというか、近所のオバちゃんとおぼしき人が店番してたりして(本当のところは分からんけど、よく人が変わってるので)、のんびりした小さなお店です。でも、美味しいんですよね。さすがチーズ工場。生チーズ系は、賞味期限守って早く食べないと、本当にあっという間にいっちゃいます。それだけにフレッシュで美味。でもって安い。
自家製冷凍ティラミスが1パック10ドルで冷凍庫に入ってます。これがまた結構ボリュームあって、しかもsuperbではないものの、かなりいいセンいっててお勧めです。ただし、食べる1日前くらいから冷蔵庫でじっくり解凍したほうがいいかも。焦って食べるとリキュールが染み込まず、イマイチおいしくないです。
Colefax Coffee Lounge and Chocolate Shop (2013年5月17日記)
78 Ramsay St、Haberfield NSW 2045、(02) 9798 2022
Closed。削除してもいいけど、「このレベルのホットチョコレートを探してます!」と言いたいので、「理想はかくありたい」的な意味で残しておきます。
→今更だけど過去の紹介記事です
メチャクチャお気に入りのチョコレートパーラーだったのですが、なんか閉まってます。前を通りがかって「あれ、改装中か」と思いきや、なかなか開かない。調べてみたら、なんと
シドニー破産倒産情報というサイトがあって(Sydney's insolvency News) そこに書かれていました。面白いので(悲しいけど)読んでたら、そうか〜家賃が週2700ドルもするのか、負債総額は4400万円か〜と嘆息をついてしまいました。まあ、赤字だったからこそ、あれだけ素敵なホットチョコを格安で飲めたわけですね。
ホームページ
Haberfieldが出たついでに、イタリア料理屋でもなんでもないけど、紹介しちゃいます。上のパエサネーラのわずか数軒隣にある、一見ゴージャスなチョコレート&コーヒーショップです。これも、単なる販売店ではなく、自分のところで作っているチョコを売ってるお店です。
圧巻なのはPetti Four(プチフール)と呼ばれる小さなチョコのバラエティの多さ。HPでは150種類以上と豪語してますが、店内には150はないかもしれないけど、数える気力もなくなるくらいの種類のチョコがあります。ゴージャスなインテリアにビビるし、値段も書いてないのでさらにビビったのですが、試しに買ってみたら拍子抜けする安さでした。シティで買う(1個2ドルとか)の半値くらいじゃないかな。種類がなんであれキロ90ドルなのです。超目移りするので「オススメは?」と聞いたら、しばし考えて「チリチョコなんかどう?」というので、「唐辛子チョコ?」と半信半疑ながらトライ。これが以外とゲテモノ風ではなく、「なるほどー」って感じでした。HPにチョコの種類が載ってます。
ここにはカフェもありまして、このカフェが中々良いです。
豊富な種類のホットチョコレートは、多少高い(6ドルくらい)けどそれだけの値打ちことはあります。めちゃくちゃリッチで、美味しい。ホットチョコというのは、妙にチョコをケチって水っぽくなってると興ざめというか、怒りが湧いてきますが、この店はその逆。僕が飲んだ中ではダントツに濃厚。そしてチョコの味が良い。まろやかというか、とんがってなくて、ほっこり温かくなる味。入れているチョコの分量からしたら、かなり割安なくらいです。飲んだら「もう、しばらくチョコはええわ」という気分になるという。またオマケにチョコを一個くれるし。種類があって目移りする場合、まずはオーソドックスなミルクチョコをお勧めします。
かなりじっくり作っているので結構待たされますが、待つ価値あり。ちなみに、砕いた氷を混ぜた冷たい系(Chiller)は氷が入ってしまう分だけ物足りなさが残りました。寒くなるとよくこの店に行きます。車でランチを食べにいったときは、わざわざ帰りにここに寄って、ホットチョコを飲みます。店内は結構広く、ソファ椅子もあったりして、本棚にあるチョコ関連の本を持ってきてゆったり過ごします。
なお、他人のブログなのですが、
ココが、よく調べて書いてあり、店内の写真もあります。シドニー在住の甘いもの好きの奥さんのブログのようだが、このレベルまでくるとたいしたものです。写真がプロ並なのだがダンナさんが撮ってるみたいですね。
Five Dock(ファイブ・ドック) エリア
ファイブドックは、ライカード→ハーバーフィールドと続くイタリアンタウンで、実は手つかずの濃厚さ(商業的チャラさの薄さ)では前二者以上じゃないかと僕が密かに思ってるところです。なにげにイタリアン・デリがあったり、街行くおばちゃん達がイタリア語(と思う)で会話したのを聞いたのも一再ならずあります。
実際調べてみると、2006年のセンサスによれば、ファイブドックの住民の4人に一人はイタリア系であり、12%はイタリア生まれだそうです。ファイブドックの公立小学校ではイタリア語を教えるカリキュラムもあり、イタリア語の語学学校もあります。年に一度のこのサバーブのお祭り(どこのサバーブにもある)は「Ferragosto」と名付けられ、これは本家イタリアのお祭りの名前だそうです。カソリック的にはマリア様が昇天された日らしく(実際にはお盆のように夏祭りでしょうが)、これは日本的には終戦記念日の8月15日になります。Five Dock的にはそのあたりの日曜日ということで、
2012年には8月12日に行われます。
でもって紹介してないけど、イタリアンケーキ屋&カフェがあります(Tamborrino,75 Great North Rd 未紹介)。ここも隠れ家的に美味しいです。びっくりするのが値段で、嘘みたいに安い。「え?それだけ?」と覚悟してた半額とまでは言わないまでも、でも、シティのリンツあたりに比べたら半額以下でしょう(や、半額なんてもんじゃないな。2ドル台でもあるから4分の1とか)。で、ケーキの種類は違うけど、質は劣らない。リコッタ系のケーキや、シュークリームが豊富だし。値段が全く表示されてないので不安になるけど、客はローカルばっかりなので、勝手知ったるという感じでガンガン買っていく。大雑把に予期して20ドル札用意していると10ドル札だけで足りてしまう。でもって、注文すると「シ!」(イタリア語のYES)と言われたりして面白いです。昼下がりには地元のおばちゃん達の溜まり場になってる。
なんの話かというと、ファイブドックあたりまで足を伸ばしてリーズナブルで質の高いレストラン(アジア系のタイ料理屋
=Thai Expression Cuisineも安くて美味いし)とこのカフェをハシゴすると、お財布に優しく楽しい午後が過ごせるということですね。お天気が良ければ、近くのウォーキングのメッカであるIron Coveをぶらぶら歩いても良いし、逆にカナダベイにいって、いっそう人口密度の低い、のほほん水辺の公園を堪能するもよし、です。車もってる人向けだけど、でも461番バスでシティからパラマッタRD一直線でも行けます。
Filicudi/フィリクーディ
11 Ramsay Rd , Five Dock NSW 2046 Ph:9713 8733
2015年時点でイチオシです。
Fividockエリアの二軒目は、上で紹介したEatbilityでTipco以上のレビュー数を獲得しており、前から目をつけていたフィリクーディです。
地元では有名らしいこの店は難点が二つあって、一つは見つけにくいこと。
街道沿いの打ち捨てられたような一角にちんまりと鎮座しているから、車でばーっと走ってたら、まず見過ごしますね。HaberfieldとFivedockを結ぶRamsay St沿いで、ほとんどFivedockに入ったかなどうかなくらいのエリア。
真正面(お向い)にELIO'Sという車の修理工場があって、そっちの看板の方がずっと目立ちます。これを目印にした方がわかりやすいですよね。
Google Viewのリンクを貼っておくので、見てください。
Fivedockの商店街から行こうと思っても、普通はここまで来ませんよね。僕も商店街で色々とイタリア料理店を探しているときには、はるか手前で「ああ、ここから先は住宅地か〜、もう店はないよな」と諦めてましたから。客商売のレストランをしながら、こんな殆ど絶望的とも言えるような立地で(^_^)、よくやってられるよなと思うのですが、それどころかイタリア料理の隠れたメッカの
FivedockでEatablityのレストランで一番人気を誇っています。
あ、一番人気というのは、単にレビューの平均点ではなく、レビュー数そのものです。平均点だとレビュー数一人でその人が10点つけたら一番になっちゃうので。レビュー数は、有名店はミーハー人気でアテにならないけど(高いだけで感心しなかったBills Cafeとか)、ここまでドローカルでミーハー度が限りなくゼロだった場合、レビュー数は意味を持つと思います。で、このどうしようもない(^_^)立地で、フィリクーディは86レビューを集め、第二位の70レビューのTipicoを押えています。ちなみに第三位は48レビューだからいかにこの二つが突出しているかです(もっとも知る人ぞ知るというレビュー激少、それどころか載ってさえいない名店もあるけど)。
もう一つの難点は名前が読みにくいこと。名前が読みにくいと、「今度行こう」とか思っても、忘れちゃうんですよね。これも"Filicudi"という、やたらLとかIが詰まってるスペルだから、読むのめんどくさい。ふぃ、ふぃ、ふぃり、あーもーって感じ。だから覚えられない。そうすると、たまたま現地近くまで行ったとしても、「えっと、なんて名前だっけな?」と確信が持てず、探しきれず、、という。今回は、もうねらい打ちでグーグルビューでバッチリ確認しまくってから行きましたけど。
だからレストランの名前はベタがいいんでしょうね。日本料理店だったら"TOKYO""KYOTO"とか、「ニンジャ・カフェ」なんても僕ら的にはDQN丸出しだけど、商売的には大アリなんでしょうねえ(実例はシドニーにはないけど)。
で、この「フィリクーディ」ですが、調べたら、イタリアの南方、シシリーの北にポツンと点在する小さな島で、普通の地図ではまず小さすぎて見えません。世界遺産のエオリア諸島七島の一つです。伊豆七島みたいな感じかな。一番未開で、手つかずで、ミステリアスな島がフィルクーディ。中に入ったら、確かにドーンとポスターが貼ってありました。
さて、味の方ですが、めっちゃオーソドックスな味、、、って、いうほど知ってるわけではないのですが、なんかそんな感じがしました。最先端の試みとかシェフの独創的センスが光るとか、そういう店ではなく、イタリアのそのエリアの普通の料理を普通に出しているって感じではなかろうか、と。
メニューの内容も、盛りつけも見てくれも、どってことないんだけど、でも、すごい美味しい。
パスタは、ペンネ・アラビアータ(ピリ辛トマトソース)という何処にでもあるメニューですが、これ美味しかったです。今まで食べたアラビアータのなかでは一番おいしい。ほんとどってことないタタズマイなんだけど、ソースが上手い。ピリ辛具合もとても自然で。
ピザはベジタブルピザで、むちって内容が詰まっているのですが、これも良い。茄子がむにゅっとして素材の甘さが十分乗ってて。多分、これ最初に具の野菜だけ一回ローストしてるんじゃないかな?という気がする。かけてあるオリーブオイルもよくて、オイルとチーズの味だけで食べさせるんだけど、すっと入ってしまう。多少生地は厚めか?とは思うのだけど、気にならない。あ、ピザは3サイズあります。パスタも2サイズあります。上のパスタは大きい方(メイン。オントレではなく)、ピザは中間サイズです。これで二人だったら十分かな。
オーソドックスぽい感じがしたのは店の雰囲気もそうです。田舎の小さなマフィアの組の3兄弟みたいな男ばっかで、無駄口叩かず、無駄な動きもせず、黙々と仕事してる。何にも喋らないんだけどいるだけでキャラが立ってるという。でもって、厨房でチラチラ見えるシェフは、実はおばちゃんで、母親が作って息子三人がサーブしているんじゃないかと思われるほど(違うんだろうけど)、なんかハマってる。だから「シェフ」というより、どっか地方を旅行したときに、地元の人が作っている地元の料理って感じ。「商業料理」っぽくないというか。店の客も全員顔なじみみたいなノリでした。
最後にデザートとコーヒー。コーヒーは当然外してません。デザートは、黒板に書いてある定番メニューが3つほど。いたって地味。「やる気あるのか」というくらい地味。で、そのうちマスカルポーネを頼んだのですが、冷蔵庫からひょいと取り出してくるだけなんだけど、美味しかった。これもなんてのかな、日本の田舎にいって、ちゃんとしたオハギをご馳走になったような感じです。
総じて言えば、オーソドックスなローカルイタリアンであり、だからといって「家庭の味」を売りにするつもりもなさそうだし、そもそも「売りにする」とかいう商業的な発想があるのかどうかすら疑わしいというか、普通にちゃんと料理作ってたら普通に客がついてくるから、別にそれでいいのだという、21世紀型チャラ系資本主義を歯牙にもかけてないって感じの店です。だからこの立地で平然とやってるわけですね。なるほどって、なんか納得してしまうのでした(まあ、本当のところはわからんけどね)。
Gatto Matto Trattoria
(2013年5月17日記)
Level 1, Shop 4, 12 Garfield St,Five Dock NSW 2046 Ph:9712 7770
WEB
Fividockエリアの3軒目は、スーパーマーケットの入ってるビルの二階、隣が市民図書館という現代的な店です。大通りからちょい入ってますが、建物自体がデカいし「行けば分かる」と思います。
上のTipicoがカジュアルな路面店、Filicudiがトラディショナルだとしたら、ここはスタイリッシュな現代イタリア料理って感じ。シティあたりによくあるメッチャ値段が高い風な。ちょいビビってガラスに貼られているメニューを見ていたのですが(こっちはレストランのガラスにメニューが貼られている、明朗会計で良い習慣だと思う)、別に他と比べて全然高くもないので突撃。
天井高くて、キッチンがドーンと丸見えになってるブラッセリー風(て言うの?)、内装も凝ってて(今週の一枚エッセイにも載せた〜右の写真)、ちょいお洒落目。でも、お店の人らはフレンドリーでツンケンしたところはないです。2回行ってそうだったんだから、多分普通にそうなのでしょう。結構メディアに取り上げられていて有名なシェフさんらしいけど、いろいろ解説してくれて。選挙ダルマのような巨大ヌッテラ瓶を話してきたら、「これはね」とか説明してくれたり。
肝心な内容ですが、普通に美味しかったです。
どれもこれも良かったですが、特徴的なことを幾つか。
メニューの品数が少ないこと。これは良店にありがち(イタリア料理屋には特に)で、あれもこれも作らない。「これを食え」って自信作だけ少数品目だけ載せる。ここも少なかったです。だから、「今日は○○が食べたい」という特定の一皿を目当てにしていくと「無い!」という事態にもなるので注意。
ピザは、一見縁が厚くて、カリカリ薄焼きを期待していると外します。が、この厚い縁が実は美味い。なんなんだろな、小麦粉やセモリナ粉が違うんかな(よう知らんけど)。良い味があるのですね。パンみたいにおいしい。載ってるものは、いつも頼む定番のシンプルなもので、生ハム(プロシュート)、チーズ、ロケットレタスですが、いずれも焼き上がってから上に乗せる。載せてから焼かない。天麩羅そばの天麩羅みたいなもの。
でも一番美味かったのはパスタです。手打ちパスタで、以前シティ近辺で一皿(ちょっとしかない)44ドル「美味い喜び<高い悲しみ」経験もしましたが、ここは同等の質でお安い。接写の出来がよいカメラを買ったばかりなので嬉しそうに接写してますが、質の良さはなんとなくおわかりかと思います。パスタはシコシコしてて、それ自体の味がよく、かつソースが良かった。詳しく分析する能力がないので「良かった」としか言えないのですが(ごめん)、具のエビよりもパスタ本体の方が美味かったような気がする。食べちゃうのが勿体なくて、「ああ、終っちゃう〜」って切なかったですね。二皿くらい連続してモシャモシャ食べたかったかも。このパスタは本日のスペシャルだったようで、よく覚えていない。
デザートは、ちょっと変ったところで、サイコロ状に切ったフルーツをシロップと共にフライパンで炒ったものにアイスクリームが載っているという。Frutta Saltataとかいう。「ほお?」と思って食べたのですが、これも美味しかったです。温かくて甘い果物が冷たいアイスクリームとハーモナイズされてます。「もう病みつき!」ってことはないけど、意外と食いでがあるし、いい経験させてもらいました的な〜。
Tipico→Fabrizia
86 Great North Road, Five Dock NSW 2046 Ph:9713 5122
ホームページ
2015年時点消滅してます。削除してもいいけど、ここのミルフィーユが死ぬほど美味かったので、「このレベルを探してます」って意味で参考に残します。
→過去の紹介記事
先日(2013年7月)立ち寄ったら、"Under New Management"ということで経営が変わってました。また、名前も"Fabrizia"になってました。「げげ!」と思いつつ、物は試しでTakeawayで食べたのですが、まあ、場所柄それほど味は悪くはないのですが、以前にように「すごいっ」てこともないです。
メニューをみるとピザが殆ど全部15ドルという激安路線で、パスタも4種類しかないし、、て感じで、なんか簡易なファミレス的ではあります。ただ、この値段でこの質だったら、まあ、美味いと思います。小麦粉(セモリナ?)が美味しいのか、ピザもパスタも具よりも生地がモチモチして味があって美味しかった。まあ、これも好き好きで、殆ど気づかないレベルっちゃそうかもしれないけど。
ただ、まあ、昔のTpipicoみたいに「おすすめっ」って感じではないです。
Fividockのイタリアン優秀度を測るために、目に付いた普通の路面店であるこのTipicoに入ったのですが、これがいきなり大当たり。
ストリートから見る分には、ごく普通のカフェやレストランで、格別高級っぽいイメージもないし、”隠れ家”的なトキメキもないです。あっけらかんとして、正直それほど味を期待させるような面構えではない。
中にはいると(写真右)、Woodfireのピザのカマドが赤々と燃えていて、しかも本場イタリアン・レストランの象徴のような超巨大ヌッテラ(チョコペーストでColesで小さいのが売ってる)がドンドンと積まれており、しかも接客態度はイタリア的にフレンドリー(よう分からんけど、地の陽気さがにじみ出てて、「仕事だから笑ってます」的要素が限りなく低い)。
写真に出ているタペストリーの"LECCE"ですが、あとで調べたらイタリアの「レッチェ」という地名で、よく長靴に例えられるイタリア半島でいえばカカトの部分です。店内にもイタリアの風景写真が貼られていて、店に人に聞いたら、故郷の風景らしいですね。
で、味の方はどうだったかというと、very niceでありました。もしかしたらベストかもしれないってくらい。
写真で見たところ何の変哲もないです。「あ、そう」みたいな見てくれ。だけど、すごい。ピザは、ウッドファイアーであっという間に焼き上げて、「え、もう?」みたいな、まだナマなんじゃないか?って気がするくらいだし、トッピング(ロケットレタス、プロシュート(生ハム)、パルメザンチーズの薄切り)もナマのまんま焼き上げてから乗せているだけ。だから全然熱々ではない。しかし、地熱で段々いい感じに仕上がっていくのですね。また、生地が良い。縁がちょっと厚くて、カリカリ薄焼きではないのだけど、もっちゃりした鈍重な感じはゼロで、「さくっ」ではないが、「ふうわり」してる感じ。ちょっと縁厚めだけど、その厚さが気にならないというか、楽しい。地のトマトソースやモッツアレラ・チーズも控えめながらいい仕事をしてる。でもって、全体に軽いから、寿司みたいにつまんで、持ちやすくクルリと巻いてぱくっと食べると、ふんわりした生地と、トマトソースとモッツァレラのしっかした味と、ロケットレタスのシャキ感、生ハム、パルメザンが渾然一体になって、なんか生理的に気持ちいい。こう書くと大袈裟に聞こえるんだけど、あの気持ち良さを正確に再現していくとこんな感じです。
ピザって単純に美味しい/不味いだと思ってたんだけど、「なるほどね」と思ったのは、それぞれバラバラの素材が、時間差で段々レディになっていって、口にいれたときにハーモナイズするという、動的ダイナミズムです。あと、チーズも生ハムも塩で保存しているから、基本的にはみんな塩味なんだけど、その塩味がそれぞれに違う。生ハムも超薄切ということもあって、肉味よりも塩味が強く、塩っ辛いんだけど、その塩っ辛さが美味いかどうか。肉味とのバランスというか、塩そのものの味(ミネラル分とかでしょうかねえ)とか。また、トッピングも、ちらし寿司のようなものでベースをしっかり作り込んでから、切ったばかりの刺身を乗せるから良いのだということ。一緒に焼き上げる具と、焼き上げてはいけない具があり、後者の領域は思った以上に広いのだということ。「あ、ピザってこういう食べ物だったんだ」と、分かってたつもりのモノでももう一段理解が深まるレベル。
次はラビオリですが、ラビオリが美味しいということをカミさんともども発見したのはこっちに住み始めて10年以上経ってからです。本当に美味しいラビオリに当ってない&味覚が未開発だったからだけど、なんかモチャモチャして、イタリア風餃子か、にしては具が少ないなとか感銘がなかった。スーパーのチルド食品系などは特にそう。でも、美味いやつは、うどんの美味しいのと同じくツルツル、シコシコ(まんま同じ食感ではないが、ぐにゅっと噛んだ歯ごたえが気持ちいい)です。でもってソースが絶品という。で、この店のラビオリはさすがに外してませんでした。全品ホームメイドらしくラビオリも手作り。これはAshfieldの中華料理屋の餃子の皮が全部自家製であるのと同じ事でキホンなのでしょう。でもって、具がカボチャ&リコッタチーズ。前述のケーキ屋もやたらリコッタケーキが多く、このエリアはリコッタ好きなんかな。でもリコッタって基本的に味が薄いから食感命なんだけど、その食感がボソボソというかなり難しい食材だけど、好きなだけに上手に使います。カボチャのほのかな甘味とボソボソリコッタ食感が妙に溶け合う。「妙」としか言いようがない。ソースはバターソース一発。生セージの葉っぱが乗ってるが、バターだけ!みたいなソースで、バターがダメだったら食えたものではないヤバいしろものなんだけど、バターが美味しいからつるりと食べられる。美味しかったです。ラビオリって「え、これだけ」みたいに思うのだけど、食べると結構お腹膨れます。
で、カミさんが一番狂喜してたのが、デザートのミルフィーユです。ここでもまた、「ミルフィーユってこういう食べ物だったのか!」体験があります。こっちの方がデカいかもしれない。ちなみにミルフィーユはフランス語(たぶん)で、イタリア語では「みりえふぉりゅ」らしい。お店の人に発音を習いました。
このミルフィーユ、あ、ミリエフォリュか、は凄かったです。これで12ドルは高いな、ではなく安い!と思った。なんというのか、軽い。軽いんだけど、チャラくなく「軽快」。これはピザにも言えることだし、カプチーノも共通する特徴があった(濃くはないけどコクはある、さらっと飲めるけど薄いという感じは全くせず、ちゃんと満足感がある)。「軽薄」ではなく「軽快」。
ズンズンズンと積み上がったミリエフォリュですが、こういうのって見た目はいいけど食べるのがしんどい。へたに半分に切ろうと思ったらベチャーッと潰れたりして。でも、ここのは潰れない。さくっと切れる。もうスプーンで切れる。一番てっぺんの部分なんか実は殆ど空気みたいなもので、ふわっと膨らませて焼き上げてある。でもって生(白)クリームが、これがまたあるんだか無いんだかくらいに軽快。しかしカスタードクリームは濃厚。それに複数のチョコが混ざっている。茶色いチョコ切片だけかと思いきや、クリームにホワイトチョコレートが混ぜてあって、食べると意外感があって、ガリッと美味しい(そこそこデカい)。いろんなパーツから出来てきて、それぞれが違う美味さを持ち、トータルとして楽しい。
以上、この店は、自分らでも書いているように伝統的で普通のイタリアンを出すそうです。つまり懐石料理的にキメが細かく、創意工夫あふれた料理を出すのではなく、いわば基本に忠実ってやつなのでしょう。でもそれで十分です。基本が美味しかったらそれで十分っす。
しかし、この普通っぽさはなんなんだ。これだけのレベルのイタリアンを出しながら、佇まいはあくまでも良くある路面店。高級そうにも、秘密っぽくも見えない。僕も、最初は「あ、ここはパスかな」で通り過ぎたくらいだもん。美味しそうに見えない。一番目立つ立地だからとりあえず入っただけで、そんなに期待もしてなかった。そして、値段も凄まじく普通。プロシュートのピザは21ドル、ラビオリに至っては19ドル。このレベルをシティやノースに持って行ったら倍とは言わないまでももっと取れる。カプチーノも、確か相場の3ドル50ではなく3ドルポッキリだったような。
Five Dockは他にもイタリアンレストランがあります。このエリアのイタリア濃度を考えれば期待できます。が、他の店は分かりにくいところにあるのですね。「行けばわかるだろ」で行っても分からなかった。ちゃんと調べてまたチャレンジしたいです。取りあえず一番分かりやすいのがこの店だったのですが、一番チャラそうな店でこのレベルですからね。ファイブドック、恐るべし。
Balmain (バルメイン) エリア
2015年記:かつて足繁く通ったのですけど、いずれも閉店しちゃって、今はこれといったところを見つけられないでいます。いい店いっぱいあったんだけどなあ。
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Fico Ristorante
342 Darling St、Balmain NSW 2041 Ph:9818 3868
ホームページ
※2012年02月07日追記:今日、昼間前を通りかかったら、なにやら閉まっている様子、、。看板もないし。もしかしたら閉店?オーナーシェフが代わったばかりなのに?帰ってから、
Etablityで調べると”Closed”と書いてある。しかしお店のHPは生きている??今の段階ではよく分かりませんが、少なくとも行かれるのでしたら事前にTELするなり確認を。しかし、去年から良店が軒並み閉まってます。Betty'sもYellowも。あんな安い値段ではやってられないのかなあ。厳しいなあ。
※2012年05月28日追記:先日(5月某日)、新しい店になっていました(The Cottageとかいう)。
物は試しで入ってみたのですが、居酒屋風ワインバーって感じで、この「居酒屋風」って感じはオーストラリア的には新しい試みだとは思います。一杯飲みながら気の利いてボリュームもそこそこあるオツマミがあるという。しかし、味がイマイチ。往年のFICOとは比べるべくもない。そもそもイタリアンでもないし、ちょっと気の利いてお洒落な(つまりは”チャラい”パブのメシ程度。前が前だけにガックリです。
→歴代最強だと思われる"FICO"を今更ながら見たい人はクリック
2008年9月頃(?)に以前のイタリア料理屋(Il Cortile)が改装になっていたので(ここも結構好きでした)、新装OPENしたFicoに同年12月に初トライしました。大当たり!
かーなり美味しいです。今のところ質的にも、そしてコストパフォーマンス的にもベストじゃないかな。メニューの品数はそれほど多くないのだけど、どれもこれも、かなりの水準で、サプライズがあります。オントレのカルパッチオの赤味肉は、和牛なんかメじゃないくらいトロけるような美味しさでした。びっくりしたな。最後のデザート&コーヒーまでほとんどケチのつけようがなかったです。ピザも美味しかったし。スタッフもフレドリーで、この質で料金が普通並(二人で80ドルかそこら)ですから、かなりお値打ちだと思います。
本店はWoolwitch (Hunters Hill)にある
Cucinettaという店です。メニューは殆ど同じですが、ただFicoの方はピザもあります。勿論本物のwoodfired。
↓写真左下は前菜のカルパッチオ。この肉が蕩けるように美味。上に乗ってるのはイチジク。「むむ、ここでイチジクを出すか?」と思ったものの、これまたえらくナイスでした。
右下は特製ラザニアなんだけど、ソースはもとよりパスタそのものがコクがあっておいしい。小麦粉そのものがおいしい感じ。パスタそのものが美味しい店は珍しいのですが、ここは良かった。
↓写真左下は生ハムのピザ。ピザ窯の横のテーブルだったので焼く様子がよく見えました。大きなドーム状の窯の左隅に薪を燃やし、右隅にピザを置くというシンプル極まりない構造なのですが、置き場所、火加減、タイム感、職人技なのでしょう。ふうわり&カリッとしてて美味しかった。イタリア料理屋でもピザは専門のピザ職人を雇うというけど、なるほど構造があまりにシンプルなだけにマニュアル化できんわと思った。
右下はデザート、たしかマスカルポーネ・クレープだと記憶してますが、これも良かったです。美味しい店は大体そうだけど、脇役も美味しい。上の巨大イチゴもやたらうまかった。
※2009年2月に再訪問しましたが、相変わらずの素晴らしさでした。前菜のホワイトアンチョビーは、鰯の酢締めのようなものですが、これが瓶詰めのものを並べているのではなく、ちゃんと新鮮な鰯を捌いて調理しており、そのまま寿司にも十分使えるくらいレベル。ピザも相変わらずの職人芸で、真ん中はドウがあることを忘れるくらい具の味が鮮烈ながら、周囲のふっくらした部分はドウ自体が味わいがあって美味しい。シーフードリゾットは、ムール貝ってこんなに美味しかったんだという一品。デザートのクリームも、甘さがしつこくも重くもなく軽快でした。
※2010年、11年とコンスタントに行き続けてますが、相変わらずハズレなしです。週の後半(木曜日から)はランチもやっており、気軽に食べるならランチがオススメ。
※なお、Ficoの本店であるWoolwich(Hunters Hillの奥にある真正富裕エリア)の
Cucinettaに行ってきました。ここも眺望抜群だし、リニューアルして高級感溢れるし、客層も金持ちそうだけど、うーん、Ficoの方が良いように思いました。もちろん美味しかったのだけど、コストパフォーマンスでいえば、シャープに削ぎ落とされているFicoの方がお値打ちに感じました。まあ、このあたりは好きずきでしょうが。
※2011年09月:先日行ってきたら、オーナーやシェフが変わったのか、多少芸風が変わったような気がします。佇まいやレベル、値段はあまり変わらないのですが、メニューが前よりも豊富になっているのと、あとスペシャルの感じではシーフードに自信がありげな感じがします。
あとで確認したら
WEBページも改装されていて、Fabio Stefanelliというイタリアから来たシェフがやっているようです。遅いランチを食べに行って会計をしているとき、お弟子さんらしき人に、二色手製ラビオリの作り方を伝授してました。
以前のFicoとの味の違いは、、、前は軽やかな感じだったのが、ちょっと重厚で迫力のある感じになったというか、、、まあ、一回だけですし、よく分かりません。が、レベルそのものは落ちてないです。相変わらず安いし。そのうえ、開店セール中なのか日曜夜のピザ・パスタ3コース35ドル(2コース25ドル)というのは、質を考えたらかなりお得。てか、3コース(一人パスタとピザ一品づつ+前菜シェア)なんか日本人には多すぎかも。それよりデザートが美味いので、お好きな方は品数減らして、デザートにお金を使うのをオススメ。シドニーにケーキ屋さんは沢山あれど、本格レストランのデザートに叶うものはない、というのが僕らの結論です。まあ値段も倍くらい高いけど、それだけの価値はあります。この店の場合は、いつもへーゼルナッツ・チーズケーキを食べてます。一見チョコムースみたいなんだけど、実はチーズケーキだという。
Pizza e Birra(2013年5月17日記)
Shop 1, 342 Darling St、Balmain NSW 2041 Ph: 9810 5333
この店は、昔Canteenというカフェがあったところで、チェコ料理の
La Bohem(
別窓)の入っているビルです。隣にFicoがあり、そのまた隣にCircleがあるという、メチャクチャ強力な店が密集しています。
2011年頃、もともとはLa Bohemに行くつもりだったのですが、建物外のオープンスペースがいつの間にか別の店になってしまい、「まあ、物は試しだ」と思って入ってみたら当ったという。最初はオープン直後で、店のスタッフがテーブル番号を何番にするかなどとと話し合ってる横で食べていたのですが、それから1か月もしないうちに二度目の来訪をし、「うん、美味しいわ」と確認したのでここに載せます。
が、ここも閉まっちゃいました。サリーヒルズの本店(500 Crown St, Surry Hills)は健在みたいんだから、バルメイン店だけ閉めちゃったのかな。削除してもいいのですが、良店だったし、本店は行った記憶が曖昧なのですが(かなり昔の話なので)、同系列なので一応参考になるかと思って載せておきますね。
→続きを表示させる
最初に食べたのが野菜ピザで、トマトソースなし、味付けも極力なし、ただ単に野菜とピザ生地の美味さだけで食べさせるという凄いものでした。最初は味に乏しく物足りなく感じるのだけど、食べ進むにつれ食材本来の味だけで勝負というコンセプトが分かってきて、最後には「むむむ」と唸ってました。美味しい。ロースとした野菜の甘味がよく出てるし、どこで仕入れてきているのか知らないけど良い野菜を使ってます。またピザ生地も、最初は周辺がぼてっと厚くてイマイチ感もあったのだが、ふわっとして鈍重ではなく、生地そのものが味わい深い。なんというのか、穀物食べてますって感じになる。
ピザ生地と野菜の美味さに二度目の来訪をしたのですが、このとき食べたのが以下の三品。クリックすると別窓にもっと大きな画像が出ます。
↑写真左上はその日のスペシャルのラザニア。フレンドリーなお姉さんがスペシャルの説明をしてくれたのだけど、ものすごいイタリア訛りで最初全く理解できなかったという(^^*)。断片的に解読して、美味しそうだったのがこの「茄子のラザニア(肉なし)」です。これは美味しかったですね。今まで食べたラザニアで一番美味しかった。というよりも「ラザニアというのはこういう食べ物だったのか」と分かったという。ここでもトマトソースは極力控えめにしており、茄子がプリプリして、じゅっと甘味があって、なんか茄子の天麩羅を食べているような錯覚すら覚えるくらい。すごいと思った。
写真中央は、僕らの定番のプロシュート(生ハム)のピザ。プロシュートはピンキリなのでその店の実力試しによく頼みます。普通に美味しかったです。FicoとかMorettyとかライバルが強力なので抜きんでることはないけど、やっぱりピザ生地の美味さは光ってました。
写真右はデザートのティラミス。これも定番なんだけど、ここのはリキュールが少ない。でも僕ら自身の感覚が、「リキュールさえ沢山入ってればそれで良し」みたいな大雑把なものでなかったか?という反省材料にはなりました。生地はあくまでも細かく、クリームの甘味は嫌味がなく、するっと食べてしまうという。
総じてこの店の特徴は、京風懐石料理のような味で、ゴテゴテ味付けし過ぎない。できるだけ食材本来の味を出していくように思います。それだけに素材は吟味されているのでしょう。あまりにも自然、あまりもスムースなので、なんか食べた気がしないくらいなんだけど、ちゃんとお腹一杯になっているという。
そういう意味ではお腹を空かせた若い人には逆に不向きかもしれません。僕も若いころは懐石とか食べて、「味は無いわ、ちょっぴりしか無いわで何がいいんだ?」とか思ってたもんね。その凄さが分かりだしたのは30才過ぎてからでした。逆に、油こいからイタリア料理はちょっとという方にはいいと思います。
ちなみにこの店は、サリーヒルズに本店があり(よく考えるとコーヒー飲みにだけ入った気がする、美味しかったけど)、メルボルンのセントキルダに二号店、そしてここが三号店のようです。、
ちなみにこの店の隣(同じビル内)の食料品店がまた凄くて、本場の輸入食材を売ってます。びっくりするくらい高い!でも美味い。本物のフランスバターなんか、ほんのちょっとで12ドルもしたけど、全然モノが違う。これでソース作ったら美味いだろうなあ。しかし腕に自信がないとこれは使いこなせないよ。アイスクリームも甘味の質が別次元でしたね。
Darlinghurst エリア
いっとき足繁く通ったのですがあっという間に変わってしまい、昔話になってしまうのでタック。
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ダーリングハーストエリアは良店も多いのでしょうが、車がとめにくいので中々足を踏み入れることの少ないところでした。2008年末、クリスマスホリデー期間で道が空いているときに探検し、Gastronomia palegioという店を見つけ、雰囲気がいいので入ってみたのですが、その美味しさにびっくりしました。
お向かいの”A Tavola”というイタリア料理店のシェフと、並びにあるジェラート屋Messina(ここも美味しい)のオーナーがジョイントで2008年末に開店したらしいです。普通のカフェにしてはややお値段高めなんだけど、クォリティ的にはカフェレベルを超えており、かなり本格的なイタリアン。質を考えればむしろ安く感じられるほどでした。もちろんコーヒーも。さらに、デリで売られている生ハムやチーズが抜群に美味しかった。
と、過去形で書いているのは、あっという間にこの店も変わってしまいました。改装工事をやってるな〜って思ってたら、2009年の中頃にはOmertaという名前のワインバーになってしまっていました。「ふうむ」とか思っているうちに、今度は普通のワインショップになってしまってました。移り変わりが速いのにもほどがあるって!
ちなみに、お向かいの
A Tavolaにも行ったのですが、確かにSMHでハットを一つ取ってるだけに(一つ星みたいなもの)、オシャレだし、凝ってました。パスタも手打ちだし(昼間行ったら=金曜だけランチをやってる=店内でパスタを打ってました)。しかし、肉料理40ドル、手打ちとはいえパスタ35ドルというのは高過ぎる気がします(二人でランチ食べて軽く100ドルを超えた)。その分美味しいかといわれると、美味しくはあるものの、値段ほどのことはないです。前菜のタコは素晴らしかったけど、メインのビーフはちょっとガッカリしたし。デザートも大きいんだけど、ややしつこくて持て余したし。まあ、行くんだったら前菜とパスタだけ食べてさっと帰るのがいいかも。
その後、2011年更新にあたりまた調べてみたのですが、ちょっと変わったみたいですね。もっとメニューを絞り込んでパスタ中心にして、その分お値段もリーズブナルになっているようです。
http://www.atavola.com.au/(
別窓)にあるメニューをダウンロードしてみると、びっくりするくらい安くなっていて、今見たら一番高くて22ドルでしかないです。その分、品数が少ないのですが(全部で11品しかない)、でも美味しそう。他のサイトで調べてみても、評判はよろしい。「パスタだけ食ってさっさと帰る」という方向に、期せずにしてお店も進んでくれたのでしょうか。11年9月追記:今見てみたらまたメニュー豊富で30ドル台パスタが復活してました。よう分からんのだがもしかして日替わり(それに近い頻度で)でWEBのメニューも更新しているのでしょうか。出かける前に見ておくといいかも。てかメニューのタイトルはイタリア語だし(解説は英語だけど、専門的すぎて分からないのが多い)、予習しておくといいかも。
ふむ、確かにパスタは美味しかったです。しかし40ドル近く払ってまで食べなくてもええわと思ったのだが、もしあのクオリティのまんまでこの値段だったら激安だといってもいい。なんか値段のことばっか言ってて恐縮なんですけど、要はリーズナブル(「安い」という意味ではなく、「納得しうる(reason(理由)がつけうる)」という意味です)。気になるのでまたトライしてみたと思います。
Glebe (グリーブ)エリア
Mixing Pot
178 St Johns road, Glebe
http://www.mixingpot.com.au/
これも無くなっちゃったみたい。一番最初に紹介した想い出深い店だけど。
→昔の紹介記事
ずーっと昔の新聞のエッセイでも「10年以上世界中食べ歩いたがここのティラミスは最高」と面白おかしく紹介されていたので知ったのですが。グリーブのはずれにあり、外観は目立たない。が、ここの高名は、前記のエッセイ以外でもしばしば口コミで聞きます。
97年頃に初めて訪れ、その味の水準と、スタッフのフレンドリーさなど何をとってもベストだと思いました。これは僕個人の感想ではなく、足を運んだ誰に聞いてもそうでした。店の雰囲気(特にコートヤード(中庭)は素晴らしい。予約でコートヤードと言わないとダメです)、店員のマナー、クオリティ、いずれもかなりのレベル。この1.5〜2倍の値段でもやっていけるだろうにというコストパフォーマンス。マグロの刺身スライスのブラックビネガー・マリネは絶品だと思う。特筆すべきは、やはりデザート。マジにティラミスが美味しかった。アルコールの使い方がムチャクチャ上手なのではなかろうか、あとちょっと浸しすぎたらベチャベチャになる寸前で止めていて、その加減が絶妙。しかし、アーモンドベースのチーズケーキはティラミスよりも美味かった。こんなん初めて。
2006年追記:かなり久しぶりに行きました。「味が変わってるんじゃないかな?」と不安でしたが、やっぱりそうで、味が落ちて、値段が上がるというお馴染みのダブルショックでありました。
基本的な路線はそんなに大きく変わってません。不味いか?といわれたら、別に不味くはないし、かなり美味しい部類でしょう。でも以前のような「マジック」はもう無いです。ティラミスも相変わらずの味でしたけど、以前にあった "something"がなくなってます。マジックとかサムシングとか抽象的な表現で悪いのですが、食べてガビーンとなるというか、「やっぱりここは違うわ」と思わせてくれる部分です。
値段もべらぼうに高いわけではなく、シドニーのある程度のランクのイタリア料理からすれば「普通」なのでしょうが、それでも二人で行って軽く100ドルを超えるのは、コストパフォーマンス的にどんなもんかと思います。
ブランクがあったので、知らないうちに脳内で過大にイメージしてたのではないかとか、こっちの舌が肥えたのではないかとかかなりシビアに検討しましたけど、この値段でこの味だったら特筆するほどのこともないと思います。もちろんここより高くて美味しくない店は沢山あるでしょうし、ティラミスに関して言えば、いくら落ちてもここより美味しいティラミスはまだ発見できていないことに変わりはないです。だからダメ評価は下しませんが、もはやスペシャルではないですね。
写真は左上からレストラン正面、中央が噂のティラミス、右が仔牛のレバーをグリルしたものに玉ねぎジャムのつけあわせ(Fegato di Vitello alla griglia con cipolla al agro dolce/Thinly sliced calves liver grilled and served with onion jam $24.50)。オニオンジャムが美味。この店は、ラムブレイン(子羊の脳味噌)とか仔牛の腎臓(キドニー)とかディープで本格的なメニューもあります。ラムブレインですが、「げ」と思うのですが、感じとしては白子のテンプラのマリネみたいなもので、ふうわり、あっさりしてます。
Northshore エリア
良店探しに苦労するノースですが、あるところにはあります。
16/Sixteen
(2013年5月17日記)
236 Military Rd, Neutral Bay NSW 2089 Ph:9909 0160
日本人のシェフさんなので在住日本人には有名な店です。今更ですが、紹介します。
日本語で綺麗に紹介してくれる
Cheersのページもあります。
先に書いておくと、この店、決して安くはないです。パスタでも30ドル前後、メインは30-40ドルするから、二人で軽く食べても100ドルいきます。しかし、内容と質(同じことか)を考えたら、全然安いと思う。この質で、シティあたりの有名店にいけば軽く倍は取られても不思議ではないわけで、それをこんなお値段で、、、ということで「高いけど安い」という本物良心系だと僕は思います。
さて、場所はニュートラルベイのミリタリーRD沿い。とっても普通にカジュアルな佇まいです。中に入っても、ほんとに普通のカフェみたいな感じで、「ウチは高級イタリア料理屋だぞ、わかってんのか、お前?」という威迫的な雰囲気は限りなくゼロ。またお店のスタッフも至ってフレンドリーです。
メニューは黒板形式で、目の悪い僕としては席を立って「出張調査」にいかねばなりませぬ。でも、それほど品数が多いわけではなく、字も読みやすい。ただ、一品一品が本格的なので、「ああ、あれね」とすぐに分かるようなものばかりではなく「むむ?なに?」「ほお、なるほど」という。時間がかかるあるね。しかし、そこは日本人の特典、奥様(なのかな)が「今日はですね〜」と日本語で説明してくれて、うれしいです(^_^)。
あ、この種の「今日は美味しいものを食べるぞ!」的気合の入ってるときは、予めお店のWEBのメニューで予習しておくといいです。いざ現場で「単語が分からないから何の料理か分からない」「英語で説明されてもますます分からない」というトホホ事態を最小限にするためにも。特にイタリア料理の場合、イタリア語の単語のまんま書かれてたりするし。
さて、前菜は、トラウト(鱒)のマリネです。カルパッチョみたいなもので、塩漬け(cured)したものを、柑橘系(レモン、ライム、オレンジの皮のすり下ろし(zest))、それにConbu Seaweed、つまり昆布で味付けしたもの。これで17ドルで、おお一枚5ドル以上だあとか思うのだが、その価値あります。てか、5ドルかそこらでこの体験ができたら安いですよ。こういうのって、買ってきて→皿に並べて→レモン振りかけてもいいっちゃいいんだろうけど、その過程にあーでもないと無限の試行錯誤をしているわけで、その膨大な労力と時間を考えたら、、、。
でもって、パスタがまた秀逸で、ブルースィマー(ワタリガニ)のスパゲティ。この蟹はシドニーでいつも売ってて、実はかなり美味いし、値段もリーズナブルでお値打ち。これのパスタなんだけど、蟹の海鮮ダシが活かされるかどうか、また無味に近い淡泊な蟹身の美味しさをどう引き出すか。こんなの自分じゃ絶対無理。つい塩やらガーリックやら白ワインやら入れすぎて素材の味がびゅーんと飛んで行ってしまい、何食っても同じ味になり、フィッシュマーケットまで行った甲斐がなくなるという。でも、ここのはすごい美味しかったです。「カニ食った!感」ありあり。
↓メインはスパッチコックのリゾット詰め。Spatchcockってよくメニューに出てくるのだけど、イマイチ分からなかったので今回調べてみたら、”A chicken or game bird split open and grilled”だそうです。ネットでいろいろ見ても、要するに個別の鳥の種類ではなく工程作業の名前のようです。魚で「アジの開き」がありますが、あの「開き」に相当するのがスパッチコック。鳥を二枚に開いて平べったくして、すぐに調理できるようにしてあるものらしい。
それはともかく、これも美味しかったですね〜。なかのリゾットが絶品。こういう手間暇かけている料理は手間暇かけましたという価値に、さらに「手間暇かけただけのことはあった」価値を付加するのが結構難しいと思うのですよ。手間はかけたけど味そのものは別にそれほど、、という場合も、自分が料理する場合に良くありますねえ。でも、これはかけただけのことはある。リゾットの味と、チキンの味、そして外側のパリ皮、さらにソースがいい感じでミックスしてて、美味しい。シェアするといったら、二皿にわけてくれたのもうれしい。
デザートのティラミス。これは、ふうわりとしたテキスチャーが良かったです。
Bather's Cafe(Balmoral Beach)
(2015年5月新規追加)
4 The Esplanade, Mosman NSW 2088
WEB
ここはなんといっても立地がいいです。目の前海、ドーン!ですからね〜。
右の写真は、この店の玄関先で、順番待ちしてるときに撮ったものです。
しかし、「眺望と価格は比例し、味と反比例するの法則」があります。E=MC2みたいな、万国共通、宇宙共通。
ですので、最初入るのは失敗覚悟で腹くくっていったのですが(高いだろうな〜、マズイだろうな〜、でもいいかと)、これがいい感じに裏切られて、美味いわ、思ったほど高くないわ(眺望代なんか入ってないって感じ)。
店がどうこういう以前に、まずバルモラル・ビーチがいいですよね。留学など短期滞在の人は意外と知らなかったりするけど。場所はノースのMosmanの”先”というか、”北”というか標高的には”下”というか。地形の関係上、静かな内海で、しかも泳げます。
高級立地の場所柄、いかにも富裕層っぽい人々が(アジア人率異常に低し)、のんびりとゆとりのある生活送ってらっしゃる風な、首都圏でいえば葉山みたいな感じですね。でも意外とバス一本でいけたりしますが、スピットジャンクションからトコトコと階段などで降りて行けますし、その過程の風景が絶景ですので、よく晴れた日には是非。
だもんで、店内もこんな感じ。
どの席からもよく海が見えるように配置されていて(その意味では大テーブルが奥にあるので、2人くらいで行くのが吉)、別け隔てなく(常連優先とか嫌らしい感じではなく)良い席に連れてってくれます。
基本はイタリアンのようです。わりと有名なシェフらしい。ちょい味濃いめだけど、美味しいです。
ピザ二種類ですけど、どちらも美味しかったです。良いチーズを使ってるのと、薄焼きのカリカリ感が良かったです。ちなみに、何が何でも薄焼きじゃないとダメだあとかいう向きもありますが(僕もいっときそう思ってたことがあるが)、モコモコの厚生地でも生地自体がめちゃくちゃ美味いピザを食べてから、そーゆー問題では無いのね、それって外人さんが「蕎麦はいいけどウドンはダメだ」とか決めつけているようなものなのねって、今では思っています。ただし、厚焼きで美味しいピザが希少なのは事実ですけど。
左は、ポーチト・トラウト(茹でた鱒)にキノワのサラダ。キノワ、最近流行ってますね〜。どこ行っても見る。しっかりした店はいい野菜使ってるので、普通のものが普通以上に美味しいです。インゲン豆とか美味かった。
右は、魚(バラマンディだったかな)をリゾットの上に乗せているもので、これびっくりするくらい美味かったですよ。魚は日本料理法の方がやっぱ美味くて、西欧風で美味しい魚料理って珍しいんだけど、これは美味いと思いましたね。下のリゾットがまたいい味してて、ハーモナイズして。
おまちかねのデザートですけど、そーんなにすごーい!ってほどではないけど、水準は超えてます。やっぱ美味しいケーキとスィーツとか、持ち帰りのケーキ屋さんでは限界あって、ちゃんとしたレストランでパティシェが注文ごとに作るというのが美味しいですね〜。高いけど、It's worthであるという。右のものはアイスクリームとイチジク(Fig)ですね。こっちの人、イチジク好きですよね。スィーツじゃなくて、ピザやサラダに使うなど絶妙な食べ方知ってて、参考になります。
どうでもいいですけど、このお店のフロアマネージャーさんらしきオジサンが、どうみても「フレンドリーなテリー伊藤」に見えて仕方ないんですけど。
→ヨーロッパ料理(2)(ギリシア、ポルトガル料理など)
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留学・ワーホリのための生活向上委員会
料理凡人によるしょーもな料理録