よく「英語には敬語がない」と言いますが、これは半分ホントで半分ウソだと思います。
たしかに、西洋文化は「平等」が基盤になっているせいか、自分と相手の立場や距離を見計らって上下関係を意識しながら喋ることはあまりありません。
従って、日本語のように自分の立場を下げることによって相手をもちあげる謙譲表現は用いません。また、単語としても、「おふくろさん」「おかあさま」「母上」「ご母堂様」といった同じ意味の単語のバリエーションによって尊敬度・丁寧度を表現するようなことはあまりありません。その意味では、「敬語」にあたるものはないと言えるかもしれません。
でも、英語にも
丁寧表現はたくさんあります。
フォーマルな場や、ビジネスの場、はじめて人に会う場面などに使います。基本的には人間平等なんだけど、相手との距離によって使う言葉を選ぶ、みたいな。
日本の敬語は「縦(上下間)の距離」も含めて人間関係の距離をあらゆる方向から読み取って使われるのに対して、どうも西洋の丁寧表現は「横の距離」のみをあらわすような気がします。日本語が二次元だとしたら、英語は一次元というか。だから、西洋人にとって日本語の敬語は理解しにくいんでしょう。
英語が苦手なうちは相手も情状酌量してくれますから、そんなに心配しなくても大丈夫。ただ、流暢に喋れなくても簡単な言葉で丁寧さを表現することは可能なので、いくつか覚えておいたらいいと思います。
原則的には
「文章が長いほど丁寧度が高まる」という法則があります。
たとえば、「そのペンをください」と言う表現を丁寧度に応じて段階的に書き並べてみます。
- Give me the pen.
- Give me the pen, please.
- Can you give me the pen?
- Can I have the pen?
- May I have the pen?
- Could you give me the pen?
- Could I have the pen?
- Is it possible to have the pen?
- Is it possible for you to give me the pen?
- If possible, I would like to have the pen.
- Would you mind giving me the pen?
- Would that be possible to have the pen?
- Would you allow me to have the pen?
- Would you be so kind that I could have the pen?
- Should you have no objection, I would like to have the pen.
・・・な〜んて具合に、組み合わせ次第でほとんど無限に表現できます。ちなみに、最後の3つはほとんどふざけてますね。13、14番みたいな言い方は、19世紀のイギリス貴族映画でもなければ出てきませんし、15番はなにやら法廷での弁論をもじったジョークみたいだし。
このように文章が長いほど丁寧度は高まる傾向はあるわけですが、英語ビギナーがいきなり長い文章を喋るのは大変です。そこで、短くても失礼にあたらない表現をするためのコツをご紹介します。要するに、太文字で示した部分を覚えておけばOKなのです。
1番の「Give me the pen.」は言葉だけ聞いたら、「そのペンをよこせ!」くらいの命令調に響きそうですが、実際には、ボディランゲージが一緒になってるわけですから、強い語調と怒った表現が伴わない限り、そのまま使ってもさしつかえありません。
ちなみに、日本の英語教育では、動詞の原形を頭に使うと「命令形」としてカテゴライズされ、「〜せよ!」といった訳を適用したりしますね。でも、現場ではこの単純な命令形、よく出てきますよ。命令っていうから怒ってる時とか、いばってる時に使うんかと勘違いしちゃいますけど、実際には友達の間など日常的に頻出します。この場合だったら「ちょっとペン貸して」くらいのニュアンスで使われることが多いです。
ただ、同時に態度によってはホントに命令しているみたいに聞えてしまう時もありますから、TPOと言う相手と、言い方には注意したいです。でも、笑顔や態度でも敵意がないことは十分通じますし、そんなにナーバスにならなくてもいいと思います。
単純な命令文しか言えなくても、「プリーズ」さえつければとりあえず丁寧に響きます。「シドニー生活体験マニュアル」でも解説していますが、観光旅行などの短期滞在でも、この言葉だけは使いこなしたいもの。これさえあれば相手の気分を害さずに、大抵のお願いごとは叶うでしょう。
単語を知らなくても、身振り手振りに加えて「プリーズ!」と叫ぶくらいの度胸があれば、サバイブできるでしょう。プリーズといえば、相手がなにかお願いしていることは明らかですし(^^;)。
たとえば、買物する時、欲しいものを指して「This one, please.」と言えばOK。思わず「This one」だけで力尽きてしまいがちですが、最後のプリーズを忘れると結構ぶっきらぼうで失礼に聞えるようですので、ご注意を。
3) Can you, 4) Can I, 5) May I |
これも便利な表現なので、「プリーズ」をマスターした方は覚えてください。
「きゃんにゅー」「きゃない」「めいあい」と念仏となえるように繰り返し練習しておけば、あとは現場で言いたい動詞をくっつけるだけ。(ちなみにオーストラリア訛りがキツイ人だと「May I」は「まいあい」みたいに聞えます。)
ちなみに「Can I」よりも更に丁寧なのが「Could I」「May I」です。フォーマルな場所、あるいは相手が先生とか尊敬すべき人だったり、はじめて会う人だったりした場合には、「May I」「Could I」を使った方がいいです。
買物する時に使う「Can I have this one.」は「これ、ください」程度ですが、「Could I」「May I」になると「これ、いただけますか?」みたいな感じになります。
ある映画で、子供が「Can I have water!」と無邪気に言うと、しかめっ面した口うるさそうなオバサンが「May I have a glass of water, please.」と言い直すシーンが出てきたりして、英語圏でも丁寧表現にこだわる人もいるんだなあと思いました。
ちなみに、「have」を「get」に代えて、「Can I get this one.」と言うと、もっとくだけて「これ、ちょうだい」くらいの感じ。どうも「get」より「have」の方が隠喩的で静的なのか、上品なニュアンスがあるみたいですね。
「have」の話題が出たついでに。
日本の英語教材で「英語はhaveだ!」という本がありますが、私にとってはコレ、目からウロコものでした。英会話はほとんどhaveだけマスターすれば成立する、という大胆な説。「ほんまか?」と疑われるでしょうが、いや本当に日常会話の70〜80%は have だけで成立可能だと思います。
コツは have のあとに名詞をくっつけるだけ。日常的に使われる動詞はほとんどが名詞化しますので、文法的なことを考えずにとにかく have のあとに、言いたいことをくっ付けたらいいです。「Have a seat.」「Can I have a walk?」「I will have a sleep.」「Have a go.」などなど、確かに have は頻繁に使います。
日常ではそんなに頻出しませんが、知っておくと便利。直訳すれば「〜は可能ですか?」という意味ですが、「していただけますでしょうか?」くらいの丁寧さが表現できます。
ビジネスや、他人にモノを依頼する時に使うと「まあ、なんて丁寧な人なんでしょ」と好感を与えることができます。逆に、親しい間柄でわざと使って、おどけた感じや皮肉をあらわすこともあるみたいです(この表現に限らず、すべての丁寧表現に共通することですが)。
この表現のメリットは、喋る私たちの側が楽チンなこと。やりたいこと(動詞)の前に「Is it possible to〜(動詞の原形)」をつけるだけなので、「Is it possible」だけを念仏となえるように練習しておけば、簡単に文章が作れます。それに、動詞をIにすべきか、Youにすべきかを考えなくてもいいから、楽チンなのですね(本来は for you と挿入して主語をあらわすんだけど、イチイチ言わなくても状況で判断できる)。
直訳すると「〜を気にしますか?」という意味なのですが、「していただけますか」「してもよろしいですか」の丁寧表現としてよく使います。「Do you mind」でもOKなのですが、「would」にすると更に丁寧なニュアンスが出ます。発音的には「うっじゅうまいん」と聞えます。
ただ、この表現には難点があります。ひとつは「mind」のあとは動詞の ing 形が来ること。もちろん、「giving」の代わりに「to give」を使っても意味は通じます。が、ここまで丁寧表現をしているのなら、小さなミスは避けたい。こういう動詞の変形を考えるのが現場では結構面倒なんですよね。
あるいは、「Would you mind
if I have this pen?」という具合に、動詞を直接つけずに「if構文」をもってくるというテもあります。この方が文章自体は長くなりますが、ifのあとは普通のセンテンスを付ければいいので、文法的なことに頭を廻さなくていいという意味では楽です。
もうひとつの難点は、返答です。
「気にしますか?」と聞いているのだから、それがOKという意味なら「No, (I don't mind)」と答えるべきなのですが、これが混乱のモトになったりします。ネイティブは慣れてますから「No, no, of course not, please go on.」といった具合に、自然と口をついて「No」が出てくるのですが、私たちは思わず「Yes」と言ってしまいがち。「OK!」と明るく答えれば、うまく通じるでしょうが、自信なさそうに「Yes」とか言ってしまうと、「え? 気にするの? どうしよう・・」という反応が返ってきたりして、焦ります。
だもんで、出来ればこの表現は避けたいのですが、現場では非常によく登場するんで、なかなか避けられないんですね。せめて、こういうのがあるってことは覚えておきましょう。
このように「そのペンください」みたいな単純な依頼文を例にあげただけでも、丁寧度に応じていろいろな言い方があるんですね。他にも丁寧表現はいろいろあるわけですけど、よく使われる代表的なものをもう少しあげておきましょう。
「Thank you.」は御存知のとおり「ありがとう」の意味で、本当に頻出します。日本で「ありがとう」を聞く回数よりも、オーストラリアで「サンキュー」を聞く回数の方がきっと多いでしょう。「Thank you」そのものは丁寧語というわけではありませんが、使えば使うほど好感を与えられるという意味では、丁寧表現の一種なんだろうなと思うわけです。
「Thank you」にもいろいろなバリエーションがあります。「Thanks.」「Thank you very much.」「Thank you so much.」はお馴染みですね。このほか、オーストラリアでは「ター」というのを非常によく使います(たぶんスペルは「Ta」だと思う)。一般にオージーは省略語が好きみたいなんですが、サンクスまで省略しちゃうんですかね。
ちょっと脱線しますが、ある日本の英語教材に「Thank you so much はゲイ言葉です」と書いてあるのを見かけましたが、こりゃ勘違いだと思います。著者のエリアではそうなのかもしれませんが、喋り方によりますし、so much を付けたら即「こいつはゲイだ」とみなされるというほど単純な構造ではないでしょう。
日本人が書いた英語教材は、どうしてもこういう怪しい部分がありますね。ネイティブじゃないので、いくら勉強してもニュアンスまで完全に掴むのは難しいから仕方ないんでしょうけど。私が書いてる英語雑記帳だって、怪しいもんですから、各自現場で確認してくださいね。
さて、これらに加えて、Thank(感謝する)という動詞の代わりに「appreciate」を使う方法もあります。
たとえば、「
I appreciate it.(あい あぷりすぃえいてぃっ)」というと、よりフォーマルな響きになります。「appreciate」という単語には「鑑賞する、堪能する、味わう」といった意味があって、「あなたの親切を心から堪能している=感激しています」みたいなニュアンスがあるようです。
これを使った決まり文句で、よくフォーマルレターに登場するのが、次のような表現。ビジネスではよく使うので覚えておいて損はないです。
If you could send your brochure, it would be appreciated.
(そちらのパンフレットをお送りいただければ、ありがたいです)
もうひとつ、ありがとう系のフォーマルで丁寧な表現を覚えておきましょう。
That's very kind of you.
直訳するなら、「こりゃまた、なんて親切なあなたなんでしょう」。「ご親切に、ありがとうございます」くらいのニュアンスだろうと思います。
ちなみに、同じ構文を使って「It's nice of you.」といえば、「あなたっていい人ね」という意味になります。
謝罪をあらわす「Sorry」にもバリエーションが多いです。ふだんは「ソーリー」の一言で済むことでも、「ヤバイ、やってしまった!」と思われるようなスチュエーションでは、「I'm sorry.」「I'm so sorry.」などとキチンと文章にして言うと謝罪度が高まります。
ビジネスの場では、お客さんに対して「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」くらいのニュアンスで、「applogise(謝罪する)」「regret(遺憾に思う)」という動詞が使われます。ビジネスレター等でよく見かけます。
余談ですけど、よく携帯電話がつながらない時に「Telstra regret the area you call is not available.」とか自動メッセージが流れるのですが、これ、ムカつくのですね。「おまえ、ちっても遺憾になんて思ってないくせに、お気楽に regret とか言ってんじゃねーよ」とか(^^;)。丁寧な言葉さえ使えば、人は許してくれるというものではないのは、世界どこでも一緒ですね。
「sorry」と並んで、よく使われる日常用語に「excuse me」があります。直訳すれば「許して」ってなところですが、「sorry」とは使い方が違います。基本的にはソーリーは自分に非があったと自分が認める場合に使うのに対して、エクスキューズミーは「これから私がすることを許して」という近未来に対して前もって謝っておきます、みたいなニュアンスがあるようです。
たとえば、人混みで誰かの足を踏んでしまった時、約束の時間に遅れてしまった時、相手に失礼なことを言ってしまった時は「ソーリー」。
道端で人に声をかける時、他人の家や部屋に入る時、満員電車から人混みをかき分けて降りようとする時は「エクスキューズミー」。
また、会食中に席を離れる時も「Excuse me」ですが、これを「May I be excused.」というと、フォーマルで上品な感じがします。
昔聞いた話で、「アメリカは訴訟国だから、自分に非があると認めない限り、やたらと sorry を使うべきではない。裁判に持ち込まれた時『あの時あの人は sorryと言ったから、自分に非があると認めたのです!』とつけ込まれる」なんてのがありましたが、これ本当でしょうか? オーストラリアに限っていえば、全然そんなことないです。皆さん頻繁に sorry といいますし、それがエチケットなので逆に言わないと失礼だと思います。
「Thank」を「appreciate」に置き換えるように、単語や言い回しそのものを置き換えることで上品な響きを出すケースも見られます。原則的には
間接的な言い方をすると、丁寧度が高まるというわけです。ここまで使いこなせたら、あなたも一人前!
たとえば、「die(死ぬ)」の代わりに「
pass away」を使うと「亡くなる、逝去する」といった感じが出ます。たとえば、ご主人を亡くしたという女性に、「When did your husband die?」と聞くのはちょっとはばかられますが、「pass away」を使えば、まあ聞きやすい。
ついでに言っておくなら、こういう聞きずらい質問をする時には、「
May I ask」とか、「
If you don't mind」とつけ加えると緊張感が和らぎます。「May I ask when did your husband pass away?」「Could you tell me when did your husband pass away, if you don't mind.」と、ここまで言えば相手も不快がらずに答えてくれるでしょう。
その他、思い付く「間接的な表現」をいくつか。
ディナーの時、遠慮の塊となって残ってしまったサラダを勧める時、「Does anyone want to finish this salad?(だれかこのサラダ食べちゃってくれる?)」で意味は通じますが、上品なホストがお客さんに勧める時は「Would anyone care for this salad?(どなたかこのサラダがお好きな方おられますか?)」と言うでしょう。
下着は「underwear」ですが、直接表現がはばかられるようなケースでは「small things」「white sewing」などと隠喩的に表現したりします。
練習例:ホストマザーにこう聞かれたら、どう答えますか?
「Would you mind if I wash your small things for you?」
(構わないなら「No」、自分で洗濯したいなら「Yes」)
トイレは「toilet」でも通じますが、「bathroom」がごく普通の平均的な表現のようです(西洋のバスルームはお風呂とトイレが一緒になってるから)。より上品な言い方としては、「Ladies(女性用)」「Gents(男性用)」「Ladies' room(女性用)」「Powder room(ファンデーションをはたくことから化粧室の意、女性用)」といった表現があります。
「○○様」をあらわす「Mr」「Sir」「Dr」などの称号の類も丁寧語に入るのかもしれませんね。でも、オーストラリアでは一番基本のミスター・ミセスでさえ、ほとんど使いません。相手が先生でも年上でも、パーティーでもビジネスでも、まずファーストネームで呼びます(子供には大人をミスター・ミセス付きで呼ばせるようですが)。
日本人にとっては結構穴場なんですけど、プリーズの代わりに相手の名前を呼びかけると、失礼さが払拭され、親しさ倍増するようです。これは命令文に限らず、すべての日常会話に共通することなのですが、彼らはものすごく頻繁に相手の名前を呼びかけます。会うやいなや、まず名前を聞かれますし、発音しにくい外国人の名前でも、ファーストネームだけは一生懸命覚えてくれますよ。
この理由は、「英語では必ず主語がつく」せいなのではないかと睨んでいます。
私たち日本人は、ふだん「あなた」とはあまり言いませんが、その代わりに「○○さん」と相手の名前を挿入して話しています。ところが、この「○○さん」部分が英語だとみんな「you」になってしまって、ちょっとぶっきらぼうに冷たく響くみたいです。それでなんだか分かりませんが、英語では「Give me the pen, Mary?」「Thanks, John.」みたいに、会話の終わりや頭に相手の名前を呼びかけることがとても多いような気がします。
ちなみに、相手の名前がわからない時、相手の名前を聞くに及ばない時は、「Sir(男性用)」や「Madam(女性用)」等を代用します。レストランやお店など、公共の場で多用されます。
女性には「マダム」よりも、「マァム」と呼びかけているのをよく耳にします。でも、店員さんのことを「ミス」と呼んでることもあって(たとえ年とった女性でも)、この違いがイマイチよく分からないのですが、どうも私の場合、男性と一緒にいると「マァム」で、一人でいると「ミス」と呼ばれるような気がします。
で、ラースに聞いたところ、「使うならミスの方が無難」だそうです。マァムは「ミセス」みたいなもんで、若い女性に使ったら「あんたはオバサンだよ」と言ってるみたいで、気を悪くするかもしれない。一方、ミスならば多少年いった女性でも「ミス」と呼ばれりゃ若く見られているような気がしてウレシイことはあっても失礼にはあたらない・・・んだそうです。
え〜、これがオーストラリア流になると、例の「Mate」になるわけです。オーストラリアの平等意識をあらわす mateship。オーストラリア弁で「マイト」と発音するわけですが、オージー男性同志の会話なんか聞いていると、イチイチ文末に「マイト」が付いてくるんで、おかしくなるくらいです。マイト愛用者は親しい間柄でも、相手の名前を呼ぶかわりに「マイト」を連発します。どちらかというと男性言葉のようで、女性も使いますが、女性同志の会話で登場することはマレですね。
相手が複数の時には(その集団に女性が混じっていても)「Guys(ガイズ)」と呼びかけたりします。「君たち」くらいの感じかな。もちろん、フォーマルの場では「Ladies and gentlemen」ですし、子供に向う時は「Kids」とか言ってます。
余談ついでに、家族間の呼びかけ(夫婦間や子供に対して)。「Honey」「Darling」とか有名ですけど、「Sweet heart」なんてのも聞きます。ほとんど「スウィーター」と聞えます。
というわけで、下手に複雑な文章を英作文するより、日常では相手の名前を頻繁に呼びかけた方が、好感度は高まるし、よほどコミュニケーションは円滑になるぞ、というお話でした。
以上、丁寧表現のうち覚えておいたら便利そうなものをピックアップしてみました。
でも、日常ではそんなに意識することはないです。留学やワーキングホリデーで生活する分には、フォーマルな場やビジネスライクな場に遭遇することもそうそうないでしょうし、相手も「英語が苦手な人なんだから」と手加減してくれますし。
特に、オーストラリアの場合、平等意識が非常に強いので、イギリスやアメリカに比べたら丁寧表現はあまり登場しません。逆に、極端に丁寧表現ばかり使っていると、「snobbish」「too much」などと逆に批難されたりすることもあるようです。状況によっては効果的な皮肉にもなりますし、使う人の人格にもよっては不自然だったり、イヤミに聞えることもあるでしょう。
反面、上手に使えば、おどけた感じが表現できたり、ジョークにもなったりします。ここまで使いこなせたら大したもんですね。
とにかく基本はプリーズとサンキュー。笑顔でこれだけ言ってたら、みんな親切にしてくれますって。それと、「相手の名前を覚える努力」はする甲斐あると思います。
初出99年09月08日:福島