※しかし、旅行英会話本で勉強しても、実戦になると頭が真っ白になってしまうパターンが多いと思います。実戦英語については後々の箇所で述べますが、一番つまづくのが「相手が何を言ってるか聞き取れない」ということです。教材用のテープのようには現場で喋ってくれないからです。そこで、この本では、「どんな場合にどんなことを聞かれるか」ということを中心にして考えていきたいと思います。
入国カウンターで聞かれるべきことは、全てカードに書かれているので、聞くとしても確認程度か、記載に矛盾があるような場合でしょう(国籍の欄にシドニーと書いてしまった等)でしょう。「ハウロング......(どうせ全部聞き取れない)」と聞かれたら滞在期間、「わっとパーパス........」ときたら滞在目的、「この記載で間違いないですね?(......オーライ?)」「全部で何人ですか(ハウメニピープル..........?)」(一人づつやる場合もあるが、家族など一行まとめてチェックする場合もあるので)の類だろうと思われます。そんなに突拍子のないことを聞かれることはないでしょう。大体向こうも毎日英語が不得手な外人を相手にしているので、妙な質問をして手間取りたくないだろうし、別にわからなくてもそれはあなた一人ではなく、担当官にとっては「よくあること」ですので、そんなに焦ることはありません。 |
入国ゲートを出たところに、「LUGGAGE
CLAIM」と表示されたターンテーブルがありますが、ここで日本の空港で預けておいた荷物を受け取ります。ベルトコンベアに乗せられたスーツケースはどれも似通っているので、間違いなく自分の荷物であることを確認してください。
もし、最後まで待っても自分の荷物が出てこない場合は、日本の空港のチェックインカウンターで受け取った半券を係員に提示してください。荷物が紛失することはあまりありませんが、たとえば経由便の場合、経由地で荷物を別の飛行機に間違って乗せられてしまったケース、経由地への到着が遅れて乗り換える筈だった便が先に出発してしまった場合に、自分が乗った便ではない飛行機に荷物が積まれているケース等、希ではありますが、起こり得ます。だいたい次の便でやってくるパターンが多いようですが、とにかく自分の荷物にはしっかり氏名・住所(国名も入れて)を明記し、荷物を預けた際の半券(通常、航空券に貼付してくれる)をしっかり保管しておくことです。
さて、もう一つの関門、検疫はどこでやるのかというと、これも実際上ありません。実は最初の入国審査の前の段階に予定されているのですが、飛行機の出発地・経由地で判断して「問題なし」と当局が判断したらフリーパス状態なってるので、気付かず通過してしまうのだという話もあります。僕はソウル経由、サイパン、グアム経由で来ましたが、幾ら思い出そうとしても検疫の記憶はないです。飛行機の出発地で100%判断出来るのか?誰がどの飛行機で来たなど本当に判別つくのか?よく考えると謎ではあります。後述するバスや電車の検札システム(一般にフリーパス状態でランダムにチェックする)の類推からすると、検疫にせよ、税関審査にせよ、大雑把に判別してあとはランダムチェックをかけているのかなという気もします。
いずれにせよ、あって当然の関門が少ないのは、来る人にとっては手間が省けていいことでしょうし、検査があったところで、変な物を持込んでない限り恐れることはないでしょう。
注:2001年後半頃から検疫が厳しくなってます。世界で狂牛病などがやかましくなり、また日本でも狂牛病が発見されてますので、食べ物チェックは厳しくなってるようです。荷物を全部開けて調べられるのも珍しいことではなくなりました。というわけで、あまり食べ物関係は持ってこない方がいいでしょうし、かならず申告した方がいいでしょう(お説教やら罰金を食った人もいます)。これも何がダメで何がOKなのか難しいところですが、生モノはダメです。あと卵製品(マヨネーズ)はまず絶対ダメです。しかし、意外と関空で売ってる明太子は良かったりするのでよう分からなくなるのですが。申告に際して、英語で説明できるように準備しておかれるといいと思います。センベイだったらライス・クラッカーとか。
●両替(EXCHANGE)
●宿の予約(BOOKING)
※予約のことを一般にオーストラリアでは「ブック」といいます。英会話本によく出てくる「リザベーション」はやや堅苦しいニュアンスがあるのか、日常ではあまり使われていません。もっとも航空会社やホテル等の観光業関係では、半ば専門用語のような感じでリザベーションも使うようですが。 ともあれ、「ブック!」の一言さえ聞き取ってもらえたら基本的な意思疎通はできます。「そうか、こいつは予約がしたいのだな」と分かって貰えたら、会話の土俵に乗るわけで、あとは常識的に考えて分かる展開になります(何人、何泊など)。しかしブックの一言を聞き取って貰えないと、他がいくら出来ても全然理解してもらえず泥沼状態に陥ったりします。 医者に行くにも予約が必要なこの国では、「ブック」は滞在中の重要単語の一つとなるでしょう。「ブック=本」という知識だけでは、店先で「じゅわンとぅぶっく?(予約しますか?Do you want to book?)」「でぃじゅぶっく?(予約してありますか?Did you book?」と聞かれる度に立往生することになるので、この機会に覚えておくといいです。 |
ここから先は基本的に日本語が通じない世界に入りますので、「確実に書いてある意味が分かる」日本語の文書はそれなりに貴重なものとなるでしょう。もっともコミュニティ誌はともかく、日本語パンフレットの記載内容はそれほど「情報満載!」というわけでもないのですが(土産物屋の広告などが多い)。 とは言っても詳細な文字で書かれた英語パンフレットは見るだけで鬱陶しいでしょうし、必死に辞書を引きながら訳したら結局観光用の美辞麗句しか書いてなかったということも多い(美辞麗句なだけに凝った単語や言い回しを使うのでさらに読解しにくい)。もっとも英語であっても、地図や写真は理解できますし、実際に役に立つのは地図や写真くらいですので、一概に無視したものでもないです。 英語のパンフレットはホテルのロビー等、行く先々にうんざりするほど置かれていますので、無理して空港で取らなくてもいいでしょう。ペラ一枚の短冊型のもの、雑誌のような総合型、観光新聞などさまざま種類があり、シドニー近郊だけでも何種類くらいあるのか見当もつきません(千は軽く超えていると思われる)。パンフレットも、まとまると嵩張りますし、荷物を重くする原因にもなりますので、取り過ぎに注意しましょう。 なお、当地ではパンフレットとはあまり言わず、ブローシャー(brochure)と言います。「”パンフレット”下さい」と言って中々通じなかったとしても落ち込むことはないです。日本語のタドタドしい外人に「ショーサッシ(小冊子)下さい」と言われているようなもので、耳慣れないので意味が分からないだけです。 |
シドニー市街地図は日本でも入手出来ますし、観光ガイド本にも掲載されていますが、現地の地図には新しい情報が載っていますから、とりあえず入手しておいた方がいいでしょう。パンフレットにも簡単なガイド付き地図が載っていますが、時として「土産物屋マップ」などあまり実戦的でない地図もありますし、一般に都心部のしかも観光名所しか書かれていないことが多く、さらに縮尺もいい加減だったりしますので注意が必要です。もっとも、単に都心のホテルに数日観光滞在するだけならこの程度の地図で十分でしょうし、大雑把に概略をつかむには向いているでしょうが。
さて、これから数週間も「生活」しようとするなら、やはりこれらの地図だけでは不十分です。では他にどのような地図が必要かというと、次章の「土地カン」の項で登場するシドニー郊外地域まで記載されていること、出来れば通りの名前が細かく記載されているものが良いでしょう。こちらでは「通りの名前=住所」ですので、これがが正確に書かれてないと現場に辿り着くのが難しくなります(第六章参照)。 なお、レンタカーで市街地から数十〜数百キロ以遠まで足を伸ばすような場合は、別途ロードマップも必要でしょうが、レンタカーを借りる時点で一応のロードマップは貰えますし、行く先々の観光案内所で付近の地図を載せた観光パンフレットを入手できますので慌てて買うこともないでしょう。 |
勿論コインでも掛けられますし、クレジットカードで掛ける電話もあります。
空港と市内の間を結ぶ「エアポート・エキスプレス(Airport Express)」という黄色いシャトルバスの場合、片道5ドル、往復8ドル、所要時間30〜40分ほどでシドニーの中心地タウンホールやサーキュラーキーに着きます。又、タクシーを利用しても、所要時間20〜30分ほどで、料金は$20前後です(タクシーについては後述の第六章参照のこと)。
タクシーを利用される場合が多いと思いますが、行先指示のためには、予約したホテルのパンフレットを運転手さんに渡すのが一番手っ取り早いです。日本から予約した場合も、ホテルのパンフレットを貰っておくと重宝するでしょう。パンフレットがない場合は、ホテルの住所を紙に書いておいて示すといいです。