オーストラリアにも電話はあります。公衆電話も携帯電話もあります。使用方法も日本と大きく違いません。「自宅に電話をひく」など面倒なことをするのでなければ、それほど電話関係で困ることはないだろうと思われますが、基礎的なことを書いておきます。
◆国際通話の方法◆
ダイヤル直通(オペレーターを通さない)で国際通話をする場合、万国共通のルールがあります。
すなわち、
- 国際電話識別番号をダイヤルをする(日本だったら「001(KDDの場合)」、オーストラリアなら「0011」を最初にダイヤルする)。
- 相手国の「国番号」をダイヤルする(日本なら「81」、オーストラリアは「61」)。
- 相手国の市外局番の最初の0を取る(東京03なら単に「3」だけダイヤル)。
例えば、オーストラリアから東京の知人(例えば番号が03-1234-5678だとします)にかける場合は、
0011(国際通話番号) + 81(日本の国番号) + 3(日本国内の市外局番。この場合は東京03から0を取る) + 1234−5678(あとは通常の市内番号)
になります。
逆に日本からオーストラリアのAPLaCまで電話をしようとするなら、「001(KDDの場合。ITJは0041、IDCは0061)-61-2(シドニーの市外局番は02)-9557-4669」になります。
以上がダイヤル直通の場合でした。
国際ダイヤル通話のできない公衆電話は赤電話・緑電話、出来るのは(グレー地に)オレンジ電話やクレジット電話と言われるのですが、オレンジ電話が主流ですので、わざわざオペレーターを呼び出さなくても大抵ダイヤル直通で間に合ってしまうようにも思います。その公衆電話が国際通話可能かどうかは、実際にコインいれて「0011」とダイヤルしてみれば手取り早く分かります。料金は、時間帯にもよりますが、1分100円強から200円弱の間というところでしょう。
自分では殆ど利用したことないですが、勿論オペレーター通話もあります。オーストラリアから日本に(海外に)掛ける場合は0101(公衆電話は0107)。但し英語で言わねばならないので、これが億劫な場合、日本のKDDなどに直接掛かるものもあります。このあたりは観光ガイドブックの方が詳しいのですが、1800-881-810(KDDジャパンダイレクト)、1800-881-888(IDOジャパンストレート)、1800-811-811(KDDスーパージャパンダイレクト)などです。これらの番号を忘れても、テレストラのカントリーダイレクトというサービス(1800-801-800、電話帳に載っています)に電話して「日本にかけたい」というと番号を教えてくれます(さっき試したら上記のジャパンダイレクトの番号を教えてくれた)
これを使うメリットは、コレクトコール(リバース・チャージという)やクレジットカードが使える点です。ダイヤル直通に比べてすごく割高(数倍から十倍)なのですが、例えばホームステイしている留学生が、国際通話をするのにホストに気兼したり、地方で公衆電話が近くにないような場合には重宝するかもしれません。
ちなみに、KDDのダイレクトコールサービスのページはここで、IDCのサービスはここにあるようです。
◆公衆電話◆
公衆電話は、ペイフォーン(payphone)ないしパブリックペイフォーンなどと言われます。
使い方もほぼ日本と一緒ですが、日本と違うのは、日本では残使用「度数」が表示されるのに対して、こちらでは投入した「金額」が表示され順次減っていく点です(テレホンカードでも、あと○ドル○セントと表示されます)。
なお日本ほど公衆電話がそこら中にあふれているわけでもないです。それなりにありますが、日本の方がずっと多いですし、またよく壊れていることがあります。ですので、電話を掛ける必要がある場合、「あとでしよう」と先送りにしないで、見かけたときに電話しておいた方がいいでしょう。
あと公衆電話が40セントであることを知らずに25セントでかけた場合、それでもかけられたりします。しかし、通じた思った瞬間切れてしまいます。純粋の電話機の故障でそうなる場合もあると思いますが、もしかしてちゃんと40セントいれてるかどうか確認するといいです。
◆電話あれこれ◆
★呼び出し音など
「話し中」「呼び出し中」の音は日本の場合と多少違いますが、大体似通っていますので感覚的にわかるでしょう。
より正確に言うと、
- 「発信可」の音は日本が「プーーー」という連続音であるのに対し「ルルルルルルル」と低い連続音
- 「呼出し音」は日本が「トルルルル(休む)トルルルルルル」の長続音と長休止の繰り返しであるのに対し、「トルルル・トルルル(休み)トルルル・トルルル」の短続音2回と長休止の繰り返し
- 「話し中(ないし回線切断)」は両者とも「プー、プー、プー」と短続音の繰り返し
★時間無制限の市内通話
市内通話は、自宅からは25セント、公衆電話は50セントですが、これだけで追加料金なしに何時間でも話せます。5時間長話をしても間違い電話をかけても料金は同じ。
★特殊な番号・サービス番号
緊急電話(警察、消防、救急車)は、全て000です。
1800ではじまるのはフリーダイヤル、13で始まるのは市内通話料金で掛けられる割引ダイヤル、0055ではじまるのは天気予報などのインフォメーションサービスなど色々ありますが、別にそれほど使わないでしょう。ただ、131450は24時間の通訳サービスですので(料金は市内通話)覚えておいて良いかもしれません。
★電話・FAXの持込
生活体験ではなく、本気で住む場合、自己使用として電話機を持込むのは構いませんし、こちらは電話やFAXが高い(何によらず電気製品は高いし、種類が少ない。
★電話を設置する
生活体験の趣旨からはやや外れますが、どこかに住居を決めて、電話をひく場合について、ちょっとだけ説明します。
よほどのことがない限り、どの家も電話の配線は終了しているものと思われますので、あとは電話にコードを差し込めばそれでハード的にはOKです。電話のジャックは殆どが(というか自分の知る限り全てが)、モジュラージャック(パコッと電話機に差し込むタイプ)で、プッシュ回線ですので、すぐその場で使えます。「NTTの人が必ず工事にくるので自宅に待機しなきゃ」ということもありません。
なお、壁のジャックと電話コードのモジュラージャックの間に、見慣れぬアダプタがあります。壁に突き刺さったままになってる場合が多いと思いますが、無い場合には、別途買い求める必要があります(普通の電器屋で売ってる)。
形状は、オマケに貰う平べったいマッチ箱よりもやや大きめで、通例クリーム色をしています。
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次に、近くの公衆電話でテレストラという電話会社に電話して(電話帳を見れば分かります。手元の電話帳でそれらしき番号は13-2200になってます)、住所と名前を言えば(その他電話帳に載せるか、STDコールなどを使うかも聞かれる)、その場で番号を言ってくれますし、相手の事務ミスがなければ、半日〜1日で通話が出来るようになります。非常に簡単。
非常に簡単な筈なのですが、自分の場合、2年前に初めて来たときには散々苦労しました。なにかというとシステムがわからない+英語が分からないからです。電話で外国語会話をするのは、対面するより遥かに大変です。今から考えてみれば、来た当初の無能な自分にそこまで出来るわけないと思うのですが、全然会話にならないまま、「こいつ、どうしようもないな」と思いっきりため息つかれて、冷たく切られたときの気持は忘れられない。
それでも「こう言えば良かった」という「正解」はあったのです。なにかというと「自宅の電話をつないでください」の「電話をつなぐ」という英語を知らなかったのが敗因で、これは「コネクト(connect)」というのですが、この一言さえ知っていればあとは住所と名前だけですので、STDとか電話帳掲載を聞かれても、分からんままYES/Noを言っておけばとりあえず話は進みます(あとで幾らでも修正できる)。想像で当時の会話を再現すると、多分こんな感じでしょう。「あの、電話を、電話を使いたいんですけど、あの、来たんですけど(←「引っ越してきた」の英語を知らない)、電話を接着したい(←「電話をつなぐ」の日本語の連想から妙な英語を口走る)、」「はあ?」「いや、その、(繰り返す)」「え、それは、要するにあなたはコネクトしたいのですね」「え?」「いやコネクトをお望みですか?」「あ、いや」「違うんですか?」「うーん」「。。。。。。」「。。。。。。」という状態だったのではないかと思われます。これじゃ向こうも愛想をつかすのも無理ないですね。
冷静に考えてみれば大した英会話ではない筈です。参考までに「こんなやりとりになるだろう」という会話例を示します。
"Good afternoon, Telstra custmer service. Can I help you?"
"Oh,yes please.I just wanna connect my phone."
"Sure. Give your name please?"
"k-o-u-i-c-h-i, that's my first name, and T-A-M-U-R-A is my surname."
"OK,(その場でパソコンに入力している音がする) And,your address please?"
"Twenty-two, Roberts street, Camperdown, 2050"
"Alright(復唱する),And would you like to use STD call and Internatinal call?(STDや国際通話を使いますか?) "
(以下適当にYES・NOで良い)
"OK, wait a minute,(入力した情報をホストコンピューターに送信してレスポンスをmっているのだろう(想像))、OK,your new number is ○○○○−○○○○"
"(書き留め復唱する)"
"Is it alright? Thank you, bye - bye"
という感じで、1〜2分で済んでしまうのでしょう。ですので、「わかる・わからない」はほんのちょっとした単語を知ってるかどうかで大勢が決まるようにも思います。
コネクションフィーというのが50ドルくらいかかります。
ちなみに引っ越すので「電話をはずす」場合は、ディスコネクト(disconnect)と言います。
★電話関係の機関
NTTに相当するのがTELSTRA(テレストラ)(昔はオーストラリアテレコムだった)で、市場原理導入で、対抗企業として出てきたのがマードックのライバルであるオーストラリアのメディア王ケリー・パッカー率いるOPTUS(オプタス)です。熾烈な販売合戦を繰りひろげているようで、ときどき「こんなにお得なサービスがあるんですけど」と両者のセールスマンが自宅にやってきてます。
混乱するのがAUSTELという機関で、これは電話会社ではなくて監督機関です。郵政省みたいなものでしょうか。
★ホワイトページとイエローページ
電話帳のことです。ホワイトページは、(50音順、じゃなくて)アルファベット順の電話帳。イエローページは職業別電話帳です。それぞれホームページを持っていて検索できます。イエローページでは、限定的ですが、地図まででてくるのでちょっと重宝します。
★→イエローページのホームぺージ
★→ホワイトページのホームページ
◆現地の携帯電話事情◆
これはよく分からんです。年がら年中規制は変るわ、規制変更のあおりを食って、意外と電話機が値上がりしてたりするわ、全貌を正確につかむことは僕には無理です。無理ですが、大雑把なところを言います。
携帯電話会社は、最大手のテレストラ(Telstra)、準大手のオプタス(Optus)、それにヴォダフォーンなどがあります。各社の比較についても本当のところは良く分からないのですが、僕の主観でいえば、一番高いけど一番つながりがいいのがやっぱりテレストラで、これは日本のドコモみたいなものでしょう。それに、二番手三番手のオプタス、ヴォダフォーンが追撃し、追撃戦略として色々なサービスをやっている(例えば夜、オプタス同士だったら20分だけ無料になるとか)という感じです。しかし、このあたりのサービス戦略は刻々と変りますから、時期時期によって違うようです。
契約ですが、各契約代理店でいろいろなパッケージを出してます。接続会社がタテ軸だとしたら、機種がヨコ軸で、最新機種でテレストラに接続し、テレストラの○○パックに入った場合、機械本体はわずか○○ドル」という具合です。今は、ネットのダウンロードの容量が○ギガかというDATA量がポイントになってますね。
ここで選び方ですが、まず現地に2年以上、あるいは少なくとも1年以上住む予定があるかないかで区別したらいいと思います。というのはこれらのパッケージの場合、最低12ないし24ヶ月契約することが条件になってたりします。それを条件に、機械本体も安くなってるという。
したがってワーホリさんや留学など、1年未満滞在の場合は、別途レンタルとかプリペイド方式にするといいと思います。
日本の携帯事情を逆に僕はもうフォローしきれなくなくなってるのですが、こちらの携帯電話機には、各機種・各電話会社共通のマイクロチップ(SIMカード)というのがあり、そこに自分の電話番号、番号リストや各種設定が全部メモリーされます。このSIMカードは簡単に取り外せますし、SIMカードを他の携帯電話機に挿入すれば、メモリーがごっそり移転し、その電話機が自分の携帯電話になります。このシステムは便利だと思います。日本でも徐々に当たり前になりつつありますが。
以下は、ワーホリ講座の携帯電話編をご参照ください。