1. Home
  2. 語学学校研究
  3. ワーホリの部屋
  4. ビザ活用法


ツイート


いわゆる「ビザ取り学校」と滞在延長方法論 (3)


1.ご利用は計画的に〜モラトリアム麻薬の功罪
2.ビザ取り学校の実際
3.それ以外の対案の検討



対案はあるか

 ビジネス学校にも色々あり、ビジネス学校の全てがビザ取りであるわけではないです。当然ですけど。かなりしっかりしたビジネス学校もあります。が、そこはお値段も大学並に高くなったりもします。年間1〜2万ドルとか。ですので、ここまできたら普通の留学・進学です。

アップグレード

 では、ビザ取りという目的は確かにあるんだけど、無いといえば嘘になるんだけど、そこまで露骨にやることに抵抗がある。ある程度は将来のキャリアも考えたい。そこで、ビザ取りよりももう少しアップグレードした学校はないか?というと、これもあります。

 例えば、その昔、対抗馬として見に行ったのがAICLという学校です。残念なことにこの学校はもう無くなってしまったのですが、ここはビザ取り的な売りはせず、質を良くしていく方向でやってました。

 学校の雰囲気が違いますよ。見たら結構分かります。ビザ取りに比べたら、AICLの場合は内装もキチンとしてるし、受付や担当者の態度も違うし、中を歩いている学生達の雰囲気も違います。ビザ取りはですね、なんというのかな、独特のうらびれた雰囲気があります。ガランとしてて、心なしか照明まで暗い気がするし。英語学校部分というのは、一種の幼稚園的な明るさがあってしかるべきなんだけど、それもないし。人生袋小路的な空気感もなきしもあらず。学生さんも心なしか暗いような、、、

 ただその分AICLは高かったですね。コースによりケリだけど、安くても半年で4000ドルはします。さきほどのビジネス学校よりも1000ドル以上は高い。今見たら、スペシャルでビジネス1年で5000ドルとか、エイジド・ケア(高齢者介護)7000ドルが4900ドルなんてのもあるけど。コースも豊富で、ビジネス学校は大体、ビジネス、ヒューマンリソース、ツアリズム(ホスピタリティ)あたりなんだけど、ITとか、アカウンティング、グラフィックアート、それにチルドレン・サービス(チャイルドケア)なんてのもあります。大体半年4000ドルくらいですね。面白いとか、就職機会とか、永住権への方向とか考えると選択肢は広いです。

 ここではなくなってしまったAICLを惜しむのが本論ではなく(笑)、ある程度上乗せしたら、質も変わってくるかもよ、ということが言いたいわけです。

 ビザ取りって決めた時点で、他にメインのアクティビティがあるならともかく(もうちょっと○○を修行したいとか、今離れるわけにはいかない恋人がいるとか)だったら純然たるビザ取りになるでしょう(それでも学生は学生なんだから勉強しなきゃダメっすよ、とエージェントらしいことも言っておく)。しかし、なんとなく決めきれないのであれば、多少値が張っても、先につながりやすい建設的な学校にする方法もあるのだということです。まあ、1000ドル上乗せしたらいきなり人生変わるってもんじゃないですよ。ただ、全体の雰囲気(友達とか)が上向きだったら、こっちもつられて広い視野で見れるし、なにか方法も見えてくるかもね、ということです。

英語学校の利用法

 もう一つの対案です。
 英語学校に行くことです。ただし安い費用で長く通うためにトリッキーな方法を使います。

 これは学校側としっかり話し合って、了解を得ないといけませんが、途中でコースを変え、コースとコースの間にブランクを設けることです。例えばゼネラル英語コースを8週やって、6週間ブランクを開けて、IELTSコースやケンブリッジをやるという。本来こんなブランクは開けられないのですが、ケンブリッジなどは開講時期が固定されているので、その開講まで待つという大義名分が立つわけです。

 これは時期により、また本人の英語レベルにより、そして何よりも大事なのは学校側との親密な相談如何によって変わってきます。これは実際のケースですが、単に半年滞在を延長したいだけだったら、ビザ取り学校とトントンないし安くすることも出来ない話ではないです。

 ここに週260ドルくらいの、やや質は落ちるかもしれないけど、オーストラリア滞在1年後に通うならアクセプタブルな学校(来て最初の学校は右も左も分からないだけにメンタル管理その他の効用からキチンとしたほうがいい)があったとします。まず通学開始時期を4週間遅らせます、でもってゼネラル英語コースを4週間取り、年末に近かったらクリスマスホリデーを挟んで、翌年に開校されるIELTSコース等を4週間取ります。この途中のブランクが2か月くらいあったら、最初の4週(ブランク)、ゼネラル4週、そしてブランク8週、IELTS4週の合計20週、さらに最終日から4週間はオーストラリアに滞在できますから、合計24週でほぼ半年でしょう?で、学費的には260ドル×8週分で2080ドルでいいから、ビザ取りよりも安くなるという計算です。まあ、ここまで露骨には認めてくれないでしょうが、考え方としては分かると思います。

 同じように真面目に語学留学する場合でも、長期に申し込むと途中に4週ホリデーを入れてくれる場合もあります。12週ごとにコースを変え、4週ブレイクを入れることで、36週申し込んで48週滞在できるという。フレックスプログラムなどの名称で出されている場合があります。ワーホリ年限は越えちゃったけど、もうちょっと真面目に英語をやり直したいし、同時に将来につながるような仕事もこちらで探したいのでギチギチに詰められると困るという人向けです。

イブニングコース

 もう一つは、ここ1−2年広まってきたイブニングスクールです。
 午後4時半とか5時くらいから始めて、8〜9時頃までやる「夜間部」です。これでも正式に学生ビザ取れるところが増えてきました。

 これも学校によってマチマチですし、スペシャルオファーの有無でも違いますが、かなりしっかりした学校でもイブニングだったら週170〜200ドルとか、かなりリーズナブルな値段で出してたりします。これに上述の「ブレイク入れて期間延長」というワザを使えば、さらに割安になります。なおブレイクは学校によって認めるところと認めないところがあるので、具体的に電卓叩いて「週当たり幾ら」で出したら、デジタルで予算は出ます。

 イブニングコースのデメリットは、もともと人数が少ないので、十分なクラス分けやコース分けしにくいという点があります。初期に英語力をがっつりつけたい人には不向きです。しかし、既に英語力がある程度あって、滞在のための方便と思うなら、十分でしょう。

 イブニングコースが増えてきた原因ですが、これは僕の推測ですが、学生・ワーホリビザの趨勢のところで述べたように、伝統的に日韓学生から、それ以外のヨーロピアンや南米系などが増えてきたからではないか?と。彼らはもともと英語力高いし、なによりも物怖じしないから、オーストラリアでもいい仕事をゲットする。日韓学生が留学半年後でも、まだ日韓レストランで時給12ドルで地道に働いているのを横目で、彼らは着いたその週から時給20ドル以上のローカルカフェなどの仕事を取ってくる。昼間にがっちり稼いで、夜は勉強というパターンという学生が増えたので、そのニーズに合わせてイブニングコースも充実してきたのではないかと。

 ただし、ビザ取り学校と違って格段に出席義務は多くなります。語学学校は月〜金まで授業やります。イブニングコースでも出席義務は同じく厳しい。しかし、イブニングは言うまでもなく、デイタイムでも終るのは3時くらいだから、仕事との両立はまだしも可能でしょう。それにビザ取り学校といえども、ある程度アサインメントに時間掛けてたら、結局トータルの可処分時間は似たり寄ったりという気もします。


 ちなみに、僕と一緒に見学してた方も最後には英語学校プランに傾いてましたね。

 値段もさることながら、見返りがあるかどうかです。
 ビザ取り学校は確かに安いし自由なんだろうけど、その代わりそこまで真剣にビジネスを学びたいか?というと、そうでもないでしょう?だからしょうがなくやるって感じだし、そんなに身にもつかない。でも、英語はやっておいて損はないですからね。

 特に長期的にオーストラリアや海外に住むことが視野に入っている場合、あるいは進学も十分も考えている場合、とりあえず英語ができなければ話になりません。それもかなりハイレベル、語学学校でいえば最上級クラスでないと厳しい。永住権の場合IELTS6点、できれば7点は欲しいし、大学でも7点クラスを要求するところは多い。それにこちらでカジュアルジョブではなく、ちゃんとキャリアになるだけの仕事をしようと思ったら、それ以上の実力を求められたりするでしょう。

 実際、オーストラリア、日本、その他のエリアで広く将来に役に立つスキルや資格とは何か?と冷静に考えてみると、やっぱり英語じゃないかと思うのですよ。

 オーストラリアで仕事を探す方法で詳述しましたが、就職でモノをいうキャリアとは「職歴」であって学歴ではない。どこの学校を出てどういう学位があるかというのは、参考にはするだろうけど、キャリアにはならない。だから在学中からインターンシップなどを活用して、「準職歴」を稼ぐのに四苦八苦するわけです。

 こちらの大学の法学部で死ぬほど苦労して卒業し、こちらのバーエグザム(司法試験)に合格しても、日本で弁護士は出来ません。「外国人登録弁護士」として限られた業務しかさせてもらえない。その他の資格も似たり寄ったりで日本でコンバートしにくい。そのくせ勉強量がハンパではないので、投資効率からするとどうなんかな?と思ったりします。ビジネスとかマーケティングのようにあまりにも漠然とした学歴は殆ど意味が薄いし(MBAクラスなら多少意味はあるけど、最近はどうかなあ)、かといってチャイルドケアのように特殊専門化したら、その専門領域から一歩離れたらまるで無意味になる。

 その点、英語は万能性あります。TOEIC900点も取ってたら、日本での就職にはそこそこ有利に働くでしょう。それ以上に、ある程度英語ができたら世界中の就職機会が視野に入ってきます。

 それに永住権を狙う場合、こちらの教育機関を頑張って卒業しても得られるポイントは限られています。2年頑張って5点しか貰えません。限られた領域でプロフェッショナルイヤーを完遂してもさらに5点くれるだけ。でもIELTS6点を7点にしても10点貰えるわけで、どっちがコストパフォーマンス高いか?です。

 そのあたりを考えていくと、結局、当たり前なんだけど英語が一番リターン率が大きいような気がするのですね。実際見ててもケンブリッジ試験まで行ってる人の方が、いい仕事に就けてますし、どんな人でも1年丸々留学したらケンブリッジクラスまでいけますから、「同じやるなら、、」と思ってしまいます。

 というわけで、滞在延長がメイン目的であったとしても、どうせある程度のお金を払い、どうせある程度時間学校に拘束されるのであるなら、もっともリターンの大きいものにしておけばいいんじゃないか?ということです。


 以上です。

PS: 「私の場合はどうなのかな、、」と思ってる人は、お気軽にメール下さい。「学校紹介」というレベルだけではなく一緒に考えましょう。僕と一緒に見て回った方が結局どうなったかというと、あれこれ考えて、「これって別に学生ビザを取らなくても何とかなるんじゃない?」という根本的な話になり、ビザ代行の弁護士さんへの相談をオススメしたところ、やっぱり学生ビザを取らなくても済むことになりました。だから、滞在延長→ビザ取り学校!と決めつけたもんでもないんですよ。


1.ご利用は計画的に〜モラトリアム麻薬の功罪
2.ビザ取り学校の実際
3.それ以外の対案の検討

関連記事(2020年06月):IT系ビジネス学校の話(その1〜その3)
30歳過ぎてからオーストラリアのビジネス学校でIT系に行くというのは意味あんのか?という超リアルな視点から、永住権と帰国就職を両方にらみつつ、実際に学校見学をし、かつ現役バリバリのIT業の先輩からのアドバイスを。

APLaC/Sydney(シドニー多元生活文化研究会)


4/180 Bridge Rd, Glebe, NSW 2037 Australia
TEL : +61-466-980-743

APLaC(アプラック)は、オーストラリア現地(シドニー)に拠点を構えて、移住・留学・ワーキングホリデー等についての現地情報・無料相談・学校紹介を行っているエージェントです。
tamura@aplac.net




禁無断転載/(但しリンクはフリーにどうぞ!)
Copyright 1996- APLAC.
No reproduction or republication unless Copyright law allows.