よくある質問と回答
シドニーでの生活にかかる経費はどれくらいですか?
(97年6月30日)
(99年2月10日補足)
(03年5月補正)
(08年9月補訂)
2017年10月改訂
Q:シドニーで普通に生活していく上で年間どれくらいのお金がかかるのか、教えてください。例えば車1台保有、2人暮らし、オーストラリア標準生活、賃貸住宅とした場合、どうでしょう?
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★初稿が97年で、以後多少改定してますが、基本的には古いし、また大雑把にすぎます。きっちり調べたい人は、渡豪準備ページの各項目を参照してください。そっちの方がずっと詳細です。
◆予算的にはいくらくらい掛かるのか?
1. 日本を離れるまでの費用
2.滞在費予算のシュミレーションとその検討 〜とりあえず2〜3000ドルサクっと浮かす方法
6ー1.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話を入手せよ)
6ー2.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話編 その2)
A:
日本で稼いだお金を持込んで生活する場合には、当然のことながら、日本円とオーストラリアドルのレート変動によって、かなり割安感、割高感が変わってきます。私たちが移住してから今まで、豪ドルの変化は、円高で56円まで、円安で105円までいきました。殆ど倍くらいですので、時期によってかなり変わってくると思います。
現在(17年10月)のレートは1ドル=87円前後です。大体80-100円のボックスレンジを推移している感じですね。
ただ、2017年現在のNSW州の最低賃金は時給21ドル以上です(ここから税金はひかれますが)。ドル100円で2100円。これは日本の最低時給の約2倍です。ですので、ざっと考えて全ての物価が2倍と思ってもいいかもしれないです。数年前から国民一人あたりのGDPはオーストラリアが日本を上回っていたと思います。失業率も日本の方が高いでしょう。こんなこと昔は考えられなかったです。ですので、昔は、「日本でお金を貯めてオーストラリアで使う」という流れだったのですが、今や「オーストラリアでお金を貯めて日本で使う」方が賢いかもしれません。そのくらい環境変化があります。
<不動産賃貸価格>
シドニーの不動産は安くはありません。好景気が十数年以上続いていて、2000年のオリンピック前後を通じてバブル状態になっていますし、とっくの昔に東京のレベルを超えてます。NSW州では2006年あたりから不動産価格の頭打ちが続き、2008年8月に歴史的といえるほど公定歩合の引き下げがあり、やっと景気にかげりが見えてきました。しかし、これまでの積もり積もった不動産上昇は、2008年現在の日本人の予想を遙かに超えている地点にまで来てしまっています。簡単に言うと、ちょっといいなと思う物件だったら軽く1億円を超えます。2億3億ザラです。築30年の2DKのマンションが6000万円とか。日本人の感覚では「やってらんない」と言ってもいいです。この傾向は2017年にも続き、中国人など海外投資家の存在もあって、もうどうしようもないってレベルまできてます。
賃貸相場ですが、シドニーではここのところ空き室率が1%を切るという、超売り手市場です。場所や物件によりピンキリですが、2ベッドルーム(2BRと表示、いわゆる2LDK)で、週500-700ドルくらいでしょう。一時期ちょっと下がったときもあったのですが、以後どんどん「嘘?」というくらいあがってます。
なお一人住まい用の物件がわりと少ないです。いわゆるワンルーム(BachelorとかStudioと呼ぶ)や1ベッドルームの物件は数が限られており、当然のことながら割高です。シティ近郊だと週350〜500くらいしてしまいます。ですので、シェア(2BR以上の広い部屋を借りて、他人と共同使用する)が一般的になっています。家族や友達でなくても、単なる同居人としてシェアしますし、また男女混合で住んでいる家も珍しくありません(その方がマナーが乱れなくていいんだとか)。家族や夫婦でもシェアをとるところもありますし、2カップルでシェアなんてケースもあります。一人暮らしご希望の場合には、住居費を倍くらいみておいた方がいいでしょう。
より詳しい不動産相場は、Domainというインターネットにより新聞広告検索サイトがあり、こちらで見ていくとかなり具体的に分かると思います。http://www.domain.com.au/
<光熱費>
オーストラリアは資源国のくせに電気代やガス代は日本よりも高いように思います。ただ、ガスよりも電気を利用するケースの方がずっと多いこと(キッチンレンジも電気が多い)、ひとつひとつ電気器具の消費電力が日本よりもはるかにデカいこと(小さなヒーターで2000ワットとか)から、電気代の嵩み具合は日本よりも厳しいですよ。
水道代の基本料金は不動産の所有者が払うことになってますので、賃借人は払う必要が無いです(基本料金ではなく使用料は払う義務があるけど)。
電話代は、電話会社が乱立して格安競争をやってるので、電話利用料金それ自体は、市内通話で一回18セントくらいまで下がってきてますし、市内通話は従量制ではないので幾らでも話せますから楽です。ただし、月間基本料金がジリジリと上がってきていて(月2000円を越える)、そちらの方が高いくらいです。
今は電話代というよりもネット代かと思います。こっちのネット環境は日本よりも悪いです。しかし、携帯SIMを2ドルで売ってたり、拘束もなく乗り換え自由な点は、日本よりも進んでいるかと思います。
<食費>
かつて安かった食材も高騰しています。ここ数年で、国内の干ばつと原油高(輸送コスト)によって又かなり値上がりしたとも思います。肉なんかでも、一昔前はキロ10ドル超えるものは珍しかったですが、ここのところ40ドル前後するものもあります。「うわあ、あがったなー」と思いますが、まあキロ30ドルでも100グラムにすれば300-400円程度なんですけど。
日本食材は、ノースにある東京マートなど日本人相手のお店に行けば手に入りますし、アジア食品屋さんに行っても結構おいてあります。
このあたりについては、シドニー食生活向上委員会/SHOP編をご参照のこと。
<車>
車の維持費は日本に比べれば安いけど、車そのものが高いのがまずネックです。
都心では公共交通機関がそれなりに発達しているので、別に車なくても十分生活できます。が、やっぱりあった方がなにかと便利。ちょっと田舎に行けば車がないと生活成り立たないくらいになるのですが、それなのにオーストラリアの車は高い(関税、税金が高い→詳しくは、こちらをご参照ください。)
新車の値段は150-300万円ですので日本とそう大差ないとは思いますが、中古になっても値が落ちないというのが高く感じさせる要因でしょう。5年落ちのカローラがまだ100万円を割り込まなかったりするので、「げげ」と思うでしょう。ただし、自分が売る段になったら高く売れるということでもあります。
維持費ですが、これも年々あがってますね。なんといってもガソリン代の高騰が大きい。以前リッター70セントだったのが今はリッター120-150セントと2倍以上の上昇率です。車検費用そのものは、直すところがなければ4000円前後でこれは安いです。それに登録税が数万円、保険料は(車種によりますが)年5-10万円くらい。修理費も日本に比べれば総じて安いのでしょうか。
<その他>
その他、衣服費ですが、本当にピンキリです。概してオーストラリアの洋服は質がよろしくないし、ファッションとか関係ないので、日本から持参してきたものをずっと着てたりします。あと、中古の衣料などをメチャ安で売っているリサイクルショップがあって、マメにチェックしていると、いいものがあります(8ドルの薄手のコート、20ドルのイブニングドレス、30ドルのホンモノのウサギの毛皮コート、5ドルのレースカーテン等)から、贅沢さえしなければ、衣服費にお金がかかるってことはありません。
また、日本では嵩みがちな交際費も、義理で付き合う飲み会とか、盆暮れのお中元・お歳暮も必要ありませんので、安くあがるでしょう。クリスマスシーズンにパーティーとか、プレゼント&カードとかで出費があるけど、同時にクリスマスバーゲンと称してあっちこっちで大々的に値引き合戦が繰り広げられるので、まあ、比較的安くプレゼントなど入手できるんじゃないかと思います。
あとはそうですね、移住に際して初動経費として、家具揃えたり、賃貸契約結んだりする費用が必要でしょうが、それも大したこっちゃないです。家具は中古で安くていいもの出回ってますし(だから要らなくなったら売ればいい)、敷金(ボンド)は家賃4週間分、不動産屋に支払う手数料はなんと数千円。礼金なんて理不尽なシステムはありません。
<まとめ>
設例にある「二人で車保有」だとしたら、まず住居費は、1BRないし2BRで週500ドルくらい。だから月2200ドル=20万円。これが致命的に高いと思います。ただし、カップルの場合、2BRを借りて、自分たちは一部屋で、あと一部屋を250ドルくらいでシェアに出せば、自分たちの費用は半額でおさまります。これをもっと大きな部屋数のあるシェアでやればどんどん変わるでしょう。
初動経費は、家具代や自動車代とかそれなりにかかります。家具は短期でしたらレンタルもありますし、中古家具を買ってまた売るということも出来ます。日本人コミュニティに売ります買いますの「帰国セール」などをコマメにチェックすることもできます。
自動車は、中古車でもある程度のクォリティ(そうそう滅多に故障しない)を求めるならば、やはり1万ドル前後最初に出しておかれたほうがいいかと思います。最初安くても後で修理費が嵩んだらやってられないですから。なお、中古車売買は個人売買が盛んです。
初動ではなく、コンスタントにかかる経費は、住居費(上述)のほか、コマメに自炊して慎ましく暮らしていれば、そうそうかかるものではないでしょう。食費や光熱費がかかるほか、日本に比べて、被服費、冠婚葬祭、付き合いの飲み代などがかなり削減できますから。こういった付き合い費用、見栄費用のコストカット効果は大きいです。
概していえるのは、シドニーは貧乏な人にとって暮らしやすい街である、ということ。単にコストが安いというだけではなく、見栄(他人の目を気にすること)や義理(付き合いでやりたくないことをしなければならないこと)がないせいでしょう。考えてみれば日本でも、本当に金を食ってるのは、見栄や義理なのかもしれませんね。
ただ、医療費はバカにならないです。永住権をお持ちの方はメディケア(国民保険)に加入できますから、公立病院なら85%程度カバーされます。が、それでも歯や目はカバーされません。
もちろん生活の質は上を見ればキリがないわけで、海辺の豪華な一軒屋に暮らし、常に日本食材を購入し、名門ゴルフクラブの会員になり、クルーザーの1つも保有し、高級レストランで外食し・・・なんてことをしてたら、もっともっとかかるでしょうが。それでも日本で同じことやるよりは、ずっと安くあがるかな。
なお、留学される方には、留学費用も含めて細かくシュミレートした資料もあります。
語学学校研究・総論・予算や費用について参照
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