参考文献
1997年4月3日改訂
☆観光関連☆
●Untourist Sydney
●The Good Life Guide to Sydney(Tessa Mountstephens著)
●Sydney by Ferry and Foot(Jhon Gunter著)
●Sydney(Jan Morris著)
☆レストランガイド☆
●The SBS eating guide to Sydney 1996
●Good Living
●Good Food Guide 1996
●Cheap Eats 1997(1/8追加)
☆教育関係ガイド☆
●The Good University Guides to Australian Universities 1997
●Guide to schools
●TAFE Handbook
☆買物ガイド☆
●The Bargain Shoppers Guide to Sydney 1996/97
●Untourist Sydney/Jacqueline Huie著
ISBN:0-646-24529-5
生活体験マニュアルでも繰り返し出てきた、これもお勧めの一冊。僕らだけでなく、地元の玄人筋にも受けてるかに聞く。ここに載ってる情報はハズレが少ない。ないことはないが、その率は他のガイド本に比べて極端に低い。本当にシドニーのことを良く知ってるんだなと思わせられる。
「Untourist/アンツアリスト」という造語がコンセプトだが、「UnTourists are tourist who don't want to be tourist」( 「旅行者」になりたくない旅行者」)いうことで、意味はよくわかります。要は、名所旧跡「だけ」を見てまわり、観光業界の掌の上で躍らされるのはまっぴらだという人。しかし、商業観光施設を無闇やたらに否定しまくるわけでも、また何がなんでも貧乏旅行じゃい!という、単純に「アンチな人」という薄っぺらなコンセプトではない。商業施設だろうが人気スポットだろうが「良い」ものは積極的に取り入れ、価値があると思えば金は惜しまない。ただし全く無名なところであっても良いものは偏見を持たずに賞味する、そういう旅行者としてアンツアリスト概念は打ち立てられている。でも、誰だって本当はそうありたいと思っているのではないかな。5つ星以外のホテルに泊ったら自分の価値がなくなるなんて思ってる人は、現実にはそんなにいないだろうし、「幼稚園の行進」と揶揄される日本のパックツアーも、きちんと選択肢が与えられたらまた別の行動を取るだろう(現に国内の私的旅行ではてんでバラバラに楽しんでるわけだし、「秘湯の旅」なんてのが流行ったのもルーツにあるのはアンツアリスト的発想とも言える)。
それはともかくこの本、観光スポットだけでなく、広くシドニー全域を見つめ、「100年前この町はどうだったのか」まで言及しており、郷土史としての側面も持つ。というか優れたガイドブックは魅力的な郷土史書でもあるのだろう。内容が濃いのでまだ読み切れてませんが、本当に感心するほどのシドニー本。
●The Good Life Guide to Sydney/Tessa Mountstephens著
ISBN:0-694-26645-4
非常に丁寧につくられたシドニーガイド本。二段組の紙面にキチンと整理され、索引まであり、読みやすいし、調べやすい。ちょっとしたシドニー百科事典のような趣きがあります。この本も単なる上っ面だけなぞるようなことはしたくないと言ってる野心作。
96年、つまり去年発刊という比較的新しい本です。
●Sydney by Ferry and Foot/Jhon Gunter著
ISBN:0-86417-621-X
シドニーの知られざる魅力の一つは、縦横に駆け抜けるフェリー交通網です。この本は、どのフェリーに乗ってどこで降り、どういうルートで歩くと面白いかが書かれています。「ほお、なるほど」という全16コース。なんといっても往復数百円の公共交通機関。長期滞在されるなら、試してみる価値はあると思います。
●Sydney/Jan Morris
ISBN:0-670-84632-5
観光ガイドブックではなく、シドニーの歴史、気候風土、動植物、町の特徴、社会状況など様々な観点から描写した「シドニー風土記」のような本。全部読み切れてませんが、かなり詳しいし、従来の固定概念を丁寧に検証し覆そうとする野心作というイメージを受けます。92年出版ですが、この本をシドニーに関する「古典的名著」のように紹介してるものもありました。これはもうレッキとしたスタディ(研究)でしょう。
●The SBS eating guide to Sydney 1996(Maeve O'Meara,Jhonna Savill)
ISBN:1-86448-078-5
SBSとは、NHK教育TVのようなイメージのある公営放送(NHKそのものに該当するのはABC)で、実際に教育関連の番組も多いが、特筆すべきはあくまでもマルチカルチャリズムの理念に則った番組&スタッフ構成。世界各国からきた移民のために、また互いに理解しあうための放送局ということで、本当の意味でグローバルな、まるで国連のような放送局。
そのSBSのスタッフが各出身民族ごとに「ここが美味しい」と推挙した結果をもとに書かれたシドニーエスニック料理ガイド。インド出身がおすすめするインド料理屋、ポーランド出身がイチオシするポーランド料理屋という具合に、本場の味に一番シビアな同民族の推薦はかなり強力。しかも、「○○さんの意見によると」と全て実名で紹介者が記載されているのでいい加減なことも言えないという(しかし、実際にこの本を頼りに食べにいったら開いてる筈が閉店していたことがあるので、「あれ?」という感じだが)。
レストランだけでなく、テイクアウェイ、専門食材の店まで掲載している。
詳しく検証したわけではありませんが、パラパラと日本料理の部を見ると、超有名で超高額な観光客御用達の店はあっさり無視され、グルメ方面とは一線を画した生活観あふれる渋い選択が光る。
●Good Living
Sydney Morning Herald新聞
シドニー・モーニング・ヘラルドというオーストラリアのメジャー新聞の毎週火曜日についてくる別冊版。レストラン情報など最近のシドニーのトレンド紹介。「ジャンル別シドニーレストランベスト5」など中々面白くはあるのだが、時折「グルメぶりっ子」や「シティボーイ(こちらではシティスリッカーズという)」的雰囲気が鼻につくときもある。
●Good Food Guide 1996
Sydney Morning Herald新聞 ISBN:0-908476-85-X
前述のグッド・リビングの年間総集編のレストランガイド。
日本のようにグルメ本が氾濫しているわけではない当地では、最もまとまったレストラン紹介本でしょう。シドニーが中心だが、他の周辺地域まで掲載している。総席数、大体の予算、禁煙席や車椅子用施設の有無客観情報や巻末の地図は便利。(読んでもピンとこないが)オーナーやシェフの名前も載っている。20段階でのポイント評価、店のキャラクターを一言でいう“BUZZ”評など。
主観的な感想を言わせてもらうと、ハッキリ言って「スノッブ(俗物)」な一冊という印象が残る。妙に気取ったまとまりのない文章は、非常にわかりにくく、最初は当方の英語力不足のせいかと思ったが、文章それ自体にも責任の一端はある思う。同じようにユーモラスに凝った文章はUntourist Sydneyでも書かれているが、こちらはスッと頭に入るし、クスリとさせられる。またレストランの選択も、「最近これが新しいから」「有名な賞を取ったから」とか、本質に関係ないミーハー的見地で選んでるんじゃないの?と疑いたくなるし、そういう評判を人伝てに聞いたこともある。華やかな脚光は浴びないが、町の片隅でコツコツと「いい仕事してます」というような店を積極的に取り上げようという意気込みはあんまり感じない。まあこれは多くのグルメ本の通弊とは思うけど。
ところで、巻末の地図でみると、いかに取材姿勢が都心&東部北部のリッチエリアに偏重してるかが一目瞭然に分かって面白い。そういえば、ずっと前の新聞の投書で、このグッドリビング・レストラン紹介欄を評して、「シドニーを知らない人がこれを読んだら、都心から西は人家の絶えた大砂漠地帯が広がっていると思うだろう」と書いてる人がいた。
●Cheap Eats(16th edition 1997)
Barbara Sweeney編(Cheapeats team)/Universal Magazine ISSN:0727-7180
APLaCとしては、シドニーのレストランガイドの中ではこれが一番だと思います。実際の自分達の使用頻度も高いですし。「いろいろ試したけど、これが一番!」というオーストラリア人もいました。だから第16訂版まで出てるのだろうけど。雑誌タイプの本でNews Agencyで売ってます。シドニーがメインですが、ブルーマウンテン、キャンベラ、セントラルコーストまでフォローしてます。
地元では「チーピーズ」の愛称で親しまれてますが、名前のとおりコストパフォーマンスを追求している一冊。Good Food Guideがお洒落で高いレストランに弱いのと対照的に、この本は値段と質とにこだわっています。本の値段自体も$8.95と他のガイド本の半額ですもんね。「コストパフォーマンス」ということで、安いことを重視してるのですが、高くてもその価値があるのものは載せてますし、安かろう悪かろうはオミット。紹介してあるレストランもよく発掘してありハズレが少ないし、解説も具体的でわかりやすい。
ちなみに、どのへんを基準に「高い」「安い」というのかですが、「安くて美味しい店」を発掘するにつれてその基準は低めに(というかシビアに)なっていきます。現時点では、前菜が10ドル以下(5〜6ドル前後が望ましい)、メインが10〜20ドル(10ドル代前半が望ましい)くらいが個人的な基準です。デザート込みで20ドル以内に納まればまあ合格、全部で10ドル以下でも美味しい店はあります。質的には、日本の感覚で言えば大体2ないし2・5倍くらいでしょうか。ものにもよりますが、一人20ドル出せば日本で一人4〜5000円前後料理が楽しめる筈です。よくホテルの朝食38ドルなんてのがあったりしますが、これ、こちらの感覚では「朝飯に8000円位かける」くらい、かなり突拍子もない値段だと思います。Rip Off(ぼったくり)に近いんじゃないかなあ。高いくせにパッとしない店も結構あります。
なお、お店の方でもこのチーピーズに載ると、入り口のガラスにチーピーズのスッテッカー(ショートヘアの女性が口をすぼめて緬を一本啜ってるセピア色の写真。今年度版の表紙の写真でもあります。定期サイズよりやや大き目か)が貼ってあったりします。SBSガイドのステッカーを貼ってる店もあります。
●The Good University Guides to Australian Universities 1997
Dean Ashenden, Sandra Milligan編/The Australian ISBN:1-87619-02-1
オーストラリアの大学の総合ガイド。知る限りにおいて、これが一番纏まっているようです。詳細な大学別データーのほか、学部別に横断したデーター、TAFE(職業専門学校)、特殊専門学校、海外留学生用のためのデーター(ELICOSセンター全アドレスなど)、決定版的データーブック。500ページ弱の分厚い本。
大学自体の格付けにはじまって、入学難易度、コース概要、学費などの客観データーの他に、就職率、進路、初任給、設備、卒業生からの評点(「Teaching Quality − worseなどアケスケに評価されてる)などのデーターが掲載されている「行く価値あるか/Is is worth it?」分析など、読んでるだけで中々面白いし、完璧に理解しようと思ったらかなり大変。労作です。どこまで数字データであり、これだけで判断できないし自ずと限界もあるでしょうが、逆にいえばこの程度のことも抑えておかないでどうして入学先が決められるのかという気もします。
オーストラリアの大学に留学希望の人は「必見」と思われるのだが、意外と日本での知名度は低いかもしれないし、なかなか手に入らないかもしれない。しかし、留学斡旋などを業務とする機関であれば、この本くらい持っているのではなかろうか。現地のニュースエージェンシーで$15.95で売ってます。
出版元はオーストラリアの全国紙、The Australian。
●Guide to schools, The forth edition
$16.95 Mark Scott編/The Sydney Morning Herald ISBN:0-86455-010-3
シドニーの有力紙シドニーモーニングヘラルドが毎年出版している中高校ガイド。ニューサウスウェールズ州とACT(キャンベラ周辺)の全中高校を網羅しています。
内容は、学校の種類(公立/私立、共学/別学等)、学生数、選択科目、宗教教育、スポーツ、課外活動、コンピュータ設備、学費、校長、住所、電話番号といった客観データばかり。
プロフィールの欄にその学校の解説が付いているのだが、いわば学校案内パンフを簡略化したような文章。「当校では学業のみならずバランスのとれた全人格的教育を目的としている」みたいな毒にも薬にもならないようなコトしか書いてないので、学校選択においては何ら参考になりません。
また、この本は現地オーストラリア人向けに書かれているので、海外留学生の受け入れ情報も一切ナシ。ただ、州内全校の客観データの集積としては利用価値あります。
●TAFE NSW HANDBOOK 1998
$8.50 TAFE NSW編 ISSN:1037-9606
TAFEとは職業専門学校にあたる高等教育機関。中学、高校卒業後の進学先として大学と並んで人気があります。一説によれば大学よりも仕事に直結するTAFEを卒業した方が就職で有利だとか。TAFEは各地にキャンパスがあり、提供しているコースも本当に多種多様です。本格的なディプロマ取得コースから、お気楽な趣味系のコースまで、また時間的にも毎日通うフルタイムコースだけではなく、週何時間か通うパートタイムコースなど様々です。
このハンドブックは毎年TAFEが出版しているものですが、1000を越える全コースが網羅されており、科目内容、時間数などが掲載されています。でも、なぜか費用が掲載されていない。それに「開講するかどうか未定」とか「開講校は未定」とか、結構曖昧なこと書いてある。で、事実を確認するために結局TAFEの情報センターに電話をかけて聞くことになるわけですが、この電話対応がムチャクチャで「ハンドブックを買え」の一言だったりする。「ハンドブックに書いてないから聞いてんだよ」と言わないと教えてくれないし、教えてくれた内容もこれまた間違ってることもある。
オーストラリアの情報のいい加減さはTAFEに限ったことではないので、愚痴はこのくらいにしておきますが、TAFEハンドブックだけを見て渡航を決定するのはリスクが高いぞ、ということを覚えておきましょう。一番いいのは、キャンパスに直接乗り込み、そのコースを担当してる先生の連絡先をつきとめて、細かいことを聞き出すことです。
●The Bargain Shoppers Guide to Sydney 15th Edition/1996/97
$7.95 Jebby Phillips著/Universal Magazine ISSN:0158-7358
ファクトリーアウトレットという言葉をご存知ですか?工場直売安売店のことですが、この類の店、ほかにも大型ディスカウント&専門店がシドニーのあちこちに散在しています。それを纏めたのがこの本。
どこで調べたんだ?と思うくらいなのですが、ここで載ってる安売店は必ずしもハデハデな外装&広告をしているものだけではなく、大きな工場の小さな通用門脇の猫の額のようなショップなどで、こっそりと売られていたりするわけです。「小売りもしてるから、良かったらどうぞ」程度のノリで、そうと知らなければ自力で発見することはかなり難しい。自宅の近くにも幾つかあったのですが、うち一軒は、ほんの目と鼻の先に位置し、この1年半もの間、何度も前を通っていたにも関わらず、それが小売もやってるショップであるとは全然気付かなかった。「ただのガレージなのかなあ」くらいにしか思ってなかったという。
生活体験マニュアルでも言いましたが、この国は、小売価格のバラツキが日本よりも激しいので、安いところ知ってるかどうかで生活費も結構変わってくるように思います。ただ、本当にシドニー中に散在しているので、本格的に探し回るには車が必要かもしれない。
★→英語文献(その2)に進む
★→参考文献&リンクのトップに戻る
★APLaCの総合トップに戻る