参考文献/英語文献の部(その2) |
オーストラリア社会について |
印象深かったのは、オーストラリア北部まで真珠採取にやってきていた日本人漁師達こそがアボリジニの人たちと最も友好的な関係を築いていたというくだり。明らかに異なる文化を持っている部族と出会いつつも、恐れたり、嫌ったり、制圧や同化をしようとせずに、あるがままに「違い」を受け止め、尊敬とともに対等につきあおうとした日本人達に、現地のアボリジニ達も最もよく心を開いたとのこと。つまり、操業に際して現地のアボリジニを雇っていても、分け隔てなく彼らと食事をともにし、一緒に寝ていたという姿勢や、日本人の航海技術のすごさが「海の男」同志でアボリジニにも伝わったりなど、本当にいい関係だったようです。現在でもこの地域の長老は当時の日々を懐かしむそうですし、日本人との混血の人々も住んでいるそうです。こういう話を日本人が書いたり、日本人に向けて語られたのではなく、インドネシア人がインドネシア人に向けて語っている部分がキモでしょう。「外人恐怖症」が日本人の天性であるかのように語られがちですが、根っこにある本性/素質は、実は全然違うのではないかという気もします。