荷物を軽くする法
旅を楽しむコツのひとつに「荷物を軽くすること」が挙げられます。旅慣れた人ほど荷物が少ないものですが、それは経験上、「少ない方がいい」ことを認識した結果といえましょう。日本の国際空港の出発ロビーを見ていると、大きなスーツケースを重そうにひきずっている方を多く見掛けますが、あれさえなければ、どれほど旅が身軽に、自由になるかと思うと惜しい気持ちがします。
勿論、「箸より重いものは持たない」という豪華な旅行をする人、添乗員付きのパッケージツアーに参加する人は、いくら重たい荷物を沢山持とうが問題はありません。現地の係員なりがうまい具合に運んでくれます。しかし、自分で好きなところに行って好きなようにやりたい人にとっては、荷物が大きなネックになります。
そうはいっても初めての海外旅行であれば尚のこと、現地で入手できるかどうかわからない必需品などもありましょうし、不安もあるでしょう。そこで、オーストラリアを旅行される方のために、「持っていく必要のないもの」「できれば置いていきたいもの」というものをご紹介します。
注:このコンテンツは大昔(1997年)に書いたものです。しかし、2017年段階でも通用する内容が殆どですので残しておきます。もっとも、留学やワーホリ用の渡豪準備論はもっともっと詳しく書いてますので、そちらのリンクも掲げておきます。
留学・ワーホリ用の準備関係コンテンツのINDEX
●スーツケースは持参しない!!
まずは入れ物。ボストンバック程度の大きさがベストです。全て抱えても、自力で30分は歩ける程度の量に納めたいところです。「海外旅行といえばスーツケース」というイメージがありますが、長期滞在型の旅行でもない限り、スーツケースは最も旅行に適さない入れ物です。スーツケースそのものの重さだけでモノによっては数キロもあるのですから無駄というものです。
最近は布製のスーツケースも出回っていますが、重さの面ではこちらの方が有利。でもあの大きさのものを1つ持ち運ぶなら、普通のボストンバック2つに分けた方が機能的だと思います。
「大きな入れ物を持っていけば、荷造りの手間も省けるし、お土産の心配もいらないし、何かと便利」というメリットもありますが、フットワークの重さを考えればデメリットの方がずっと大きいと思います。(そもそもスーツケースってスーツを運ぶものだから「スーツケース」なわけで、スーツも必要ない休暇の旅に何故持参しなきゃならないのか不思議ですらある。)
「どんなに減らしてもスーツケースくらいの容量が必要」という方は、中型のカバン(効率よく詰められるソフトタイプの旅行かばん)2個ほどか、バックパックを用意しましょう。スーツケースに入れると階段も上がれないほど重くなる荷物が、肩から背負えば自力で持ち歩ける筈です。
1週間程度の旅行であれば、国内旅行と変わらない程度の荷物で済むはずです。飛行機に搭乗する際、機内持込み荷物だけで済むくらいを目標に、がんばってください。(預けた荷物が出てくるまでの待ち時間ナシで一番のりで空港を出られるというオマケもあります。)
●ウエストポーチは「観光客」のシルシ
バブルの頃は猫も杓子もって感じで流行ったウエストポーチ。観光旅行者ご用達でした。
両手が手ぶらになるので便利ではありますが、ウエストポーチしているだけで現地のひったくり、こそ泥等に「観光客」と判断され、狙われやすくなるリスクはあります。
しかし、その機能性は簡単に無視できません。ハンカチ、ティッシュ、小銭を入れておくにはもってこいです。が、ウエストポーチをする際には、中にパスポートや航空券、クレジットカード、大金などの貴重品は絶対入れないこと。金銭も1日分のおこずかい程度に留め、大金はホテルのセイフティボックス(貴重品箱)に預けるか、ひと目でわからないように隠しておきましょう。
2017年現在、今どきウェストポーチをしている人も少ないかもしれませんが、
「観光客のシルシ」みたいな「浮いた格好」は避けた方がいいかも、という原理は同じです。
逆に、「いかにも現地人っぽく見える」というためには、こちらのスーパーで売っているエコバックを持っているといいかもしれません。1ドルですから安いです。コールズやウールワース(というスーパー)のエコバックが普及率が高いですが(現地でよく見かけると思います)、それでなくても構いません。レジ周辺に置いてあります。100円以下で、結構丈夫(20キロくらい持てる)ですので、治安対策と離れても役に立ちますよ。僕などはよくお土産に買って帰ります。安いわりに喜ばれるという。
画像検索した結果を見ると、どんなものかビジュアルで一発で分かります。
●「持っていく必要のないもの」
基本的にほとんどのものは現地で手に入ります。「いざとなったら現地調達すればいいや」ぐらいの気持ちで、いらない荷物をどんどんハジいてください。
余分なガイドブック
どんな旅をするにせよ、旅行ガイドブックは用意しておきたいものです。といっても、沢山あってもどうせ旅行中に読み切れませんし重たいだけなので、自分のお気に入りを厳選して1冊だけ持参されることをお勧めします。現地で一番重宝するのはガイドブックそれ自体というより、ガイドブックに掲載されている地図だったりしますので、気の効いた地図が載っているガイドブックが望ましいでしょう。
更に無駄を省くために、自分が行く先の部分だけを切り取って持参するという方法もあります。更に超省エネ派の人になると、そのうち、行った先の情報部分は現地で破いて捨てていくのだそうです。
シドニーなどの都会に限らず、「地球の歩き方」レベルのものでも全く載っていない地方の村でも、現地に行けばインフォメーションセンターがあり地図類や現地ガイドが無料で手に入ります。地方に行くほどそうかもしれないです。「村おこし」を頑張ってやってますから。
余分な下着
宿泊予定日数分の下着を持参する必要はありません。どんな長期の旅行でも3〜4組もあれば十分。お風呂に入ったついでにちょっと手洗いして洗面所に吊るしておけば、1〜2日で乾きます。もっとも、そう重たいものでもないから、手洗いするのが面倒な方は宿泊予定日数分の下着を持参すればよいのですが。
尚、よく洗濯用洗剤と洗濯ばさみなどがセットになった「旅行用洗濯セット」が売られていますが、経験上、あんまり重宝した覚えはありません。下着程度の洗濯なら普通の石鹸で十分ですし、ロープや洗濯ばさみが必要なほど大量に洗濯するくらいなら、クリーニング屋さんに出せば事足ります。
コインランドリーはLaundromat
どこにあるの?ですけど、コインランドリーは”Laundromat"といいます。
「ランドリー」の発音ですけど、
「ろーんどろぃ」です。「ら」じゃなくて「ろ」、しかも「ろー」と伸ばす。住宅ローンの「ローン」と覚えたらいいですし、マネー・ロンダリングは、ちゃんと「ろ」といいますよね。
機械式のコインランドリーは、ローンドロマッタといいますが、聞いた感じは「ろ〜んどろまっ」。「ローン泥沼」って覚えたらいいかも(笑)。
余分な着替え
日本で生活していると毎日違う洋服に着替えなければならないような脅迫観念がありますが、旅先では毎日同じ人と会うわけでもないので、極端な話、着たきりスズメでも全然問題ありません。ジーパンなど汚れの目立たない汎用性のあるボトムに、気温により調整のとりやすいトップ3種類ほどで組み合わせを考えればよいでしょう。
オーストラリアの人は概して洋服には無頓着です。というか、個人個人が思い思いのファッションを楽しんでいるようで、「こうでなければならない」ということはありません。レストランでもよほどの高級レストランでもない限り、「正装じゃなきゃダメ」なんてイケズなことは言いません。普通の観光を楽しまれるなら、ジーパンにTシャツで十分です。
また、日本とオーストラリアは季節が逆になっています。日本の冬に発つなら、空港まで着ている洋服をそのまま脱いでいけば、夏の現地で過ごせるように、あるいは日本の夏に発つならそのまま重ね着すれば冬の現地で凌げるように、構成を考えてください。どうしても足りなければ、現地で調達すればよいのです。(「品質はよくないけど安いもの」ならいくらでも現地で手に入ります)
ただし、オペラを観劇されるならキチンと「おめかし」はしたほうがいいです。オペラというのは、もともとビシッと盛装で決めて見るものですから。まあ、席にもよるし、見ようと思えばジーパンでも入れますけど。
余分な化粧品
旅先でバッチリお化粧してても、アジア人が気合いれてると、全体の違和感から(ローカルバックから浮いてる)「観光客」と認識されて、あまりいいことはありません。(もっとも「カッコイイオージーをナンパするんだぁ!」という方は気合を入れたいかもしれませんが、日本で流行っているバリバリの化粧はこちらでは微妙に違ったりするので。まあ、現地に来て雰囲気つかんだらいいです。
日焼け止め効果のあるファンデーション(オーストラリアの紫外線は日本の6倍)に、口紅1本持参すれば十分。但し、オーストラリアは日本に比べると空気が乾燥していますので、水分、油分の補給にローション、クリーム、リップクリーム類は持参した方がよいでしょう。が、これらも困れば現地で購入できます。
シャンプー、リンス等
日本の製品ほど日本人に合わないかもしれませんが、オーストラリアでも一応シャンプーもリンスも、シャンプー&リンス一体型の商品もあります。どうしてもお気に入りのヘアケア製品でなければ・・という方は、小さなボトルに必要な量だけ詰めて持参する。そうでなければ現地で調達しても大丈夫です。そこらのスーパーやケミスト(薬局)で買えます。
もっともオーストラリアはシャンプー系は高いですから、数日くらいだったら日本から持ってきたほうがいいです。
現地の値段を調べる方法
スーパーのオンラインショッピングを見たらだいたいわかります。
例えば
Colesというスーパーで「シャンプーShampoo」で商品検索すれば、以下のようにずらずら出てきます。
日本円のコイン
意外と邪魔臭くて重たいのがコイン。旅行中は日本円のコインにお世話になる事はありませんので、空港出発する前にコインは計画的に排出しておくよう心がけましょう。尚、現地では慣れないドルと円とで混乱します。旅行中使用しない日本円のコインを別に保管しておくために、小さな小銭入れを持参するとよいでしょう。
カメラのフィルム
今どき、フィルムで撮ってる人は珍しいでしょう。大体はスマホかデジカメですよね。
●「できれば置いていきたいもの」
ヘアドライヤー
重たいわ、電圧は違うわ、コンセントの形は違うわで、変圧器まで持参しなければならないので、できれば置いておきたいもの(持参するなら変圧機能付きにしましょう)。でも、1つあると手洗いした下着が乾ききらない時、雨で濡れたカバンを乾かす時など、わりと重宝することもあります。もし持参するなら、同行者の皆さんで相談して、1グループに1つにしてはいかがでしょう?
現地で買っても2000円くらいだし(実はスーパーなどにも売ってる)、もう少し出せば電源切り替え出来るものもあります。日本でもどこでも使えますので、重宝するかも。
電気シェイバー
同じく変圧器が必要。持参するなら変圧機能付きにしましょう。でも、旅行中くらい電気に頼らず手で剃ってもいいでしょう。使い捨ての髭剃りなど現地で購入しても安いもんです。
暇潰し用の本
よく「旅行中の待ち時間用に」と思わず本を持参したくなるのですが、実際にはあんまり活躍する機会はないものです。というのは、現地に行ったら現地の情報パンフ、持参したガイドブックなど読まねばならないものは沢山ありますし、毎日慣れない環境で動き回っているため、寝床につけば疲れてぐっすり寝入ってしまいます。滞在型の長期旅行をされる方は別ですが、1週間程度の観光なら1〜2冊もあれば十分ではないでしょうか。足りなければ、現地の日本語専門本屋さんで調達できますし。
もっとも、一番暇なのが行き帰りの飛行機の中だと思います。妙に寝付けなかったり。あと、ケアンズやゴールドコースト空港乗り換えの場合の時間待ちとか。
本でなくても、最近はiPhoneとかiPadなどがありますから、ヒマツブシグッズは充実していると思います。
辞書
英語の勉強が旅の目的ならば持参すべきでしょうが、普通の観光旅行に辞書までは必要ありません。コンパクトにまとまった旅の会話本が1冊あれば十分。それでも普段から英語に親しんでいない限り、使いこなせるものではありません。複雑な言い回しが出来ることより、OK, Thank you, Sorry など、基本用語の使い方を現場でマスターした方が効率的だと思います。
ウォークマン/スマホなど
90年代に書いたコンテンツなのでWalkmanとかありますね。懐かしいわ。今はスマホメインでしょうが、機材が変わっただけで基本コンセプトは同じ。
せっかく海外に来ているのに、日本でも聞ける音で耳を塞いでしまうなんて、勿体ない! 聞いたことのない小鳥のさえずり声、カフェでの若者たちの会話など、ここでしか聞けない音を楽しんでください。もっとも、ラジオ付きのウォークマンならチャンネルを合わせると現地のラジオ放送をエアチェックすることもできますが。
シドニー観光だったらほんとに要らないと思いますが、長距離バス旅行(70時間とか)だったら必要かも。
●ちょっとした情報TIPs
どんな安ホテルでも大抵はバスタオルは置いてあります。逆に、どんな高級ホテルでも歯ブラシ、スリッパはまず置いてません。石鹸は安ホテルには置いていないこともあります。また、日本の旅館には必ずついてくるタオルは提供されません。ボディタオル(旅館でくれるヤツとか)を持参されるとよいでしょう。渇きも早いし、重宝します。
日本のホテルなら必ずついている「目覚まし時計機能のついたラジオ」がないホテルもありますし、あっても機械類が壊れていることはそう珍しくありません。できれば携帯用の目覚まし時計を持参するとよいでしょう。(時差の調整をお忘れなく)。ま、これもスマホなどのデジタルギアでなんとかなるでしょうけど。
あと、オーストラリアでは州によって時差があり、
サマータイムもあります。
さらにややこしいのは、サマータイム(正確にはDaylight Saving Timeという)は、州によって、さらに州内おいても地域によって違います。
シドニーのあるNSW州のサマータイムのページはココです。また、
オーストラリア各州/エリアとNZの差異はココに書いてあります。
概要だけ書いておくと、サマータイムは
10月の第一週の日曜日(の午前2時)から始まり、翌年
4月の第一週の日曜日に終わります。ただし州により、年により、微妙に違うこともありえます。サマータイム時期は、
日本との時差(シドニーの場合)は1時間から2時間に広がります。日本が夜の7時だったらシドニーでは夜の9時。
州によっても違う。サマータイムを実施している州は、NSW(州都シドニー)、ACT(キャンベラ)、VIC(メルボルン)、TAS(タスマニア)、SA(アデレード)です。皆さんがよく行くQLD州(ケアンズ、ブリスベン、ゴールドコーストのある州)はサマータイムをやりません。パースのあるWA州でもやりません。
ケアンズ・ゴールドコースト経由でシドニーの場合、サマータイム時(10月〜4月)は1時間ズレます。フライト出発時刻などを間違えないように。
日本食材は大都市なら大体調達可能です。日本食が懐かしくなったら日本食レストランもあります。ナマ物は検疫で引っ掛かりますので、持参しないよーに。
コンタクトレンズをご使用の方へ。精製水、生理食塩水は現地で調達できます。レンズが合わなかったり(たぶん気候、空気の関係)、なくしたりすることもありましょうから、メガネもお忘れなく。
薬は一応飲みなれたものを用意しましょう。でも、オーストラリアの風邪はオーストラリアの薬じゃないと効きにくいようです。いざとなったら現地で調達すればよろし。
生理用品(特にナプキン)も現地調達可能ですが、日本の製品ほど質はよくありません。気になる方は持参した方がベター。(一説によるとタンポンの品質は日本のより優れているとか)
意外と忘れがちなのが、傘。シドニーは季節に関わらず、わりと雨が降ります。現地でも買えますが、軽量のコンパクトな折り畳み式のものはあまり見掛けませんので、持参した方が無難です。と97年当時に書きましたが、2017年時点では結構折り畳みも出回ってます。が、質は日本のものの方がいいですよね、全然。ちなみにDaisoもけっこう進出してますよ。チャイナタウンやセントラル駅近く、Wynyard駅にもあります(それぞれわかりにくいんですけど)。
オーストラリアの煙草は高いです。国の政策で税率が高いため、日本の3倍くらいします。愛煙家の方は日本から出国する際、空港の免税店で購入しておくと安上がりです。重いもんでもないし。
日本もあがってますけど、こっちはもっと上がってます。一箱2500円以上は余裕でします。レコードやCD一枚くらいする。ランチ代よりも高いですよ。また、日本からの持ち込み免税限度が1カートンだったのが、2012年9月からわずか50本(25本パックで二個)に限定されてます。タバコは目のカタキにされているのです。
変圧器が必要な方は、日本で購入した方が安上がりです(日本出発時に空港で買えます)。持参する電化製品の必要電圧をチェックしてから適したものを買いましょう。
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