これだけ偉大な王朝だからさぞかし創業当時は盤石の安定感を示したように思われますが、さにあらず。創業者・李成桂は李氏朝鮮王朝を打ち立てますが、必ずしも幸福な余生を過ごしたわけではありません。彼の存命中から後継者を巡って子供同士での争いがドンパチと始まってしまいます。厭世観にとりつかれた李成桂は仏門に帰依し、引きこもってしまいます。失意の創業者をよそに、尚もお家騒動は続き、勝ちを収めたのは第3代太宗。そして次の世宗の頃になって、ようやく王権は安定していきます。 世宗(セジョン)大王(在位1418-1450)は歴代最も優秀な君主とされ、今日でも韓国では世宗の名にあやかった事物は多いです。例えば、ソウルに変わる新首都として構想された世宗特別自治市(結局遷都は出来ず、行政の一部移転に留まる)、初のイージス艦の名前とか、韓国の南極基地の名前などなど。ちなみに僕の好きなシドニー(のCampsie)にある韓国料理屋もセジョンといいますな。英語では、"Sejong the Great"といいます。