高齢者ケア特集


高齢者ケア特集 INDEX

揺れているオーストラリアの高齢者ケア(98/1)

「痴ほう老人の身体的拘束禁止」について(99/3)

母国語しか話せない高齢者/患者の高齢化(99/6)

NFR(エヌ・エフ・アール)=「蘇生術なし」(99/7)

死を「看取る」(99/9)

これで奥さんが救われる」(99/9)

最期は一人(99/10)

エンゼルセット(99/10)

訪問看護の行方(99/11)

シゲタのじいさん(99/11)

尊厳を守るということ(2000/4)

最期は一人(続編)(2000/5)

老人と子供のためのインターネットカフェ(2001/1)

自立心(2001/7)

共に白髪のはえるまで(2002/1)

共に白髪のはえるまでNo2(2004/8)

大往生(2004/10)


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揺れているオーストラリアの高齢者ケア


98.1 速報

 1997年10月1日から施行された高齢者ケアの新料金制度は、施行と同時に強い批判が飛びかい、将来に不安を持つ高齢者が自殺をするなど様々な波紋を呼びました。その後、ハワード政権に対する支持率が一気に下降したことも原因し、11月6日ハワード首相はその政策の失敗を認め、制度の全面改正を宣言しました。これほど世論が反映した高齢者ケア政策とはどんなものだったのか振り返ってみましょう。

 オーストラリアの高齢化は急速に進んでいて、65歳以上の高齢者人口は2020年には22.4%に達すると予測されています。そのため政府は今後予想される高齢者ケア財政の増加に対処するため、そして老朽化した現存のナーシングホームを改築する資金を集めるためこの改革に踏み切りました。この政策は1年前に原案が提出されましたが却下され、1997年1月に初めて改正案として発表されました。しかし複雑な制度の内容が当事者の高齢者やその家族によく理解されなかったこと、持ち家の売却を余儀なくされる可能性が強いことから、多数の反対意見と高齢者からの不安の声が上がり政府は見直しを迫られたのです。

 ナーシングホームの新料金制度で特に問題になったのは、新入居者に対する入所保証金でした。1997年10月1日以前は、ホステル入居者のみ入所保証金が必要でした。この保証金は施設の改築などに使われ、ほとんどまたはすべてが入居者が死亡またはホステルを退去したとき返還されます。この度ナーシングホームにもこの保証金制度が導入されることになったのです。保証金額はヘルス・ファミリーサービス省のガイドラインに沿って決められ、各ナーシングホームは入所可能者に対し独自の資本テストを施行します。それに基づいて決められた保証金は、最低金額は決められていましたが最高額に限度はありませんでした。この最低額は、単身者に$22500ドル以上の資産を残す額でなければならず(または夫婦で$40000ドル)、高齢者は入所した最初の6ヶ月は支払う必要がありませんが、6日以内に入所保証金を支払うことに同意するという書類にサインしなければなりませんでした。

 そして支払われた保証金は信託管理され、ナーシングホームは、6ヶ月ごとに$1300ドルずつ、5年間で最高$13000ドルと保管された保証金の利子を受け取ることができるというものです。保証金の額は新入居者の資産テスト後に決められますが、この資産テストには持ち家が対象となるため、入所保証金を支払うためにはその家を売却せざる得ない高齢者が多数でると考えられ、不安と混乱を招きました。オーストラリアは持ち家率は高くても貯蓄率は低く、若いときに苦労して購入しようやく支払いを終えた家が、長い年月の間にその価値を上げていても、そこに住む高齢者が実際にそれだけの資金を持っているわけではありません。そのため保証金を作るためには家を売却せざるをえなくなります。

 NSW州のあるナーシングホームでは入所保証金として$250,000ドルを受領した所もあり、これは大きく新聞に取り上げられ、高齢者はその額の大きさに危機感を一気に高めたと思われます。政府は例外として、配偶者や養護を必要とする子供が在住している、またはその高齢者の介護者が5年以上その持ち家に暮らしている場合、その家は資本テストの対象にしないとしましたが、配偶者を亡くし一人暮らしをしている高齢者の多くはその家を売って保証金を作らなくてはなりません。

 経済力のない高齢者がナーシングホームに入居する事が困難になるとことも予想されるため、ナーシングホームは、保証金を支払うことができない高齢者のために27%のベッドを提供する義務を持ち、これら保証金を支払うことができない入居者は、ホームに1日最高$12ドル追加料金を請求される事になりました。

 また、政府は家族が生まれ育った持ち家を絶対に手放したくないと言う高齢者のために売却しなくてもいい方法も作りました。多額の保証金を一度に支払う代わりに入所者はホームに6ヶ月ごとに$1300ドルと保証金によって得られる利子に相当する額を支払う方法です。しかしこの利子は約9%と市場レートより高く、政府はこれによって可能な人に保証金を支払うことを薦めたいといっていました。

 しかし多くの高齢者が不動産を子孫に相続することを望んでいること、また一生懸命蓄えた資産を介護に費やすことを受け入れられず、不満と不安が高まりました。加えてナーシングホーム入居者の3人に1人は1年以内に死亡しているという事実も保証金の高さに対する批判の原因となりました。これに対し政府関係者は、この改革は全国73000軒あるナーシングホームの40%の高齢者が4人以上の大部屋で生活しており、もっとプライバシーのある少人数部屋に改築する必要があること、設備や家屋状態及び火気取り扱い体制が規定からはずれるナーシングホームを改善するために資金を調達することは不可欠であることを強調しました。そして支払い能力のある人にその生活とケアに対する支払いを求めているだけだと反論し、意見は真っ向から対立しました。これらの改築のためには20億ドルが必要であり、設備が規定に合わないいくつかのナーシングホームはいずれ閉鎖しなければならないとも言われています。ある評論家は、医療や介護は国から保証されるものと信じている多くの高齢者を納得させようとすること自体ばかげた努力であると述べていました。

 新制度施行後、夫がナーシングホーム入居中の夫人が、夫のケアに対する資産テストをさけるため離婚を進めようとしたり、WA州とNSW州で80代の男性と女性が、ナーシングホーム入所金に対し、とても支払うことができないと不満を書いたメモを残して自殺したため、波紋はますます広がりました。こうした中、ハワード政権の支持率が一気に下降し、その原因は高齢者からの支持率の低下にあると考えられ、ハワード首相はこの政策の失敗を認め、新入所保証金制度を施行後わずか一ヶ月あまりで中止することになったのです。この入所金の代わりに政府は、年に約$4000ドルの入居金を徴収すると決めました。そして誰も家を売却する必要はないと宣言しました。この料金徴収は改正後直ちに開始され、最高金額が決まっています。

 さて問題は10月1日の制度施行から11月6日の中止までの間にナーシングホーム入居が決まった78人の高齢者がやむを得ず家を売却したことです。これらの人たちは、施行以前だったら無料で入居でき、施行中止後だったら家を売却する必要はありませんでした。ヘルス大臣は、ナーシングホームと話し合いできるだけのことはしたいと述べるだけでした。

 もう一つの料金制度として基本料金の徴収があります。現在、ナーシングホームに入居中の高齢者で全額年金を受領している者は1日に$21ドル10セントか年金の85%、年金を受けていない者は1日$26ドル40セントをそのケアに対して支払っています。11月1日から高齢者は資産テストを受け、一部年金を受領している者は、1日$21ドル10セントプラス1週間の収入で$50ドルを超えた分に対し$1ドルにつき25セント、高収入者は最高で1日$63ドル30セントを支払うことになるというものでした。これらの収入には、貯蓄、賃貸家屋、退役軍人手当、退職手当、ビジネス収入が含まれます。現在、全く収入がなく、全額年金を受けている高齢者は全体の65%で、何らかの収入があり一部年金を受けている者を含めると約90%の高齢者が年金を受けています。

 全額年金は2週間で$348ドル、ここから85%を差し引くと本人の手元に残るのは週$26ドルとなります。この基本料金制度にも改訂が加えられ、年金者で持ち家を賃貸している場合、その収入は資本テストに加えないことになり、またこの基本料金の徴収は1998年3月1日から施行されることが発表され、高齢者ケア論争はようやく下火になってきているといえます。




1997.11 速報

1997年10月1日から施行された高齢者の新補助金制度は様々な波紋を呼んでいます。ナーシングホームに入居する高齢者に深く影響すると言われる新制度が毎日にように新聞をにぎわせています。一体どんな変化が起きたのか、最新の情報をお伝えします。

The Advertiser, 30, Sep, 1997,
By Melissa King
'Aged care change a fiasco: Mission'
「高齢者ケア改革、完全な失敗:ミッション」


アデレード・セントラル・ミッションの理事リチャード氏は昨日、ナーシングホーム入居者は「施設の囚人になる」とクレームを出した。そして新制度は「完全な失敗以外の何ものでもない」と述べている。多数のナーシングホーム在住者は明日から新制度のため、週に$26ドルしか小遣いが残らなくなる。高齢者とその家族はこの変化に混乱し、また落胆している。この制度は特に一部高齢年金受領者と個人収入を持つ者に影響する。現存の制度では、高齢者は年金の85%を施設に支払った残りと、住居借用補助金が政府から支給された。明日から施設在住高齢者は、年金の85%は同様に施設に支払うがその他の補助金はカットされるため、それまで衣類、娯楽、ギフトや薬品に使用していた金額を減らさなければならなくなる。これは年金を受けている高齢者に対し、17%の減収となる。

この改正は、将来の高齢化による財政増加に対処する目的で実施された。州高齢者ケア部長補佐のハーセー氏は、この改革が年金受給者を施設の囚人にするというコメントを否定し、「この改革はすべてのオーストラリア人にクオリティケアを提供することを目的としている」「オーストラリアの高齢者人口は上昇しており、それが高齢者ケア制度に負担となっており改革が必要である。」と述べている。新制度は支払い能力のある人にその生活とケアに対する支払いを求めているだけだという。しかしミッションのリチャード氏は、改革は失敗以外の何ものでもないと述べ、ミッションの持つ3つの高齢者施設の一つで、ある高齢者夫婦がこの制度の影響を避けるため、法的別居を進めていると述べている。夫婦でナーシングホームに入居している場合、料金が高額になるためだ。

*注:
高齢者年金はオーストラリアの約80%の人が受領している。全く収入のない人で2週間に$248ドル(全額年金)、何らかの収入のある人はそれより少額(一部年金)を受領する。オーストラリアの年金は、税金からでており、特に徴収はされず、すべての者が収入に応じて受け取ることができる。ナーシングホーム入居者はこの年金の85%を施設に支払わなければならない。$248ドルから85%を差し引くと手元に残るのは週に$26ドルとなる。これまでは、そのほかに住居賃貸補助金が高齢者に支払われ、トータル2週間に$64ドルくらいポケットマネーが高齢者の手元に入ったが、新制度施行後はこの補助金は直接施設に支払われるため、高齢者の手元に残るのは週に$26ドルだけとなる。 なお、アドバータイザーはサウスオーストラリア州の新聞(マティ)


The Advertiser, 7, Oct, 1997,
By M King 'Elderly in fear of fee reforms'
「高齢者、料金改革に不安」


サウスオーストラリアのナーシングホーム入居者は、他州で2人の自殺者を出した高齢者ケア改革に混乱と不安を現している。地元で特に不安を現したケースは次の2件である。
  1. ナーシングホーム入居者の配偶者が、今後の継続ケアに不安を抱き夫の貯蓄のほぼ全額に当たる$70、000ドルをチェックにして持ってきた。
  2. 夫がナーシングホーム入居中の夫人が、夫のケアに対する資産テストをさけるため、離婚を進めようとしている。ホーム入居者の多くは改革に不安を抱き、絶えずスタッフに確認を求めているという。ナーシングホーム管理者は、ウェスタンオーストラリアと東部の州で80代の男性と女性が先週、自殺をはかったという報告後、連邦政府の改革の進め方に批判を現している。

2ケースともナーシングホーム入居金に対し、とても支払うことができないと不満を書いたメモを残している。アデレード・セントラル・ミッションの理事、リチャード氏は多くの高齢者とその家族はこの複雑な新制度を理解できずにいる、そのため大きな不安がでていると述べた。リチャード氏によるとミッション系ナーシングホームの一つで10月1日までに入所保証金を支払わなければならないと思い、チェックを持ってきた例があるという。この入所保証金は、新しい入所者のみに適用される。多数の家族・親類は「同レベルのケアに対し支払い額があがることに落胆している。」という。

アレキサンドラ・ロッジ・ナーシングホームの管理長、ヘンダーソンさんは、政府は正確に高齢者に改革内容を知らせる責任がある、簡単に表現されたパンフレットが準備されなかったのは残念だと述べている。11月1日からホーム入居者は資産テストにより、最高1日$63ドルを支払わなくてはならない。(現在は$26ドルが最高)
新しいナーシングホーム入居者にかかる入居保証金は、単身者で$22500ドル以上の資産を持つ者(または夫婦で$40000ドル)で、最高で$100、000ドルの支払いを求められることになる。ナーシングホームは5年間でこの保証金から$13、000ドルを受け取り、残りは入居者が死亡またはホームを退去したとき返還される。前ファミリーサービス大臣のモイランさんは、この改革は過去の状態の悪いのナーシングホームを改善するために不可欠であると述べている。この改革は1年前に原案が提出されたが却下され、今年1月に初めて改正案として発表された。

*注:
このように新聞に出されている内容は断片的で非常にわかりにくい。高齢者で集中力が欠けていたり、目が悪くて新聞が読めない人には、とても理解できないと思われる。(マティ)


The Advertiser, 7, Oct, 1997, By J. Hughes & N. O'Brian
'Suicides of elderly stir Smith'
「高齢者自殺に注意促す、スミス氏」

新ファミリーサービス大臣は、ナーシングホームの新料金を支払うことができないことを苦にして自殺を図った高齢者の件について調査を進める可能性があると述べた。喪失・悲嘆カウンセラーのパーカーさんは2件の自殺者の家族とカウンセラーとして面談し、「ナーシングホームにはいるためには、それを買い取るだけの資金がなくてはならないという誤解による不安が積み重なった。」と述べている。

The Advertiser, 8, Oct, 1997
'"Uninformerd" fees debate scares elderly, says group'
「”知らされてない”料金論議に高齢者が不安、団体言及」

高齢者グループはナーシングホーム改革について「知らされてない」ため、高齢者が不安を抱いていると非難している。これは2人の高齢者が高齢者ケアの支払いができないことを苦にして自殺をはかったことについて、昨日論議がつづけられた。

高齢者ケア協会理事、ハーリー氏は、多くの施設が連邦政府は改革を急ぎすぎたと考えているが、使用者支払制度の導入は明確で不可欠であることを確信していると述べた。
「高齢者の人たちはそれほど不安を持たなくても大丈夫、このホーム入居制度は支払い可能な人だけが支払うものである」と述べている。ハーリー氏のコメントは、野党が新し前金支払い制度は高齢者に「受け入れがたいプレッシャーを与えている」という非難に対して出された。前金制度はこれまでホステル入居者のみに適用されてきたが、これからはすべての高齢者施設で適用となる。支払額は入居者の資産とその支払い能力に応じる。

ナーシングホームは5年間でこの入居保証金から$13、000ドルを受け取ることができ、残高は入居者が死亡、または退去したとき返却される。その他の変更としては、ホステル入居者で全額年金を受けている者は、賃貸料として週に$5ドル60セント追加を支払うことになる。ハーリー氏は多数の入居者は誤解しているが、ナーシングホームは年金の一部を受け取るだけで、ほんの少額かまたは全く支払わなくてもいい者もいると述べている。

The Australian, 9, Oct, 1997, By G Windsor
'Rent Homes to cover cost of care, PM tells elderly'
「家を賃貸してケア費用をカバーするよう総理大臣、高齢者に告げる」


総理大臣、ジョン・ハワードは、高齢者にナーシングホームケア費用をカバーするため空き屋を賃貸するよう主張した後、連邦政府のナーシングホーム改革施行に変更を加える可能性があることを示唆した。

昨日、総理大臣は「もし家族が高齢者がこの世界に存在する間に、そのケアの援助をすることが可能なら 資産相続が少なくなることを心配して高齢者ケアの援助を拒むのは適切でない。」「私の高齢家族の面倒を見るのは皆の責任であり、これらの資産にいっさい手を触れてほしくないと言うのは適切ではない。」とパースのラジオ番組で述べた。
また前ファミリーサービス大臣のモイランさんをかばって「非常に困難だが不可欠の改革」であり彼女は「すばらしい仕事をした」とも述べた。しかしモイランさんのナーシングホーム入居保証金を支払うため、家を売る高齢者はいないという発言は否定し、彼女が意味するのは、多くのケースで持ち家を使った何らかの手配が必要ということだろうと述べている。
「もし高齢者が家で一人暮らしをしていてナーシングホームに入る場合、その家を賃貸する事がないわけではない・・・それで何らかの収入を生み出せる」とも言った。

ハワード氏は政府と新任大臣スミス氏が、ナーシングホーム改革施行を再検討するが、この方針は実施されると述べ、「我々はこれらの変更は公平で正当だと考える。」と言った。首相は2人の高齢者の自殺に対するコメントは控え、多くの高齢者がストレスを感じていることは理解していると述べた。

ナーシングホームの新料金制度に関連したメモを残した自殺が、80代の男性と女性の2件の異なるケースで、今週報告された。10月から実施された改革では、ナーシングホームに入居する単身者で資産$22、500ドル以上を持つ者は前金として$26、000ドルを支払うことになる。高齢者は入所した最初の6ヶ月は支払う必要がないが、6日以内に入居保証金を支払うことに同意するという書類にサインしなくてはならない。

*注:ザ・オーストラリアンは全国紙。(マティ)

The Advertiser, 9, Oct, 1997, By M King 'Aged 'will be forced to sell up''
「高齢者、売却を迫られる」


連邦政府は否定しているが高齢者委員会は、多くの高齢者はナーシングホームケアの代金を払うため家を売らなくてはならないと述べている。新制度において入所保証金は資産テスト後、最高で$100、000ドルにのぼり、ホームは5年間で$13000ドルを受け取る。高齢者ケア理事のヤェート氏は、60%のナーシングホーム入所者は、病院からの問い合わせによるが多数が個人的・経済的困難を抱えていると述べた。ヤェーツ氏は大多数は入所保証金を支払うため家を売らなくてはならないと考えているが、保証金のほとんどは返還されること、またすでにホームに入居している者には適用しない、1日にかかる費用はその施設の基準の高さによって異なるということを知らず、誤解している人が多いと述べた。

The Advertiser, 13, Oct, 1997
'The new cost of care'
「ケアの新料金」


多くの高齢者は自分の資本を使ってナーシングホームに入ることに憤慨し、不動産は子孫に相続するために持ち続けたいと願っている。多くの高齢者はナーシングホームに入所するのを確実にするため、一生懸命蓄えた資産を使うことを受け入れられないでいる。
ナーシングホームの新料金制度には二つの軸がある:日常(1日)料金と入所保証金である。

日常(1日)料金
全額年金を受領している者は1日の料金は現存のまま、1日$21ドル10セント、または年金の85%を支払う。一部年金を受領している者は、1日$21ドル10セントプラス1週間の収入の$50ドルを超えた分に対し$1ドルにつき25セントを支払う。これまで本人に支払われていた住居借用補助金は、今後施設に直接支払われる。年金を受けていない者は基本料金として1日$26ドル40セントプラス賃貸補助金に相当する額、プラス1週間の収入の$50ドル以上に対し$1ドルにつき25セント。これらの収入には、貯蓄、賃貸家屋、退役軍人手当、退職手当、ビジネス収入が含まれる。

入所保証金
10月1日以前は、ホステルのみ入所保証金を要求することができた。これらは施設の改築などに使われ、保証金のほとんどまたはすべてが入居者が死亡またはホステルを退去したとき返還された。このたびナーシングホームでもこの保証金制度が導入されることになった。

保証金額はヘルス・ファミリーサービス省のガイドラインに沿って決められる。これを施行するために各ナーシングホームでは独自に資本テストを入所可能者に対して施行する。保証金は入所者に$22500ドルを残す額でなければならない。保証金には制限はないが、これは信託管理されなければならない。ナーシングホームは、6ヶ月ごとに$1300ドルずつ5年間受領し、この保証金から施設が5年間に受け取る最高額は$13000ドルで・る。施設はこのほかに信託で保管された保証金の利子を受け取る。もし配偶者や介護者、親族が持ち家に在住している場合、その家は資本テストの対象にならないが、もしそうでなければ入居者はその家を売って保証金を作らなくてはならない可能性がある。

ナーシングホームでは、保証金を支払うことができない高齢者のために何ベッドかを提供する義務がある。英国教会グループでは、最高保証金を$90000ドルにした。「高齢者はスタンダードの高いケアを受けるためには高い保証金を払うだろう」という。
子供たちが生まれ育った持ち家を子孫に相続したいという高齢者にはその家を売却しなくてもいい方法がある。多額の保証金を一度に支払う代わりに入所者はホームに6ヶ月ごとに$1300ドルと保証金によって得られる利子に相当する額を支払うことができる。これが持ち家を売却したがらない人に一番ふさわしい方法である。利子は約9%と市場レートより高いがこれは可能な人には保証金を払うことを薦めるためだという。

ケース1
 Mrs.Wは持ち家がある未亡人で施設へ入居することになった。家は$150000ドルの価値があり、ほかに$87000ドルの資本があった。Mrs.Wの手元に最低$22500ドル残さなければならないので、ナーシングホームは最高$214500ドルをMrs.Wに請求できるが、ホームの請求は$50000ドルだった。Mrs.Wは$20000ドルの一括前金払いと、定期支払いの混合でいくことに決めた。Mrs.Wに返却される保証金は、
1年後・・$17400ドル
2年後・・$14800ドル
3年後・・$12200ドル
4年後・・$ 9600ドル
5年後・・$ 7000ドルとなる。

定期支払い分に対する利子が10%とすると、利子に相当する支払い分は年に$3000ドルまたは月に$250ドルの支払いとなる。

*注:
定期払い分が6ヶ月ごとにいくら請求されるのかが明確にかかれていない。この記事の書き方は、返却額がどんなに多いか、保証金は請求可能額よりずっと低いと言うことが強調されている。高齢者はこのほかに薬代や衣類代がかかる。(マティ)


ケース2
Mr.Cは%90000ドルの価値がある持ち家があり、家族はいない。その他の資本は$15000ドルでとトータル%105000ドルとなる。Mr.Cの手元に$22500ドルを残すとするとホームは最高$82500ドル請求できるが、ホームは$40000ドル請求し、Mr.cは一括払いした。Mr.Cに返却される保証金は、
1年後・・$37400ドル
2年後・・$34800ドル
3年後・・$42200ドル
4年後・・$29600ドル
5年後・・$27000ドル
となる。

ホームが5年間で最高受領できるのは、$13000ドルである。(プラス利子が施設に入る・・マティ注)

ケース3
Mrs.Bは未亡人で施設に入所しようとしている。この家は$150000ドルの価値があり,Mrs.Bを過去6年間家庭で面倒見ていた無職の娘が住んでいる。そのためこの家は資産テストに含まれない。その他の資本は$95000ドルでMrs.Bの手元に$22500ドル残すとすると、ホームは最高$72500ドル請求できるが、実際の請求は$30000ドルだった。Mrs.Bは入居保証金一括払いでなく定期支払いを選んだ。年に$2600ドルのし払いと10%の利子に相当する額として、$3000ドル、トータルにの$5600ドルまたは月に$467ドルの支払いとなり、5年後Mrs.Bの支払いは利子に相当する額のみとなる。



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