シドニー雑記帳
298/299 GEG00343 福島麻紀子 =あなたがわたしにくれたもの=
(13)92/11/07-12/13
1992年11〜12月にかけて STUDIO ZERO にて連載されていた「事実をモチーフとしたフィクション」。どこまでが事実かは読者の想像にお任せします。が、ほとんどの小説は事実がモチーフになっているものなのかもしれませんね。
福島が初めて手掛けた小説であり、テクニック的にも表現も未熟なので、ダイジェストを最初に付けておきます。本当は解説は最後に読んでいただきたいのですが、読んでて意味が通じないと悲しいので(^^*)。こういうのがキライな方は、いきなり第1章から読み進めてください。
【おもな登場人物】
高原悟...某テレビ局で社会問題を扱った番組制作に携わるディレクター。30歳。独身。職業柄モテるが、今は盲目の女性に心を奪われ、人生観から変革しかかっている。次制作番組企画中に、登校拒否の少女のことを知り、とり憑かれたように情報を追いかけ回す。
桜井美奈..小学3年生。対人恐怖症のため登校拒否になり、通い出した精神科医の紹介でパソコン通信を始める。
藤森剛...大手商社マン。36歳。妻:理沙子と2人暮らし。2年前に最愛の娘:ひかり(当時0歳)を出張中に突然亡くしている。韓国との共同プロジェクトに明け暮れる多忙な時期、パソコン通信で美奈と知り合い、メールを通じて励まし続けるが..。
笹野綾子..心理学専攻の女子大学生。対人恐怖症の事例を研究するため、精神科医の紹介で美奈と知り合い、卒論を書く。後に彼女の論文を読んだ高原と、知り合うことになる。
【あらすじ】
●第1章....ストーリーテラー:高原悟
高原は盲目の彼女に刺激を受けて、次番組企画のネタを探していると、登校拒否の少女:美奈のことを書いた綾子の論文に行き当たる。
●第2章....ストーリーテラー:美奈の母親
対人恐怖から学校に行けなくなった美奈を、精神科医に連れていくと、医師からパソコン通信を勧められる。
●第3章....ストーリーテラー:藤森剛
愛娘を亡くしたショックから仕事に没頭していたある日、パソコン通信で美奈を知り、憑かれたようにメールを送る。
●第4章....ストーリーテラー:笹野綾子
退屈な大学生活を送っていた女子大生だったが、大学受験の時に亡くなった父や母の「恐怖」に遭遇し、それを理解したくて心理学科に進んだ経緯を思い出して、転機となるような卒業論文を書こうと決意し、その研究対象として美奈を紹介される。
●第5章....ストーリーテラー:高原悟
綾子が書いた論文を読んだ高原は、美奈に会うために綾子にコンタクトをとり、綾子に会う。綾子は高原を美奈のうちに連れていくことを約束するが、それが何の解決にもならないことを示唆する。
●第6章....ストーリーテラー:高原悟
高原は綾子と一緒に美奈の家を訪問する。美奈は蜘蛛が巣をはる様子を眺めて「巣をはる音が聞こえる」と言う。
●第7章....ストーリーテラー:高原悟
高原は美奈の言葉「どうしてあの人はいなくなったのか」が意味するものに興味を持つ。綾子曰く「パソコン通信で知り合ったおじさんのことではないか」。
●第8章....ストーリーテラー:高原悟
高原の「おじさん」探しが始まる。手掛かりがないまま、公園でぼーっと蝶を見ている時、思いつく。『おじさんは美奈に卵を産みつけて、死んでしまったのかもしれない』新聞の縮小版を読みあさり、過労死していたことを知る。
●第9章....ストーリーテラー:高原悟
高原は過労死していた藤森剛の妻理沙子を訪問し、美奈とのメールを通じたやりとりを読ませてもらう。
●第10章....高原悟と綾子との電話
ラスト。
ORIGINAL:92/11/07-12/13
REWRITE:97/11/11
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