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浅井雄一さん
〜到着後1週間の時点でのインタビュー
傷だらけのチャレンジャー
撮影日:2010年05月16日
高校球児のように「君」付けしたくなる浅井君は、弱冠19歳。高卒後、しばらく仕事をしていたのですが、しかしその佇まいは陸上部でチャリンコ乗ってる高校生!って感じ。
それだけだったら高校球児のように爽やかなのですが、異国で一人で生きていくためには「さわやか」だけではダメ。どうしても戦闘力不足は否めません。世間知らなすぎ。チャリンコに乗って自宅の周囲を走るノリのまま、「ちょっと遠出」感覚のデイパック一つで空港に降り立った浅井君に嵐のような試練が襲いかかったのでした。
「行けば何とかなる」という楽天性はとても大事だし、僕もメチャクチャ推奨しますが、しかし、それは「何とかする!」というガッツと最低限の準備、臨機応変の現場力あってのことで、そのあたりの甘さを「現実」と僕によって叩き直されます。
ここでいう「準備」とは、ネットで情報を漁るとかそんなことではなく、バスに乗る前にちゃんと番号や行き先を確認するとか、地図で現在地を確かめるとか、携帯の充電を忘れて出先でバッテリーが空にならないようにするとか、そういったレベルのことです。
浅井君の場合、自己資金36万円、英語力はbe動詞で既にヤバいということで選択肢は限られており、シェア先は絶対100ドル以下で、しかも英語力がない人にもメチャクチャ優しいオージーを探せというヒマラヤのような高いハードルが課せられています。でもって本人は出歩く度に道に迷って、数時間放浪する事を繰り返すわけですから、もう大変。
かつてこれほどボコボコにされたチャレンジャーはいなかったでしょう。逆にいえばここまでチャレンジングスピリットに溢れた人はいなかったし、短期でここまで伸びた人はいません。
もとより正規の一括パックの対象にもならず、正規料金取ってたらそれだけでドボンなので、本来ならお断りするのですが、真摯さのあまりに殆ど喧嘩腰になっていたメールのやりとりと、僕とお父様との直接のメールのやりとりを経て、条件付きでやりました。一週間鍛えた末に、甘くて見込みがなかったら容赦なく僕がダメ評価をし、お父様に連絡する。1ヶ月後にお父様がシドニーにやってきてそこでまたチェックするという保護観察のような感じで始まりました。お父様も若いときにヨーロッパを自転車旅行したことがあるくらいですから海外の厳しさは知っています。
海外は恐いです。それは犯罪や治安というレベルではありません。事故やトラブルに遭ったときに適切に処置できるかとか(000に情況と場所を的確に英語で言えなければ手遅れになる)、持って行く水の量を間違えたら荒野であっさり死んでしまうというレベルでの恐さです。これは他人任せでは絶対にダメで(そういう甘い気持ちの時点でもうアウト)、最低限の自己管理能力があるかどうかです。第二に、適当にヌルくやること(シドニーで日本人村に沈没するとか、テキトーにラウンドいってファーム仕事で暮らす程度)は可能だし、日本の仕事生活に疲れちゃった人がそれで大いなる癒しと自己奪回を得るならそれもアリだけど、浅井君のようにまだ十分に社会経験を積んでない段階でそれをやっちゃうと、ヘタをしたら逃げ癖や負け癖がついてしまって、一生レベルで取り返しのつかない禍根を残すことです。後者の方が遙かに恐くて、いわば「何とかなっちゃう恐さ」です。「地獄への道は常に美しい花で彩られている」と言いますが、そゆこと。
というわけで、か〜なりスパルタ特訓をしましたし、ほぼ連日深夜に及ぶミーティング(てかお説教)。ほんとはこんな熱血教師みたいな役柄は大嫌いなんだけど、なんせ事柄がイノチに関わるかもしれないから手が抜けないし。それに、彼の人間性は類マレなくらいピュアで真っ直ぐだからオージーや世界の人達から愛されるのは目に見えてたし、初動さえ軌道に乗ったらあとは大丈夫と踏んでましたし。でも、ポロポロ泣きながらも浅井選手、頑張り抜きました。ほんとよく頑張りました。真の勇者とはあなたのことを言うのだ。
結局、「オーストラリアのお父さん」のような包容力のあるロバートさんに出会い、週80ドル個室を見つけ、意思疎通が不十分な部分は何度も足を運んで確認し(同じ所に3回も行った)、遂にシェア移動です。
後日談ですが、1か月後のお父さんチェックもパスし、8週間の学校生活を終えた浅井君は、満を持して日本から送ってもらった愛用のチャリンコでラウンドに出ました。先日、電話をいただきましたが、そろそろアデレードくらいかなと思ってたら、途中通りすがりのオージーに車に乗せて貰ったりして、もうパースの北まで辿り着いていました。声にも自信があふれてたなー。電話でも言ったけど、自信がついて、自分が強くなればなるほど臆病になってください。「そこから先は人家も途絶えるハードな道程だから、、」と言おうと思ったら、「ここから先がかなりハードなんですよ」と本人から先に言われてしまいました。うむ、大丈夫そうね。
後日談その2
あれから1年。
チャリでオーストラリア一周をしていた浅井君が帰ってきました!やあ、すっかり逞しくなって〜。
そのインタビューも録画したのですが、まずは彼に書いてもらった直球の体験談をどうぞ。
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