CLIPS 〜Fragament of Gems/宝石のカケラ
CLIP NO.08:池孝太さん
人生観が変わっていく過程
体験談にも書いていただいている池孝太さんのクリップです。ラウンド先で全然仕事が無くてピンチ!になる巻も面白かったのですが、ここは本格派で、オーストラリア体験を通じてどういう具合にどうモノの見方が変わっていったかという王道部分をクリップとして載せます。
わかりやすいイベント性もないし、いわば「地味」な話なんですけど、とても大事なことなのでじっくり聞いてます。が、こういう話って動画にしちゃうとどうしても長くなります。これも7分の長尺になってしまいます。短くできるんだけど、短くしたら意味が無くなっちゃうというか。しかし、それを延々見るのもツライものがあるので、考えた挙句、全文テープ起こしをして載せました。読む分にはまだ楽だと思うし。
話の内容は、彼の体験談とほとんど同じです。むしろ体験談に書かれている方が深いかもしれない。でも、文字で見るのと、実査に話をしているのを見るのとでは、また全然印象が違う。立体的に「そういうことか」という理解が深まると思います。
話がちょっと入り組んでいるので、じっくり聞くには、先に
彼の体験談を読まれるといいかもしれません。取りあえずは今回の内容に相当する部分を抜粋して右に貼り付けておきました→。
かいつまんで概要を言うと-------、
彼自身はごく正統的な日本のビジネスマンだったのですが、彼の奥さんが海外青年協力隊でスリランカに行っていたという国際派・行動派。奥さんによって彼の世界観が広がり、オーストラリアにワーホリに行くことによってさらに広がる。ワーホリ終期に、奥さんがまたスリランカに行くことになったとき、一緒に行くか or 日本で仕事するか or はたまた第三の道を選ぶか悩みます。視野が広がったといっても、いきなり何もかも行動出来るわけでもないし、年単位のロングスパンで「スリランカに行く」というのもハードルとしては高い。でも結局は一緒に行くことに決めるのですが、そのあたりの「広がっていく感じ」を聞いています。
インタビュー内容全文録
今までけっこう普通に、いわば順調に、学校でてから仕事もそれなりに面白くてってやってきたわけですよね。
で、奥さんが、異なる価値観を持ってきたと。
ははは、はい(笑)。
それで結構自分の幅が広がったわけじゃないですか。あの、前の会社はいいんだけれども、皆同じ価値観で、それがちょっと、、というのを言っておられたと覚えてるんだけど。
ああ、はい、そうですね。
そこに、なんか異物のように奥さんが登場して(笑)、で、分裂するというか、広がるわけですよね。この広がった部分の延長線上にオーストラリアがあったという理解でいいわけですか?
うん、そんな感じです。
オーストラリアに1年弱居るうちに、それはますます強化された?
強化されたっていうか、一回全部壊れた、みたいな(笑)
あ、そんなに大きかったですか。
はい(笑)。
もうちょっと言葉でいうとどんな感じですか?
なんか今まで、こう、大人になったら就職するか、自分で起業するかとか、仕事が中心で、、みたいな考え方だったんですが、
仕事をもって自分を表現する、みたいな?
そうですね。で、そのためには、こういう道とこういう道とこういう道があって、、みたいな、まあそれだけ職業も色々あるんですけど、、、
ただ、まあ、オーストラリアに来たら、特にファームとかいったら、「規格外」みたいな人ばっかりじゃないですか?
ああ、はいはい
もう、仕事は真面目にしないし(笑)。
なんかあったらすぐ辞めるっていうし。
ようするに「ワガママな人達」ね。日本ではちょっとやっていけなさそうな人達
そうですそうです(笑)。
友達がもうすぐ帰るから、一緒に遊びたいから、ボスの所に、朝仕事行くんですけど、「ちょっと今日は調子悪いし、雨降りそうだから、今日、帰りましょっか」みたいな話、ボスにして、したら、「じゃあ、帰ろうか」で二人で帰ってくるんですよ。そんな人がいるなんていうのが、、、
ああ、なるほど、「全力でサボる」みたいな。
はい、そうですそうです!
行ってたファームでも、ちょっと寒くなると、「今日はもう寒いから無理、風邪引くからやめよう」って誰かがいいだして、そしたら皆も「やめよ、やめよ」って広がっていって。
でも、それじゃ稼げないじゃん?稼げなくてもいいから休む方を取るわけ?
そうなんです。彼らの中には風邪引いたら2−3日休まないといけないから、その方がリスクが大きい
ああ、なるほど。日本人の、「とにかく仕事をするのが正しいのだ、美しいのだ」という発想は全くない、という
そうですね。
もう、なんかいろいろ、帰ってきて、休みに海行ったり、キャンプ行ったりして、楽しんで、、、
人生の重心が、遊び?ホリデー、、ホリデーのために生きていて、ホリデーをより充実するために仕事があるんだみたいな
ああ、そうですね、そんな感じですね
生まれてから死ぬまでずっとワーホリやってるみたいな
ええ、そんな感じですね(笑)
で、「そんなのアリなの!?」って
そうですね、ほんとに、もう、ビックリしますね。
そんな生き方を見て、「まあ、イヤだわ」とはあんまり思わなかった?
ああ、イヤとは全然。「すごいいいな」とは思いました。
ああ、いいなって思った、、「こいつら人間の屑だ!」みたいには思わなかった?
ええ、「それもアリだなあ」って。
なるほどねえ、よくビジネス戦士の皆さんとか「これだから外国の連中はダメなんだよ!」って、言うじゃん、よく。
ああ、はいはい。
最初はそう思いましたね。でも、なんか、やってて、それでも、なんか全然お金は廻ってるし、
「あんなんで成り立っちゃう」ってところに結構衝撃を受けた?
これでもイケるんだって
確かに今の日本には必要なことかもしれないねえ、あんなに一生懸命頑張ってるのに経済的にズルズル落ちてって
そうですね〜。
「頑張る」という方法論がなんか間違ってないか、頑張る力点の置き方が間違ってないかって。
ええ。
じゃあ、日本に帰ってまた再就職〜とかはあんまりもう思わない?
いや、まあ、手段として再就職はしたいなあって思うんですけど、でも、それより自分でなんかやった方が、、自由にできるし。
ちょうど大学時代の夏休みのバイトをどうするか?くらいの感覚で仕事を考えているって感じ?
ええ、はい(笑)。そんな感じです。
「バイトしなきゃね」「お金ないしね」みたいな。でも、メインは夏休みをいかにイキイキと過すかの方が課題で、要は「軍資金稼ぎ」だと。
出来たらスリランカ行く前にインドに行きたいなって。近いし。
あの、Donny Brookで「ヘンな人達」に会って、人生観が、悟りが開けるじゃないですか。
いや、「悟り」とかそんな、、、
いえあ、「悟り」だよ、あれは一種の。でも、そのときは、(奥さんと一緒にスリランカに行こうとは)まだ思わなかったわけですか?
ええ、そのときは全然。
まだ、従来路線?今までずっとA型路線があって、それが段々奥さんというB型が入ってきて感染していくわけですよね(笑)。
ははは(笑)、でも、まだA型
まだA型が残っていたわけですか。
こう、切り替わるまでにすごい悩みました、もう。この先どうするか?っていう、選択肢の分岐みたいなものが、今まで10だったとしたら100くらいに、こう、うわっといきなり、、
増えますよね。
オーストラリアに残ってワーホリもう一年やるとか、ビジネスビザとか勉強して取ってとか、大学にもう一回行き直すって手もあるし、他の国にワーホリしてもいいし、日本で働いてもいいし。
ものすごい増えるよね。
すごい増えますね。
それなりに魅力的な選択肢だし。「しょうがないよな、もう就職しなきゃな」みたいな感じではないよね。
はい、どこ行っても何でも出来るなっていうのは。
奥さんとオーストラリアというタッグマッチで攻められてですね、段々A型が薄くなってきたというか(笑)
(うなずき笑)。
でも、(オーストラリア)に来なかったらこうはならなかったんじゃない?
多分、普通に働いていたと思います。
(オーストラリアは)孝太君教育期間みたいな、研修プログラムみたいな、いきなりスリランカはキツイと思うし。
(最初)スリランカに行ったときは、こんな所はイヤだと思いましたもんね。今は全然いけると思うんですよ。
「コンビニがない!」とかいって、それで不幸にならないという。
ええ(笑)。
でも、A型けっこう強かったですね。Donny Brookくらいでぶっ壊れててもいいんですけど。
ああ、そうですね〜、確かに。
やっぱり、もう結婚もしてるし、ちゃんと、なんだ、「世帯を持って」とか、
まあ、そうだなあ。特に親御さんに対しても、なんかねえ、「いつまでフラフラしてんだ」みたいな(笑)
そうですね。帰ったときも言われましたね(笑)。
「どうしたいんだ?」と聞いたら(聞かれても)、なんか要領得ないことを(笑)
そうそう(笑)。
熱に浮かされたように、いろいろ社会を、、とか、世界を、、(笑)、「何を言っとるんじゃ!」みたいな。
そうですよね(笑)
自分で言ってても説得力ないなあみたいな
はい。自分自身に対しても説得力ないし。一回一人でゆっくり考えようと思って。
収録日:2011年8月10日
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