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Essay 961:悪魔の肖像〜すり込まれる対立的構図

〜わかりやくて騙されやすい善悪二元論
〜騙されるとアホになり、アホになると戦争が始まる


2020年11月16日
写真は、Glebe。一昨年だったかな。宇賀神さんが来られたときに、ここでオフやりました。


なんでも二項対立であるワケはない


 アメリカの大統領選はワケわからん状態になってるし、コロナの行く末もまた不透明だし、何が何だか分からない時代になって来てますが、皆さま、ご息災にお過ごしでしょうか。

 混迷する国内外のあれこれを考えているうちに、なんかもう考えない方がいいんじゃないか、というと語弊があるな、考えはするし、むしろさらに一歩進めるんだけど、無理にわかろうとしない方がいいんじゃないか、わからないままカッコに入れて浮かせておいたほうがいいんじゃないか、と。なぜかといえば、僕とあなたと世界の平和のために(笑)。

 最近はですね、従来の世界観でみてるとものすごく混乱することが多いのです。え、なんでそうなるの?って。それで新たな世界観というか、こちらに徳川家康を中心とした新興下剋上グループがおって、こちらに豊臣秀吉亡き後の豊臣家を守る守旧派がおって、、という感じに綺麗に図解できないし、しようとしないほうがいいなと。

 過去のエッセイで、シドニーの路上で行われていた小さなデモの紹介をしました。Essay 533 : Max Brenner抗議デモを考えるというやつで、2011年の話です。その頃一部で行われていたBDSムーブメント(反イスラエル抗議行動)の一環で、抗議する側はリビアの国旗を振り回して叫んでいて、これに対抗する側はネオナチ君とかそのあたり。なんだ、これ?と意味わからなかったんですけど、あとで調べていくと、なんで基本反ユダヤであるネオナチがユダヤ側についているのか?何を呉越同舟やってんだ?といえば、彼らは反イスラムでもあるからです。反ユダヤと反イスラムとどっちを取るか?みたいな話で、ネオナチ君達も悩んだみたいです(笑)。

 つまりこの世界にはいろんな勢力があって、ニ陣営にきれいに分かれるものではない。当事者だって悩むくらいなんだから(笑)。10年前ですらそうなんだから、今はもっとそうでしょう。いや、そんな時代の流れとかじゃなくて、昔からそうかもしれない。「全ての登場人物は必ず2チームに分かれなければならない」なんて、紅白歌合戦みたいなルールは無いですからね。かつて世界史シリーズでパキスタンの歴史をみたときに、あまりの複雑怪奇さに発狂しそうになりました。なぜって「敵の敵は味方」の原理で、印パの対立にアメリカと中国とソ連が乗っかるんだけど、もともと無理があるんですよね。だからどっかで、敵の敵が敵になったりして、あれ?みたいな。日本の戦国期だって基本は群雄割拠で、きれいに東西になるのはかなり最終段階で、「どっちにつくか」で悩んだり裏切ったり。幕末になるとそのリテイクみたいな感じで、戊辰戦争〜奥羽戦争の際にまた皆で「どっちにつくか」で悩んで、二項対立の方がむしろ珍しい。

 ほんでもストレスの多い現代社会では、だんだん皆も考えるのに疲れてきたのか、ともすればシンプルな二項対立の構図にしてしまいがちです。アメリカの大統領選も共和VS民主という形になってますが(本当は他にも候補者はいるし、第三の候補者ジョーゲンセンとか面白い事言ってるんだけど)、あれはたまたまそういう形になってるから二項対立に思えるだけで、実情は違うと思います。

 前回のエッセイではシンプルがいいんだと書きましたけど、あれは個々人の人生の問題です。個人レベルでは本人(自分)が楽しいかどうかという一点に絞ったほうが分かりやすいし、間違いが少ないという話でしたが、こと世界とか社会の話になると、シンプルにしない方がいいと思います。混沌としてて良い、むしろ混沌のまま、よく分からないままの方が、より実際に近いと思う。

 ところで第三次世界大戦がもうすぐ始まる、というのはずっと前から言われています。つい最近もチェコの諜報機関がそういう発表をしました。こういうのは「いつか大地震が起きる」予言と同じで、言い続けてれば必ず「いつか」は当たります。だからあんまり意味ないんだけど、ただ、最近どっかで読んだもののなかに、「対立的世界観を煽るような傾向があるから」→第三次世界大戦は起きるし、ある意味ではもう始まっているという下りがあって、ああ、そうかも、と思いました。今週はそのあたり=対立的世界観の煽り=について書きます。

対立的構図の意味 

 以前、them and us mentality(あいつら症候群)というのをエッセイで書きました。2004年の9月だからもう16年も昔のエッセイですね。それと同じことをまた書くハメになっている。2004年段階では、自分らの周辺によくある風景として書いてただけなんだけど、2020年の段階では世界レベルでどこもかしこもそうなっている。よくない傾向ですねえ。

 「あいつら症候群(them and us mentality)」の意味は、なんでも「私達」と「あいつら」と2つの陣営に分けてしまうモノの見方です。「くそお、隣村の奴ら、又こんなことしやがって!」「許さん!」みたいな話は古い昔から世界中であったと思うのですが、こういう素朴なセクショナリズムやナショナリズムにニアリーな感覚。なんでもかんでも、僕は源氏キミは平氏、、オレは東軍おまえは西軍、という具合にわける。

 もう少しリアルな実例でいえば、僕らは原発反対派で、あいつらは原発推進派、俺らは自民党派で、あいつらは反自民、つい先日の大阪住民投票でも賛成派と反対派、いま話題のアメリカ大統領線でもトランプ派とバイデン派、、、なんでもありますよね。

 でも、今だからこそ力説したいんですけど、そんなに簡単に2つに分けていいの?そんな幼稚なマンガみたいに現実の人間社会がなっていると、本気で思っているの?そんなわけないだろ。

第一の特徴:メチャクチャわかりやすい

 こういう対立的世界観の最大最強の特徴はメチャクチャ分かりやすいことです。分かりやすいからハマりやすい。自分たちは覚醒した正義の味方で、相手方は邪悪な結社とそのプロパンダに騙されている情弱愚民どもという構図は、非常に人間の頭と心にしっくりくるのでしょう。

なんで二元論はこんなにしっくりくるのか

 いきなりで悪いけど、ここで余談です。

 ふと思うのですが、なんでこんなに善悪二元論というのは分かりやすいんだろう?人間の頭脳、大脳認識パターンというのは、そういう二項対立を好むのでしょうかね?そうした方が生存確率が上がるという大自然の法則みたいなのがあるのでしょうか。

 この世の全てが善と悪、光と闇の戦いであるというのは、ゾロアスター教でしたっけ?アフラ・マズダという光の神様が率いる軍団と、アンラ・マンユという悪の神が率いる軍団との永遠の戦いであるという世界観、、、すいません、そんな大雑把に言ってしまったら信者の人に怒られそうですが。

 でも、この善悪に限らず、二元論は人間の思考にフィットします。陰陽二元論でもなんでも、コンピューターのオン・オフ二進法でも、男と女でも、なんでもそう。なんでそんなに人間は2が好きなの?といえば、うーん、わからんけど、多分、人間(というか地球上の多くの生命体)が発生過程で受精卵の減数分裂をするからですかねー?減数分裂というのは、一つの細胞が2つになって、4つになってってやつで、皆も知ってると思います。見た目「増数」なんですけど。ともあれ、こういう成立&発達の仕方をしてしまえば、なんでもかんでも2の倍数になりがちであり、目は2つ、耳も2つ、手も足も2つということになって(まあ、指は5本で奇数なんだけど)、だから2というのは人間生命体の基本的な形式になる、だから二元論というのはしっくりきやすい、のかもしれません。

 二元論親和性が減数分裂まで遡るとしたら(半分冗談ですけど)、そこまで「由緒正しい」というか、深い起源があるならば、これに抗うのは難しい気はしますね。

第二の特徴:塗りつぶし


 話戻します。ともあれ、二元論というのは僕らに非常に馴染みが深いという話でした。それだけにすぐそのパターンにはまってしまう。

 でもそれじゃダメなんじゃないかってことですが、第一の特徴が(もう生物学的にといっていいくらい)「わかりやすい」ということならば、第二の特徴は、すべての事象を2つに色分けして塗りつぶしてしまうこと=目の前の現象の精密な観察や理解を殺してしまうこと=もっと言えば、人間をアホにすること、です。

 そして戦争なんかアホでないとやらないですから、戦争をしかけようとしたら、まず前提作業として人々をアホにしなければならない、そのためには馴染みやすい二元論、こっちは善で相手は悪であるという構図を何度も何度も繰り返して、頭にすり込ませていくのが一番良いだろう。ならば昨今世界レベルでこの対立二元論的な構図で語られる事柄が増えてきているということは、誰かが意図しているのかしてないのかわからないけど、方向としてはヤバい方向に向かってるのではないかという懸念につながるわけです。

 近年の出来事でいえば、湾岸戦争からアフガン攻撃に至る一連の動きです。特に911で、イスラム=テロみたいな印象を強烈に与えて、僕ら平和な世界を願う善良な市民、あいつらはだれかれ見境なくテロで殺そうとする狂信的なイスラム信者という構図を何度も何度も刷り込んで、アフガンあたりが彼らの本拠地だから世界の平和を守るためにはこれを叩かないとならない、ということで現在に至るもまだアフガンに出兵しています。もう20年くらいやってるんだけど、でも、これ何のためにやってるのか分からんよね。

 もう途中から惰性みたいになってきて、どこかテロとの戦いなのかもよくわからないし、今の時点で振り返ってみれば、要するに戦争のための戦争というか、なんかやりたかっただけじゃないの?って気がしますね。最初はフセインという格好の悪役がいて、次にビン・ラディンというイケメンの二代目悪役がいて、三代目がいなくなったのでイスラム国とかいきなり作って、でもあんまり流行らなくて、なんか良く分からないままダラダラ続いている。

 よく言われることですが、ノーベル平和賞をもらったオバマ大統領の時期に、一番爆撃を盛んにやっていて、「米外交問題評議会のサイトによれば2016年は2万6171発、15年は2万3144発を投下」「英国の調査報道ジャーナリスト協会では、ブッシュ政権の8年間でパキスタンにおける無人機攻撃は51回、民間人を含む死亡者は少なくとも410人。しかしオバマ政権では373回、2089人。イエメンやソマリアを追加すればさらに増える」(出典は検索すればすぐに出てきますが、例えば、こことか)。

 この数が正しいのかどうか僕には検証のしようはないのだけど、無人爆撃をやったのはそれを否定する言説が見当たらないことから事実であろうし、米兵のトラウマを避けるためには無人爆撃が良いという背景事情もわかるような気がします。しかし、無人爆撃の場合、非戦闘員をどうしても傷つけてしまうだろうし、実際に傷つけてます。合わせて5万発も投下すれば、すごい話になったでしょう。

 これ中東とかあっちの国だから、ふーんと読んでられるかもしれないけど、もし日本列島に5万発の爆弾を投下されたらどうですか?それをアメリカにやられたら?ましてや中国にやられたら?すごいことしてるんですよね。でもそんなに話題にならないのはなぜなのか?てか、それ以前に、なんでそんなにしなきゃいけないのか、そもそもその理由すらよくわからないのって、おかしくないか。

 なんかもう「イスラムだから(殺しても)いいんだ」「テロ対策なんだからいいんだ」という最初の構図が延々と亡霊のように生き続けているような気がする。だからほんと怖いんですよね、こういう二元論構図は。

 考えてみれば、とくに西欧の歴史にその傾向が強い気がします。キリスト教なんか天国地獄の二元論で(キリスト本人はそんなに力説してないようだが)、また排他性が強い。異教徒は人間じゃないから殺しても良いことになってるし、それが十字軍の侵略戦争の口実になったし、魔女狩りやら異端審問やら、奴隷制度や植民地支配の正当化にも使われた。中国の歴史をみても、そこまでイデオロギーに振り回されたり、正当化しようとはしてない感じだし、もっとプラグマティックですし(せいぜい文革くらいかな)、日本の歴史もそうですね。キリシタン弾圧くらいかな、思想の違いで殺人を正当化しようとしたのは、あと戦時中の発狂状態もそうかも。

 ところで、僕自身、オバマ大統領は嫌いではないですし、彼個人の善意みたいなものは認めているんですけど、だからこそ大統領の実際の権限なんかそんなもんなんだろうな、もっと大きな力には逆らえないんだろうなって気がします。逆に、トランプ大統領は個人的にそんなに好きではないのですが(まあ、利害関係なく遠くから見てると誰でも嫌いになりそうだが)、しかし、戦争はおこしてないのですよね。もっとしたたかというか、なんでそんなに戦争したいの?要は軍需産業が儲かればいいんでしょ?ってことで、NATOとか日本とか同盟諸国を焚き付けてアメリカの兵器をガンガン買わせた。買わせてるだけで、実際には欧州も日本も使ってないのであんまり実害はないという(出典はここなど)。

 まあ、ガラクタ兵器を買わされる日本国民はたまったもんじゃないし、それが単なる怪我の功名に過ぎず、意図したものかどうかはわかりませんが、自分から進んで戦争を起こさず、あんまり人を殺してないという点については、評価してもいいとは思います。

大統領選における二元論

メディアの破綻

 今回の場合、結果がどうあれ、アメリカのメジャーメディアの問題は深刻だと思います。

 読み応えのあるテキストして、米大統領選の「本当の惨めな敗者」が、トランプではなくマスコミである理由というダイヤモンド・オンラインで発表された窪田順生さんの論稿をあげておきます。

 彼によると、
 「ニールセン社の調査によると、大統領選当夜の選挙報道番組の視聴者は、21ネットワークで5690万人。前回16年の大統領選挙時よりも20%減少。選挙は盛り上がっているのに、なぜリアルタイムに情勢を伝える選挙報道を見ないのか。答えは簡単で、「そんなもの見ても意味がない」と考えている人が増えているから」。

 「視聴者数が多いのはどこかというと、FOXニュース(視聴者数1410万人)。バイデン氏の勝利を後押ししたCNNはどうかというと、940万人でこちらは「惨敗」」

 「ハーバード大学ケネディスクールの研究機関、ショレンスタイン報道・政治・公共政策センターが、CBS、CNN、NBC、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリートジャーナル、ワシントンポスト、FOXニュースという7つのマスコミが、トランプ政権の最初の100日間をどう報じたか調査した。それによれば、CNNとNBCはトランプに否定的なニュースと好意的なニュースの比率は13対1。CBSでは否定的なニュースは90%以上。ニューヨーク・タイムズは87%、ワシントンポストも83%、ウォールストリートジャーナルは70%とボロカスに叩いていたことがわかった。」

「唯一FOXニュースだけが、否定的なニュースが52%で、好意的なニュースが48%だった。日本のワイドショーに出ている立派なジャーナリストの皆さんは、「あれはトランプを宣伝する御用メディアですから」などと蔑むFOXニュースが、実は最もフラットだったのである。」

 「2018年1月、ナイト財団とギャラップ社が発表した1万9000人を対象とした調査では、報道に政治的偏向が「かなりある」と感じる人は45%で、1989年調査時の25%からかなり増えている。しかも、共和党支持者になるとこれが67%とドカンと跳ね上がり、民主党支持者になると逆に26%とガクンと下がる。

 日本の場合も似たりよったりで、「公益財団法人「新聞通信調査会」が行った令和元年度(2019年度)の「メディアに関する全国世論調査」では、「新聞」の信頼度は100点満点中68.9点で、「NHKテレビ」の68.5点を上回った。しかし、どのメディアでも調査開始からじわじわと落ちてきており、信頼度が低くなったとした理由のトップは「特定の勢力に偏った報道をしている」(53.9%)だった」

 そして窪田氏が最後とにまとめとして書かれていること、「マスコミまでプロパガンダを始めてしまうと、国民は何も信じられない。こうなるとあとに残るのは、「猜疑心」と「異なる思想をもつ人々への憎悪」のみだ」「こんな時代だからこそ、ジャーナリズムには、異なる政治信条の人間を許容する懐の深さが必要」というのは、本当にそう思います。

 実際、英語メディアの世界では、依怙贔屓というレベルではなく、ただの悪口大会みたいになってて、もうメディアとしての体裁すらなかったし、読むのが苦痛というか、見るのも不潔って感じ。オーストラリアのメディアは、さらに輪をかけてというか、アメリカ発のメディアを無批判に垂れ流すだけ。もう、なんというか、オーストラリアの絶望的なまでの田舎性、後進性を見た気がしますね。在京のキー局の報道をただ垂れ流すだけのローカル局と同じ。


悪魔の肖像

 さて、ここで、バイデン派とトランプ派に真っ二つに分かれたのですが、ここで僕が思うのは、なぜ真っ二つに分かれるのか、どういう人達がどう思っているのか、そしてなんでアメリカのメディアはああも民主党寄りなのかです。

 どちらの陣営も、相手のことは悪魔のように邪悪に描きますよね。メディアや民主党からすれば、トランプ支持者は、銃を振りかざしてハーレー乗ってるマッドマックスみたいなイカれた連中で、白人絶対的なレイシストばっかりという描き方です。トランプ側からすれば、バイデン派は悪の枢軸のようなアメリカ国家を裏から支配している連中と、彼らがとなえる偽善的な言説に愚かにも騙されている人々ってことになるのでしょう。

 だけど、実際にはトランプは7000万票は確実に取っている。実数でいえば史上最多と言われたオバマ以上に取っている。いくら自由なアメリカといえ、そんなマッドマックスみたいなのが7000万人もいるわけがないです。そういう部分を切り取って映像化してるからそういうイメージになってるだけでしょ。また、冷静にみると、黒人、ヒスパニック、ラティーノ、アジア系など従来は民主党を指示していたマイノリティもかなりトランプに入れている(過半数はバイデンだけど)、歴代共和党のなかでは一番多いくらいだと。そんなにひどい大統領だったら、国民の二人の一人が支持するわけないでしょうに。また、上院下院選挙においては、従来の議席数からすれば、むしろ民主党の方が負けたといってもいいくらいだし。

トランプ・共和党支持者

 ここから先は僕の勝手なイメージです。
 まずトランプの支持者は、なんであんな無茶苦茶な(てか、そうメディアに描かれているのだが)トランプが好きなのでしょうか?何が良いのか?

 今回の選挙でも、トランプはアメリカの真ん中あたりの中西部に絶対的に強くて、ニューヨークやワシントンDCなどの東部海岸とカルフォルニアやシリコンバレーなどの西部海岸ではバイデン民主党が強い。Real Clearというかなり正確と言われるサイトによると、Wyomingなんかトランプが70%以上取っています。他方、ワシントンDCなんか物凄いのですが、93%をバイデンが取っている。

 大雑把に言ってしまえば、アメリカの政財界のエリート層、勝ち組系の東西海岸と官僚の聖地のようなDCでは民主党系が強く、地方にいくほどにトランプや共和党が強い。

 じゃなんで地方にいくほどトランプは強いのか?です。思うに、時代の流れによって「割りを食ってる」感が強いんじゃないかな。昔ながらの古き良きアメリカ的に頑張ったら報われる(これは日本も同じだが)でやってるんだけど、産業は空洞化して長年工場に勤めていたのにクビになってしまい、エリア全体が沈下してるから再就職もなく貧困を強いられる中高年層とか、将来に希望を見いだせない地方の青年層とか。ニューヨークの金融会社、シリコンバレーのIT会社、ワシントン周辺の中央官庁に就職できるのは限られた一部の成功者であり、だれでも出来るわけではない。

 そしてそれは誰が悪いと言うよりも、全体にシステマティックにそう流れてしまっている、大きくそう仕組まれている。こんなに自分たちは大変なのに富裕層はますます富裕になり、株価は関係なくどんどん上がる。なんだ、これは、冗談じゃないよって不満はあるのでしょう。

 本来なら、そういう社会的弱者に手を差し伸べるのはトランプ共和党ではなく、民主党のお家芸であったはずです。だから伝統的に民主党はマイノリティに圧倒的に強かった。だけど、オバマあたりからなんだか雲行きが変わってきて、民主党議員とその支持者周辺もビジネスエリートや財界系が多く、結局彼らも全体に不公平な世の中を仕組んで押し付けてくる仲間なんじゃないかって感じになっていったのかもしれない。

 陰謀論でいうディープ・ステイツというのがあり、「裏の政府」「影の権力」みたいなもので、この世界を本当に動かしている力を持ってる人々という意味ですが、ブッシュの頃は軍産複合体やネオコンという分かりやすいタカ派連中と、石油資源利権と、昔ながらに金融的にアメリカを動かしているユダヤやイスラエル系だったんだけど、だんだん力の重心が、軍からビジネス財界、金融、そしてGAFAのようなIT巨大企業と、そしてマスコミ、要するに高偏差値のお勉強が出来る子ちゃんたちに移っていったような感じもします。

 もっとも「重心」といっても、どっかの御本尊みたいな作戦司令本部があって、そこには「御前」という呼ばれている老人がおって、、とかいうB級映画みたいな話ではないと思います。それは、兵庫県明石市が日本の時間の基準時のエリアに指定されているようなもので、ちょうどそのあたりが全国的に見て真ん中だという意味での重心です。明石市にいくと、地磁気の影響か何かで異常に正確に時間が流れるとかいう話ではない。そこになにかがあるわけではない。それと同じようにアメリカのパワーの重心といっても、全体からみてちょっとこっちにシフトしてきたのかなーくらいの意味です。

 いずれにパワーの源泉がどうのとかいうのは、地方の普通の人達にとっては恩恵のない話です。民主党に裏の権力が寄ってきたとしても、あの連中(人権尊重の民主党)は口先は優しいし、いいこと言うけど結局なんにもやらないし、アテにならない、信用できない、だから彼らの仲間のような奴が大統領になったら同じことだ。オバマには期待したけど、結局とりこまれてしまったじゃないかとか。ま、そこらへんは人それぞれで一概に言えるものでもないだろうけど、そういう漠たる感覚はあると思うのですよね。

 で、トランプがなんで彼らに人気があるかといえば、どう見ても「やつらの仲間」には見えないからだと思う。実際違うし。支配階級の中に組み込まれることで力を持ってるわけではなく、自分で稼いで富豪になってるわけだから、誰にもしがらみはないし、言いたい放題やりたい放題できる。その点が魅力なんだろう。だからこそ「やつら」としては、パワーエリート達としての「協調性のない」トランプが邪魔でしょうがないのかもしれない。

 実際、トランプの得票率は、ワシントンDCという霞が関のような中央政官界の選挙区では、群を抜いて低いのですよね。わずか5.5%しか得票してない。もう95%がトランプの敵であるという。権力の頂点に立ちながらも、お膝元の中央政治エリート達にここまで不人気な大統領というのも凄いとは思いますが、これは逆に、エリートには縁のない庶民からすれば、「俺達の代表」という親和性を生むのかもしれないです。



 あとは生理的な体質みたいなものでしょうか。アメリカは昔から社会主義や共産主義が嫌いなんだけど、それは自助精神がすごく強くて、それが銃規制をガンとして認めない点にも出ているのでしょうが、とにかく自由にやらせてくれと。過保護な母親みたいに、アレをしろとかコレはいけませんとか一々言われるのが嫌いなのでしょうね。これがコロナのロックダウンに対する反発感情のベースにある。

 イメージとしては、とある小学校の教室で、放課後の掃除をサボって遊ぼほうけてる馬鹿男子に向かって、賢くて真面目で気の強い学級委員長の女子が、「男子も掃除やんなさいよ!」って説教してる構図が思い浮かびます。それが長じて中学高校になると、イケメンで爽やかで成績も良い生徒会派が、勉強もろくに出来ず授業をフケて遊んでる(ヤンキーとまでは言わないまでも)「やや自由な」生徒達に対して、「キミ達、それはやめたまえ」とか説教してる感じ。

 アメリカという国は、イギリス、あるいは欧州各地、そして世界中から、はみ出したり、野心ありすぎる連中が集まった国だから、お上品にやるのは性に合わないのかも。なんというか、「本宮ひろ志の国」みたいな感じで、この世の善悪の秩序は、崇高で親切な理念や思想ではなく、「男気」で決めるという。気に食わなかったら殴り合いで決めたらいいんだけど、ただし、勝負はフェアでなければならない。タイマン&ステゴロでなければならないとか、そこらへんはやたら厳格。勝負に勝ったやつは、それがどんな人種、どんな身分だろうが等しく称賛される。そのあたりが共和党支持者のベースにあるのかもしれないですね。

 その意味で、トランプの傍若無人で「やんちゃ」なキャラは、彼らにとっては、忌避すべきものではなく、むしろ微笑ましいとか、好ましいものかもしれない。大阪では、粗野な乱暴者を「ゴンタ」と言いますが、妙な親愛感もあるのですよね。「ははは、あいつもゴンタだからな〜」てな感じで、困ったもんだけど、そんな忌むべきものではない、元気があってよろしいにニアリーな。東京の下町だって、「火事と喧嘩は江戸の華」っていうくらいだから、軽い暴力沙汰は祭りくらいにしか思ってない部分もある。少なくとも庶民階層においては、暴力絶対反対!という思想はあんまり無い。今だってそうですよね。少年マンガ誌の大半のページは殴り合いとか喧嘩闘争の描写ですからねー。

 だけど、説教がましかろうか、押しつけがましかろうが失業して困ってるんなら、民主党的な弱者救済をしてくれるならいいじゃないかって思うんだけど、その構図自体が気に食わないのかもしれないです。これは福祉とか人権とかの永遠の課題っぽいんだけど、大体、その種のことを頑張ってやるのは、自分たちは恵まれている人が多い。頭脳にも財力にも恵まれているから、余裕があって、その余裕で善行をしているわけで、これは施しを受ける側からしたら屈辱的な感じでもあるのでしょう。そもそもなんでお前らが勝ち組なんだよって部分で不満がある。ゲームのやり方がフェアじゃないんじゃないかと。

 さらに、そういう民主党的な善意の救済みたいなものって、必然的に大きな政府になるので、国家がなんでも管理するようになる。そのことに対する薄気味悪さもあるのだと思います。全てを完全に管理されてしまうディストピアであるとかね。



 と同時に、最近では中国脅威論がカップリングしているみたいです。民主党的な福祉的な方向性というのは、社会主義の方向性であり、だからこそ中国共産党との親和性が強いって感じになるのでしょう。なぜか異様にトランプ推しで頑張ってる中華系アメリカのメディアEpock Times(FBでもちらっと紹介したけど)に在米中国人学者の程暁農氏の論説が掲載されていて(日本語版もあるけど簡易すぎてわかりにくい)、
”Communism has spread in America under names such as socialism, progressivism, liberalism(後略)(共産主義は、その表現を社会主義、進歩主義、自由主義と変えることで、すでにアメリカに潜入している)。
"the Democratic Party, is no longer the political party it used to be. Over the decades, it has gradually been infiltrated by the same Marxist ideology"(現在のアメリカのデモクラッツ(民主党)は、過去数十年において少しづつ共産主義的なものに変質し、かつてのそれとは全く違うものになっている)
"The CCP has carefully studied the U.S. system over the decades and now has successfully taken advantage of our open society and infiltrated our country." (中国共産党は長い時間をかけてアメリのシステムを注意深く観察し、どうすればその思想的種子をアメリカに浸透させるかを学んできている) "Internally, we have far-left groups such as Black Lives Matter(中略)、Antifa、is similar to the CCP’s Cultural Revolution, which destroyed the cultural heritage and traditions of the nation. It is an anti-American movement, just like the Cultural Revolution was anti-Chinese.” (極左のBLMやAntifaは、中国における文化大革命と同じ現象である。文革が反中国文化であったように、これらは反アメリカになる)。

 ほう、なるほどって感じで、実際に中国政府の圧政から逃れてきた連中にこう言われると妙に説得力がありますな。確かに、共産主義やその種の思想は、明瞭である分、その国の伝統的価値観や文化を根こそぎ塗り替えてしまう劇薬でもある。本来は善意で出てきた発想であっても、国民を強烈に思想統制し、洗脳ロボットにするだけのパワーはあるでしょう。政治的に悪用しやすい。

 だけどバイデン民主党派がみな共産主義万歳のレールの上にあるのかというと、それはどうかなって思う。そういう部分もあるかもしれないけど、全部がそうだとは言えないでしょ。民主党の背景にあるビジネスエリートが仮に中国と結びついているとしても、それはビジネス上の莫大な利権があるからでしょ。思想的なことではない。ただし、「善意にかこつけて人を支配する」というメソッドは彼らも得意だから親和性はあるかもね。だけど、もともと共産主義のルーツはマルクス、エンゲルスであり、メッカになったのはフランスのパリなんだからヨーロッパ発の思想であり、中共はその地域的亜種に過ぎない。

 ここは論じてると面白いんだけど、なるほど、そういう物の見方もあるのかってことです。そして、それが、民主党的な(ともすれば偽善的に感じられる)お説教をウザく感じるアメリカ的な人々にとっては、いい理論的支柱になるのかもしれません。「男子も掃除を〜」と説教食らっても、「うるせー、ブス」くらいの頭の悪そうな反応しか出来なかったのが、カッコいい言い方を教えてもらった、みたいな(笑)。
 しかし、この論理でいくと、国がなんらかの善意でなにかをしようとしたら、全部、中共の陰謀になってしまいますよね(笑)。

バイデン・民主党支持者

 これはこれで分かります。背景のディープステイツがどうのとか、その奥の本尊におわしますエリートさんやパワフルな人達はよくわからないけど、普通の一般市民で民主党を支持する感覚は、これは分かります。

 だってさ、言ってる事自体は間違ってないですから。「男子も掃除やんなさいよ」的にお節介に響くかもしれないけど、やっぱり男子も掃除をすべきですよね、しなくて良いという理屈はないでしょう。

 それに、そういう主張というのは、単にキレイゴトで言ってるわけではなく、その現場の被害者からしたら、長年の抑圧と屈辱の歴史であるし、もう血を吐くような訴えでもあるわけですよ。少なくとも当事者はそうだし、その周辺の家族や支持者、それらを組織して力を持ってきた人々にとっては、100%リアルなもの、人間としての全存在をかけての叫びのようなものです。

 僕自身の本来の地は、「野垂れ死にはてめえ持ち」的な、勝手に死ぬからほっといてくれよ的な共和党的な部分にあるとは思います。しかし、同時に、弁護士というバリバリ民主党的な職域において見聞してきた体験でいえば、あれらは決して浮薄なキレイゴトではない。実際にそれで人が何人も死んでたりもするし、その理不尽な現状に対する怒りは凄まじいものがありますよ。誰だって目の前で見たらそう思うでしょう。

 だからどっちに分かるような気もするのですが、民主バイデン推しだからといって、誰も彼もがアメリカという国家体制を利用して甘い汁を吸おうと思ってるわけではない。てか、そんなのは率で言えば0.01%かそのくらいでしょう。そんな民主支持するだけで甘い汁が吸えるわけがない。それなんで吸えたら、それはもう「甘い汁」ではないですよ。ごくほんの一握りの人だけしか吸えないからこそ甘いのだから。

 では多くの人達はどうかといえば、個人的な体験やら、心情、信条やらで、「それはあかんやろ」という感覚でいるのでしょう。例えば、LGBTの友達がいて、それがもとで自殺してしまったとか、その友人の苦悩と苦痛を思えば、そういう差別感情や実態について表現できないような悲しみと怒りを感じるだろうし、それが一つの信条になるでしょう。でもそれは素朴な人間として情がもとになっており、別に社会主義思想にかぶれているわけでも、いわゆる左翼だからってわけではないですよ。

 確かにその種の社会正義系を真剣に考える人は、どちらかといえば富裕な層が多いだろうし、教育水準も高い人が多いでしょう。そういうことを考える余裕も能力もあるわけだから。同じマルチカルチャルなシドニーでも、富裕白人層の多いサバーブの方が、むしろ人種差別とかその種の問題には敏感ですし、対処も進んでいるといいます。むしろ被差別的なエリアのほうがダメだという。もっともこれも統計的にそうだというだけで、実際の感覚ではそんなにわからんですけどねー。

 そういえば、「現地の事情はこうです」とかいうけど、僕も海外現地に26年住んでるけど、分からんよ、そんなもん。どこに住んで誰と接してという要素の方が強いですから。あなただって日本に○十年住んでて、日本はどうですか?日本人は常に○○と考えるとか、そんなの一概に言えないでしょう?それと同じですよ。どういうエリアに、どういう立場で生きてるかによって見える風景は全然違います。だから、海外レポートや体験談なんかでも、そのあたりは割り引いたほうがいいです。しっかりしてる人なら、「私からは」こう見えたという言い方(全体としてどうかは分からん)をするでしょうけど。

 同じように民主党だから、共和党だからといって、そんなに絵に描いたような画一的なキャラがあるわけでもないとは思います。

 また、東部の高収入高学歴のエスタブリッシュメントが一概に悪いわけでもないです。日本でも「上級国民」なんかもそうだけど、単に年収が多いとか、高いステイタスを得ていることが「悪」なわけではないです。それを得るだけの正当な努力、能力、手続でそうなってるなら称賛されるべきでしょ。問題はその正当性がおかしい点であり、それは大いに論議されるべきだが、しかし、地位そのものが悪いわけではない。

 例えば、NYで年収5000万でバリバリやってる人に言わせたら、貧しい職工の家に生まれた俺がここまでくるのにどんだけ努力したのか知ってんのか、オフクロは俺が小学校の頃に出ていくし、親父はアル中だし、そんなところから這い上がるためにどんだけ勉強したか。奨学金を山程借りて、大学も就職も、そして今の職場も、周囲はみんな化け物みたいな連中ばかりで、一秒たりとも気が抜けないし、夜も眠れないし、週に一度は精神科に通ってるし。地元に残ったお前らなんか、牧場主の息子とか地主の跡継ぎじゃないか、いいよな、大した不安もなく、努力もせず、昔の連れと飲んでうだうだ遊んでればいんだから気楽なもんだよ。そんなお前らが、俺らを批判するんじゃねーよって、ことくらいは言いたいかもしれないです。

 それは確かに絵に描いたようなステレオタイプはいるでしょう。共和党系でも、昔ながらのゴリゴリの白人親父で、有色人種なんかハナから見下してるような傲慢なクソ野郎もいるでしょう。一方、民主党系でも、人々の善意を搾取するように己の利権にすり替える奴もいるだろうし、やってるうちに自己目的化していって、ゴリゴリになってしまう人もいるでしょう。でもそうでない人もたくさんいる。大体、政治のことなんか四六時中考えているほど皆さんもヒマではないですもん。毎日の仕事もあるし、趣味もあるし、恋も家族も友達もあるしで、いざというときに「うーん、まあ、今回はこっちかな」というくらいだと思いますよ。

 つまり、百人おったら百の意見や感性のありようがあるのであって、そんな二大陣営に塗り分けられるわけはないでしょう。でも、それをやってしまうのが、対立的世界観だということです。

 本当のことをいえば、アメリカは真っ二つにわかれて内戦状態だ〜とかいうけど、言うほど分かれているわけではないでしょ。同じ人だって、時と場合とテーマとケースによって、あっち行ったりこっちにしたりするでしょうしね。

 また、中西部は共和党で、ビジネス海岸エリアは民主系とかいっても、多くは4対6とかそのくらいであり、接戦すぎて手作業でリカウントしてるところもあるくらいなんだから、拮抗しているところもある。ということは、中西部であっても、民主党的なありかたの方が良いと思う人は沢山いるわけだし、その逆もしかりです。

 なんか、最終的にどちらが取ったかによって、その州が赤とか青に文字通り「塗りつぶされる」わけなんだけど、あれはあれで誤解を招く表現なのかもしれない。ほんとは赤と青の無数のモザイク模様で、一見してどちらが多いかなんかわからないってのが本当のところでしょ。

ちなみに混沌の図式

 アメリカの内情もまた混沌としてて、片や昔からのユダヤ金融資本の支配的構図があり、イスラエルとのしがらみがあり、一方では中共とかロシアの侵略があり、金融資本の暴走がありつつ、都市部ではリストラ貧困化した中産階級が悲鳴を上げ、農村部ではジリ貧状態が続いて軍隊にでも就職するしかないけど、派兵されたら精神を病んで帰ってくるいう状況があり、マイノリティや被差別側にとってはレイシズムもセクシズムも相変わらずの状況が延々と続きまくってうんざりしてるし。

 民主党内部も一枚岩ではないし、ANTIFAやBLMの中核に居る連中は、日本の右翼の街宣車と似たようなもので政治的に出動してるわけで(暴力の政治利用という意味では極左も極右も同じ)、今回もバイデンが当選したらBLMの中核幹部から「当然見返りはあるんだろうな?」と恫喝まがいの公開書簡を送っているくらいです(これはメジャーメディアでも隠してないので検索すればすぐ出てくる)。ただ、中核部がそういう政治つながりがあったとしても、その大義に乗ってくる大多数の一般市民は普通に善意で動いているから、中核がそれをコントロールできなくなってってこともありうるでしょう。

 一方、今回はバイデン側が不正選挙をしかけてくるのを予期したトランプ側が、準備を整えて証拠収集をして告発するためだという絵解き解説があり、話はすでに集計ソフトのドミニオン社になり、その資本関係やソースコードになり、実は世界レベルで「活用」されており、ベネズエラのチャベス様にもご贔屓いただいていましたって話もあります。ほんとかどうかはこれからですけど、民主党内でも、候補者レースから降ろされて不満の消えないサンダース支持者側から告発に協力する話もあり(米民主党工作員、選挙不正の手法を暴く 「すでに常態化」)、混沌としています。

 ま、ほんとかどうか、この際全世界レベルで選挙は本当に公正にやられているのか?をテーマに徹底的にやるのも良いですよね。どうしたら不正が行われないような方法にしたらいいのか、全ての選挙に国連監視団がつくべきとか、集計ソフトの全てのログは保存され、全世界に常に公開されなければならない。民間の素人アナリストがいつでも検証できるように(こういうのが一番正しかったりするし)とか。

 一方、アメリカ国内でもこれだけの勢力がなんだかんだやってるなら、中国もロシアもそうでしょうよ。表に出てこないだけで、中国国内の権力闘争はさぞや熾烈を極めているでしょう。中国は中国で、軍部、共産党、新興財閥、地方官僚組織、、、いくらでも登場人物はいますから、中国内部のディープステイツもあるでしょう。中央政府の汚職撲滅は苛烈を極めているらしいけど、あれって正しいからやってるというよりも、ライバルを蹴落として地位を安泰にするためにやってるんだと思えば納得もいきます。逆にいえばそのくらいムキになってやらないと、すぐに寝首をかかれるわけでしょう。

 ロシアにしても、裏からロシアを支配するオルガリヒに対して、プーチンが徹底弾圧して天下を取ってるけど、いまだに火種はくすぶっている。そういえば、先日、プーチンの反対派のリーダーとかいう個人ブロガーが毒殺未遂でドイツに運び込まれたという話が立ち消えになってますけど、あの奥さんの実家の方がオルガリヒと繋がってて、それとアメリカのどっかがつながってて資金援助とマスコミ演出が行われたという話もあります。ほんとかどうか、でも、立ち消えてるなー。

 先程のEpock Timesの中共組織の共産主義洗脳とかいう論理も、なんか古い気もしますね。今の中国のどこが共産主義なのか。資本主義というか拝金主義でしょう。天安門事件のあと政府から国民へのメッセージは、君たちにイデオロギーとか表現の自由は与えないが、その代わりに「金」は与える、金持ちになれるチャンスだけはふんだんに与えるから、それで我慢しろ、というものだったという説がありますが、その後のなりゆきは、たしかにそんな感じ。だもんで、Epock Timesの論理も、あれ本気でそう思ってるのかな?建前じゃないの?本音は別の部分にあるんじゃ?という疑問もあります。

 というわけで、もう、ぜーんぜん分かりません(笑)。
 ただ、その中でも特にわからないのは、なんでメジャーメディアがあそこまで肩入れするのか?です。なんかもう露骨すぎて、それがイヤだから共和党に入れたとか、もうこいつらの言うことは全部信じないって人も増えたと思うから、逆効果だと思うんだけど。いやそれでも順効果の方が大きいのだ、大衆はそのくらい馬鹿なのだってことなのか、あるいはむしろ意図的に暴走することで一旦リセットかけようということなのか、あるいはメディアは一般にネットに押されて貧困化が激しいので、金のためなら何でもやりまっせーになってるのか、そのあたりは謎です。


他の事例〜大阪の住民投票

 この種の事例はいくらでもあります。先日行われた大阪の住民投票でも僅差で真っ二つにわかれました。あの賛成派と反対派では描かれている人間像がかなり違うのですよね。

 反対派からしたら、あんなの維新の利権漁りに他ならず、やりかただって嘘ばっか撒き散らしやがって、もうあいつら信用できんってこともあるだろうし、あるいは、なんとなく市がなくなるのは寂しいという漠然とした郷愁で思う人もいるでしょう。

 賛成派からしたら、うじうじ現状維持に凝り固まってるから日本は前に進めないのであって、維新が清廉潔白とは言わないけど、前に進めようという点は評価してもいいんじゃないかってことでもあるのでしょう。現状を変えたいと。

 僕個人の意見は、あれは争点以前のレベルというか、詳しくは大阪市廃止仕掛ける黒幕は誰か 外資や財界の代理人・維新などによく分析されてますが、要は利権でしょ。大阪市が持ってる財源のうちの2000億円を府に吸い上げるという。維新は府も市も握ってるから同じことじゃないかと言うと、違うんだよね。フリーハンドに使える予算は大きければ大きいほど利権として甘くなるのですよ。細かく階層別にして予算を割り振ってしまうと、固定費的に支出する分が決まってるから、自由に使える分が少ないから美味しくない。だから階層を減らして自由資金を増やしたい。それをカジノであろうがなんであろうが大きなプロジェクトに集中的に使えば儲けもでかいって、そういうことでしょ。

 今現在でも各区役所の窓口業務の大半は、すでに竹中氏のパソナに委託してるんですよね。そういう形で細々とは儲けてるんだけど、もっと大きくってことでしょう。それが証拠に、住民投票に破れても、要は実質を果たせばいいってことで、今度は住民投票にかけずに、大阪市の430の事務権限と財源を対象にして府に一元化する条例案を来年2月の府・市議会に提出するらしいです。これ、同じことやんね。名を捨てて実を取るというか、本音が出ましたねーという感じ。あまり全国紙の話題になってないところが、日本のメディアのクソなところだけど、詳しくはここを読むといいです。

 民間委託や大きなプロジェクト「だから」悪いというわけではないのだけど、あの騙しみたいな不誠実なやり方が、すでに何かを物語ってるとは思います。

 だけどね、そうかといって、賛成派の人がみんな、騙されている情弱愚民とは思わないし、思うべきではないでしょう。そもそも維新の台頭を許したのは、それまでの運営に問題があったこと、それに対する住民の不満が鬱積していたという土壌があったわけですよ。僕がまだ日本にいた頃は、友達の弁護士が、市役所見張り番やオンブズマンなどのボランティア活動をやって、公金天国みたいな財政浪費を監視することはしてたわけで、正すべき問題はあるだろう。賛成派には、それをなんとかしようという純粋な意思はあるわけで、手法に対する評価が多少違うだけのことで、そんな不倶戴天の敵ってわけではないと思いますよ。

 だけど、それを反対派は、なんでも反対の「左翼」の連中でとか、馬鹿みたいに現状維持に固執する老人どもとかいうも「悪魔の肖像」だし、賛成派は、維新のミエミエの嘘にコロっと騙される知能指数の低いDQN連中とかいうのも、同じく悪魔の肖像ですよね。

そんなに簡単なわけないだろ


 僕らがなすべきは、どんなに善悪二元論が魅力的で、わかりやすかろうとも、そのわかりやすさに転ばないことであり、リアルに物事を見ることだと思います。「リアル」にですよ。ほんとにそんなマンガみたいなキャラが実在し、しかもそういうのばっかりで埋め尽くされていると本気で思ってるの?そんなわけないだろ。

 またそこまでシンプルに世の中割り切れるなら、なんの苦労も要らないですよ。僕も苦労しないし、あなたも苦労しない。そんなに割り切れるんだったら、「こうすれば売れる!」「こうすればモテる!」という方程式がバーンと出来て、そのとおりにやれば誰でも成功できる筈です。でもそんなことはまず無い。なぜか?変わるからですよ、もう数十秒という単位で人の心なんか変わるから。前提条件やら関連事情やらの微妙なバランス次第で、YESになったりNOになったりするからです。「女心と秋の空」です。世の中そこまで単純ではない。もし、そうなら、Our life would be much easier!ですけど、Sorry my friend, that's not the caseです。そうは問屋が卸さないから、僕もあなたも苦労してるんでしょうが。

 そもそも自分自身が割り切れないでしょうが。あるときはAがいいなと思い、でも夜中になってベッドで思うのはBであったりするわけですよ。夢と冒険に生きずして何の人生じゃあ!ってときもあるし、いや、だけどそうは言っても現実は厳しいわけで、もう少し堅実に、、、とか思うときもあるでしょう。24時間間断なくモニターできる自分においてすら、「俺は○○!」「私は○○」とか言い切れないのが「リアル」でしょ?他の人だって同じだって。

 そんな善玉悪玉二元論で全てが割り切れると思った時点で、戦争はもう始まっている、少なくともその道を歩き始めていると思った方がいいです。そこは警戒的であれと。

 そのためには、何もかもがクリアに分かるとは思うな、です。あまりにも明瞭な視界を求めすぎると、ありえないくらい状況を単純化しようとする。そして、そこに悪魔の肖像が描かれるし、相手が悪魔に見えた時点で、もう戦うしかなくなってくる。かくしてドンパチが始まる。それをどっかの誰かがゲラゲラ笑いながら高見の見物をしてるかもしれない。

 ならば、あまりにもわかろうと思いすぎないことです。ある程度はカッコでくくって、ぼやかしておく。現実に対する「畏(おそ)れ」というか、謙虚な気持ちは持ってたほうがいいかと。そうですね、感じとしては「彼(女)の気持ち」くらいに。「うーん、今ひとつ良くわかんないんだよなー」くらいで。あんな近しい人ですら分からないんだから、会ったこともない奴の何が分かると言うのさ。

 特に日本の場合は、もう意識的にでも混沌としておくべきかと。なぜかというと、日本というのはホモジーニアス(単一化)社会で、すぐに同調圧力で「心をひとつに」とかイッコにまとまりたがって、それが風通し悪くなるからです。一つになるくらいなら、二項対立ですらまだマシです。ダイバーシティとか横文字使って唱えるだけではなく、異物異論の混在を認めるべき、慣れるべき、むしろ混沌としてないと気持ちが悪いくらいになった方がいいと思います。





文責:田村


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