シドニー雑記帳


アロマ新ブランド設立物語 Part 1

〜 設立準備段階の舞台裏 〜






      すでにお気づきの方もおられるかと思いますが、アロマ&クレイセラピーの通信販売コーナーにおいて「福島独自ブランド E-conception」をデビューさせました。同時に、「アロマの部屋」を全面改装工事が終わり、一息ついたところです(といっても、キャンペーンの関係でまだまだ大忙しなのですが)。ここらで、新ブランド設立話を舞台裏からご紹介したいと思います。






      新ブランド設立の背景


      まずは、なぜ「独自ブランド」なんぞを設立することになったのか?という裏話です。

      5年前にシドニーに来て以来、なぜかハマってしまったアロマセラピー。そこで知り合ったのが、オーストラリアではプロ仕様品として名高いブランドを扱う、シドニー卸のAさん。3年ほど前から彼女が扱う商品をこのホームページを通じて紹介し、日本のユーザーの方々に提供してきました。

      「アロマ物語」のバックナンバーをご覧いただければお分かりのように、最初はズブの素人でしたから、右も左も分からないままに、自分で使ってみていいぞと思ったものを少しずつ提供していたわけですが、私自身の興味が深まるにつれ、どんどん扱う品種が増えていきました。同時に、「月に一度来るかどうか」の発注が徐々に増えていき、お客さんからの「こんな商品ないですか?」のリクエストも戴くことが多くなり、そんなこんなで、気付いてみたらエッセンシャルオイルからコスメティクス素材に至るまで、総勢300種類近い商品を扱うようになっていました。

      また、自分自身の興味関心と、お客さんに後ろ押しされる形で、私自身も相当勉強させていただきました。本や資料はもとより、卸で企画される講習会、カンファレンス等で開催されるワークショップなどにも積極参加しました。お客さん(という立場の「アロマ仲間」だったりします)から教えていただいたことも沢山あります。また、卸のAさんには毎回仕入れにいく度に、質問し、あらたな知識を得・・・という具合に、個人的にAさんに教えていただいたことは数知れません。

      おかげさまで、単なる「個人輸入サイト」としてよりも、「アロマ情報ページ」としてユーザーの皆さんには定着してきたのではないかと自負しております。売上げ的には、デカ腹抱えた私が一人でやってることからも推測がつきますように(^^;)、まだまだビジネスと呼ぶには貧弱なレベルではありますが・・・。




      ところが、今年に入って、日本で某学校を経営されている方(仮にHさんとします)からクレームが入りました。戴いたお便りは非常に長いのですが、一言でまとめるなら「Aさんの商品を販売しないでくれ」という趣旨でした。Aさんの会社とは独占契約を結んでいる上、Aさんの商品はとても品質が高く繊細なものなので、インターネット経由で顔も見えない素人相手に販売できるものではない、とのことでした。

      後半の「顔も見えない相手に云々・・・」部分については、私なりにきちんと説明することが出来ますので、さほど気になりませんでした。この方はインターネットによるコミュニケーションの深さや可能性についてよく御存知ないようですし、私のやり方やポリシーに関してもこの時点では誤解されているようでした。

        後日談になりますが、この誤解については後々お手紙等を通じてHさんにはご理解いただきました。また、私もHさんとのやりとりを通じて、勉強させていただいたことが多々あります。こうしたキッカケを作ってくださったHさんとの出会いに、ひとつの「縁」を感じないわけにはいきません。


      しかし、独占契約問題については気にかかります。AさんとHさんが独占契約を結んでいることは以前からAさんより聞いており、「私がオーストラリア国内で直接Aさんから仕入れたものを日本市場に出すことに関してはこの独占契約の範囲外なので気にしなくてよい」と許可を得ていました。が、Hさんからクレームが入った以上は、契約当事者であるAさんに再確認する必要があるでしょう。

      そこで、Aさんと緊急ミーティングをもちました。やはりAさんとしても、お得意先のHさんからのクレームを受け入れないわけにはいかないという立場でした。独占契約ですから、日本市場に同じブランドの商品が別ルートで入るという事実があってはHさんのビジネスに支障があるわけです。事情を伺えば、私としても当然のクレームだと思います。

      これでAさんは、私も含め、日本市場に彼女の商品を販売している人には商品を卸せなくなるでしょう。「他にAさんのようないい卸はないだろうか?」「もしかして、アロマ通販は中止かなあ?」と一瞬、弱気になりました。

      ところが、Aさんはタダモノではない。Hさんにとっても私にとっても納得のいく、いや、私にとってはこの上なく有り難い「すばらしい解決策」を提示してくださったのです!

        「マキコ、あなた、自分のブランドを作ってみない?」

      この提案にはちと驚きました。だって、私には特別な資格も卸のコネもないんですから。そりゃあ、私もAさんみたいに複数の卸から納得のいくものを厳選して、独自のブランドを作れたらどんなにいいだろうと思ってはいましたが、「そんなの夢だよなあ」と絵空事のようにしか考えられなかったわけです。

      私の気持ちを率直に話すと、Aさんは「サプライヤーになる上でなんら資格は必要ないこと」「オーストラリアあるいは国際的な法律上、注意しなければならないこと」を説明した上で、「あなたにも十分できる!」と勇気づけてくれるわけです。さらに「卸についてはAさんが仲立ちになって信頼できる会社を紹介してくれる」とまで言ってくださいました。なんてなんて、ありがたいことか?! もう「天から降ってきたボタモチ」です(^^;)。

      もっともAさんとは週に2〜3回は顔を合わせ、商品のことだけでなく、世間話してくるような関係になっていましたし、私の仕入高が伸びていることもよく御存知でしたから、「クレームついたから、ハイ、さよなら」という対応はしないだろうなあとは楽観視していたのですが、それにしても、こんなありがたいオファーはない!!

      そんなわけで、危機一髪状態から一転して、バラ色人生と相成ったのであります。お客さんに背中を押され、サプライヤーに手を引かれて、ここまでやって来た、という。なんだか夢みたいに理想的な展開です。・・・が・・・。




      準備のプロセス − ルポ


      ところがどっこい、人生そんなに甘くはありません。考えれば考えるほど、そして現実に動き出すほどに、数々の解決しなければならない問題が山積みされていることに気付きます。自分でどうにかなることはひたすら頑張ればいいとして、誰かの協力を得なければどうにもならないこと、もしかしたら誰の協力も得られないかもしれないこと、などなど。

      ここで、新ブランド設立に際して、どんな問題をどんなふうに解決してきたのかを、赤裸々に綴ってみましょう。




      ★商品検討 〜信頼できるサプライヤー探しは難しい

      まずは、Aさんに紹介してもらったサプライヤーからサンプルを取り寄せることにしました。サンプルを比較して、どの会社のどの種類を商品として選択すべきかを検討しなければなりませんから。

      この時点で私は妊娠4ヶ月。つわりはもう去っていますから、香りをかいでも気持ち悪くなることはないけれど、嗅覚的にふだんと同じなのかどうかも気になりました(結果的には妊娠中の方が嗅覚はかえって鋭くなっていたみたいです)。そこで、日本にいるプロの方に協力をあおぎ、サンプル比較検討作業を一緒にやってもらうことにしました。

      いきなり、日本出張です。しかし、既に人目にもしっかりと膨らんでいる、双子が入っているお腹を抱えて、一人で日本出張なんかしても大丈夫なんだろうか?という。お医者さんに「日本行ってもいいですか?」と聞くと、「いいよ〜、行くなら早く行っておいで」と言われました。

      そこで、1月末に急遽航空券を手配し、「来週には出張」という段取をしました。サンプル依頼する前段階として商品&価格リストを入手しなければならないのですが、これが頼んでいるのに届かない。翌日には届くハズのところが、1週間近くかかったりして、もう、出発ギリギリ、ハラハラものでした。

      余談ですが、こーゆーところが、「オーストラリアの怖さ」です。「納期」という概念が基本的にないですし(あるんだろうけど、日本の常識・皮膚感覚からすると「納期はない」としか思えない)、届くはずの郵便物がいつまで経っても届かないなんてことも、珍しくありません。なんたって、銀行が振込み金額間違えたりするくらいですから。社会全体に蔓延した、このいい加減さたるや、日本の感覚で期待していたら、こっちが気が狂います(^^;)。まあ、長いこと生活していると「そういうもん」として、諦め、慣れ、やがては自分も同じペースにハマっていき、ハマってみると意外とこっちの方が居心地がいいことを発見したりするのですが。

      ともあれ、幸い日本出張中には依頼しておいたサンプルを手にすることが出来、とりあえず商品検討ミーティングは無事済みました。全部で200種類くらいの精油を比較しました。検討作業に使わせていただいた部屋は、最後の方にはもう精油の香りでムンムンでした。
      比べてみると改めて感動するのですが、やっぱり今まで扱ってきたAさんの商品はモノがいいんですね。ただ、一部に「それほど素晴らしくもないかなあ」というものが混じっていたりして、品質にバラつきがあることは事実。そういう商品に関しては、Aさんご推奨のサプライヤーが扱う中でベターなものがあれば入れ替えるという具合にしました。




      この日本出張のあと、精油、キャリアオイル以外の商品(主にコスメティクス素材)についても検討しようと、他サプライヤーをいくつかあたってみました。取り寄せたサンプルは良くても、サプライヤー側の商品知識があまりにも貧弱だったり、こちらの質問にきちんと答えてくれなかったりするケースが結構あることには閉口しました。

      私は自分が使ってみて「これは納得!」と感じたものしか扱いたくありません。しかも、これからは特に、「私のブランド」として発売するわけですから、私自身が皆さんに自信をもってオススメできる商品しか出したくないんです。品質、使用感、価格もそうですが、商品情報についてもきちんと仕入れたいし、納得したい。

      ところが、私が出してくる質問あれこれについて「なんでこんなことまで聞くの〜?」という雰囲気を感じてしまうこともママありました。「私ら、タダのサプライヤーなんだから、そんなことまで知るわけないじゃないの!」ってな感じ。どうやら、こういった業界では、間にたくさんの業者が仲介に入っているようで、商品そのものの情報があまりにも貧弱にしか伝わっていないようなんです。さらに、そういった仲介業者に渡った時点で、なんらか手を加えられているかもしれず(たとえば保存剤や一部の成分を加えるとか)、そこらへんの情報がとても曖昧なんです。

      だもんで、そういう対応する卸はバッサリ切りました。モノはよかったり、価格的にもお値ごろだったりしたのですが、信頼できない相手から買ったものを他人にオススメするわけにはいきませんから。多少仕入れ値は高くなっても、商売が下手そうでも、信頼できる卸から仕入れたいです。




      では、信頼できるサプライヤーとはどういうところなのでしょうか?

      先にも触れましたように、この業界、間に仲介業者が入っているケースがほとんどです。ですから、仲介業者の数が少なくて、製造者からダイレクトにモノを買っている卸ほど、その商品の情報を正確に把握している、ということが言えそうです。プロ仕様の精油を扱うメーカーでは、買い付け担当者が世界じゅうを飛び回り、あちこちで知り合った精油製造者と懇意になった上で買い付けていますので、その意味では信頼性が高いでしょう。既存卸の場合、私もその買い付け担当者に何度か会っていますし、彼のアロマ・精油観もある程度把握していますので、彼が買い付けたものならば・・・という信頼感は持てます。

      ちなみに、私が精油を買い付けている卸では、ガスクロマトグラフィー分析器も持っていますから、ロットごとの成分品質管理も行っています。リクエストすれば分析結果も出してくれます(有料ですけど)。ただ、彼らのポリシーとしてはガスクロ分析にはあまり頼りたくないみたいですね。参考にはするけれど、ガスクロでは計れない品質(香り、エネルギー)というものが大事だと考えているようです。

      もうひとつ、これが非常に重要だなあと思うのですが、「サプライヤー自身が同時にユーザーでもあること」。大手さんになればなるほど、その会社の1スタッフにとっては「たまたま勤務している会社の商品」にすぎず、自分で使ったこともない人が結構いたりします。そういう人には何を聞いても無駄ですね。資料片手に「この商品に含まれる成分は・・・」という説明は出来たとしても、実際使ったことがない人の説明は聴いていて空回りするばかりです。

      その点、自分自身がまず使ってみて、惚れ込んだ商品を売っている人の場合、なにを質問しても「私の使用感では・・・」「個人的には・・・」というコメントが付いてきます。ここらへんで信用度に差が出てくるなって、私は思います。だって、自分の商品を使ったこともない人が売っている商品なんて、ちょっと使う気になれないでしょう?





      ★価格設定 〜「あの〜、見積り、まだ来ないんですけど・・・」

      さて、扱いたい商品が決まったところで、価格設定の段階に入ります。新ブランドへの切り替えに際して、私としては「ユーザーにとって使いやすい容量・手頃な価格」に揃え、お客さんが興味のあるものを気軽に選べるよう配慮することがひとつの目的でしたので、卸値はとっても大事なキーポイントでした(新ブランドのコンセプトについては、こちらで別途紹介しております)。

      今回からバルクで仕入れることによって、手間は増えても原価は多少落ちるものと見ていましたから、容量を減らしても実質値上げとせずに、容量に応じた価格設定ができるものと期待していたんですね。つまり、容量を半分にしたのなら、価格も半額にする、というように。ふつう、容量を減らしたら割高になるものですが、それをなんとか最小限に抑えたいと考えていたんです。

      ところが、見積りが来ない・・・。先にもお話したように、ここは「日本」ではなく「オーストラリア」ですから、特に納期に関して多くを期待できないことは分かっています。
      しかし、今回はさすがにまいりました。依頼した見積りが出てくるのに2ヶ月待たされたんです。2ヶ月ですよ、2ヶ月!!

      毎週のように「あの〜、どうなってますでしょうか?」と催促するのですが、その度にゴチャゴチャと言い訳が返ってくるのですが(要するに「忙しい」と言いたい)、日本だったら「見積り出す以上に忙しいことなんかあるんか?」と思っちゃいますよね。競争も激しいですから、見積り提出が1時間遅かったら、それだけで他の会社に取られちゃいますし。でも、私としては「ここから絶対仕入れたい」と思っていたので、辛抱強く待ったわけです。向こうさんもそれを分かっているんでしょう、足元見られてるっつーか(^^;)。

      どうやら、「オーストラリア人は見積りがキライ」という傾向があるようです。この卸に限ったことではなく、オーストラリアのビジネス全体に蔓延する、ユル〜イ雰囲気。「なんで見積りなんか必要なのか分からん、見積りだけ貰っといて発注しない客とか結構いるじゃんさ、こんなの労力の無駄だよ・・・」とグチる営業マンもいます。見積りの速さで競争どころか、見積り出す意義すらわかっていないという。これじゃあ、経済発展しないわけだよなあ。

      何度かブチ切れるかと思ったけど、「他人の仕事が遅いと文句を言うまえに、自分がやれることをすべてやってしまいなさい」と自分自身に言い聞かせて、できることから先回りして仕事を進めました。おかげさまで、見積りが出てくるまでには、もうほとんどの仕事は終えていました(^^;)。

      さて、出てきた見積りですが、まあまあ納得できるものでした。品質のよさで勝負しているメーカーだけに、かなり強気の卸値設定ではありましたが、「これなら容量を減らしても実質値上げしないでいけるぞ」という目処はたちました。





      ★ラベル作り 〜家内制手工業?!

      モノと容器が揃ったところで、商品ごとのラベルを作らねばなりません。最初は印刷屋さんに依頼しようかと考えたけど、無駄が多すぎるのですね。なにしろ商品扱い数が200種類以上あるわけで、それぞれの商品に必要な枚数は多くても50枚とか知れているわけですから。イチイチ印刷屋さんで版を起こしていたら、大変な金額になってしまいます。

      そこで、自分のパソコンでデザインして、自分のプリンタで印刷するという、原始的な方法をとることにしました。ものすごく注文が来るようになったら(いつのことやら?)、印刷屋さんに廻すかもしれないけど、しばらくはコレで行くしかないでしょう。

      ラベル印刷用にプリンターとラベル印刷用紙を検討し、購入しました(ちょっとした投資)。ラベル印刷用紙はいくつかの種類を試しましたが、やっぱり日本製は品質が全然いいですね〜。安くはないですけど、ホンモノの印刷っぽく仕上りますし、水や油がついてもインクが落ちないのがウレシイ。

      ラベルのデザインは、自分で、自分が持ってるソフトを使ってやりました。ロゴマークの「おやすみ猫」は相棒田村が昔からよく落書きしていたものですが、これも再度書き起こしてもらいました。意外なことに、この「おやすみ猫」マークが好評を得ているようで、制作者も大変喜んでいます(^^;)。

      さて、手がけてみて、ラベル作りの作業の膨大さに、ふと気付くわけです。考えてもみてください、200種類以上の商品ラベルをいちいちデザインして、必要事項を入力していくわけです。商品名にはじまって、ややこしいラテン語の植物名やら、含まれる材料やら、さらにはロットナンバー、使用期限まで、いちいちマニュアルで入力していたのでは気が狂います。「こりゃ、ブチ切れるのも時間の問題だ〜」と悟り、夫に相談しました。

      こういう時、理系の夫を持っていると便利です(^^;)。私のニーズを聞くや、なんとデータベース・アプリケーションを開発してくれました。データベース上に各商品ごとの情報を入力しておくと、自動的にラベル・デザイン枠に選択した商品の必要事項が入力されるというシステム。これは便利! 私が使っているのが日本語アプリケーションだったんで、だいぶ梃子摺ったみたいですけど、「Fuck!」を連発させながら、1週間くらいで完成させてくれました。




      ラベル印刷用紙はカットしていないタイプなので、自分でカットしなければなりません。A4シート1枚から10〜30枚ほどのラベルが出来上がるので、これをサイズに応じてカッティングしていくわけです。最初は夫が「会社に大きなカッティングマシーンがあるから、それ使えば簡単だよ」と言うので甘くみていたのですが、これが全然使えないことが判明。ラベル印刷用紙はプラスティックのような素材で出来ているので表面がツルツルしていて、機械では固定できず、すべってしまって思うように切れない、ということなんです。ガーン、ショック。

      さて、どうやってこのプラスティックのつるつる紙をカッティングしていったらよいのでしょうか? こういう難題が待ち受けていると、「なんとか解決してやる」と勝手に盛り上がるのが、理系エンジニアの習性です(^^;)。ハードウェアの店に通い、いろいろなガラクタを買い集めてきては、ヘンテコな装置を作ってみたりと、いろいろ試していました。

      最終的にはセメントを塗る時に使う、取っ手の付いた平たい金属版に、ゴムを貼り付けたもので印刷用紙を固定し、まな板の上で、カッターナイフで切る、という、なんとも原始的な方法が一番効率よく正確に切れることが分かりました! しかし、この何百枚というシートを一枚一枚、カッターナイフで切るってのも、とんでもない作業です。夫は土日はもちろん、平日帰宅してからも、約1週間かけて、黙々とシートを切り続けました・・・。産業革命前の家内制手工場の時代に舞い戻ったような1週間でした。

      現在、夫の友人(デンマーク在住)がこのシート用の特製カッターマシーンを開発したる!と張り切ってくれています。この人もエンジニアの習性を持ち合わせた便利な人だったりします(^^;)。





      ★梱包問題を解決する 〜梱包テーブルの制作

      今度は梱包問題の検討。

      いつも私自身が手で梱包しています。キャリアオイル瓶はプラスティック製のぷちぷちバブルが付いたシート(あれの正式名称は何というのだろう?)を巻き付け、漏れるかもしれないウォーター類はビニール袋に入れ、精油類は紙に包むという具合に、イチイチものによって対応しています。今までの経験上、破損事故になりにくい梱包方法を編み出してきているのですが、これが手間と時間がかかる。

      この梱包作業を見ていた夫は「もうちょっと何とかならんのか?」と考えたらしく、シュリンク包装を提案してきました。ビニール製のシートでモノを包んで、熱を加えるとシュルルルとビニールが縮んで、中身を動かないように固定させる包装方法です。

      シュリンク包装に必要なものは、ビニールシート(シュリンクする特別なもの)、シートをくっ付けるための電気ヒーター式のシーラー、そしてシュリンクさせるための熱風ドライヤー。これらは一体どこで、どのようにして、いくらぐらいで入手できるのだろうか? 皆目検討もつきません。そもそも、このシュリンク包装によって、梱包作業が幾分かは楽になって、破損事故を防げるのか?というと、これまた不透明です。

      そこで、シュリンク包装をしているボトルメーカーに問い合わせ、シュリンク屋さんを教えてくれと頼みました。さっそく紹介されたシュリンク屋さんに電話すると「ウチじゃビジネス規模が大きすぎるから、相手にならない」といわれ、その代りにもう少し小さい規模でシュリンク用品を扱っているオジサンを紹介してくれました。

      電話で話すと「あんたのニーズにかなうかどうかは分からないけど、一度やってみるかい?」ってことで、オジサンの工場に出向きました。シドニー郊外にある小さな工業地帯の一角にある建物の、そのまた一角を間借りしたような小さなオフィス兼工場。オジサンが出てくるまで、オジサンの相棒という別のオジサンが相手してくれました。。

      「僕はキウイ(ニュージーランド人)なんだよ。ニュージーランドも政府のバカげた農家保護政策のおかげで景気悪くてね〜、だから同業者は皆オーストラリアに出てきちゃったよ。最近シドニーにはオーストラリア人はいなくなったねえ、ウチも他の国から来た人ばっかだよ。オージーなんて、もう絶滅しかけた原住民だからねえ」などと、過激な雑談をしていました。

      さて、当のオジサンが登場したところで、私が持参したオイルの瓶類を並べて見せました。さっそく合いそうなサイズ、厚みのシートを1巻持ってきて、シュリンク実験。おお、なかなかプロっぽい仕上がりではないか。時間的にもほんの一瞬で出来てしまう。中身は全然動かないので、瓶同志がぶつかりあうことによる衝撃は完璧に避けられるぞ。ちょっと懸念していた熱のオイルへの影響だが、ドライヤーみたいなもので一瞬風を吹き掛けるだけなので、これならオイルの品質が劣化することはなかろう。

      というわけで、シュリンク包装用具一式、買い付けてきました。そして、翌日には中古家具屋にいって手頃なサイズのテーブルを買ってきて、夫がまた一日かけて改造を施し、梱包用テーブルを作り上げてくれました。シュリンク包装はシュルルルっと収縮する瞬間が楽しいので、思わず遊んでしまいます(^^;)。一旦梱包されると、全然動かないので、瓶同志がぶつかり合って破損することはまったくなくなるでしょう。が、実際に使うのは複数のキャリアオイル瓶やウォーター類を同時発送する時くらいになるかも。精油については、別途考えています。




      今までに起こっている破損事故はほとんどがキャリアオイルです。といっても、ガラス瓶自体が割れたというケースは最近はメッキリ減りました。これはビニールのぷちぷち包装をしっかりすること、複数のキャリアオイル瓶がある場合には動かないように固定すること(シュリンク包装のメリット)で、ほぼ完全防御できるとみています。

      しかし、「漏れ」という問題が残っています。キャップはしっかり締めているはずなのですが、郵送中に多少漏れる。これはどうも、飛行機内の気圧変化と温度変化によってもたらされる現象のようです。気圧と温度が下がる事によって、中身のオイル体積が膨張するのですね。その膨張に押されて蓋が次第にゆるみ、多少のオイルが漏れる、と考えられます。

      これを防止するために私が出来ることといえば、「オイルを多めに入れすぎないこと」です。おそらく5〜10%程度は膨張するものと考えられるので、瓶内にスペースを残しておくこと。「お客さんから容量が”少なすぎる”とクレームが出ないように、表示量以上に瓶に目一杯いれる」という考え方もあるのですが、そういうサービスをやると、かえってアダになるようです。




      精油の梱包方法については、これまた検討中で結論は出ていません。もっとも精油の場合は瓶が小さいせいか、破損事故は今まで一度も起きていません。が、「漏れ」という自体はマレにですが、発生するようです。原因は輸送中の振動ではないかとみています。今までの経験では、どうも新聞紙とかわら半紙のような紙類の方が、ビニールのプチプチやシュリンク包装等よりも振動による衝撃を吸収してくれるらしいことは分かっているのですが。

      本来は箱などに1本1本収納した方がいいのでしょうが、その分のコストを売値に上乗せしたくはないですし。これまた夫の知り合いが容器を作ってくれるという話もあるのですが、どんな容器にしたらより品質を保持できて、より破損(漏れ)しにくくなるのか、もっと研究を重ねないといけません。





      ★在庫管理 〜欠品ゼロを目指そう!!


      さて、商品たちが揃ってきたところで、どこに保存するか?という問題があります。引っ越したばかりの家には幸いなことに、奥に「昔ガレージだったと思われるワークショップのような倉庫」があります。ここを改造、整理すれば、立派な「アロマ倉庫」に変身するのでは?と考えました。

      まずは不要なものを処分し(これが大変、この地域では市役所が粗大ゴミを取りに来てくれない)、スペースを作る。掃除をする。買ってきた棚、冷蔵庫を設置する。古い棚を改造する。作業テーブルを設置する。・・・これらはほとんどが夫の仕事でありました。私は「ここに、この高さで棚を設置して」と、エラそーに指示するだけ。出来上がってみると、うーん、なかなか立派な倉庫です。

      さてさて、在庫管理システムを考えなければなりません。200種類もある商品の棚卸しをするのは大変なので、できれば注文データとリンクさせて、「何個売れたから、今何個残っている」という具合に在庫を管理したいもの。そこでまた、夫の登場。見積り、受注、顧客管理、在庫管理を一環したシステムで出来るようなデータベースを作成してもらっています。ああ、本当になんて便利な夫を持ったのでしょう、ワタシは・・・。




      ところで、今まで私の通販をご利用になった方はお気づきかと思いますが、「欠品なのでしばらくお待ちください」となる確率がわりと高いんですね。今までは私自身は在庫を抱えずに、注文がある度に卸に仕入れに行っていました。ですから、卸の方で欠品しているとなると、私にはどうにもできない。それも「いつ入荷されるか」が非常に曖昧だったりします。「明日入る、明日入る」と毎日いわれ続けて、2週間入らないなんてこともザラにあります。

      私はこの欠品現象が不思議で仕方ありませんでした。なぜこんなに頻繁に欠品が起こるのか?と。だって、自分が在庫を抱えているなら、完全に欠品する前に(たとえば、あと残り3本になったらとか)前もって発注しておけばいいじゃないの!と思うわけです。自分の在庫が0になることを完全に避けることだって可能なはずだと。

      今回の新ブランド立ち上げに際して、卸のAさんに倉庫と在庫管理について思い切って聞いてみました。すると、「月はじめに大きなオーダーをするようにしている、あとは在庫が無くなったらその都度注文する」とのこと。要するに「欠品を絶対に避ける」という発想はないわけです。

      なんでなんで?と疑問だったのですが、最近ようやく分かってきました。これは、この卸が特別レイジーだとか、イケナイとかいう問題ではなく、オーストラリア社会全体に蔓延する「ノーウォーリーズ文化」の一環なのだと。

      そういや、どこで何をオーダーしても「欠品」はツキモノです。これはアロマ関連商品に限ったことではない。大手スーパーでも、1週間以上も商品棚が欠品でまっさらに空いている状態をよく見かけますし。
      最初は「精油は生鮮品だから」と勝手に納得していましたが(製造者側が生産をやめたりするケースもあるから、そしたらサプライヤーをイチから探さなければならないし)、そういうケースも確かにあるものの、日常よくある欠品はそういう理由ではなく、単純に在庫管理が甘いからなのです。つまり、在庫管理をちゃんとしようという意欲がない、さらに言えば、在庫管理を完璧にするだけコストと労働力をかける意味がないのでしょう。

      夫の会社でも在庫管理がとってもいい加減なんだそうです。発注が来て在庫を確認するまで欠品していることに気付かない、欠品していると欠品している商品のみを発注する(まとめて欠品しそうなものまで発注すりゃいいものを)。で、この事態を特に問題視していないんだそうで。

      考えてみると、一社だけで頑張って欠品ゼロ運動をやっても無駄なんでしょう。すべての会社がこの調子なんだから、いくら1社が頑張ったところで、その卸が在庫管理をきちんとしていなければ、いくらサバを読みつつ発注しても、欠品ゼロを完全に防ぐことは出来ないわけですし。それに、「いつも在庫が揃っている」ことは競争上アドバンテージにもならないのでしょうね。もっとハッキリ言えば、オーストラリア社会には「競争」というものがほとんど存在しないから、こんな横並びのいい加減なビジネス姿勢で通る、とも言えると思います。まあ、これからはアメリカ資本が入って来たりして、オーストラリアも世界競争に呑み込まれていくのでしょうが、イージーゴーイングなオージーがどこまで対応してくれるでしょうか??

      私としては今後在庫を抱えてやっていく以上、当然欠品ゼロを目指したいと思っています。欠品ごときで商品の到着を楽しみに待っておられるお客さんをお待たせするのは、とってもとっても心苦しいです。ところが、こりゃあ、かなり難儀なことになりそうだなあと思わざるをえません。今回も「サバ読み発注」をしているのですが、このサバが私が読んだ程度のサバでは収まってくれないのですよ(^^;)。完璧サバ読みをしようとすれば、今の倍くらいの倉庫と予算が必要になるでしょう・・・。

      というわけで、私としては努力はいたします。が、そうそう日本人感覚では通らない社会にいるという事で、ちょっと多めに見てやってくださいね(^^;)。





      ★精油の品質管理 〜エネルギーにより熟成する?!

      在庫を抱えるからには品質管理が大変重要です。私が扱っているものはどれも比較的シェフルライフの長い商品ではありますが、倉庫でどれだけ品質を劣化させずに保存するか?は、在庫管理問題と連携して検討すべき課題です。

      数ある扱い商品の中でも、精油はもっともセンシティブなので厄介です。厄介というより、興味深い実験対象というのが、私の実感なのですが(^^;)。

      精油の品質、香りを左右するのは、品種、産地、栽培方法の他、その年の気候といった自然条件が挙げられます。また、当然のことながら収穫から抽出に至るまでのプロセスで差が出てくるでしょう。そして各国の産地から送られてくる間の環境。ここまでは私のコントロール外です。できるだけ、いいものを、信頼できるサプライヤーから「選択」するしかありません。私が精油の品質に直接関与できることといえば、倉庫内での保存期間をどう過ごさせてあげるか?、また、小瓶に移す時にどんな配慮をしてあげられるか? にかかってきます。

      具体的にいえば、気温に注意するとか、外気(特に酸素)との接触を避けるようにするとか。こういう基本的な問題に対しては、冷蔵庫を購入して冷暗所に保存するとか、2ml入の精油については(ドロッパー付きの5mlボトルを使っているのでボトル内に酸素が入ってしまう)、移し替えの際に窒素充填する(←ここまでやってるメーカーはそうそうないでしょう)といった方法で対処しています。ここらへんの化学的問題に関しては、もう夫のプロパーですから、大丈夫、完璧です(^^;)。




      しかし、コトはそう単純ではなく、もっともっと微妙な「なにか」が精油に影響を与えるものと考えられるのです。いわゆる、科学では割り切れない「なにか」です。

      精油とは、植物のエキス・血であり、言ってみれば「生命体」そのものでもありますから、抽出されたオイルの中に、生きたエネルギーが存在してもおかしくはない。そのエネルギーが人間や自然の影響を受けて変化するというのは、ありうるハナシだよなあと。

      たとえば前々から不思議に思っていたのがロバート・ティスランドの精油(マギー・ティスランドではありません、為念)。高価なことでも有名ですが、その分品質的にはやっぱり優れていると思います。あのメーカーの精油には、種類が違っても一環して共通する、なんともいえない独特の「ノリ」があるように感じます。マイルドで熟成されたかのような香りと、静かなエネルギー、とでもいいましょうか。しかも、いつでも同じ品質を保持しているようです。まったく同じ産地から同じ方法で買い付けていたとしても、年によって気候も違うし出来/不出来もありますから、毎年まったく同じ精油が採れるわけはないのに、不思議なことです。

      おそらく、なにがしかの「調整」をしているのではないか?と思うわけです。「酢酸リナリルなど天然に含まれる成分を加えたりして、あるいは同じ種類の別ロットの精油をブレンドしたりして、多少成分調整しているんだろう」といった推測も聞かれますが、私は、そういう化学的な調整だけではなく、目に見えないエネルギーの力を借りた何らかの「調整」が行われているような気がするわけです。たとえば、ピラミットパワーとか、気功とか、魔法とか、加持祈祷とか(^^;)。例は突拍子もないですが、要するに物理的に何かを加えるといったことではなく、スピリチュアルな作用を引き起こすようなものを加えているような気がしてしょうがないのですね。




      こんな話を卸のAさんにしてみたところ、彼女はこうコメントしてくれました。

      「確かに精油には何がしかのエネルギーの影響を受ける性質はあると思う。たとえば、まったく同じレシピのブレンドを3人のひとに作ってもらうと、出来上がったブレンドは微妙に香りが違ったりするでしょう? 人それぞれがもつエネルギーが精油に影響するんでしょうね。でも、そんな微妙な違いを察知できる人はとっても限られているのよね」と。

      「じゃあ、あなたが実践していること、気をつけていることはありますか?」と質問すると、「特になにかやっているわけではないけど、ただ常に”ポジティブに考えるように”はしているわ。”この精油はみんなの役に立つんだ”って思うようにしている」と。

      この人、口だけじゃなくて、本当にそういう人なんですよ。一目会った時から、なにかポジティブなものを持っているなって感じさせるなにかがある。それも、一時的なものじゃなくて、常にそのポジティブさをキープしているところがスゴイなあと、尊敬していました。が、こうして言葉で聞くと「なるほどなあ」と納得してしまいます。
      日本で独占契約をしているHさんが、この卸の精油を「特別なエネルギーをもった繊細なオイル」と評価されているのも分かるような気がしました。Aさんのポジティブ波動が精油に影響しているのでしょう。分からん人には全然分からんでしょうが、分かる人には分かるという。

      さて、私はAさんからも商品を卸してもらうわけですが、いくら彼女のいい波動が入った精油を卸してもらっても、私が悪い波動を持っていたら台無しにしてしまうこともありうるわけです。精油のサプライヤーとして法的な条件はなくても、やっぱりAさんのようなポジティブなエネルギーを持った人であること、は重要なポイントだと思います。といっても、そうそう難しいことではなく、自分自身がハッピーであること、精油に愛情をもって接すること、みんなの役に立とうという心がけを忘れないこと・・・なんてことが大事なんかなあと思ったりしています。





      ところで、ロバート・ティスランドにはなにかスピリチュアルな香りがする一方で、これとは対局の立場をとりつつ成功しているメーカーとして、プラナロムが挙げられるでしょう。医療の一環としてアロマセラピーが用いられるフランス出身のメーカーだけあって、科学的な立場をとっています。「精油は抽出されるロットによって全て成分が異なる」という事実を前提に、ロットごとにガスクロマトグラフィー等を利用した成分分析を行い、品質管理するという。これだけ手間とコストをかけて品質管理しているのですから、価格が高いのも当然です。

      たしかに品質も優れているとは思うのですが、このメーカーの精油は「ツンと来る」というか、生(キ)のまま、自然のまま、といった印象があります。当然ロットごとのバラツキもある。「それだからこそ、天然の証拠」と評価する人もいれば、ロバート・ティスランドのようにマイルドで安定したものを好む人もいるでしょう。

      私としては、プラナロムの品質管理体制は、サプライヤーとして文句なく完璧だと思うし、出来ることなら同じレベルの品質管理をしたいとは思います。今はそんな資金がないから真似するのは無理なんですけどね。お客さんからのリクエストに応じて卸からガスクロ分析結果を取り寄せることは可能ですが、そのたびにイチイチ費用と時間(←これが例によって読めない)がかかってしまいます。このコストを私が一人で負担するのは到底不可能です。まずは、自分んちにガスクロ分析器を置かなきゃね。新ブランドがうまくいって儲かったら、まずはガスクロ分析器を購入しようと企んでいます。ウン千万の出費ですから、そう簡単にはいかないでしょうけど(^^;)。

      ともかく、プラナロムの品質管理体制は見習うべきですが、反面なんでも「ガスクロ」、なんでも「化学分析」で説明されちゃうと、ちょっとなあ、という気もします。「なにか大切なものを忘れていませんか?」という。私はやっぱり、天然ものの化学分析は抑えておくと同時に、精油を「生きもの」として愛情を篭めて扱いたいですし、ロバート・ティスランド系のワケわからんエネルギーによって熟成された品質を目指したいんです。

      じゃあ、どうしたら、「精油を熟成(あるいはエネルギー充填)」させることが出来るのか? が課題となります。




      ややオカルトチックな世界に入りますが、このエネルギーについて、もうちょっと詳しいお話をしましょう。「精油が受けるエネルギーの影響」について関心をもった私は、協力者とともに日本出張中にこんな実験をしてみました。

      まったく同じ精油を同じ量だけ同じ瓶2本に入れます。1本は祭壇の前に、もう1本は台所上の棚の中にしまいました。どちらも同じ部屋の中ですし、高さも明るさも同じくらい。気温も湿度も同じはずです。

      3日後、この2種類のオイルを嗅ぎ比べてみたところ・・・・・
      ビックリしました。全然違う香りになっているんですよ。「気のせい?」程度の違いではなく、「ホントーに同じ精油なの?」と疑うくらい、歴然と違うんです。

      それも、面白いことに、台所の棚に入れたものは華やかで派手な香りであるのに対し、祭壇前に置いた方が地味で、香りが弱く感じられました。どうやら神様系のエネルギーが入ると、香りがマイルドになるようなんですが、それにしても「こんなにマイルドじゃ香りが弱すぎるよ〜」というくらい。が、翌日、再度嗅ぎ比べてみると、今度はマイルドすぎた筈の祭壇前オイルが、いい感じに熟成しているんです。練れた香りというか。あの、ロバート・ティスランドのノリに近いものがある。いやあ、驚いた。

      この実験結果に圧倒されて、シドニーに戻ってきてからも引き続き「エネルギー実験」を繰り返しています。そして、精油が環境から受ける影響の大きさに驚かされています。最高の精油というものは「作る」ものなのかもしれない・・・と認識を改めざるをえないです。

      しかし、ウチには祭壇はありませんし、私は宗教も持っていませんので、神様の力をお借りするわけにもいきません。具体的にどういう方法で「最高の精油」を熟成させるかは、まだ研究中です。まあ、いずれにしても、ここから先は「企業秘密」ってことになりますね(^^;)。

      でも、基本的にはさっきも述べたように「みんなの役に立つものを提供したいという気持ちを忘れないこと」といったポリシー部分が根幹になくては意味がないんだろうと思います。方法論だけに溺れてしまっては、本末転倒ですから。






      そんなこんなで、皆さんのおかげでどうにかデビューにこぎつけた次第です。ここまで来るまでには、本当に沢山の方々からのご協力をいただいております。今までに私の通販を利用してくださった方には直接・間接的にお力添えいただいているわけです。この場をお借りして、お礼申し上げます。


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    2000年4月7日:福島


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