シドニー雑記帳【StudioZERO】
◇◆◇VIAGGIARE IN ITALIA◇◆◇
***イタリア個人旅行の楽しみ方***
どんな国でもたぶん同じなんでしょうけど、団体旅行で連れていってもらう旅よりも、自分の足でふらふら旅した方がスリリングな分、リスクも大きいけど、楽しみも倍増しますよね。ただ、いきなり一人で知らない国に降り立つのは、けっこう勇気がいるもんです。はっきり言って、無鉄砲な性格じゃないとなかなかやれないんじゃない? それか、綿密にしらべあげて計画してて、言葉にも自信ある人とか。
まあ、とにかく私の場合、この無鉄砲な性格が高じて、あちこちに迷惑かけつつ、ふらふらフリーの旅の醍醐味を覚えてしまったというわけです。と言っても別に大したことをやってるわけじゃなくて、その時の気分で好きなように好きなところで好きなことをしてる、っていうただそれだけのことです。
私よりもイタリアのことをよくご存知の方はたくさんいらっしゃるでしょうし、イタリア旅行経験のある方もいらっしゃるでしょう。ただ、私がこれまでに感じたイタリアフリー旅行の醍醐味の数々を私の言葉で書いてみよう、と。ただそれだけのことです。だから、あんまりマに受けないでね。デマも混ざってるもんと思って聴いてね。
■挨拶のワザ
はい、まずは何事も最初が肝心。人とのコミュニケーションのはじまりは挨拶からですもんね。私が感じるところによれば、イタリア人は日本人よりも挨拶を頻繁にする、と思われます。イタリア人だけじゃなくて、スペインでもそう感じたんだけど。んでも、イタリア人はとにかくしょっちゅう挨拶してるよーな気がします。
「郷に入っては郷に従え」と言いますように、こっちもイタリアに着いたら、とにかく挨拶をしちゃうのだ。それも小さな声でぼそぼそ言ってても、変なやつみたいだから、大きな声で言ってしまえばいいのだ。
午前中ならBUON GIORNO!(ボンジョルノ)
午後ならBUONA SERA!(ボナセーラ)
他にもあるけど、この2つさえ知ってれば、挨拶はOKですね。
で、どこでも何するにも、まずは大きな声で愛想よく挨拶すること。
向こうはどうせイタリア語なんかわからない異国人だと思ってますから、最初見られる目は田舎だとまるでエイリアンでも見るかのような奇異の目だったり、警戒の目だったりするんだけど、一言、にこりと笑って『ボンジョルノ』と言ってしまうと、急に安心するみたい。
「あ、いちおう、挨拶くらいは出来るんじゃん。人間には違いないわ」と思ってるかどーか知らないけど、一言挨拶してからの彼らの表情の変化って、実感しちゃいますね。
日本ですと、お店に入ったくらいじゃ挨拶なんかいちいちしないで、品物を見て、選んで、買って、黙ったまま店を出てしまうことすらありますけど、イタリアの人は、店に入ったら、その時点でまず挨拶します。お店の人に対してだけじゃなくて、そこにいる他のお客さんに対しても挨拶してるみたい。
BARで朝ごはんのパニーニ食べてるでしょ、すると、おじさんが入ってくる。まずは「BUONGIORNO,TUTTI(みなさん、おはよう)」って言いますもん。そこで共有する人々みんなに対して、挨拶してるんですね。
それと、すごく面白いなーって思うのが、『BUON GIORNO』のもうひとつの意味。
お店に入る時に「ボンジョルノ」と言ってた人が、また店から出る時にも同じく「ボンジョルノ」って言うんですよ。他の人も「ボンジョルノ」って返すし。あれ?って感じだったんだけど、まあ、直訳すれば納得するんですよね。
BUON=GOOD、GIORNO=DAYなんで、『GOOD DAY』。要するに『HAVE A GOODDAY』となるわけです。「いい一日をね!」ってことですね。これ、『BOUNA SERA』も同じように使うんです。
とにかく、やたらとしょっちゅう挨拶する羽目になるけど、めんどくさがらずに大きな声で言ってしまえば、いきない歓迎モードになりますから。
ちなみによく聞く「Ciao!(チャオ)」ですけど、あれって今会ったばかりの旅行者が使うシーンってほとんどないと思ってた方がいいでしょうね。いい加減に使うと妙に馴れ馴れしくなったりして、キケンかもしんない。まあ、BARで話込んじゃって友達になっちゃった、とか言うならチャオでもいいだろうけど、特に女の子が使うと、いかにもアブナゲって感じだけど。どうなんだろう?
■イタリア時間をこなすワザ
時間の感覚は日本の日常生活とはるで違いますねー。まあ、仕事で来てるわけじゃなければ、ゆったりとした時間の流れに身を任せて、のんびりやってみればいいんだろうけど、「いざこれから飛行機の乗るぞ」とか「もう時間がない!」と
かいう時には、すごくいらいらさせられるでしょう。
でも、仕方ないんです、そういう国なんだから。これで帰国便に間に合わなくても、それもカイロスだわ...くらいのつもりで気を大きく持ってないと、イライラして死んじゃいます。
スペイン人、イタリア人は昼寝をするので、一日を2度楽しむと言われてますよね。なんでも、午前中仕事したら、2時間くらいかけてたっぷりと昼ごはんを食べて、それから昼寝して、そんでお店とかはまた、4時くらいから開き出すんですね。4時以降か、第2の一日の始まりなわけで、これは仕事や勉強はナシだから、楽しいわけです。
だから、銀行だって、お店だって、昼休みには閉まってしまいます。旅行者の都合になんか合わせてくれないもんね。いいのよ、こっちもホテル帰って昼寝しちゃえば。そういう国に来てるんだから。
それから、お仕事をマジメにしないという方たちでもあるよーで。都会の鉄道の窓口はいつもすごい混雑で、すんごい行列が出来てます。でもみんな慣れたもんで、ゆっくり新聞なんか読みながら、いらいらもしたりしないでのんびり待ってますね。
窓口のおっさんも、ひどいもんで、「そんな長い行列とは俺、関係ないもんねー」とでも言いたげで、のんびりお仕事してまして、いきなり窓口閉めちゃったりするんです。「ええ〜、どーしてー!?」と怒鳴るのは我々だけ。「ちょっと煙草吸ってくるから。15分くらい待ってて」とか言って、その辺にふんぞりかえって煙草吸ってたりするんですよー。いいよね、いい国だよね。
なんでもこんな調子で、人を待たせることを何とも思っちゃいないし、待つ方も待たされてるなんて意識ないのでしょうね。
そうそう、電車もよく遅れます。
都会の急行列車とかはそうでもないけど、鈍行列車なんか、特に南の方なんか、遅れるのが当たり前のよーな顔してますね。そんで、誰も文句言いませんね。
ついでに、ストライキもよくするらしいですよ。私たちもこれまでに2回、突然ストライキ!という被害に逢っております。イタリアを鉄道で旅しようと思うなら、ストライキの単語は覚えておいた方がいいですよ。ショーペロ(Sciopero)です。って、一回この被害に逢ったら、絶対忘れないと思うけど。
電車の話が出たついでですが、バスは意外と便利です。
長距離バスPullman(プルマン)というのが、主要都市同志を結んでいまして、料金も安いし、区間によっては電車よりも速いこともあるし。列車みたいにしゅっちゅうストライキしてないようだし、時間もわりと正確です。鉄道駅って、街の中心街から離れてることが多いんですけど、バスは街の中心街で下ろしてくれることが多いし、とにかくプルマンはおすすめです。
■見せてもらうワザ
続きまして、なんでも確認しちゃおうというワザです。
「MANNGIAREITALIA」でも書きましたが、食べるものは、四の五の言ってないで、見せてもらうってのが一番間違いない。これは、何でもそうなんであって、見せてもらって確認するのが一番確実に決まってますわね。
リストランテ関連の見せてもらうワザは既に書きましたけど、他にどういうシーンで見せてもらうか...と。
まずは、ホテルですね。部屋探しの時。ホテルに行ったら「部屋ありますか?」って聞くでしょ、んで、あるって言ったら、「じゃ、見せて」と言います。なんか、ヨーロッパでは部屋決める前に見せてもらうなんて当たり前のことみたいですね。別に相手も嫌がりも訝りもしません。
ああ、そうそう。ヨーロッパを旅するのに、宿の予約なんて必要ないですよ。よほど○○祭りとかある時くらいでしょう、いっぱいで泊まれないなんて。まあ、いざとなったら野宿するぐらいの覚悟は持ってた方がいいでしょうけど、とにかくその街に着いて、そっからいきない飛び込みで宿探ししてもなんとかなるもんです。もし、どこもいっぱいだったら、隣街に行けばいいもん。
で、お部屋見せてもらう時のチェックポイントはですね、あくまで私の場合ですけどね、
- ベッドの固さ(けっこうスプリングぶよぶよしてるとことかあるのよね)
- お湯の出ぐあい(けっこういいホテルでもぬるいお湯しか出ないとこってあるみたい。ヨーロッパの人って、熱いお湯でシャワー浴びないのかな)
- タオルの枚数(バス用がないのは、ちとさみしい)
- 窓の広さ、部屋の明るさ(ほとんど部屋にいないんだから関係ないだろ、と、だんなは言うのだが、やっぱり暗い部屋は暗い気持ちになるから嫌なの)
そして、何より大切なのは、
- 扉の裏に貼ってある政府許可されてる価格表。
これをチェックして、受付の人のいい値とあってるかどーか、違ってたら
どうしてかを確認します。
それから、お買物の時なんかも、欲しいものを指さして、「見せて」と頼む。イタリアはどんな田舎でもショーウインドーの見せ方技術がすごくうまいなーと思うんですけど、とにかくショーウインドーで勝負してるんでしょうね。店を開く時間が限られてるから、店が開いてない時も、ウインドーショッピングしやすいようにという配慮なんでしょう。
だもんで、お店の中に入っても、ショーウインドーになかった商品が出てくることってあんまりないみたい。お店で売りたい総在庫の代表が、ショーウインドーに飾られてるわけです。だから、ショーウインドー指さして、「あれ、見せて」と言って見せてもらう。
ついでに、値段もイタリア語で数字言われてもよくわかんないから、「書いて」と頼んでしまう。
これ、便利な言葉です。
Posso vedere?(ポッソヴェデーレ)
ポッソってのが、英語のCanI〜に、ヴェデーレってのが、SeeとかLookにあたるみたい。
■怖い目に遭った時のワザ
聞くところによれば、イタリアで怖い目にあってる人ってけっこういるらしいですね。
よく聞くパターンその1)
子供の集団が近寄ってきて、いきなり服にアイスクリームをつけられ、それに気をとられているスキに、財布をスラれた。
よく聞くパターンその2)
突然子供たちが、靴を磨いてくれた。いい子たちだなーっと思ってると、最後にお金を要求しだし、そんなにたくさん払えないと言うと、子供の集団がどんどん増えてきて、怖くなってあり金全部持っていかれた。
よく聞くパターンその3)
ホテルの階段ですれ違った男に、ナイフをつきつけられ、そのナイフでカバンを切り刻まれ、中身もろとも奪われた。
まあ、どれも可愛いもんですよね。本人たちは生活かかってるんだから、必死ですから、そりゃ、狙われても仕方ないかなーって気はします。しかし、自分がそんな目にあうのだけはごめんだーって思うのも当然でして、防衛策はいろいろやってます。
防衛策
- ポケットにお金を入れない。モノを出し入れしない。
- ウエストポーチなど、いかにも「ここに大事なもんが入ってますー」と見えるようなモンは持たない。カムフラージュにティッシュとハンカチだけ入れて持ってたりしますけど。
- ナイフを突きつけられたら、大声をあげる。
ナイフ出すヤツなんて、ほとんど小心モノですから、「たすけてーー」って大声あげたら、たいてい逃げていきますわ。
- 過剰に親切な人、怪しい日本語を話す人には近づかない。
..なんて、えらそーなこと言ってるわりには、今回ちょっと怖い目にあってしまったのでした。
そんなこんなで、思いつくまま長々と書き連ねてしまいましたけど、こんなんでも多少のお役には立てるでしょうか??
ORIGINAL:92/9/15
REWRITE:97/11/22
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