今週の1枚(02.09.23)
ESSAY/ お話二題 風の強い日に坂の上で ・ オハギ
今週はがらっと趣向を変えて、小説というか物語というか、「お話」です。
ここのところ硬い話、理々論々としたことばかり書いていたので、書いてる方も多少肩が凝ってきました。
今回は、あっさりめに、そして理屈なんか全然存在しない世界にぶっ飛びます。いつもは左脳で書いているとしたら、今回は右脳バリバリです。
以下におとどけする「お話」は、別に寓意があるわけでも、なにか象徴的な意味があるわけでもないです。ですので、お読みになられて、「だから何なの?」「意味ないじゃん」とお腹立ちの人もいるとは思います。覚悟してください。また、「なんか隠された意味があるはずだ」で頑張って読み直しても無駄です。一読して面白くなかったらそれまでです。あきらめてください。
ただ、なんかわりと好きなんです。こんな夢の一断面みたいな情景というか、シィチュエーションというか、その場の空間の手触りみたいなものが。これといったテーマなんか別に要らないし、何かを説きたいわけでもない、伝えたいわけでもない。ただ、なんだか分からない妙な空間、でも妙にリアル、だから本当に夢みたいな場面、そういったところに連れて行かれる感じが好きなんだと思います。連れて行かれるときの、ふわっとした浮遊感が好きなんでしょう。
「連れて行かれる」と他人事のように書きましたが、自分で書いててそういう感じにならないものは、僕の基準からするとダメなんです。次に何を書くか、どう話が展開していくか、自分でも先が読めないくらいの感じで書くと、僕的にはいい感じになるのですね。いい具合に浮いてくれて。
いつもの左脳型の文章よりも、今回のような右脳型の方が、実は書いてて気持いいです。こういうのだったら苦労しないで幾らでも出来ます。僕が一番楽しんだかもしれません。ただし、かなりブレーキはかけましたが。
では、どうぞ。
風の強い日に坂の上で
オハギ
写真・文:田村
写真はManly、North Head
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