また、国の国民管理システムもすごい合理的です。日本の戸籍にあたるものとして、CPR(Central Personal Register)ナンバーという国民総背番号システムがあります。国民一人一人に番号が与えられていて、それが中央のコンピュータで登録管理されている。その番号(生年月日プラス4桁の数字)にはチェックサム(それらの数字を使って一定の計算を行なうと必ず11で割り切れる数になる)もあるので、いい加減な番号で嘘つけないようになっている。この中央管理コンピュータには氏名、生年月日、出生地、両親の氏名、住所(過去の移動歴も)等が登録されているわけですが、これが銀行、学校、税務署、警察署等のコンピュータと相互リンクしている。運転免許証、パスポートといった類の申請手続はこれによってものすごく簡略化出来るし、税金の支払いも簡単(同時に、脱税チェックも簡単)。この番号を手がかりに刑事事件の捜索もできることが犯罪防止にも一役買っているのでしょう。
その反面、これだけのプライベート情報が国に把握されている、というのも、ちょっと恐い気がするのですが。合理性を追究する「大きな政府」は、きちんと国民に審判されている必要があるでしょう。
リビングルームが複数ある。ラースの実家にはリビングと呼べる部屋が少なく見積もっても3つはある。そして実際にはこれらのリビングルームはほとんど使われていない。彼らはこれを「ナイスルーム」「ベリーナイスルーム」と区別するそうで、リビングにも格付けがあり、客や儀式によって通す部屋を決めるのだそうだ。「This is a very very nice room, never used.(とってもいいお部屋だから、使ったことないんだ)」なんて冗談言ってたけど、本当に年に何回も使わないものらしい。そのくせ、子供部屋は屋根裏にあって狭い。「あれだけの無駄なスペースがあるなら、もっと子供に空間を与えてもよろしいのでは」と進言したところ、「何を言う、畏れおおくもナイスルームを子供なんぞに与えるとは」との仰せでした。ははあ。