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Essay 943:オーストラリア留学の現状と活用法
〜コロナ閑古鳥だけど意外としぶとい
〜オンライン利用法とビジネス学校
〜日本の年収200万の税金保険分で学費になってしまう件
〜ところで国境はいつ開くのか?
2020年07月13日
写真は、先日撮った冬空のThe Rocks
意外と頑張ってたりして
国境閉鎖からこっち開店休業状態なのですけど、すでに滞在している人でビザ期限が来れるので更新(新たに学生ビザ)というパターンを幾つかやってます。ブログでもうちの一例を紹介しましたけど、他にも。英語学校でもオンラインメインのところもあれば、すでに3次元(face to face、要するに普通の授業)に戻りつつあるところもあり、そこはさまざまです。
SCEという学校が早々と閉校になりまして、他もドドドといくかなと思ったら、意外と(といっては失礼だけど)持ちこたえてますね。だいたいビジネス学校もやってるところは強いです。英語学校単独だと、学生さんが1年くらいしかいないけど、ビジネス学校は数年単位で生徒がいる。それに最初から永住目的で気合入ってるのが多いこともあり、政府に「帰れ」と言われても全然帰らないよね。だから比較的安定してるとは言えるかもしれない。もっともブリッジというビジネス学校は閉鎖になったから、ビジネス学校だったら全てOKというわけでもないのですが。
ちなみに通ってた学校が閉鎖された場合でも、Tuition Protection Service(授業料保護制度)という公的な消費者保護制度があります(他の学校に追加費用なしに転校させてもらえる)。過去の閉鎖事例は、このページに書いてます。
これによると、コロナ後(2020年以降)は、まだ4つでBridge Business College、Management School Sydney - MSS Education Pty Ltd、Elite Training Institute Closure、Australian Education Academy Pty Ltd, Springvale VICだけです。
そうはいっても、今はどこも生徒さんが少ないので大変です。もう早く国境開けろよって思いますね。ヨーロッパではもうガンガン開けてるし、旅行予約が激増っていうのに。
安くなってるオンラインチャンス(1時間700円とか)
その影響でしょうか、総じて学費は安くなってますねー。週330が180になってたり。「へえ〜」と思ったです(もちろん学校によってマチマチで、全然安くなってないところも普通にあります)。これだけ安くなってるなら、と思ったのですが、留学を予定しててコロナで足止めを食らってる方は、先にオンラインでも軽くやっておいてもいいかもしれません。だって、今豪ドルが、えーと63で下値をつけてからまた戻してきて、今75円くらいですから、週180ドルだったら1万3500円。これで20時間受講できるんだから、1時間あたり675円とかそんなもんですか。そのへんのオンライン英会話よりも安いんじゃないかな。家でシコシコやってるよりは、ライブでぼんぼん当てられるし、喋らなきゃいけないので役には立つでしょう。マンツーマンではないけど、逆にそれが良いかもしれません。同じメンツが続くから友達ができますからね。
単に英語力をつけるというだけではなく、時間を無駄にしないという効用もあると思います。
というのは、だいたい誰でもこちらに来た時に最初に思うのは、いかに自分の英語力がダメかであり(喋べれないのではなく、まず聞き取れないからコミュニケーションが始まらない)、いかにそれでは生きていけないかですもんね。僕もそうでした。泳げない人がいきなり背の立たない海に放り込まれるようなものでパニックになります。
そのパニックが昂じて、日本人村に駆け込んだら最後、もう「冬のコタツ」状態で抜けられなくなるケースが非常に多い。そのう弊害が顕著になり始めた頃から(2000年くらいかな)、僕も新たに一括パックという新方式を始めたわけです。つまり英語力の有無に関わりなく、現場に飛び込んでいくと意外となんとかなるという経験をして自信をつけることです。でもそれって他人に背中を押してもらって、しかも達成可能なタスクを用意してもらわないと難しい。なぜって達成不可能なタスクでほんとに玉砕しちゃったら、逆にトラウマがきつくなるだけ。だもんでその人となりをみて「達成可能」なラインを設定するのが僕の「プロの技」であり、そこはフィットネスインストラクターのメニュー作りに似てます。
僕が来た94年の頃はインターネットもないし、携帯もないし、現地情報もほとんどないし、駆け込む先もわからないから玉砕覚悟で突撃する以外に手がなかったのですが(逆にそれが良かったんですけど)、今は妙な日本語情報は山程あるし、逃げようと思えばいくらでも逃げられますからね。やりにくいと思いますよ。
ともあれ、(1)最初にガビーンと打ちのめされる→(2)勇気を奮い起こして突撃→(3)なんとかなるじゃん!と自信をつけるという過程がとても大事だと思うわけで、この(1)「最初の衝撃」を日本にいる段階で浴びておけば(自宅だったらそんなパニックにならんし)、まあ意味はあるかな、と。2と3はクラスルームなので、ほんまもんの現地ストリート体験に比べれば、ヴァーチャルで擬似的だけど、それでもあれだけ集中的に皆と一緒にやってたら、慣れるもんだし、しばらくしたら皆と一緒にゲラゲラ笑ったりして、そこで「まあ、わかるっちゃわかるな」とほのかな自信はつくでしょう。
本格的に英語をやるなら
もっとも、一括パックにせよ、それは救命医療のようなものであり、初動における軌道補正にすぎません。致命的な方向に陥ってしまうのを防ぐだけの話であり、ある程度のレベル=ローカルで働いて、労働ビザなり永住なりそこそこ一人前にやっていくなら、やっぱりしっかりした英語力は必要です。労働ビザだってIELTS5は必要ですけど、こっちで2年まるまる英語学校通っても、その5が取れないという人は意外と多いです。結局それで日本に帰ってしまった人もいます。たかが5と思うかもしれないけど実は厳しい。永住になると6、手に職キャリアが10年とかなくて頑張ろうと思えば最低7点、できれば8はほしいけど、8を取ったからと言って事態は全く好転しないという事例もあったりして、もう気が遠くなります。てか一定から先は「運」ですから。でも一定までは「実力」です。実力がなかったら「運」のステージまでもいけない。ということで、どっかの段階では基礎レベルはやっておくべしですね。
ここで「基礎」というのは、大体いつも日本語で喋ってるようなことは、英語でも一応(めちゃくちゃなんだけど)喋れるレベル。ある程度微妙なニュアンスを英語で言える(言えてないんだけど、言おうとする)レベル。英文を書いて、関係代名詞が自然に出てくるレベル。てか、関係代名詞って便利だな〜、重宝するな〜って実感できるレベル。まあ、そこくらいまでは行って下さい。でないと運以前で終わっちゃいますから。
「どっかの段階」ですから、どこでやってもいいんだけど、早ければ早い方がいいですね、その後の展開が違ってくるし、時間が無駄にならないからお得です。少なくとも、その後ビザ取り学校に行けるくらいの英語力はないとね、滞在伸ばすにしても話にならんでしょ。しかもある程度学びたいとするなら、専門書の内容を理解しないといけないし、うんざりするような論文課題をコンスタントにこなさないといけない。
絶対知識と現場技能
英語に限らずどんな技能でも「絶対知識量」と「現場技能」の二面があると思います。絶対知識は「知ってるか知らないか」で、知らなかったらそこで話が終わってしまう局面です。現場技能は、知っていても現場でそれを使いこなすには独特の身体的カンドコロがいるということですね。ボキャブラリ>文法
英語の初中級の場合、絶対知識としては、まずボキャブラリじゃないかな。文法も大事だけど、ボキャがわかれば大体何言っているかはわかる。でもボキャがダメだと、そもそも何の話をしてるのかがわからないから、そこで終わってしまう。「AについてはBとCという2つの要素があるんだけど、僕はBの方を重視したいですね」(文法はわかるけどボキャがダメ)というのと、「料理・・・・値段・美味しさ・・・・僕は値段・・」(ボキャはあるけど文法がダメ)とでは、後者のほうがわかるでしょ?料理でいえば、ボキャは材料であり、文法は料理法です。白菜、豆腐、しいたけ、そして「A」ときて、「A」には薄切り肉(しゃぶしゃぶ or すき焼き)、松葉ガニ(カニすき)、ふぐ(てっちり)、鮭(石狩鍋)などが入るのだけど、その肝心のAがわからなかったら、話にならん。文法は、「まず鍋に水を入れて昆布を敷いて」とか「まず鍋に牛肉を並べて火をつけて」とか段取りです。
リーディングなんかボキャメインだと思います。現場のリスニングもそうだな。「何の話をしてるのかわからん」というのが一番しんどいです。考えてわかるもんじゃないからね。文法は、より簡潔に、より効率よく、正確に伝えるための技法ですけど、これがダメでもまだ言い方はある。泥臭く、まどろっこしい言い方にはなるけど、ゆっくり丁寧にやれば出来ないことはない。例えば、2×4=8をいうのに、2+2+2+2=8みたいな言い方になるんだけど、やれないことはない。文法は、単に法則をベタ覚えするのもいいんだけど、もしあなたがある程度賢いと自認しているなら、「なぜこんな言い方があるのか?」「何のメリットがあるのか?」を考えるといいです。言語論理というのをまず考え、その構造と効能を考えて理解していくことです。なぜ現在形と過去形のほかに完了形というのがあるのか?なにが便利なのか?とかね。
ボキャも2つあって、めちゃ基礎レベルのものと、IELTSや論文の読み書き用のレベル。基礎レベルは、日本人だったらある程度は知ってます。バスとかチケットとかカーとかパーキングとか日本語になってるしね。カタカナ日本語から漏れてるものを現場で「そう言うのかー」と思って補充しておけばいい。お釣りはチェンジだし、人が並んでる列のことをキューというとか。ローカル修正として、オーストラリアではエレベーターではなくリフトというとか、交差点はインターセクション(クロスロードとはあまり言わない)、信号はトラフィック・ライツ(シグナルとはあまり言わない)とか。そこらを起点にちょいボキャ増やしで、駐車だったら、ストリートパーキング(路駐)、車庫入れ(リヴァースパーキング)、縦列(パラレル・パーキング)、日本語ではあまり類語がない3ポイントターン(切りかえしてUターン)などなど。このあたりは現場で実際にやってると勉強するまでもなく自然に覚えますし、現場にいかないとそもそもそんな英単語があること自体知らないかも。
論説試験用ボキャ
どっちかというと、その先のレベルでボキャ養成は意味あります。普通に新聞読んだり、シェア先の注意書きを読んだりというレベル、さらにはワンランク上のステージに立つためのIELTSなどの試験対策ボキャです。あんまり日常使わない単語がビシバシ出てくるので、意識的にやらないと伸びない。意識的に固めて覚えるのが効率いいかな。普通に生活しているだけでは登場頻度が少ないので覚えられないですから、まとめたやった方が早いです。簡単に言えば、まず昔ながらのデル単(関西ではシケ単)の試験にでる英単語でいいんじゃないですかね。あなたの家の押入れ開けたら出てきませんか?中古でいくらでも安いのが出てるでしょ。今確認にパラパラと収録単語をみると(アマゾンの試し読みにでてくる)、まあまあ現場でも使う単語が多い(無駄な単語がわりと少ない)ので良いかと。鬼勉やりたかったら、一週間で完全暗記ね。僕も受験前にやったけど、その気になったら可能です。でも一週間で覚えたものは一週間で忘れるから意味ないけど(笑)。ヒマがあったら持続的に見てるくらいで、受験中にやったようにページを半分折り畳んで、全部意味がわかるまでやりつづける。あと英単語連想記憶術〈第1集〉もバカバカしい語呂合わせなんだけど逆に今でも結構覚えてます。他にも良書が沢山出てると思います。まあ、なんでもいいんですけど、「そんなの覚えても現場では使わないよ」って無駄単語が多いかどうかがポイントで、これって自分が出来るようにならないと判別できないのが辛いところです。出来る人に見てもらった方がいいです(エリアによっても違うけど)。いまさっきデル単をぱっと見した限りでは、まあこのくらいは知っとけって感じのものが多かったです。
それと日本入試ではない現地試験や英字新聞論説だったら、茅ケ崎方式国際英語基本4,000語 ってのがあって、僕の場合、IELTS受ける直前にバーっとこればっかやって良かったです。これって、たまたま買って持ってただけの話で、他に比べてこれがベストというつもりは全然ないです。ただ何が良いかと言うと、実際の英文記事などに頻繁に出てくる単語が網羅されており、しかも、ここが大事なんだけど、数ある意味のなかから「英文評論(特にニュース関連)で出てくるときは大体この意味」と絞り込んでくれていることです。一般の辞書だと網羅的に語彙の意味が数個、場合によっては十数個出てくるから読むだけで疲れるし、この場合にはどの意味なのかわからんから、結局覚えられないのですよ。でもこの本は、意味が一つか2つに絞り込まれてるから覚えやすいです。ただし他の意味で使われる場合もあるということは頭の片隅に入れておくべしですけど。ともすれば漠然とした一般単語になりがちなのを、この意味で使う場合が多いと決め打ちをしてくれるので、新聞やらIELTSのリーディングやらでは結構役に立った記憶があります。それに加えて社会・国際・時事常識レベルの概念を知るという利点もあります。「国連」のほかに、「常任理事国」「拒否権」という重要単語(概念)があるんだけど、英語以前に「そのくらい知っとけ」というレベルで、これがわからんかったら国際ニュースを読んでも意味わからんと思うし。条約(treaty)を覚えるなら、批准(ratify)も知っとけとか。
現場技能はスピーキングよりも、まずはリスニング
現場技能ですけど、初期においてはスピーキングよりもリスニングでしょう。90%はそれ。なぜって、実際の現場では、相手があれこれしゃべるのが9割、あうあう口ごもりながら自分がしゃべるのが10%くらいが関の山じゃないですか?経験したことあるなら、最初にシェア探ししたときもそうだったでしょ?だんだんこっちの口数が増えてくるという感じ。それでも「聞く」方が量としては多いです。こっちがベラベラまくし立てて、相手は相槌を打つだけってくらい喋れるんだったら、最初から問題ないっすよ。ほんでもってリスニングですけど、まず最初の洗礼として浴びるのは、「いかにわからないか」でガビーンとなることです。これも2つありまして、一つはネィティブのストリート英語の場合、楷書が行書になるくらい崩して喋るので聞き取れないことです。活字の比喩でいえば、日本で勉強してるのは印刷してるクッキリ活字型だけど、現場ではなんて書いてあるのかわからん手書きの文字のような発音で喋るわけですよ。だからわからん。もうそれが英語なのか他の言語なのかすら怪しいくらいにわからん。「木・強引」と聞こえても、「そのまままっすぐ進んで」って意味だとはわからん(keep goingっていってる)。日本語頑張って勉強してきた外人さんに、あなたがアナウンサーのような滑舌で「すみません」と喋ったら通じるけど、「さーせん」だったら通じない、「あざす」とかいっても通じない。自販機もダメ(自動販売機といえ)、「万札」ダメ(一万円札とちゃんといえ)、ましてや「諭吉」なんか死刑相当ですね
もう一つは、違う母国語の人の変な英語発音です。中国訛りとかインド訛りとか。僕もColesで働いてたときは、7-8割はインド亜大陸周辺、つまりインドのほか、ネパール、アフガン、バングラ、パキスタン、スリランカでしたもんね。一番最初はとっつきやすい日系職場圏(ジャパレスとか日本人経営)ですけど、次に進むのはカフェとかクリーングとかのローカル現場系で、こういうカジュアル職場は大体学生ビザで来てる世界中の仲間が多い。その前にシェア先もそうだろうし、英語学校のクラスルームもまたそうです。しかも英語学校でも初級レベルになるほど、(自分もそうだか)みんなの発音も悪い(母国語に引っ張られる度合いが強い)から、もう破壊的に分からん。僕も最初の頃、隣の韓国から来たお兄さんが言ってることが悪夢のようにわからんかったですもん。「ぱく」(公園、park)、「てた」(劇場、theater)ですんで、わかるかそんなもん!の世界です。慣れますけどね。
でもね、世界で今英語喋ってる大多数はノン・ネィティブなんだし、その割合は高くなることはあっても低くなることはないし、今では国際職場になるほどネィティブのほうが肩身が狭いくらいで(ネィティブ独特の変な言い方があるので)、だから、世界各国の変な訛り英語に慣れるのはもう必須教程でしょう。どうせやるなら、いくら間違っても許される教室で慣れておくのがベストだと思いますけど。ジャパレスの電話番で予約を受ける時だって死ぬほど聞き返して〜とか、呆れられて電話切られちゃうよ、お客さん失って首になっちゃうよ。練習はまず無害な段階でやっておいた方が精神的にキツくないよ。
その他の現状〜アコモとか仕事とか
アコモ関係ですけど、最近久々にシェア探しを手伝って、いつもようにGumTreeの広告をしばらく見てたんだけど、安くなってますねー。大体の相場はわかるんだけど、モノによっては週50かそれ以上安くなってる気がする。あと、全然物件が動いてないですね。売れてないというか、入居者がいないんだろうな。何日たってもずっと同じ広告がでている。なかには三部屋全部空いているという(泣)物件もあったりして、大変だよなあって。
見てると、これはAirbnbの物件じゃないかな?ってのがシェアにでてたりします。広告の写真を見てると、かなり部屋がスタイリッシュで、学生さんの長期滞在用のインテリア(勉強用のデスクや収納の多い戸棚)というよりは、旅行者短期滞在用のインテリア(観葉植物とか装飾性が強いもの)が多くて、Airbnb流れではないかと。バッパーも結構厳しくて学生寮みたいに転化してるところもあるみたいですね。どこも大変よね。
一方仕事関係ですけど、ジャパレスとかコロナの影響が強かったんですけど、徐々に開いてきました。皆も今までの自宅籠もりの鬱憤の反動か、結構どこも混んでます。4平米規制なんか、見てたらもうあってなきが如しなんだけど、それが第二波を招いてどうのって話もあります。でもなー、飲食的に損益分岐点ってすごい高くて、薄利。マックス席の半分くらいだったらやるだけ赤字でしょう。そのへんのしんどさって、政治家や官僚、自分で経営経験のないサラリーマンとか全然分かってないような気がしますね。
職そのものですが、確かに大変なことになってて、特に地元のオージーの若者の場合、コロナ世代って言葉が出来るんじゃないか(日本の氷河期世代のように)と言われているように、一生レベルの禍根を残しそうな部分もあります。自殺とかメンタルヘルスとかかなりヤバそうで(実はオーストラリア人に自殺率も結構高い)。
とはいいつつ、来たばかりのワーホリ・留学生のビギナークラスは大体ジャパレスですから、それに関して言えば、お店の閉じ具合よりも、日本人のワーホリさんや学生さんが激減してる度合いの方が激しいと思います。だから、そこそこあるんじゃないかなって感じがします。JAMSの求人とか見てもそうだし。まあ、いつも求人広告なんか見ないで、ダイレクトに電話した方が早いんで、それを勧めてますけど。ま、これは国境が空いてからの話ですけど。
ビジネス学校〜日本の年収200万の税金保険分で学費になってしまう
一方、ビジネス学校も安くなってる気がします。ターム千ドル、年間(4ターム)4000ドルくらいのものも普通に出てきてます。ビザ取り専門ではなく比較的ちゃんとした系でもです。さきに述べたように豪ドル75円として、4000ドルで30万円くらいです。ま、実際に来るとなったら、これに入学金や教材費があるけど、それもせいぜい300くらいだから大差ないな。あとOSHC(健康保険、一人だったら月40-50ドルで年間3-4万)、学生ビザ申請料620ドル(5万弱)、飛行機代などなどはかかります。んでも、学生ビザなら、最初に2−3年のコースを取っておいて、あと支払いはターム毎の払いだからビザ申請料は一回で済むし。
それだけだったら別にネタでもなんでもないのですけど、他方、日本で一年暮らしてたら税金や年金、保険料その他が幾らかかるの?というのを調べて改めて考えてこんでしまったのですよね。例えば、派遣とかフリーターやって年収200万くらいだったら、いくら国に取られているのかと。
調べたら山程でてきますが、「年収200万円の手取りは約160万円(ちょい)」というのがありました。
↑この記事では、約163万円と概算されており
この記事では、大体161万くらい。↓下は本文中からの抜粋。
ということは200万稼いでも40万近くぼっ取られるのか〜と。
内訳は個別に参照していただければよいのですが、大きなところは社会保障(保険料、年金)で、これだけで28万くらいいきます。あと住民税が6万くらい。所得税は2万ちょいだから、そこはそれほどでもない。もっとも、保険料や住民税は自治体によっては激しく違うので一概に言えません。お住まいの自治体によって高くなったり、安くなったりするでしょうけど、ここでは概算。あとNHKの受信料は入れてなかったと思う(地上波で年間1.4万くらい)。
で、思ったのは、日本に居て、何かの夢なり目標に向かって邁進しているとか、親の介護があるから絶対離れられないとか、そういう事情がなく、また特にこれといってやることがないなら、ぼっ取られているその40万弱で、こっちのビジネス学校1年分の学費になるな〜と思っちゃったのですよ。40万だったら75円レート5333ドルですから、授業料、入学金、OSHC、ビザ申請料の全部まかなえてしまうわけで。
オーストラリアの税制
もっとも、こちらに来たらまたこちらの税金を取られて、それが40万以上だったら意味ないじゃんってこともあるんだけど、オーストラリアに関していえばそれはかなり少ないです。ちょい原理的に説明すると、国民や永住者の場合は、健康保険に相当するMedicareは基本無料(てか税金に一元化されてる)。その他、年金も失業保険もなにもかも、ひいては住民税と所得税の区別すらなく一元化されてます(ただし、家を所有してる場合は別にかかってきます)。
この一元化が日本と大きく違うところですし、日本の改善すべき点だとも思います。日本の場合、詐欺的な会社の勘定書に似てて、本体の料金の他に、やれ事務手数料がいくら、やれサポート料いくら、清掃料いくら、書類代がいくらと、無数の付帯費用がでてきて、一見安そうだけど、全部合算するとすごく高いというのがあります。それと同じく、所得税はあるわ、住民税はあるわ、年金はあるわ(それも老齢、障害、厚生)、保険料も(健康保険、介護)、失業保険もあるし。でもそれって、政府組織内部の分配問題なんだから、まとめて徴収して、あとは政府内部で勝手に決めればいいでしょ。そのための予算編成じゃないのかい。なぜそう言うかというと、無数の政府機関でいちいち個別に徴収事務をやってるから、膨大な人件費や設備がかかるからです。無駄に公務員を雇って、無駄な事務所つくって、無駄な仕事をやたら増やして、結果的に税金を増やしているんだから、徴収事務は一元化した方が早いっすよ。それは無理とか言うけど、オーストラリアでは現に出来ているんだし、しかも日本よりも実際の給付ははるかに手厚く出来ている。つまり税金の無駄遣いが少ないから税金を有効に使えている。
それに個別徴収の場合、それぞれに困窮者に対する配慮はあるんだろうけど、全体として統合されてないから、「このくらいの年収の人が暮らしていくためにはこのくらいが限度」という視点が抜けてしまう。縦割り行政の弊害って昔っから言われてるけど、全然直らない。だから各省庁でそのつもりは無くても全部合算したら、悪徳業者の勘定書のようにすごい額になってしまう。今の日本で年収200万くらいだったら、40万は明らかに取りすぎでしょう。完全ゼロでもいいし、せいぜい5万、マックス10万くらいじゃないですか。やってけないですよ。消費税も明らかに問題だけど、むしろこっちの方が構造的には大きな問題だと思います。
それに関連していえば、日本の場合は収入ゼロでもかかってくるものが多いです。これも大きな問題で、これが貧困問題や格差問題を悪化させている。オーストラリアでは、一定以上稼がなかったら、何も払う必要はないのですね。収入ゼロだったらゼロです。
オーストラリアの制度について具体的に言えば、年収$18,200ドル以下は完全無税(保険料もなにも一切なし)。それを超えて3.7万ドルまでの枠では、1万8200を超えた部分につき19%取られます。たとえば年収2万6667ドル(日本円で年収200万相当)の場合、そこから1万8200をひいた8467ドルについての19%だから1608ドル取られます(日本円にして12万、月あたり1万だからそれでも日本よりはだいぶ安い)。そして学生ビザの長期滞在の場合は、6ヶ月以上の期間通学するのであれば、税法上「住民」扱いになり、一般国民と同じレートになります。
ただし、学生ビザや労働ビザではMedicare(健康保険)に入れないので、別個に先に述べたOSHCに加入義務があり、これが会社によりけりだけど1年で422-529ドル(3-4万)かかります。ワーホリさんの場合は(数年前にすったもんだして結局)15%一律です(年収3.7万以上になると高くなるけどそこまで稼げるワーホリさんも少ない)。ワーホリにはOSHCの加入義務はないけど、その分、自分で海外保険とか入る必要はあるかもです。
こちらのバイト事情と生活
しかしですね、日本人で普通にビザ取り学校レベルで働いて、そんな年収2.6万までいくのは珍しいでしょうね。なかなかそんなに稼げないし、稼がなくても別に全然やっていけるし。実質的には、先の40万弱に比較するなら、OSHCの3-4万くらいだと思われます。Colesとかきちんとしたスーパーで働いて(ほとんど日本人は見かけないけど)、パートで時給22とかそんなもん?土日は上がるけど。学ビザだったら週20時間リミットあるし週440とか、土日ボーナスも含めていいとこ週500マックスかな。これを52週やると2.6万になります。税金かかりますね。この場合、ちょい多めに天引きされてタックスリターン(確定申告)で返ってくるのが通常パターン。
ローカルのしっかりしたところだと、パートでも結構(日本人の感覚ではありえないくらい)有給休暇が取れます(てか取らされる)。年間4週の有給休暇と年間10日の病欠介護休暇。あとスーパーアニューエーションという厚生年金部分は雇用者が全額持ちだから、労働者にとってはボーナスみたいなもんです。だから割はかなり良いです。バイトで有給なんか、日本ではあんまり無いでしょ。しかも4週。
んでも、ジャパレスの安めのところだと、最初から天引きされて時給15とかいうのもあるし、そうなると20時間では週300で、年間1.56万で無税です(だから天引きされても、あとで返ってくる)。最初はそのへんでひーこらやってて、ちょい赤字くらいかな〜。でも週20だったら夜だけ5時間の4日だから、楽は楽ですよ。それよりも賄いがデカイですよね。普通に食べたら1000-2000円くらいする日本食を食べられるんだから。まあ、でも現場のジャパレスレベルだと、そこらへんの勘定があいまいだったり、キャッシュジョブ(現手渡しで詳細不明的な)もあるし、結構むにゃむにゃ〜ですね(笑)。
まずはそこらへんがスタートですね。そのあと段々効率よくなります。年収1.82万以上の課税クラスにいこうと思うと、月あたり1516ドル、週あたり平均350ドル以上稼がないといけない(細かいことをいえば、こっちは交通費は出ませんから、それは申告の時に経費として控除できる)。でもそれは52週ベッタとコンスタントに働いた場合の話であって、リアルな話でいえば途中で店を変えたり、シフトが全然入らなくなったり、凹凸はあるから、稼げるときは週500くらいいってないといけないのかな。そうすると20時間制限をまともに守ってると時給25ドル以上になるんで、それもあんま無いかな。もっと安い手取りでもっと長くって感じじゃないですかね〜。ある程度長くなってくると、ローカルでもっと稼いで、その代わり帳簿上の時間は、雇用者の方で”適当に”やってるって感じじゃないかな(笑)。週700くらい稼ぐ人も珍しくないんじゃないでしょ。
このあたりの実態は、皆も正直に書くといろいろ差し障りがあるだろうし(笑)、まずネットとか記録に残るような形では出てこないと思いますし、僕自身もよう知りません。んでも、英語をある程度やって、ビザ取りコースに乗れるようになったら、働いて生活しながら、次の学費を稼ぐということが出来るようになってます。結構ギリギリだと思うけど、そのくらいは出来る。、、、だけど、コロナが厳しいのはそこで、失業したり、シフトを大幅に減らされたり、でも政府は知らんぷりで手当出さないしで、大変ですよね。だから皆Uberなどになだれ込んできて、人数過多で一人あたりの実入りが減ってるという。
一方、ビジネス再開で人手不足になってる部分もあるそうです。こないだ政府が、留学生などが居なくなって穴(人手不足)になっても、皆Jobkeeperで暮らしてて働こうとしないので、選り好みしないで働いてくれとか言ってたけど。そもそも政府が留学生やテンポラリビザを経済的に便利遣いしてるから、そういうことになるのだよという気もするし、便利遣いしてくれてるから仕事があってやっていけてるって部分もあるし、そこは複雑ですね。、
ちなみに、以上の話は、低廉なビジネス学校の話であって、これが大学になると一桁上がります。年間4万ドルとか取るところもあって、到底収支勘定に合いません。尚、どうしてもオーストラリアでバチャロー(学士、日本の4年と違って3年制)を取ろうと思ったら、そして安く済ませたいなら、ビジネス学校と大学が提携してるところ(○○大学シドニー校をビジネス学校の中に作る)とか、大学認定を受けているところにして、最初はビジネス学校に通って1年次まではそこでやり、そこから提携大学で2-3年次をやると安いですよ。英語学校部分を除けば、3年で3万ドルくらいだから大学1年分の予算で3年いけるし。マスターでもかなり安くなります。そのあとのグラジュエイトビザももらえるし。
意味あるのか?
ありていにいって、そんなめちゃくちゃスキルが付くってことはないですよ。ただ、入門的にその分野に慣れる、それも英語の世界で慣れるって部分が大きいかと思います。IT系とかチャイルドケアとか実学系は得るもの多いとは思いますが、ビジネス系はあんまり得るものがないかもしれない。それは日本のビジネス学院とか経営学部とか卒業したら、実際に経営が上手になるのか?というと、そんなことはないのと同じですよ。ただ、専門用語などの言葉には慣れるし、大きなシステムにも慣れる。「減価償却」ってなに?ということや、それを英語でデプレシエーションというとか、源泉徴収(PAYG)の基礎概念や仕組みやら、労働法の基本やら。そういうのに慣れておくと、あとで自分が英語世界で就職したときに、大体のゲームのルールがわかりますから、それだけでも違うとは思います。でも、一般論として言えば、学校に過大な幻想をいだいてはいけないですよ。僕がいってた大学の法学部だって、普通の法学部卒業してたら弁護士できるか?っていえば100%無理ですね。法学部の中でも、ガチに司法試験やる完全プロ志向の鬼のような連中がちょっぴり居て、大多数は適当に単位とって終わりです。高校生の部活で、ガチにプロ野球やプロサッカーを目指している連中がどれだけいるのか?と同じことです。僕ら鬼組からしたら、「学部の学生」というのは「素人」と同義で一般人とほとんど変わらないくらいに見てたし、そう見ておいて間違いないでしょ。だって絶対知識量が二桁くらい少ないもん。医学部とかになるとまた違うのかもしれないですけど。
大学ですらそんなもんです。というか大学のほうがアカデミック過ぎちゃって現場では使えなかったりしますよね。司法試験受かった鬼集団の中の勝ち組ですら、それから2年しっかり実務教程叩き込まれて(今は1年で可哀想なんだが)、やっと新人弁護士としてデビューしたとしても、最初の数年は丁稚小僧の使いっぱしりで、あっちゃこっちゃでピンボールみたいに小突き廻されるのが仕事みたいなもん。
だもんで学校出たらOKなんてもんはないですよ。それが実践的にお金が稼げるプロスキルであればあるほどそうです。ただ学校の効用はあって、有無を言わさず「これをやれ」と必須栄養素みたいなカリキュラムを押し付けられること(無駄も多いけど)、講義なり試験なりが定期的にあって強制的にやらされることです。つまりペースメーカーとしての機能ですね。もしかしたらそれだけかも(笑)。でも、これでかいですよ。
でも、もっと言えば、ぜーんぜん無内容でも実は構わないと思ってます。全く何の役にも立たけど、でも意味はある、と。それは、人生スパンでいえば、留学よりもワーホリさんの方がより多くのものを得やすいことからもわかります。もちろん人にもよりますけど、APLaC界隈では概ねそうです。四苦八苦して、すったもんだして、海外で暮らしていくこと、それだけで大きな実りはありますから。
これも僕らの中高時代と同じで、授業でやったことよりも、その時空間で存在・活動していたことそのもの(青春的な)が人生で大きな意味を持ってるのと同じことです。あなただって、中学高校の授業でやったことなんか、殆ど忘れてるんじゃないですか?「連用修飾語」ってなんですか?陽イオンと陰イオンの代表的なものを3つづつ化学式とともに挙げろって言われてできますか?これ中学の理科ですよ。僕も知らんですよ。そんなのやったっけ?って。でもそのときに聴いてたロックは楽曲はほとんど覚えているし、今でも聴いてたりするわけですよね。部活でしごかれて覚えた技は錆びついているけど身体には残ってるでしょう。そういうことです。
一方、日本で結構面白い仕事があるなら、そっちやった方がいいですよ。やっぱ言葉のハンディも、ビザのハンディもないから、ハマったら最前線で暴れられますから、その意味で母国は強いです。そういうチャンスが今あるなら、それは生かしたほうがいいです。
でもなっかなかしっくりくる感じではなかったら、来ちゃうのも手です。今は、昔ほど面白い仕事があるのか?という微妙ですからねー。その理由は過去のエッセイでさんざん書いてるから割愛するけど、これだというのが見つからなくて、でも生活はしなきゃいけないから、そこそこ適当に就職するんだけど、これがまた使い捨てみたいな扱いで納得いかず、でも生活は待ったなしだから稼がなきゃいけないし、そうこうしてるうちに何をやりたいのか面白いのかというよりも、いかに割が良いかとかそっちに引っ張られて、気づいたら蓄積というものがないまま年齢だけどんどん上がっていって、どうしたもんか?とかね。
で、国境はいつ開くのか?
来年の6月まで締めるとかスコモー首相は言ってますけど、あんなの真に受けたらあかんと思います。そもそももう開けてもいいし、開けるつもりだったと思います。NZ提携のタスマンバブルに便乗する感じで7月には開けようとしてたキライはあるんだけど、「成功の犠牲者」と前々から書いているように、なまじ最初に抑え込みに成功しすぎただけに、そのあとはすごくやりにくくなってますね。こうなるのは分かってるんだから、大成功!とか自画自賛なんかしなきゃ良かったのに(笑)。ま、そこで臆面もなく手柄を大袈裟に宣伝するくらいの根性がないと政治家にはなれないのかもしれんが。今もVIC州で第二波がきて、どえらい話になっている〜ってことですけど、1日200人とかそんなレベルです。数百万人の人口で数百人だったら1万分の1以下です。これは日本も同じで東京が数百人とかいっても1300万人母数だったら、1万分の1以下でしょ。でも、前がクリーンだから、それでも大事のように感じてしまう。
感染をとめるだけが目的なら、いくらでも徹底してやればいいけど、やればやるほど貧困問題やメンタル問題が悲惨になるわけですよ。ひいては不動産価格やら社会全体がコケる。トレードオフの関係にあるので、全体のバランスを考えれば、そのくらいでいちいち立ち止まっていたら明らかにまずい。そのあたりはモリソン首相もわかってて、go stop goというやったり、止めたりとかやってる余裕はないんだ、行くしか無いんだって言ってます。それは日本でも同じだと思う。
まあ、町ゆくみんなの実感も似たりよったりで、ショッピングセンターとか人出がすごいし、コロナ前とあんまり変わらない感じです。てか、お店へのサポートの意味もあって、余裕がある限り外食したりお金使ったりって感じもあるかな。経済ヤバいってのは皆もわかってるしね。
政府的には、てか全体としてもそうだと思うけど、徐々に経済開いていって、出来るだけダメージを回復したい。その間、感染増大とか勃発しないでくれ〜って祈るような気持ちでしょう。で、VIC州と東京でどーんと増えて、だ〜!って感じだと思うけど、そのへんのないまぜな感じがよくわかります。ロックダウンするにしても出来るだけ最小にしようとして郵便番号ごとにしたり、それ以外は開いていったり。
ま、結局、with コロナの共生状態までもっていくなら、普通のインフルや風邪と同じような感覚になるということで、コロナにかかっても誰もそんなに感動しない、全然ニュースにならないくらいにならないとあかんでしょう。それもあるのか、最近のオーストラリアの新聞などをみてると、全体におけるコロナ関係の占める割合が少しづつ減ってるような気もしますね。意図的にやってるのかどうかは知らないけど、サメに襲われましたとか、フットボールのチームがどうしたとかいう記事が目立つようになってきました。
冒頭にも書いたけど、イギリスなどEUでは、もうかなり国境開けてきてます。60か国に対して、14日ルールも廃止してます。イギリスなんかかなり感染者を出して、それで逆に修羅場を越えてきて、医療体制も国民もそれだけ鍛えられて、タフになってるんだと思います。ある程度の感染増加くらいだったら対処できるってことなんじゃないの。
また、イギリスの大学の世界的な顧客獲得競争のために、チャーター機を雇って学生さんを呼び戻したりしています。世界の大学間競争(学問的にではなく、商売的に)って物凄いですから。オーストラリアの大学だって、かなり危機感覚えてるはずですよ。
こういう世界の趨勢からして、オーストラリアが(NZも)、いつまで”潔癖症”でやってられるかです。どんどん取り残されていくしね。それを考えれば「来年6月」とかいうのはかなり現実離れした話だと思います。どうも今までの観察からすると、オーストラリアの場合はみんな元気というかヤンチャというか、かなり厳しく言わないと皆遊んじゃうので、実際よりもキツめに言う感じがします。日本の場合は従順奴隷社会だから、自粛「要請」だけで忖度してやってしまうわけで、「ほのめかし」くらいで事足りる(だから補償もしなくていいという都合の良い)。
あと日本の場合は、建前と本音とか、もとからグレーでわけ分からん社会風土なんで、わーとか言ってる間になし崩しになりそうで、それはそれで現実には適合してるんだろうなとは思います。異様にビビりでいい子になろうとする反面、本音のところではぜーんぜん信用していないから、スキがあったら全然守らないという。修学旅行の夜に先生が巡回してくるとシーンと寝てるふりをして、居なくなったらわらわらと起き出して〜って感じ。その面従腹背度は、中国人など他のアジア系に共通しますね。社会秩序そのものがカオス系であり、カオスでやってった方がおさまりがいい感じ。でもオーストラリアの場合、なまじ生真面目でキッチリしてて、これまでが良かっただけに、苦しいところですね。
変な話ですけど、どっかで気が狂ったようにわーっとやらないと突き抜けられないと思います。まあ、「気が狂ったように」って感じにはいかないので、もう少しリアルに考えると、皆がだんだんウンザリしてきて、ダラけてきて、白けてきて、タフにもなってきて、反面、自分の暮らし向きの方がかなり切迫してヤバくなってきて、真剣にそれどころじゃなくなってきて、段々話題にならなくなるって感じかな。理性的にやっちゃダメ、みたいな感じ。ある意味、男女関係(or 人間関係一般)に似てるかも。なんにも問題は解決してないんだけど、既成事実が積み重なって自然と道が出来ていくという感じ。オージー、仕事はいい加減なくせに、政治になると妙に真面目なんだよね。日本とは真逆で。
相変わらず、メディアとか一部の人は、感染だ、大変だと同じ感じで書いてますけど、それはそれでわかるんですけど、それを言うなら、じゃあ貧困失業問題はどうしたらいいのかも同時に言うべきだと思いますよ。特に日本の場合は、オーストラリアに比べてセーフティネットが非常に薄いので、それがとても心配です。「大変」なのは今更言わなくたって皆知ってるし。問題は大変Aと大変Bの調整バランスなんだから、片方だけ論じている時点でもう論として意味がないし、不誠実な気すらしますね。
日本の場合はツッコミどころ満載すぎて逆に焦点がボケちゃってますが、一点だけ今からでも即刻修正すべきなのは、検査を一般に広く開放することです。なんで保健所が独占してるわけ?感染症法の規定だけどなんでそこを改正しないの?初めからずっとずっと指摘されてきたことなのに。
これは、[視点]日本ではPCR検査がなぜ進まないのかと東京保険医協会のサイトでも改めて最近指摘されてます。
そのためには法改正しなきゃいけないけど、それが出来る唯一の国会はなんで休んでるわけ?仕事せーよ。てかさー、もう失業率が1%増えるごとに、国会議員は全員1億円のペナルティを払うくらいにしないと真剣にやらないんじゃないの?まあ、そうなったら失業率統計の方を捏造するだろうけど。
ところでそれらを仕切ってた専門委員会ってなんで解散なの?なんで議事録も残ってないの?
ちなみに、専門委とか学者の集まりのように誤解されがちだけど、あの人達、もとは厚生省の技官から高級官僚になって天下ったり、本質は「政治家」といってもいいと思うのですよ。実際官僚から国会議員になるのは定番ルートだし、今も衆議院の10%以上は官僚出身だった筈です。大学の名誉教授レベルでも学内権力闘争はかなり「政治家」資質がないと勝ち抜けないだろうし、「浮世離れした学究の徒」というイメージで見てると違うと思うぞ。
PCRは難しい検査だけど、別に保健所しか設備がないわけでもないし、保険適用外で多少金がかかっても受けたいという人はいるのではないか。この独禁法違反みたいな保健所独占だけでも崩したら、状況はかなり変わると思います。なぜって、自治体や民間レベルでコロナ対策や自衛を全部封じているようなものなんだから。
文責:田村
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