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Essay 933:オーストラリアのコロナの現状と展開予想

 〜誤解されているぽいスウェーデンと集団免疫論
 〜なんだかよく分からないまま収束する可能性態


2020年05月04日
写真は、Balmainから撮影した夜明けのシティ摩天楼と三日月(左上)


オーストラリアの現状と規制

 オーストラリアのコロナの現状ですけど、徐々に規制緩和に向けてゆっくり動き始めています。

 州ごとによって緩和内容は変わり、どんどんオープンにしていく州と、そうではない州とに別れてます。NTなどが進んでいて、外でのアクティビティは既にOKになり、5月15日からレストランやパブがオープンになり、6月5日からナイトクラブやチームスポーツもOKになるそうです。

 対象的に渋チンなのがNSW州で、他人の家に二人(+子供)で訪問できる=ホームパーティ出来る=ことくらいですね。既に4月20日からRandwickカウンシル管轄のクージーやマルーブラビーチが開き(水泳とサーフィンだけだけど)、一週間ほど遅れてボンダイビーチ(Waverleyカウンシル)が開いてます。また徐々に発表するらしいけど、ガンガンやってる観はないですね。非常に慎重。まあ一番感染者数も死亡者数も多いからだけど。

 ほかにも細々とあるのですけど、いくら細かくかいたところで一過性の規制ですので、ちょっと時間が経ったら無意味になるので、ここには書きません。


 オーストラリアのコロナ対策は絵に描いたような初動でのフラットが成功した事例です。


 過ぎてしまえば、3月後半の1−2週間わーっとやってたくらいで、それが過ぎたら劇的に減少し、おっかびっくりツンツンと触ってるような感じですね。

 そろそろ経済も再開しないとまずいので開けるのですが、それに並行して、検査数も激しくやるようになってます。

5月に入ってから1日に2万件前後のペースですね。人口が5倍ある日本でいえば、1日8〜10万件検査をやってる計算になります。日本からみれば、わーすごい、進んでる〜とか思うかも知れないけど、世界レベルでいえば全然。


 エッセイ929のときに紹介した資料からまた引用しますが、世界の検査数(千人あたり)の国(抜粋)ですが、こんな感じです。グラフだけだとわかりにくいので、4月18日のところにカーソルを合わせた状態(内訳が表示される)でキャプってみました。


 相変わらずアイスランドがモンスター級に凄いんですけど(前回ちらと書いたようについに国民全員検査をやるとか)、リトアニアもすごいですね。で、イタリアとがきて、NZ0.86、オーストラリア0.59、アメリカ0.43です。まあ、こうしてみるとオーストラリアもやってるようで世界的には凡庸だと言ってもいい。

 日本の場合はもう「異次元」です。「韓国に比べて検査数が〜」なんて意見もありますが(その通りなんだけど)、でも、韓国も異次元的に少ないですよ。ドライブスルーなど画期的に開発してるんですけど、その韓国ですら世界から見たら「ほとんど検査やってない」と言われても仕方がないレベル。普通に地球的に見たら「日本ではまだ検査が開始されていない」くらいに思った方がいいくらいです。どんな立論をするにせよ、こんなレベルでは数値をもとに語ることは不可能だと思いますね。あまりにもサンプルケースが少ない場合は、偶然性や恣意性が強くなりすぎてしまって、何も語れない。まあこのあたりは日本の展開のテーマのときに書きましょう。

今後の選択肢

 オーストラリアが今度どうするかですが、僕が見た感じでは「決めあぐねている」「途方に暮れている」ぽい部分もありますね。なぜって対岸があまりにも遠いからです。最終的にある程度の「出口」「ゴール」に達しようと思えば、論理的には、(1)完全撲滅、(2)集団免疫、(3)ワクチンその他の特効薬になると言われますが、そのどれもが難しい。結局はそれらの事実上の折衷案みたいな(4)よく分からない共生状態になるんじゃないかなーって気もします。

 (1)は撲滅は多分やろうと思ったら出来るとは思います。NZなんかかなり近いセンまでいってるし、「絶海の孤島」的な環境であるオセアニアや島国は地政学的にやりやすいです。だけど、やってどうする?で、未来永劫鎖国していないといけない。それは現在の生活水準やインフラシステムを考えると不可能なので、やっぱ(3)ワクチン待ちになるとは思います。が、なまじレベルをあげて純潔過ぎちゃうと、生半可の特効薬では怖いでしょう。大体今のインフルだってワクチンがありつつ世界で数十万人死んでるわけですから完全なわけでもない。ここでなまじ完全にしてしまうと、あとが手詰まりになる。何をやるにもリスクが怖くなる。そのあたりのソフトラウンディングのやり方、とくに世界でやまほど開発されるであろう様々な薬剤な治療法に関するかなり正確な目利きと洞察力が試されると思います。

 一方、集団免疫論ですけど、オーストラリアの感じで言えば、かなり遠い気はしますね。オーストラリアも絶海の孤島ですからね。大航海時代にイギリスよりも先にオランダが見つけてるんですけど、あまりの利用価値の無さ(辺鄙すぎ)で放置してたくらいですから。百年後くらいだったかな、イギリスがまた見つけて、「囚人の島流し先」というゴミ捨て場的な「利用法」をようやく見つけたので開発に着手ってくらいの超絶的など田舎です。今回もほぼ100%が海外から来てるわけで、蛇口を締めて、あとは順次検査していけばウィルスは絶無ではないまでも、かなり少ないでしょう。実際、死者もクルーズ船と、あと老人ホーム系に集中してる感じですし。

 だからオーストラリアでは、意識的に感染したいと思ってもほぼ不可能ってくらいウィルスが少ないとは思います。抗体検査をやればまた10倍とか数十倍出てくるのでしょうが、それですら全然足りない。あれだけ毎日検査やって、それで新規感染者が1日に数名とかいうレベルだったら、ウィルスそのものの絶対量が少ないんだろう。その意味で集団免疫をやろうと思ったら、状況的に難しいだろうなーって思います。日本やアメリカ、欧州は人口密度も高いし、そこそこいくでしょうけど。

 オーストラリアのDeputy Chief Medical Officerである、Paul Kelly教授が、“victim of its own success”って言い得て妙な表現をしてました。「自分の成功の犠牲者」だと。最初にうまく行きすぎちゃったんで、ちょっと緩めたらすぐにセカンドウェーブがくると。だから、おっかなびっくりちょっとづつ開いていくしか無いんじゃないかと。

集団免疫とスウェーデン

正しく理解されてないぽいスウェーデン

 ちなみにスウェーデンが集団免疫まであと数週間ってところまで来ているとかいう話もあります。実際感染者の増加数がフラット化しつつあるそうですから。
Sweden resisted a lockdown, and its capital Stockholm is expected to reach ‘herd immunity’ in weeks
Sweden ambassador: Stockholm could reach herd immunity by May

 でも、集団免疫とスウェーデンについては、嘲笑的に書かれているメディアが圧倒的に多いんですよね。なんかのプロパガンダなのか知りませんけど。でも、実際スウェーデンで何をやってるのか、ある程度でも調べてから書いてるのかと思ったら、意外とそうでもないですね。単に「集団免疫という幻想追いかけて、冒険的でドン・キホーテ的なことやってるお馬鹿な国」くらいの感じで、レベル低すぎ、てか調べてなさすぎ。批判するときに一番簡単なのは、「相手を黒く描いて、その黒さを批判する」というやり方です。でもこれは責任ある言説のやるべきことではない。

 ネットでちらっと調べたくらいで分かるのですが、

What we can learn from Sweden's approach to COVID-19: WHO coronavirus briefing
 これはダボス会議などをやってるワールドエコノミックフォーラムの記事です。WHOの4月29日のメディアリリースが紹介されているのですが、要旨は「Governments will need to change their relationship with the public to manage the virus in the long term.(各国政府は、これから長期タームを前提に、国民との関係を変えていく必要がある)」「Sweden's approach 〜 a combination of trust and strategic controls - could provide a key model for other countries(その際、スェーデンの方法論=国民への信頼と戦略との複合=は一つのモデルになりうる)」。

 スウェーデンが何をやってきたのかといえば、国民との対話です。それも徹底的な。スェーデンの学者さん達のコメントとか見てて感じたのは、非常に理知的で率直で「現状においてこれを解決する方法はない」「何がベストな選択なのかはわからない」というスタンスです。つまり現状の科学では我々はまだわからないのだ、こうすれば良いということもわからないのだ。だけど何か対策をしないといけないけど、それが成功する保証はない、失敗する可能性もあるし、多分いくつかは失敗するだろう。だけどやっていくしかないんだって部分をスタートラインとして共有し、「じゃあどうしよう?」ということで、国民と一緒に考えて、少しづつやっていくって感じですね。そのスタンス、そのコミュニケーションの柔らかさと細かさをWHOは言っているんだと思います。

 逆に言えば、政府が国民よりも優れていて、賢くて、愚かな国民にこれをしろ、あれをするなと命令するようなスタンス=国家優越主義、国家指導主義=みたいなものを最初から潰してて、政府だって国民の一部だし、政府だけが突出して賢いわけでもない。だから一緒に考えようと。

 The major difference in Sweden’s approach is trust in the population. Ryan said: “What it has done differently is it is very much relying on its relationship with its citizenry. It really has trusted its own communities to implement that physical distance.”

 この点が他国と違うところだと思います。集団免疫は結果的に皆が選んだ方向がそれに近いというだけで、別に最初からそれが優れているから断固としてそれをやるんだって政府が決めて、それを国民に押し付けているわけではない。

 だから冒険的というよりは、一番理知的で謙虚な国のようにも見えます。集団免疫万歳で一切放置してるかといえば全然そんなことなく、かなり細かい規制をしてますし、常に検査してモニタリングしている。ソーシャルディスタンスはやってるし、一定人数以上の集会やノン・エッセンシャルトラベルは禁止している。レストランやヘアサロンは営業してるけど、テレワークは推奨されている。小さな子どもの学校は開いてるけど、年長になるとディスタンスラーニングにしている。国民を信頼して強圧的なことをしないが、必要とあればすぐにでも法制化する準備も整えている。

 でも全面一律のシャットダウンとか緊急事態宣言とかいう地引き網的なことはやらず、最初の時点で(4月7日)、政府に一時的&即時的に細かく必要なことを決める権限を与える法律を作って、細かいところまで臨機応変にやっている点です。つまり全面一律ということをしない、意識的にしないようにしているって点が違う。

 結果として人口比あたりの死者数が多くなっているし、スェーデンの中でもすぐにフルロックダウンをするべきだという一団が意見書を出したりしてるんだけど、学者の大勢は静観の構え。ロックダウンすれば一時的に効果はあるけど、それは単なる「遅延」であって「解決」ではないし、実際に、ストックホルムエリアの抗体保持者は3分の1くらいになりそうだし、感染のピークは既に越えているぽいし、病院のベッドなど収容能力は未だ余裕あるしってことです(もともとそれが出来るだけの医療体制の充実という前提はあったんだろうけど)。

 Sweden says its coronavirus approach has worked. The numbers suggest a different story(CNN)
 などなど記事はあるんだけど、どうも記事のタイトルが先入観に引っ張られていて、集団免疫ができるかどうかとかそっちばっかで語ってるけど、記事中のスウェーデンの人たちの話を読む限り、別にそんなに集団免疫ばっかりにこだわってる感じでもないのですよね。

 彼らが言ってるのは、「誰にもわからない」を事実を大事にしようということであり、わかりもしないのに神学論争みたいにこれがいいか悪いとか論じていてもあんまり意味ないでしょ、それでも我々は生活しないといけなんだから、手探りでみんなで考えてやっていくしかないじゃんって感じです。

"The truth is that no one, no one in Sweden, no one elsewhere either, knows what the best strategy is. Time will tell."
(真実は、何がベストな方法かなどスェーデンの誰も知らないし、地球上の誰も知らない。時が経たたないとわからない)。
"And as long as the healthcare system reasonably can cope with and give good care to the ones that need care, it's not clear that having the cases later in time is better."(上のCNNの記事より)
(医療システムがちゃんと機能し、ケアを必要とする人に十分に提供できている限り、あとに感染にかかった方が良いかどうはわからないです)。

 だから思うのですけど、結果がどうであれ、スウェーデンという国に関して言えば、「みんなで考えて、みんなで決めてこうなった」という部分があれば、それは受け止められるんじゃないかと。ある意味、大人な態度で、政府が国民よりも一段高いところにいて、愚かな国民を指導するんだと驕り高ぶるわけでもなし、また国民もなんでもかんでも政府にやってもらおうと甘えているわけでもない。そのあたりのスタンスがスウェーデンらしさであり、そのへんが他の国のメディアには正確に伝わってない、、、というか、書いてる記者さんはわかってるんだろうけど、「国家エライ教」の信者みたいな他の国の人々への記事としてはどうしてもポップな(その分的外れな)切り口で書くしか無いのかなって気もしますね。
 How Close Is Sweden to Herd Immunity From the Coronavirus?
 Sweden Sticks With Controversial COVID-19 Approach

集団免疫論の不可知論

 もう一点、集団免疫論ですけど、これも「黒く描いて」って部分があると思います。例えば「60%」という数値なんですけど、これけっこう独り歩きしてて、どうしてそういう数値になるのかという計算式がよくわからんです。説明できる人いますか?どっかの論文を引き合いにだして、そこからもってきてるんだけど。一方で50%説もあるし、80%説もあるんですよ。でもどうしてその数字になるのかの説明がない。

 ここで自分の頭で考えてみたんだけどね、どわっと爆発的に誰も彼もが感染するのではなく(一週間で国民全員感染みたいな)、ジリジリ抗体保持者が増えていくような場合(現状がそう)、仮に60%で新規感染ゼロになる集団免疫完成!というのであれば、事実上、完成するのは不可能なんじゃないかって気がするのですよ。最後の数%がめちゃくちゃ難しいんじゃないか。

 理屈をいうと、集団免疫完成というのはウィルスの立場から言うならば、「完全に行き場がない」状態ですよね。誰に感染しようとしても誰もが抗体持ってるから殺されてしまう。だったら集団免疫完成は100%ってことになりそうだけど、そうでなくて60%とかいうのは、40%の人間に感染することは出来る(とりあえず抗体持ってない人に侵入することはできる)、だけど侵入したところでその人の身体を乗っ取れるとは限らない。抗体がなくても普通の免疫システムでやられちゃうかもしれないし、実際のその確率の方が高いだろう(8割くらいは無症状ないし軽症なのだから)。そういう理屈で、ウィルスの行き先のうち、10のうち6つがダメ(抗体あり)になったら、もう事実上どこに行ってもダメになるから、集団免疫60%だということなのかなって思います。

 ウィルスというのはずっとその人の体内にいることは出来ない。免疫システムにやられてしまうか、それを免れて占領したとしても、それによって宿主(人)が死んでしまったらそれで終わり。いずれにせよ時間限定であり、「義経八艘飛び」みたいにポンポンと船(人)を替えていくしかない。それを免れたいなら変異して弱毒化し、共生することですし、多くのウィルスは人なりケモノや虫などと共生している。(その意味で後日変異して強毒化しても自分の首を締めるだけだから長続きせず、一般に弱毒化するといわれる)。でも、コロナはまだ共生できないから、時間限定。

 そのケンケンパのように飛んでいく過程で、一人が二人に感染させ、二人が4人にって指数関数的(ねずみ算式って言ったほうがわかりやすいね)に増えて、それが爆発だって言われるのだけど、トータルのアベレージで一人が一人にも感染させることが出来なかったら、やがて収束していく道理ですよね。

 でね、もし60%という数値が正しかったら、58%くらいまできたら、ほとんどのウィルスは新規感染者に辿り着くまでもなく死んでしまって、なっかなか新規感染者(抗体保持者)が増えず、最後の数%で足踏みするような気もします。実際には、50%越えたくらいでもう新規感染率はかなり減ってくるのではなかろうか。

 しかし、60%とかどうかいう数字って、別に実験した数値なわけでもないんでしょ?理論値でしょう?こんなのウィルスによって感染率とか諸条件が違うだろうから、「この程度のウィルスならこんなもん」という、どこまでいっても荒っぽい数字なんじゃないかと思うわけですよ。

 スウェーデンの場合も、ストックホルム界隈では、抗体保持率26%くらいで実際にフラット化が生じているって事実がある。規制もやってるからそのせいでもあるんだろうけど、じゃあ60%ってなんなんだよ?です。

 NY州も、前回書いた抗体検査のさらに5日後にまたやったところ、前回13.9%→14.9%に増え、NYシティの場合は24.7%まで増えている。
COVID-19: Here's How Many Of 7,500 Were Positive In New State Antibody Testing

 数理上の理屈はともかく、結果として感染カーブが落ちてきて、フラットになってる時点で、事実の問題としてなにかの効果がでてきてるといっていい。それを「集団免疫」っていうかどうかは言葉の問題ですよね。

 だからそこらへんなんか言葉の遊び、理論の遊びっぽく感じるのですよ。「集団免疫60%」という金科玉条ってなんなんだ?です。そんなのウィルスの特性によって違うんじゃないのか?コロナは新型だからまだわからないんじゃないのか?本来今の時点ではわからないんじゃないのか?それをあたかも不動の前提のようにして論じるのはおかしくないかってね。

 あるいは、集団免疫論の本質は「ウィルスの行き先を減らす」という意味でいえば、仮に1%であっても1%分は行き先は減っているわけです。完全カットには全然至らないんだけど、効果ゼロというわけでもない。だから10%だったら10%分の効果はあるはず。

 そもそもですね、60%というのは感染成功率100%前提の理屈じゃないのか?全員抗体がない場合、誰にでも感染するけど、うち60%に(抗体あるから)感染できなかったらあとは尻すぼみってことでしょう?でも、コロナの場合、感染しても80%は無症状ないし軽症です。つまりは感染は不成功(そこでは増殖できなかった)ってことで、最初から(再)感染の成功率は20%くらいしかないとも言える。まあ無症状や軽症でも再感染できるかもしれないから一概には言えないけど、そんな無人の野をゆくように広がるのか?というとやや疑問です。もし最初からそれだけ限定的だったら、さらにそこに抗体保持者が入ってきたらもっと限定されるわけで、別に60%じゃなくてもそこそこ効果あるような気もしますね。まあ、その可能性を考慮にいれて100ではなく60%にしてるのかもしれないですけど。そのあたりは実験してみるわけにもいかないし、結局は推論でしかないわけでしょ。

 ちなみに「言葉の遊び」というのは「感染とはなにか?」の定義付けにも関わってきます。ウィルスが単に他の人体に「移動」したら「感染」なのか?例えば移動した1秒後に体内の免疫に瞬殺されたとしても感染っていうの?もともとウィルスが他の生体に入って自己増殖を始められる確率は0.01%とかもっと低いとか言われます。当然の話で、人体に入ればいいってもんではない。自分が持ってる「合鍵」みたいなものと符合する細胞壁でないとドアがあかない。コロナの場合はACE2(Angiotensin-converting enzyme 2=アンジオテンシン変換酵素2)受容体でしたっけ?これがない細胞はダメで、だから同じ粘膜でも性器感染ないし胃腸内など消化器系感染も無いとされる。鍵が開かないから。それを探して、見つけて、生化学反応を開始している間に圧倒的大多数は免疫機構にやられちゃうわけでしょう。

 だから単に物理的に移動しただけでは感染ではないとも思われる。ではどうなったら「感染」なのか?といえば、例えば「移転した先の人体で増殖を開始したら」という定義もあるでしょう。でも開始したけどすぐに全滅させられちゃったらダメだし、「ある程度安定的に増殖を継続」ってことかもしれない。あるいは「さらに他の人体まで移動できるようになった時点」という定義もあるでしょう。その人体で繁殖することは出来ても、やがて免疫にやられちゃったり、あるいはそこで繁栄して結果として人体を殺してしまったらそこで終わりですからね。なので人体に入って、さらに次の人体まで行けたら、「ケンケンパが続いている限り」「感染者が増加する可能性がある場合」といってもいいけど、それを感染と呼ぶのだという言葉の遊びをするならば、コロナの場合、それほど感染力は強くない。移動はできるけどそれっきりというパターンがかなりありそうですから(それが8割なのか何割なのかはわからないけどね)。つまり集団免疫論も、無症状感染というコロナのユニークな特性と掛け合わせてみないと本当のところがわからんような気がします。

オーストラリアの今後予想

原則

 まあ、理屈はどうあれ、結局、見るべきポイントは、実際にフラット化していくかどうかですよね、そしてさらに絞り込んで言えば、特に措置を必要としない無症状者や普通の風邪とかわらんような軽症はどうでもよくて、「医療キャパを超える重症者が出るかどうか」「それだけ」がポイントだと思います。キャパを越えなければ対処できるんですから。

 それが集団免疫の効果なのか、皆の防疫努力の集積なのか、気温や湿度などの外在条件の変化によるのか、それぞれの寄与度が何%づつなのか何なのか、それはもう現時点では(おそらく永遠に)神のみぞ知る世界であって、要は結果として手に負えない事態になるかどうかだけが問題であると。ならば対策としては、手に負えるというキャパを広げることであり、もの凄い数の検査をやりまくって慎重に経過観察をすることだ思います。

 でもって、オーストラリアがやろうとしているのも、まさにそれです。

 とにかく医療キャパを広げる。具体的には人工呼吸器であり、その機械もさることながらそれを扱う専門スタッフという人的設備。それを充実ってことですが、オーストラリアも、7500台?1万台?そのくらい充実させているって書いてあったし、それに引き換え実際に使われている数は3週間前で40台も無いって書いてあったから、かなり余裕あります。

 で、すこしづつ広げていって様子を見る。様子を見るために、ここにきて検査数を一段と増やしてきているわけですね。理にかなってます。

 という意味で、どこの国でも同じようなやり方だと思うのですが、これって、スウェーデンとそんなに変わらないんですよね。最初にドーンと一律閉鎖とか宣言出すかの差、集団免疫に関する神学論争にどちら側につくかみたいな話で、わからないんだから慎重に動かしてみてやってみましょうって意味ではスウェーデンと同じです。結局、そこに行く着くんだろう。

 で、多分、オーストラリアの場合、ゆるめていってもそんなに感染は増えない、少なくとも医療キャパを超えるようなことは可能性としては低いと思われます。沈静化してから2週間以上たって、その時点でいたウィルスは全部やられちゃったか、数は相当減ってるでしょうから。で、仮にあとで抗体検査をやってみて抗体保持率が3%にも満たない時点で、かなり規制を緩めてもOKになってしまったらどうするんだ?ですよね。

 それはそれで結構なんだけど、なんでそうなってるのか自分らでもよく分からないってことはあるでしょう。到底集団免疫が出来ているとは思えないし、かといってウィルスが根絶してるとも思えない。だけど、事実の問題として、ゆるめていってもそれほど悲惨なことにならない。

 それはもしかしたら、ウィルスの絶対量が少ないことと、感染防止の作法が社会に定着したこと、きわめて限定的だけど集団免疫的な効果があったりすること、さらに余裕がでてきた医療機関が適切な処置ができることなど複合的な理由によって生じるのかもしれない。

 それらは複合的であると同時に流動的でもあるから、場合によってはちょっと感染が増えるときもあろうし、減るときもあろう。増えるときは、その分抗体保持者も増えるわけで、1−2週間後には集団免疫機能の強化というフィードバックになろうし、減ってるときはその分医療機関も骨休みや態勢を整える余裕が出来たり。

 真実なにが起きているのかは誰にもわからないんだけど、なんだかよくわからないけど事実上あんまり問題は生じないという状況もあろうだろうし、なんだかよく分からないまま収束するかもしれませんね。多分そんなオチになりそうな気もします。でもって、誰もが忘れた頃にワクチンが出来たり。

 ただ国内は良くても、今度は国境封鎖をどうやって解くかという問題がでてきます。なまじパラダイス無菌大陸みたいにしちゃったら、あとの開け方が難しい。だけど、未来永劫ってわけにもいかない。どっかで開けないと、観光という巨大な国民経済の柱を失ってしまいます。ヴァージンどころかカンタスも潰れてしまうし。サプライチェーンの問題もあるし。

 あ、もう一つ、政府はアプリをダウンロードしろって言ってます。これはブルートゥースを使ったやつで、感染者がでた場合、過去の接触者を調べていくためのものです。ロケーションシステムはなく、一定距離で一定時間一緒にいた人だけを記録していくというもので、プライバシーの侵害は極力しないようにするというもので、それ自体、ちょい物議を醸しています。それを論じているものは沢山あるので、ここではカットします。

大雑把な予想

 オーストラリアに関して言えば、多分5月から規制を緩めていき、様子を見て、6月いっぱいくらいでかなり規制は解除されるんじゃないかなーって気がします。そう思う根拠は、感じとしてそんなに感染がありそうもないこと。もうひとつは、いい加減経済がヤバくなってることです。それにメンタルヘルスもかなり危険らしいですし。

 ただソーシャルディスタンスはしばらくは続くでしょうし、手洗いとかも習慣化しちゃいましたよね。そういう素直な市民の危機感みたいなのは維持されるのかな、どうかな、ですね。

 そのあたり現地で暮らしている感覚でいえば、先週末くらいからショッピングセンターもかなりの人出で、これだけでてきたらリテールも商売になるんじゃないかな?って感じです。ソーシャルディスタンスは、常識として定着しつつも、場合によってはゆるくなったりしてて。実際、深夜にUberEatsでよくマクドナルドに行くんですけど、そこで警察の皆さんがぞろぞろパトカーでやってきて、暴走族の集会みたいに駐車場でダベってたり食べたりしてるんですけど、彼ら自身、1.5メートルじゃないですからね。もっとカジュアルな感じだし、それを他の客とかも見てるんだけど、誰も気にしない感じね。でも店内ではけっこうみんな間隔を開けてたりして、そのへんの「ないまぜ」「なし崩し」な感覚のまま推移していくような気もしますね。

 カフェとレストランのオープンですけど、おそらくは4平米原則から先にはいるでしょう。夫婦とか家族は近くてもいいから、2メートル四方にテーブル一つくらいのスカスカな感じからはいって、客人数も2人ないし家族オンリーにして、十数人のパーティはまだ先とか?あとアウトドアの席を積極推奨とか、そのために施策(カウンセルに椅子一つあたりいくらのショバ代払ってるんで、それを免除するとか政策はあるでしょうし)。

 なんかよく分からないまま、ごく自然と融解していく感じですかね。それを「なし崩し」と呼ぶか、「ナチュラルに適応・移行」と呼ぶかは言葉の問題で。


国境閉鎖と国際センス

 で、問題は、国境閉鎖をどうやって解くかです。
 時間がたつにつれ、前にも書いたけど、留学と観光がこの国の大きな外貨獲得の柱ですから、それが毀損されているのが厳しくなるでしょう。

 今のモリソン政府やNSW州は、そのへんの感覚がちょい鈍い感じがしますね。

移民が支えてきたこと

 Australia's coronavirus re-boot needs to consider population as well as the economy

 この記事は、 EG Advisory & Urban Planningという会社のマネージングディレクターDr Shane Geha氏によるものですが、若くて優秀な移民やテンポラリービザホルダー(留学や労働ビザ)が大量に来てるからこそ、大学や教育セクター、農場経営、そして都市部の経済(労働力にせよ消費者にせよ)ブーストしている。それを30万が流出し、さらに年内にあと30万人でていくという予想もあり、それがGDP的にも財政的にもどれだけもの凄い損失になるか。オーストラリア人の出生率は1.7に過ぎない。日本の1.4に比べればまだマシだけど、自分らだけでは国を維持できない。若くて優秀で、沢山お金を使ってくれて、沢山働いて沢山税金を払ってくる人たちを「輸入」するのが一番手っ取り早くて、それがオーストラリア過去30年間の経済繁栄をもたらしてきた、と。

 僕に言わせれば、オーストラリアなんか移民で持ってる国だと思います。
 実際、他に大した産業ってないですからね。これも前に書いたけど、資源頼みの国です。その資源も原油価格が崩壊してるように、ガーンと輸出スランプに陥っているようです。

 日本は過去の栄光ではありつつも一応G7の国です。G7クラスの北半球の国から見てると、オーストラリアはやっぱ田舎です。風景もいいし、人もいいし、食い物うまいしっって、田舎の属性ですからね。

 オーストラリアに観光にせよ、移民にせよ来る人は、オーストラリアの世界最先端の技術とかに惹かれているわけでもないです。そんなのあんまりないし。オーストラリア人でも優秀な人材になるほど、地元ではなくアメリカやイギリスなどに行きますからね。北海道や九州で、ちょい優秀だったら九大や北大にいくけど、もっと優秀になると東大や京大にいくのと同じですね。その程度なんですよね。やっぱ、青い空とフレンドリなー人々という生活環境とか「生き味の良さ」「人生環境」がオーストラリアのメイン産業であり、そこでオーストラリア人は「善良な村人」という商品価値的な位置づけなわけですよ、どこまでいっても。だから、そこを対処しないと、存在価値そのものがなくなるという。

 テンポラリービザの人は今回の手厚い救済から漏れてます。そのあたりのセンスがないなーって思う反面、タスマニア州はでは早々とこれらの人への支援を発表し、あとACTとSA州かな。そんなに凄いことをするわけではないけど、そのへんの気配りがうれしいですよね。でも、国政府とNSW州は知らんぷりで、センスねーなー、こいつらって思いますわ。
 ACT launches support package for temporary visa holders after federal government 'refused' to act

 でもだんだんそうも言ってられないでしょ?徐々に見えてくるだろうし。

ホテル業界支援

 観光にしたってそうです。あ、そういえばオーストラリア人が帰国するときに、ホテル14日滞在を義務付けられてますが、あれってけっこういいホテルなんですよね。ファイブスターの。第一陣がシドニーのホテルから出るときの記事があったけど、インターコンチネンタルホテルだったし。僕もUberEatsでシェラトンホテルに届けたことあります。若いお巡りさんが車寄せのところで受付掛かりをやってました。14日分の宿泊費と3食は政府持ちです。

 これは気前良いようで、ホテル業界対策でしょう。今世界のホテル業界は、14日コースみたいなのを売り出していて、前にアブダビで泊まったジュメイラってホテルからもメールが来てました(笑)。そうでもしないと食っていけないし。政府も、観光業界に支援しなきゃいけないけど、とりあえず一石二鳥でホテルに泊まらせるのでしょう。支援金を出すよりもはその方が気が利いてるし、一括取引だから安くもできるだろうし、ホテル側もガラガラのままよりはその方がいいし。

 その意味で東京の小池知事がホテルに収容したのも同じ文脈でしょう。まあ選挙対策で目立てるしって目論見もあろうけど、もともとオリンピックで旗振って、儲かりまっせで話をしていたホテル業界などにはなんかしないとマズイってのもあるのかもしれないです。ま、誰にとっても美味しい話だからいいでしょってことでしょう。

 だから、多分国境を開けるときには、同じようにホテル14日コースから入るかもしれませんね。そこまでしてまで来たい人はいるかといえば、親戚家族に会いたいとか、ビジネスユースとかあるでしょう。

抗体証明や無感染証明

 ただいちいちやってるのは無理っぽいので、徐々に無感染証明や抗体証明を実用化するようになるのが世界の流れになると思います。前にもちょっと書いた、スイスの名門ロッシュ社も抗体検査を開発してるのですよね。なんとなく思うに、世界の医薬系の産学官勢力は、ワクチンで設けるよりも、検査で儲けた方が早いんじゃないかって変えてきてるのかもしれません。ワクチン時間かかるし、副作用であとで自分らも潰れるかもしれないし、開発費かかるし、採用されるとは限らないし、ライバル多いし。だったら、今日からでも稼げる抗体検査とか、簡易な感染検査のブランド品みたいな高級バージョンを作って各国政府に採用してもらう方が早いんじゃなかろか。すでに世界中の机の下で羊羹(札束、金の隠語)が乱れ飛んでいるかもしれませんね。

 前回書いた抗体検査は、日本でも徐々に知名度があがってきて、ソフトバンク社でも従業員対象に実施しようとしてたりしています。アメリカなんかでは既にガンガン商品が売られていますし(100ドルちょいくらい)。
US Experts Identified One Antibody Test with 100% Accuracy While 10 Others Have Over 95%: Check Them Out!

 こういうのって、世界のどっかの国が早々と実行し、それで問題なくやってると、結構横並び意識があるみたいで(日本みたいな)、ロックダウンも世界の流行になるなら、その解除も流行でしょう。「ウチでもやらないとダメですよ、ほかでもみんなやってますよ!」という、なんかよく耳にするセリフを吐いているのでしょうね。

 対岸に石を投げるような感覚的な予想では、多分早ければ6月〜7月くらいからちょっとづつ開けていくような気がします。最初の頃、国境があくのは早くて6月、まあ9月くらいかなーって思ったのは、感染とか関係なく、経済と予算や体力からの目算でしたけど、そうなるかなー、どうかなーです。

 それに航空会社もこのままいけば死にますから。
 ヴァージンが任意整理になりましたけど、管財人が買い手をさがしていると、既に世界から20社が名乗りをあげているといいます。うち3社は中国系で、中国にだけは売るなとかいう話もあります。

余談:アメリカの子分と嫌中観


 ということで、ここから先は余談のような中国論になります。

 モリソン首相がトランプに会って何を焚き付けられたのか、コロナウィルスの発生を調査する独立委員会を作るべきだとは発言し、中国の反発を招いています。

 もともとオーストラリア人の中国嫌悪症=それは恐怖症の裏返しだけどはあって、僕らのようなアジア人からみると興味深いです。古い世代のオーストラリア人(モリソンなんかもそれっぽい)は、やっぱ西欧人の腰が残ってて、アジア30億人のなかに孤立している心細さが深層心理にあるって言われてますし、僕もそう思う。で、いつか象に踏み潰されるアリのようになってしまうのでは?という恐怖を具現化した存在が中国なんでしょうねー。なんかこだわるよね。そのあたりの恐怖心がなくてフラットでいれたのは、自分でも中国語ペラペラだったケビン・ラッド首相くらいかな。

 また、その分、アメリカを頼りにするところがなんか強いのよね。「日本だけじゃないんだ」って最初に来た頃新鮮に思ったけど、オーストラリアもアメリカにはダメダメよね。いつかハワード首相の時代、アメリカが小麦農家を助けるために、人道援助の名のもとにインドネシアにどんどん小麦を輸出しようとしてたときがあります。ほとんどダンピングみたいな値段で。日豪は相互補完が強いけど、米豪は競合ライバル関係で、インドネシアはオーストラリアの小麦のお得意さんで、それをアメリカに強引に奪われるという問題があった。でもアメリカによう文句言えないんですよね。折しもAPECだったかなんかの国際会議で、クリントン大統領がブリスベンかどっかに休養に来て、ハワード首相といっしょにゴルフやりました。そのときオーストラリアの国内新聞は、この機会にアメリカにガーンと文句を言うんだ、いつまでも舐められてたらダメ、ビビらずにいけ〜だとか言ってたんだけど、結局、何もいえずににこやかにゴルフやってそんで終わりで(笑)。ダメダメじゃんって。

 もう記憶も怪しいんですけど、日頃はアメリカの悪口ばっか言うくせに、いざ面と向かうと子分になってしまうという。その意味でいえば、日本よりもひどいかも。

 今回もトランプと会ったあとに、さっそく中国ウィルス発言で、ああ、トランプに乗せられてって思ったです。アメリカはこの手のことをよくやります。南オセチア戦争のときも、ロシアを揺さぶろうとしたら、近くのグルジアに「ロシア、やっちゃいましょうよ」とか焚き付けたとか言われてますが、いざグルジアが事を構えて、ロシアにボロカスに叩かれたときはアメリカ知らんぷり。グルジアかわいそー。日本だって、石原慎太郎がアメリカに呼びつけられて、帰ってきたら尖閣諸島領有化とかいって中国とドンパチやりはじめて、もうまんまパシリなんだけど、その一連の経過でもアメリカ知らんぷりだったし。

 トランプのおっさんは、言ってる個々の内容なんかどうでもいいと思ってるでしょう。適当にあっちに引っ張ったり、こっちに振ったり、人々を幻惑させ、炎上商法OKのふてぶてしさで色々言うんだけど、肝心の部分はしっかりゲット。北朝鮮でもさんざんあれこれやりながらも、結局は相手としっかり意思疎通して、今では北朝鮮のことはトランプが一番知っているみたいになっている。多分、中国ともそうなんだと思う。だけど、それじゃ周囲に示しがつかないし、またあれこれ揺さぶるのは揺さぶりたいから、「おう、お前、ちょっと行ってこい」って感じでモリソンもパシらされてるんじゃないかって気がします。もっともその翌日になったら、トランプが言ってるような中国陰謀論には与するものではないって、そこは一線をひいてましたけどね。一応わかってるみたいで安心したけど。

 Coronavirus crisis has driven a wedge between Australia and China. Difficult times lie ahead for Scott Morrison
 では、オーストラリアのビネオネラAndrew Forrestと Kerry Stokesが、調子に乗っちゃダメだよってモリソン首相に警告してます。彼らは、中国でのビジネスで億万長者になっただけあって、中国のことをよく知ってて、舐めたらあかんよ、とんでもない目に遭うよって。ビジネス界の方が「中国の使い方」をよく知ってるし、中国は利用するものであって、敵対するもんじゃないだろって感覚です。フォレスト氏は、自分のコネをつかって、中国からテストキットを1000万セット輸入するように手配しているし。

 オーストラリアの対中依存度は全取引の26%にも及び、こんなに中国依存度が高かったら問題で、もっと分散化しないとという掛け声で、過去20年間インドやインドネシアとも良好な関係を築こうとしてます。しかし、対中依存度は増える一方で、一位中国との貿易量は、次の2、3,4,5位の国を合算したくらいの額になります。インドはわずか3.4%、インドネシアにいたっては2%以下です。

 シリアスにビジネス、そして国家財政を考えたら、そんなネトウヨみたいな気分で中国と喧嘩してる場合じゃねえんだよってことなんでしょう。ただでさえ今回の大出血サービスで国家財政は破綻の縁まで来てるんだから、これから先は猛烈に「稼ぐ!」ってことをしないと、今の生活水準を維持できないわけだし。

 で、ヴァージン航空の話になりますが、中国の虚空会社が3社もヴァージンに興味を持っていると報道されてます。

Coronavirus: Virgin Australia eyed by three Chinese airlines for rescue deal

 前にも書いたけど、経済でちんたらやってると、そのうち中国になにもかも買い取られてしまうぞってことで、書いてるそばからすぐにその展開になってます。中国は嫌だっていうなら、じゃあ政府で面倒見ろよっていうと、その金はない。まあ、日本の場合もそうですけどね。家電メーカーなどが中国に取られるとかいっても、結局金がないからとめられない。経済が弱いってそういう意味です。それがだんだんいろんな局面で見えてくるんだと思います。

 でも、それが別に悪いわけでもないんですよね。日本だってバブルの頃は世界中を買い占めて、「アメリカが二個買える」「ジャパンマネーには敵わない」とまで言われたけど、だからといって世界を支配してるわけではなく、結局の所、どれもこれも高値づかみで大損させられただけですからね。

 金持ってるやつには出させておけばいい、根っこのところで法制権を持ってれば規制できるんだから、そこはうまくやっていけばいい。今はもうどこも国際的な資本関係は入り乱れていて、どっかで高速道路ひとつ作るだけでも国際的なコンソーシアムを組み上げて、金融商品として売り出してとか複雑にやってるわけですし。以上、これは余談でした。





文責:田村


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