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今週の一枚(2018/04/16)



Essay 873:GO AHEAD!〜6月上旬一時帰国とセミナー企画


写真は、Ashfied。もともと上海人の多い街だが、向う正面、大通りに面して「〜上海」という店が並んでます。「新上海」「夜上海」「老上海」などなど。昔から行きつけで顔なじみになってるのが右端の老上海(そんな名前じゃなかったけどね、昔は)。小籠包美味し。もち米が具という上海焼売もどぞ。

まくら

 前回書いたように、本業+バイト(2つ)+引っ越し+日本帰省+スイス旅行が重なって(自業自得なんだが)ひーこら言ってます。

 日々はせっせと蔵書スキャンとCD Ripやってて、前回の引っ越し前からすれば、本棚5本分あった本や書類も、いよいよあと数十冊というところまで来ています。本は嵩張りますからね。これが完成すればダンボール箱10-20箱分は身軽になったことになる。まだまだ先はあるけど、しかし長い旅路であったことよ。足掛け3年で一つのことをなし遂げるという、おおお、なんという達成感(笑)。

 自炊スキャンっつっても、いちいち本をバラして、カッターで切って、順次読みこませるんですよー、知ってるだろうけど。仕上げに頁が飛んでるかどうか確認して(よく飛ぶ)、さらにOCRで文字認識させて、気に入った本はテキストファイルとして出力し、Dropboxにあげて青空文庫アプリでケータイでも読めるようにします。最終的には手持ちの本はゼロにし、そのかわり世界のどこにいってもクラウド経由で読めるようにと。客観的にみれば、個人の室内作業であり、めちゃ地味でしょぼいんだけど、主観的には「遠大な」計画です。むふ。

 さて、まだチケット取ってないけど、6月初旬に日本に帰国します。
 常として、同じことを繰り返すことはしたくないので、これまでの達成点をベースにしつつ、さらに新しい試みはないか?を考えてます。今日はその話。

オーストラリア・セミナー・1日1万円

 なんてことを考えています。

 APLaCの説明会、、「会」というか個人的に会って、あれこれ説明してってのは無料でやりますよ。また、従来のオフも、まあ、やります。

 でもこれはちゃんとお金取ってやる「セミナー」です。
 無料説明会と何が違うの?といえば、説明会は予告編であり広報、CM、販促だけど、セミナーは商品そのものです。「こういうことをやりますよ」が説明会で、ズバリ「こういうこと」の内容そのものをやるのがセミナー。

 ま、実際にはその境界は曖昧になるでしょうし、受講料1万円は微妙だし、参加者なんかいないんじゃないかなー、ドン・キホーテだよなーって思うのだけど、それでもやろうかと思ったのは、他にも幾つかの理由があります。おいおい書いていきます。

内容 

 内容ですけど、一括パックでやってるレクチャーや技術の伝習、その後のカウンセリングなどなど実践的な内容です。

現地で動くための最低限のノウハウ

 対象者は、ワーホリや留学のほか、就労とか永住を目指してる人、あるいは自分でカスタマイズする個人旅行をしてみたい人、悠々自適で老後にオーストラリアに住んでみたいなという人などです。

 いずれの場合にも共通するのは、最低限のビザの知識は必要だろうし、予算や現地の生活費のニュアンス(このくらい贅沢するとこれだけかかり、でもコレでいいなら幾らで済むとか)。でも、そんなネットを見れば分かるような話をするのが本題ではなく、もっと実戦的なこと。とりあえずネット環境であったり、携帯電話のSIMとかアクティベイトの説明。あるいはシドニーの場合の公共交通機関の概要とOpalcardの説明、必要なアプリの扱い方。僕が日常、来たばかりの人に「これだけは出来るようになっておくように」と教える内容そのまんま。

 総花的に全部やってたらキリがないんだけど、希望によって生活面でのあれこれ。例えば余裕で生水飲めるよとか、テイクアウェイって言葉は絶対知っとけとか、飲みかけのジュースでも、食べかけのラーメンですらティアウェイできるとか、お店を出る時にカバンチェックされるのは別に疑われているわけではないよとか、その種の話。

 これらは、どのような目的で渡豪されるにせよ、絶対に知っておいたほうが良いノウハウなので。住んでる人だったら誰でも喋れることです。ただし、「教え方」というのは確かにあって、自慢じゃないけど、過去20年以上手とり足取り教えてますので、ツボやらキャリアやらはあります。

 あと想定外の連続なので、アテが外れた時の気持の立て直し方、最初からプランBもCもDも用意しておくこと。宿の予約は通ってないわ、バスは来ないわ、デリバリーは届かないわ、待ち合わせはすっぽかされるわ。このあたり、日本人の一番の弱点で、すべてを浮かしておいて、何事も「安心しようとしない」心構えですね。想定外のハプニングをケラケラ笑って楽しめるような肝っ玉もいるし、それと同じくらい想定外のラッキーも転がり込んでくるんだから長期的にはトントンだと。

 トラブル対処法でも、ブレイクスルーでも、とにかくメゲずに数をこなしてトライすることであり、ライトパーソンを掴むことであり、何一つ想定通りいかないと思っておくべし。ただし想定通りいかない寄り道部分に、人生のご褒美のような素敵なことがあったりするので、計画通りきっちりやることを快感とはせず、小学校の授業のように「なにかあって中断した方が面白い」くらいに思っておくこと。あるいは下校の際の寄り道のように、気まぐれや偶然を楽しむようにすること。ある意味、これは人生訓でもある。

 総じて言えば「カネで解決」という方法論はあんまり通用せず、「人間性で解決」という方法論の方が有効だったりすること。「カネ持ってる」ことよりも、「いいヤツであること」の方が実戦現場では意味がある。わかってしまえば楽なんだけど、そのあたり気分の配分を変えること。

海外&英語トラウマ

 海外生活慣れしてる人(=旅行ではなく、誰の助力もなく自力で2年以上暮らしたことがある人=未知の空間でも依存性ゼロでやっていける人)ならともかく、そうでない日本人が現地にやってきた場合、必要以上に現実を厳しく見積もる傾向があります。たまに甘く見てる人もいるけど、そういう人はすぐに手ひどいシッペ返しを食らうから、それによって普通以上に慎重になる(羹に懲りて膾を吹くってやつ)。

 要するに心が折れるし、必要以上にビビるようになる。安全志向といえば聞こえは良いけど、ビビってるだけです。しかし、そのビビリがめちゃくちゃ勿体無い。あとになって考えたら、1年で出来ることが3年も5年もかかるようになる。100%日本語ゼロの世界に飛び込んでいかないと、本当に美味しい果実は得にくい。2回目のためのファーム探しにせよ、バイトにせよ、就労ビザのスポンサーだってそうだし、起業だってそうだし、「本当はここまでやっていい」ってラインのはるか手前で止まってるから、全然話が前に進まない、達成しない、結局ダメってことになる。そして、それは来た初日から二日目あたりに原型が作られる。一括パックの初日のレクチャーは、その構造説明と、対処法であり、心が折れないための「予防注射」です。それをレクチャーします。

 とりあえず打ちのめされるのは英語がわからんこと。それも「喋れない」というレベル以前に、何を喋っていいのかすら分からない。なぜなら「聞き取れない」という問題が生じるから。相手が何を言ってるのかさっぱりわからない悲しさ、情けなさというのは、本当に涙が出そうなくらいで、これで大体やられてしまう。もうこんな屈辱的な思いは二度としたくないと[懲りて」逃げに走る(日本語情報・環境を求めたり)。でも、最初にそっちに行ってしまったら途方もない時間のロスを招くし、その時間のロスは、ビザによって定められている「滞在期限の無駄遣い」という形になって現れるので、多くの場合には致命的にもなりうる。

 ほんまもんのストリートの英語って、それなりの現場経験がなかったら、TOEICで900取っててもまず無理だと思われるくらい難しい。そこをどう対処するか?そもそもなぜ聞き取れないのか?ここまでは聞き取れるけど、こう喋られると聞き取れないという境目はどこにあるのか、どこが違うのか。その構造の説明。原因がわかれば、対処のしようもあるのでその対処法。例えば、聞き返し方でも馬鹿みたいに”Sorry”連発ではダメだし(相手を怒らせたりする)、適切な「聞き直し方」というのがあって、その練習。

 とにかく「英語ができるようになってから」なんて言ってたら一生何もできないまま終わるのがミエミエなので、全ては見切り発車でやるしかなく、またそれで正しい。「英語はわからないけど、なんとかする方法」を身に着けないとならない。

リスク管理と発想の転換

 これは初日のレクチャーの白眉の部分で、うちの卒業生だったらみんな聞いたことあるでしょう。「運」と「確率」は何が違うか?とか。リスクの最たるものは死ぬこと(死に匹敵するくらい重大な後遺症)であり、それ以外は大した事ではない。ならば問題は「じゃあ、どういう場合に死ぬか?」であり、日常的にありがちなパターンを先に覚えておけば未然に防げる。それ以外のリスクは、仮に失敗しても損失よりも得るものが大きい。

 このあたりは現地での水先案内人としてのキャリアよりも、弁護士として他人さんの人生の岐路(破綻)を見続けてきた経験の方がベースになってます。

 このエッセイも、あら方書き上げて一寝入りして朝になったら停電。室内のコンセント部分だけが全部ダメ。PC立ち上がらず。UP出来ず。冷蔵庫も停まってしまった。速攻で、大家さんにSMSするんだけど、大家さんの住所をPCに入れてたらアウトで、そこをクラウドに載せてたからなんとかSMS出来て、実際には30分かそこらで解決できた。これ、マジにエレクトリシャン呼んでたら今日は一日無理だったかもしれない。というように、緊急事態の備えは常にしておくこと。コツは「縁起でもないことを考える」ことで、これはメンタル的に辛いんだけど、でも先に手配しておいたことは起きないというジンクスもあるし、仮に起きてもかなりスムースに対処できる。

その他の定番コース

 例えばワーホリや留学だったら、シェア探しはこうしろとか話。ステイとシェアで何が違うかに始まり、具体的にシェア探しの英会話でよく使うキーワードを幾つか覚えること。ボンドとか。エクスチェンジの概念や実際。バイト探しの実情と、大体の相場。

 それに伴う英語の話はします。腹式呼吸やら、相手は普通に喋ってるんだけど日本人の耳には怒鳴りつけられてるように聞こえる話やら、住所の聞き取り方(その前提として住所表示の仕組み)、時間表示として12pmは真夜中ではなく正午(0pm)の意味だとか、聞き取れないことを何度も何度も何度も聞いて書き取る練習とか、もそもそ喋って向こうが聞き取れなくて”What's the fuck are talking about?!"って言われたり、やや敵対的で険悪な雰囲気での英会話の練習とか、3時のアポに行ったけど不在だったので玄関に書き置きを残していくその書き置き英文を3分以内に書けとか。着いたその日から必要なこと。

 お金の表示、口頭で英語で暗算して会話する練習、例えば週220ドルで2週間前家賃で、ボンドが3週だから入居日には5週間分1100ドルになるけど、既にデポジットを100ドル払ってるから1000ドルちょっきりでいいよね?を、いますぐこの場で英語で言え、相手に通じるまで諦めないで最後まで言え、言えないんだったら紙に書いて説明しろとか、お金に関することは正確な意思疎通が必要。

 これがバイトやファームになったら、時給いくらで、源泉徴収(PAYG)がいくらで、スーパー(厚生年金)がいくらでって知っておくべき基本単語。また応用として、金払ってくれないとか、二回目用のサインをしてくれないとかする時の対抗措置のノウハウ。

 観光だったら、普通の観光以外に、ホリデーユニット借りたり、Airbnbにしたり、バッパーにしたり、レンタ借りたり、WWOOFやったりとか、より自由度の高いカスタマイズの方法とか。

 永住権まで狙ってる人は、大体のパターンとか、道のりとか、現場感覚ですね。理屈や規制はネットに書いてあるけど、実際に現場に出てやってる感じですね。現場手に職系の人は仕事はそんなに難しくないけど、IELTSなどの英語で死ぬほど苦労する。お勉強が得意なデスク系は英語はそんなに苦労しないけど、職探しにめちゃくちゃ苦労する。そのニュアンスとか。

 また、仮に永住までいけなかったとしても、それまでに何を得られるか、その力をもって日本で、あるいは第三国で何をするのか、どういう将来設計をしていくのか、出来合いのお手本なんかまず存在しないから、全部自分でゼロから描いていかねばならないこと、その描き方であるとか。

 これらをガチでレクチャーします。
 まともにやってたら何日もかかるけど、それを希望をきいて、メリハリつけて5−6時間くらいでやります。個別の知識はすぐに忘れるから、頭で覚える知識ではなく、感覚的に体得するような「カンドコロ」を伝えたいです。知識はね、いざ現場になると頭真っ白になるから、結局役に立たないしね。頭真っ白になっても動けるような、ものの考え方とかそういった核心部分です。本当に役に立つことだけ教えれば十分だし。


なんでやるのか? 

 内容的にはこんなものですが、なぜそんなことをするのか?ですが、

日本が貧困化してるから

 特に年々、若い人の可処分所得が減っている。そりゃ減りますよ。どうかすると30年前くらいから給料あがってないくせに、年金だの税金だの一貫して上がってるから、手元のお金(可処分所得)は減る。だから貯金もできない。そういう人が増えているでしょう。全員そうだとは言わないけど、状況は楽にはなってないと思う。単身者世帯の半分が貯金ゼロなんだから楽なはずがない。

 空前の人手不足とか言われてるけど、単なる人口ギャップに過ぎない。先週の金曜日(13日)に総務省の発表した最新統計では65歳以上の高齢者が56万人増えて、16-64歳の生産人口が60万人減っている。つまり職の空席が1年間で60万分減って、しかし人間は増えてないんだから人手不足になるのは当たり前。普通これだけ需給ギャップが生じれば給与は暴騰しても良さそうなのだが、実質賃金はむしろ下がってる。これは何を意味するか?高給取りの中高年を追い出して、安月給の若手に振り替えているだけ。労働戦力という意味では劣化してるんだから、一人あたりの忙しさや負担は増える。また生産人口が減るということは、退職して金遣いが荒くなる人は少ないんだから、給料貰って消費してくれる「お客」も減るということでもある。90年代日本人の僕の感覚だったら、今の税金などの水準からすれば、初任給30万以上は必須だと思うけど、そうなってない。

 だから何?というと、一括パックって学校に通うことを前提になりたっているので、学校通う資金がないって人が年々増えてると思うのです。実際にもそんな感じだし、武者修行としてオーストラリアにワーホリに来るよりも、単なる「出稼ぎ」として渡豪する人が増えている。そういう人には、ライトプランで実戦レクチャーだけやったりするけど、シドニーに来る人ばっかでもないしね。だから、オーストラリアのどこにいってもやっていけるように、日本の段階で「弾込め」というか、事前に知る機会があってもいいんじゃないかってことです。

 なお、既に一括パックを申し込んでる人には無料でやります。でも、どうせこっちでやるんだから、現地で聞いたほうがいいかも。話を聞いて、後日一括パックに申し込まれた方は、こちらに来てから受講料を返します。だから損はさせない。

 既に過去に一括パックを受けた人の「再受講」もアリだし、再受講だから安くしますけど、同じ話を二度聴く意味ありますかね。まあ、過去の感覚を呼び戻すって意味はあるのかな、どうかな?年々内容を変えているので、昔だったら聞いた内容と全然違ってたりもするだろうけど。

1万円にする意味 

 会場代が最低限そのくらいかかるからって意味もあるけど、大きなところでは、「無料」に伴うぬるい感じがイヤだからです。暇つぶしみたいな、文化娯楽的な感じが。それが悪いわけではないけど、積み上がっていかないし、展望も開けない。

 真剣な人だけに来てほしいし、できりゃあ生きるか死ぬかで切羽詰まってるくらいの人がいい(笑)。そういう人が好きだし、真剣に生きてる人は話してても気持いいんで。真剣かどうかは、お金をフィルターにするのが一番簡単で確実だし。

 また、こっちも1万円取るだけの内容にしなきゃいけないから緊張するし、無料だから多少いい加減でもいいやって甘えもなくなる。

 別にもっと安くしてもいいんだけど、でも内容的に考えて、また他の(なんでもいいけど)セミナー類の値段を考えても、1万円より下というのはありえないなと。世間には2−3日で30万円とかいうのもゴロゴロあるし、それらに比べてどうというつもりはないけど、こっちだって思いつきで喋ってるわけじゃないのでね。そのくらいの実質はある。むしろ5万くらいにしてもいいかなとか思ったりもするけど、それだと今度は貧困化と整合性がつかなくなるし。

 それと前にも書いたけど、この本業で食えなくてもいい、食えなくてもやっていける体制づくりは進んでいるので、そのへん吹っ切れたというのもあります。無料!とかいって「客寄せ」みたいなことせんでもいいわと。もともとそういうの得意じゃないし。

 ただね、それだけではないのですよ。もっと先を見越した意味があります。


先々の展望

日本ネットワークの中間段階と講師ビジネス

 前々から言ってる、セーフハウスとか、NPOとか、空き家活用とかその文脈だけど、罪もないオフやってるだけでは、話が前に進まないなと思ったのですよ。もう一歩進めた方がいい。かといっていきなり介護ハウスやら貧困セーフティネットとかいっても、今時点でそこまで切羽詰まってるわけでもない。最終的には、「どんなになっても、ここにくれば大丈夫」という下支えをしたい、岩盤に杭を打ち込むような補強作業をしたいんだけど、まだまだ距離がある。

 ではその中間ギャップをどう埋めていくかで、その方法論はいろいろあるんだけど、その中の一つとして、もっと積極的にカネを絡ませていったほうがいいかなと。カネ儲けを終局の目的にする気はさらさらないけど、カネは起爆剤とか潤滑油にはなるから。雰囲気締まるし、真剣度が違ってくるし。

 例えば、このネタで稼いでごらんってのがあります。
 外部講師を招くビジネスモデルというのがれっきとしてあって、これはカミさんの世界ではノーマルな話、アロマとかキネシとかそのあたりでは、外国から誰か呼んできてセミナーやって、一回10万くらいの参加費取って、講師の交通費と宿代と講演料を払って、それでも利潤がでるようにやるんです。

 普通の仕事してる人は馴染みのない世界かもしれないけど、すごいんだよ。ほんと百万単位の話もあるくらいだし。ただ、それは独自の世界を構築して、カリスマになってとか長い準備作業がいるんだけど、別にそのまんま真似するわけではない。ただ、そういう世界もある、ということを伝えたいのが一つ。

遊休スペースの利用と1日だけ起業

 それがどう展開していくかというと、このオーストラリアセミナーをあなたが主催する。場所を探して、僕を呼んで(交通費や宿代とか講師料とか取り分とか商談して)、チケット売って(別にそこで1万円にする必要もないし、そこは適宜)、それで利潤がでるかどうか。あるいは「オーストラリア」にお題を限定することもなく、こういう講義をして欲しいという交渉も可能です。

 でもそんなのすぐには出来ない。でもって、ここで例えば「空き家の活用」「自宅の活用」が出てくるわけです。自分の(知り合いの)遊休スペースをそれに使えないかと。自分で書道教室やるのもいいんだろうけど、それやってると「自分の持ちネタ」に限定される。またコンスタントに通ってくれるお弟子さんがどれだけいるのか?というと微妙。ならばコンテンツは外部から仕入れればいいじゃないか、人を呼べそうな特殊技能や経験を持ってる人に来てもらって、イベントやって、その収益を目指す。まあ、そんなに簡単に利益は出ないんだけど、やってりゃだんだんコツもわかってくるし、そういう活動が後につながっていく。人脈も増えるし。

 そのとりあえずの「とっかかり」として僕自身が素材・商材になりましょうという話です。フレキシブルにやりますから、例えば、あなたが僕を自宅に招いて1日レクチャーしてくれ、友達も呼ぶからってケースを考えてみる。僕の条件としては、遠隔地だったら交通費実費と最低一人分の1万円あればいい。そのかわり会場費1万円は僕から出すとするならばプラマイゼロで、実際には交通費だけで僕を呼べることになる(グリーン車じゃないとイヤとかワガママは言わない、長距離バスでOK)。さらに誰かに参加させたら利潤になり、それは折半でもいい。日帰りできない場合の宿泊費は出してもらうけど、そんなのあなたの部屋の片隅ゴロ寝でも俺は文句は言わない。全然ビジネスになってないけど、大事なのはあれこれ試行錯誤してパターンを作っていくこと。

 これならそんなに損はないでしょう。仮に興味があって聞きたいとなった場合、自分が交通費出して労力つかって聞きに行くのと、僕に交通費出して来てもらうのとでは、来てもらった方が得でしょ。自宅でやったら会場費ゼロだし。大体朝の9時始まりでお昼休憩1時間で4時終わりの正味6時間講座で、自宅にスペースがないなら、地元民特権で安く公民館借りたり、小学校や塾の使ってない時間の教室借りたり、どっかの倉庫借りたり、工夫しだいでしょう。

 一方、僕のプラマイでいえば、金銭的には殆ど旨味はないけど、日本の色んなところにいけるのが楽しい。また、自分で会場手配するよりも、地元民にやってもらったほうがずっと楽だし、安く済む。

あなたが講師になる

 この延長線上には、あなた自身が講師になるというところで予定してます。

 既にそうなってるし、これからどんどんそうなるが、世の中が変化してって、古い方法論では通用しなくなっている。だから日に日に新しく「生き抜いていくワザ」を開発しないといけない。そのためにはリアルな現状を知らねばならないし、こうすると成功すると、こうやると失敗するというケーススタディも必要でしょう。そうやって自分が得た貴重な知識経験をシェアしていく。その際、無料の教えあいっこでもいいけど、無料だと事実上足が出るし、ぬるさが出るので、きっちり金を取る。

 また、自分があれこれ教えるにしても、1日1万円分(別に値段は自分でつければいいけど)の内容なのか?こんな程度だったら金返せバカヤローって言われるんじゃないかとか、そこは真剣に内容を詰めていくわけです。ただの「経験談」なら聞いてもしょうがないって部分もあるんですよ。単なる自慢話だったらカネ払って聴くほどのこともないしね。また、それがどんなに事実であろうが、それは特殊解であって一般解ではない。自分の経験を、どんな人にもわかりやすく、どんな場合にもある程度通用させるためには、それなりに体系化しなければならない。必要なら調べて資料つくりもしなければならない。それは厳しいかもしれないけど、でも外部に自分を知らしめていく、社会に貢献するってそういうことなんだから、そこは頑張るべき。単なる雑談ではなく、もっと世のための人のためになる価値ある話が出来る自分になれ、と。

 誰だって生きてりゃ一つか2つのことは喋れるはずです。以前異業種交流やってるときも、仲間で順繰りに講師にしたてて、日頃の業務内容をそのまま話してもらったことがあります。すごい役に立った。業界の話って面白いですから。製薬会社、デザイン会社、IT(当時はITという言葉はなかったが)などなど。また、他の会とも積極的に交流して、当時(今もあるのかな)、NTTの関西女子勉強会というところとお付き合いさせていただいて、月イチでやってる外部講師を招いてって会合に参加させてもらいました。リクルート(とらばーゆ)の編集長さんのリアルな話とか、NHKのアナウンサーの人とか、面白かったですよ。

 あとね、会費が1万円だの3000円だのカネ取れとか言ってるけど、参加する側からしたら、その日スケジュールあけて、朝から用意して着替えて電車乗って会場までやってくる手間暇の方が負担なのだ。会場まで行ってしまえば、そこで会費をいくら払ったかなんか覚えてない。ましてや、セミナーの後はどっかで懇親会とかやるんで、そこでの会費が3000円が4000円でも覚えてない。だからお金は実はハードルになってなくて、「これはちょっと聞きたいな」と思わせる手間ヒマ労力こそがハードルなんですよね。

講師候補とネタ

 僕から見てると、この人にはこのテーマでセミナーをやらせようというのは幾らでも思いつきます。例によって実名ばんばん出しますけど、例えば京都の翼さんだったら、ゲストハウスを立ち上げて運営したという経験があるので、空き家活用のノウハウだけで1日以上喋れるはずです。内装費にいくらかかったとか、ここは凝ってもあんまり受けがよくないなとか、ここはカネかけるべきとか、中国人観光客は大体こういう感じだからここがやりやすく、ここがやりにくいとか、英語はどの程度出来ないとダメかとか、民泊関係の扱いはこうするとか、Airbnbの登録と実際の作業はこんな感じだとか、それよりもBooking.comなどの予約サイトとの付き合い方はこうするとか、やってなきゃ分からないノウハウが沢山ある筈。また訪問介護もやっておられるはずなので、日本の普通のお家の介護の実情と、どこがどう難しいとか、予めここに気をつけておくべきとか。

 あとコミュニティペーパーを長いことやっておられた小林さんにはですね、地元でのネットワークの作り方のイロハ、地元の人間関係のメンテのあれこれを聞きたい。カネ払っても聞きたい。本人的には当たり前になってるだろうけど、普通の人が、いざ地域社会に密着してネットワークを広げて、、とか言われても、なにをどこから手を付けていいのか途方にくれるもん。それなりのコツとか注意点があるはず。もとかある自分の友人知人をベースに広げると面倒臭いし絶対限界あるから、いかにこれまで接点のなかった人とつながっていけるかこそが勝負であるとか、また協力者の選別でも、やたらノリが良くて行動的に見える人でも、自分が主役にならないとすぐに拗ねるとか「面倒臭い人」がいるから、そこらへんの注意点とか、面倒臭い人かどうかはこういう局面でこういう態度を取るかどうかで見極めるといいとか(ファミレスで他人が頼んでいる注文についてもなんか意見を言って変えさせる(こっちの方が美味しいわよとか)とか、他者の主体性をあんまり認めようとしない人はだめだといか)。

 また僕のように、世界各地で頑張ってる人達が、帰省したとき。NZでの就職の仕方とか、カナダでの永住権のとり方とか、いくらでもある。オーストラリアで看護師として働いている小平さんとか、薬剤師の三谷さんとか、婚活フォーラムもやってるんだから、帰国した際にはセミナーやれるように、その受け皿作りというか、全部自分で企画してやるよりも、ある程度の手順が出来るんだったら(安い会場はどこにあるとか、誰が動いてくれるとか)、少しづつ皆が実践することで「いつもアレ」みたいに段取りが洗練されてくるはず、そしてやりやすくなる筈。

 最初に先鞭を切って僕が1万円とするのは、中心人物的な僕が無料でいいですよ〜とか、カッコつけてたら、後の人が続きにくいというのもあります。無料でってのは口当たりが良いし、カッコいんだけど、でも「逃げ」でもあるのよ。無料だからという言い訳を自分で用意してるところがあって、そういうゆるい浅瀬でぴちゃぴちゃやってても話は前に進まんだろう。

求める水準

 だいたい世間のセミナーって、例えば空き家→民泊だったら、建築会社やら金融機関が主催したりするから、「これが必要だからお金を使え」という方向に持っていく傾向がなきにしもあらず。そこを裏事情もスケスケに全部見える舞台設定の方が信頼できるはず。

 また、話をキレイゴトや美談にもっていかないで、できるだけリアルな、もうドロッドロに生臭い話をしてもらいたい。情けなくても、救いがなくても構わないから本当のこと。だからこそ金払う価値があるのだし。

 オーストラリアはそんなことないけど、アジア諸国の場合、ワイロを払うというカルチャーがあるので、誰にいくら払うか?のノウハウはすごく大事な筈。そこで嘆かわしいとか、文化的成熟度とかそんな評論はいらない。君の意見なんかどうでもいい。Just give me the FACT, OK? 話を面白くしなくてもいいから、話芸として完成しなくもいいから、「職場の後輩に仕事を教えるように」語ってもらいたい。実際にそれで仕事ができるように。大体賄賂を求められるのはどういう局面で、相手はどういう態度をとるか、言われてから払った方がいいのか、気を利かせて最初から払ったほうがいいのか、払うときには伏し目がちがいいのか、堂々とむき身の札を渡したらいいのか、「お子さんにケーキでも」とか独特な言い方はあるのか、現地語ではなんというのか、やっぱ茶封筒にいれてこっそり渡すのか、茶封筒なんて売ってるのかとか、、、、もうすごーい沢山のノウハウがあるはず。

 僕が求めるのは、なんとなく学んだような「気がする」というレベルでなくて、ミシミシ音がするくらい内容ズッシリで、朝掘りの大根のようにまだ泥がついてるような、新鮮で本物の情報です。「やった気」なんて、ぬるいことやってられる時代ではないので。

 でもって、オフは、そのセミナーのあとの懇親会みたいな形でやるほうが面白くないか?と。その際、遠隔地でやるなら、そのエリアの地元の人の家(空き家)に一泊2000円くらいで分宿するのも手です。その日だけ、知り合いだけ泊めるだけなら、民泊もクソもないでしょ?友達泊めるのと同じなんだから。今は国民全員フリーランス時代っていうらしいから、要するに組織からおっぽり出されて「てめーでなんとかせえ」って言われる時代なんだから、無駄を覚悟であれこれ動いて、とっかかりをみつけ、さらに進みと。

 一人で丸一日セミナーやるのはしんどいというなら、2時間だけのセミナーでもいい。だいたい6時間1万円って時給にすれば1670円ですからね。2時間で3000円でもいい。ただそれだけのために遠路はるばるってのが難しいなら、他の人とセット販売すればいい。文化祭みたいに、エキスポみたいに、10時から誰それ、12時から誰ってやるのも楽しそう。バラで買ったら一人3000円で、一日5人でて、オールDAYチケット10000円とか(笑)。

 僕が書いてる意味わかります?とにかく実行へのハードルは低くする。実現しなきゃ意味がないんだから、実現できるように最大限ハードルは低くする。かといって低くしすぎて真っ平らとか下りとかだったら、高度は勝ち取れない。前に進まない。前に進むためにはどうしたらいいか?そればっか考えてるのであり、セミナーなんたらはその一例です。結局仲間内で一万円札がぐるぐる廻るだけでも構わない。それをやっていく中で何かが作られていくと思うから。GO AHEAD!です。前に進もう、昨日とは違う風景を見よう。





文責:田村


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