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今週の一枚(2018/03/12)



Essay 868:APLaCリストラ&布石考

〜The more flexible, the more stable
〜介護とか、ノマドとか、シェアリングとか、世に出すとか

 写真は、North Sydney

APLaCリストラの予感

 1年前にオフィスを引っ越したばかりですが、また引っ越そうかと考えてます。同時に、この機会にもっと全体のシステムを再構築(コトバの正しい意味でのリ・ストラクチャリング)して、より自由に、フレキシブルに。そしてここが大事な点だけど、フレキシブルにすることによって、より安定的に。

 発端はこの一週間に家賃値上げ通知がきたこと(1年しか経ってないのに10%以上)、そして僕の不在中にお越しになる方からお問い合わせたがあったという二点です。ですが、それは単なるキッカケであって、前々から感じてたモロモロの疑問(問題意識)を解決にむけてもう一歩進めるべきかなと。

「モロモロ」ってなによ?というと、
(1)住宅(レント)問題
 いくら稼いでも右から左にレント(家賃)(or 人によってはモーゲージ(住宅ローン))に消えていくというこの虚しさはなんだろう?レント稼ぐために生きて、死んでいくようなくだらない状況は何とかならんもんか?

(2)親の介護問題
 両親は80代後半でまだカクシャクとしているけど、未来永劫にカクシャクしてるわけではなく、遅かれ早かれ「なんか」しないといけない。遅かれ早かれだったら逃げずに「迎え撃つ」くらいの方が良い。つまり、僕が日本に滞在する時間を多くしても(オーストラリアにいなくても)廻るようなシステムを構築できないか?

(3)ネットワークの生産性
 ウチの若い衆(卒業生とか)の無形資産の有効活用、大きな生産性のあるネットワークを作っていくこと

(4)大きな背景と野望
 経済の無形化・主観化(or フロー化、シェア化)に対応した、融通無碍な(ノマド的な)システムを構築していくこと

背景〜時代認識

 だんだん話が大きくなるのですが、大きな話ほど背景要因としてデカいです。つまり「経済の変容」というのが最もベーシックな時代認識としてあって、あとは全部その応用。「こういう時代になるから」→「こう動いたほうがいい」という大きなフォーマットです。

 そこを説き起こしていたら、いつも言ってるようなことを延々書くことになってしまいました。2時間くらいかけて書いたけど、ばっさり削除しました。あかん、そこから始めてたらそれだけで終わってしまうわ。

 一言でいえば、不透明な時代になるから、なにか強力なシングルピース(高収入といわれている資格や職とか、オーストラリアの永住権とか)をゲットし、それをアテにし、それで安定しようというやり方は良くないなということです。なぜなら時代は変わる、自分も変わるからです。それらは有力なツールにもなるし、基盤にもなるだろうけど、それで全てを間に合わそうと思うのではなく、それと何かを組み合わせていく、あるいはそれナシでも成り立つような複数のパターンを模索すべきだろう。

 何がどうなるかわからない。それも30年スパンで考えていたら、想定外の想定外の想定外みたいな事態になってもなんの不思議もない。ならば、自分の仕事も、住まいも、ライフスタイルも、ちょっとカカトを浮かせるくらいにして、状況の変化に機敏に対応できるようにする。そこをオンかオフかの二者択一だとポッキンと折れてしまってそれきりって悲惨な話になりがちなので、ミックスできるようにしておくこと。

 例えばレントが高すぎるなら、必要なコアな部分を削り出すようにしてテーマを明確化する。あるいは親の介護の問題が出てきても、日本とオーストラリアのどっちに住むかの二者択一ではなく、どっちでもやっていけるようなシステムを構築する。レシピー的配分ができるようにする。部屋の照明でも、オン/オフではなく、調光ツマミがついていて薄暗いとか仄明るいとか、配分調整ができるように。

 その過程において、皆の力を借りたいし、またそのことによって皆を世に出してあげたい。それなりにREWARDがあるようにする。そんなことを、このエッセイで、ブログで、対面して常に言い続けることで、なんとなく「そんなもんかなー」って認識がひろまり、実践が重なり、ノウハウが蓄積され、それが皆にも良い意味でひろがっていくこと。

 尖兵を切って僕がそれに取っ組み合ってある程度やり方を開発すれば、今度は皆が自分の親の介護をするようなときのヘルプになるはずです。追い詰められてそれをやるのではなく、追い詰められていない段階、まだ余裕のある段階で、攻め込むような気持でやっていけば、全体にももっとフレキシブルなものにできるはず。

 そして柔軟でフレキシブルなんだけど、だからといってグラグラ不安定にならずに、浮いてるからこそ安定するように。柔よく剛を制すみたいな、耐震柔構造みたいな。

 抽象的に言ってても始まらないので、もうちょい書きます。

本業のフレキシブル化

本業以外の収入の多元化

 最近お掃除のバイトをやってます。日本の少子化と貧困化、それによるマーケットの長期的縮小を考えれば、日本市場を相手にしてる仕事は遅かれ早かれ対処しないといけない。いわゆる収入の複数化は考えておいたほうがいいし、また考えるだけではなくとっとと実行した方がいい。

 それに加えて、僕特殊の事情でいえば、APLaCはいい意味で趣味的なライフワークでありたいというワガママ願望があります。でも何が何でもそれで生計を立てようとすると、どうしても無理がでてくる。半分騙しみたいな営業広告とか、自分で行く価値があるかどうか疑問に思える学校でも紹介するか、これで永住権は大丈夫ですよみたいな安請け合いをするとか。それは商売なんだからしょうがないって言えばそうなのかもしれないし、そういうことをしてる方を非難するつもりはないのだけど、ただ、自分ではやりたくない。

 ビジネスやってるくせに甘っちょろいこと言ってんじゃないよって言われそうだけど、自営というのは自分が社長だから、それを言う上司はいない。起業自営の特権はそこ=「甘っちょろいことをいう権利」がある。僕はですね、弁護士時代からそうなんですけど、甘っちょろいことがやりたいんですよ。それが一番難しくてやり甲斐あるから。全部正直にあっけらかんとさらけ出して、そんなんで商売できるのかどうか、そんな童話みたいなことが本当にできるのか試してみたい(これまでは出来たけどね)。

 ただ、背に腹は代えられないといいますが、経費が嵩んできたらそんなことも言ってられないです。でも、そこは汚したくない。ということで、仮に本業収入がゼロになっても、やっていけるだけの態勢がほしい。時間がかかってもいいから構築すべき(ボランティアでもやれるように)。ま、もともと金儲けとしてやってたわけじゃないので、当たり前の話なんだけど。

 だから、ここは結構大事だなーと。でないとね、過去に破産整理とか見てきた経験で言えば、いよいよ追い詰められるとと、王手かけられて選択の余地なく次の一手が決まるみたいになってきて、挙げ句の果には、よくある業者倒産みたいに、皆から金預かるだけ預かって返せないとか大迷惑かける。ま、それだけはしたくないので、これまでも皆のお金は預からないし、選択肢は狭めたくないから借金は一切してないです。

マックジョブのキャリアプラン

 さて収入の多様化という観点でいえば、そりゃ雇われるのが楽です。
 自営は自分でやってるからわかるけどマネタイズするまで3年かかりますからね。山奥行って場所選定して、荒野を開墾して、水源地から用水路引いて、耕して、種苗を選定して、育てて、収穫して、それを出荷するバイヤーを探して、契約して、実行して、入金を確認してワンサイクル完了ですから。

 しかしですね、僕の場合は、こっちきてからいきなり起業しちゃったから履歴書は過去20年以上「自営」「社長」で、就職市場では全くのゼロ価値です。てか有害なくらいで(笑)。しかもその前が弁護士ですからね。どう考えても無理ですよね。かといって同業界の他のところで意に反することを言うのもイヤだし。だったら、なんでもいいからやろうと。一つでもやってれば、「あ、こいつは、そういうこともできるんだ」ってことになるから。こちらはキャリア優先なんだけど、最高で3年もやってたら十分。数ヶ月以上でもカウントされうる。逆に3年やろうが30年やろうがあんまり変わらんのですよ。またフルタイムでなければカウントされないってもんでもない。だったらどうしたらいい?副業的にあれこれ同時並行に沢山やっておけば、時とともに有利になるってことでしょう。

 それに見てたらクリーニングの仕事はいくらでもある。時間の融通も効くから本業と並行できる。また経営のやり方とかも色々教えて頂いてるので、ある程度したらビジネス買って自分で回して行くこともできる。自営は慣れてるからそっちの方が向いている。実際にやるかどうかは別問題なんだけど、要するに積み上がっていく。

 同じようにマックジョブどんどん探してます。やればやるほど将来のキャリアになるから、やる価値あるのです。皆にも言ってるけど、マックジョブはATMみたいなもので、だったら沢山ATMがあったほうが何かと便利。必要なときに必要なだけ引き出して(働いて)くればいいという調節弁になる。また、そこは永住権特権で、別に移民局のリストに載っててスポンサードしてくれないと困るという制約はないので。

 それに、僕自身がどんどん経験して、コネつくって、ノウハウ覚えていけば、後からくる人に仕事振ってあげられるし。それが後々の布石になると思ってます。

日本での動き方

弁護士と介護士

 これは日本でも同じだと思います。仮に日本に帰って親の介護をするなら、スキをみてバイトやりまくるつもりです。もう「なんでもやりまっせ〜、ええ仕事しまっせ〜」と(笑)。いい年ぶっこいて、若い子たちと一緒にやれるのか?って、そんなもん今と同じじゃん。もう20も30も年の離れた人と一緒にやってて別に違和感ないよ、僕は。てか、人を年齢によってカテゴライズするという習性がもともと自分には無いです。上だろうが下だろうが、同じ人だろ?としか思えん。あとは個性があるだけで、その個性をこそ十分に敬意をはらって理解すべきで、それでいいんじゃないの?

 また弁護士やるという手もある。調べたら京都弁護士会の登録費が21万円だったかなので、そのくらい払ってもいいけど(大阪弁護士会は100万円なのよね、無理して会館建てたからな)、でも弁護士は致命的な欠点があって、副業禁止とか動きづらくなるのですよ。日本を出たのもそれが理由の一つです。

 だったら、介護士やろうかな。一文字違うだけだし。いや、マジに。なぜって、どうせ親の介護するなら、本格的に習ってそれでメシ食えるくらいになってた方がいい。やらなきゃならないことだったら、イヤイヤやってるのが一番つらくて効率悪い。こっちから攻めるくらいの方がむしろ楽。世の中のダークなことか苦手だなって思ってたらこそ弁護士になったのと同じこと。親二人いるし、もしかしたらカミさんの分もあるしで、実際にスキルを習っておいたら役に立つし、実務やってたら「現場の(裏の)実情」もわかるから、クレバーな動きもできるし(あそこの施設には入れるなとか)。また、将来的なセーフハウスの布石になりうるし。

正社員フルタイムはありえない件

 エグい現場であることも、収入的にはかなり報われないのも承知の上です。エグさはね、前職でも倒産の修羅場とか殺人事件とか普通に見てきましたので、まあ、慣れてるっちゃ慣れてます。収入もね、別に、「一つで全てを成り立たせようと思うな」という最初のテーゼからしたら、どうでもいいです。

 てかバイトやった人ならわかるだろうけど、実際には時給幾らではなくシフトがどれだけ入るのか?どれだけ時間の融通がきくかでしょ?時給よりも稼働率や時間管理性が大事。だから同種口が沢山ある方が長期的には得。それは正社員でも同じで、転職・リストラしたときにリカバリーに半年も1年もかかるんだったら、その分均して年収計算やり直さないといけない。

 てか、時間管理の関係で言えば正社員フルタイムはあえりないです。
 一般論としていえば、社会スキル修了認定として正社員2年くらいやっておくのは一つの「資格」になるからやればいいけど、日本の給与体系からいって正社員が本当においしくなるのは勤続20年以上してから(会社によるが退職金の額がある地点からグンとあがる)であり、その頃に会社がどうなってるかなんかわからない。また20年も同じところにいたら、他のことができなくなる恐れもあり、そっちの方が恐い。それにシングルジョブの場合、攻撃的転職だったらいいけど、防衛的転職の場合、一般にペイは下がる。だからそれを繰り返すと縮小サイクルになる。拡大サイクルにするなら、シングルからマルチにした方がいい。

起業のすすめ

 それにマルチにするなら、そのなかに自分の起業も一ついれておくといい。すぐには食えるわけないけど、起業のいいのは、絶対に失業しないという点。また自営の妙味は、24時間常に可能性はあるし、場合によっては一発デカいのがくる点です。弁護士事務所なんかもそうですが、普通の一般ケースだけやってたら赤字です。でも数ヶ月に一回くらい事務所の誰かが大きな事件(数十億規模の遺産紛争とか)引っ張ってきて、「クジラとってきた」とか言ってたけど、場合によっては数千万入ってきますから、それで皆で食いつなぐという。自営の収支感覚は、給与所得者のそれとは全く別次元ですから。最初の3年全部赤字で4年目から回収〜とかね、普通だし。

 まあ、結局鳴かず飛ばずで一生を終えるかもしれないけど、でも「夢」「ロマン」はあるのよね。それがあったら人間結構やっていけるので、その意味も含めて、自分でなんかやれーとけしかけているわけです。宝くじ買ってる金があったら、自分でなんかやれと。確率はその方がずっと高いぞ。それに自分でカンバンだしてなかったら、いつまで経っても「C」(消費者)のまんまで、「B」(ビジネスパートナー)扱いにしてもらえないから、美味しい話があっても仲間に入れてもらえないぞ。

 でも、このあたりはまだ小手先戦術の話で、本質的には、どんな時代になっても、ありあわせで何とでもしていける「ゼロから作れる」「柔軟で幅広い資産」だと思います。そしてそれは柔軟なだけに目に見えないものが多いでしょうね。例えばそれで稼げるかどうかは別として何らかの特技・スキル、例えば信頼できる人々とのつながりとネットワーク、例えば多くの人から信頼され愛されるだけの自分(の人間力であり、それを育むための多くのよき体験)などなど。

 さて、背景はそのくらいにしとこ。
 それがなんで、家賃とか、卒業生の皆の活用とか、ノマドとかになるのか?ですね。

フレキシブル化、ノマド化、シェアリング化

オフィス要るの?

 レントに消えていくのが馬鹿馬鹿しいなら、必要な限度にすればいい。極論すれば無くてもいいくらいですからね。要は実務の80%以上は実は、このWEBサイトやメールのお返事をパコパコ打ってるだけで、ネットとパソコンがあればどこでもいいのです。

 レクチャーやカウンセリング、マンツーマンのサポートですが、まず会うだけならどこでも構わない。実際過去も例がいくらでもあります。とにかく時間がないから(金曜朝到着とか)、空港まで迎えにいってその足で実地であれこれ教えて、バッパー宿の手続きまでしてあげて、結局ウチには一度も来ずという例はあります。また、後日のカウンセリングも、こっちから出向いてそこらへんで話をするって場合も多々ある。なにがなんでもオフィスがいるか?というと、APLaCは現場主義、現場で使えてなんぼ主義だから、別に要らんっちゃ要らんのです。自分ちは別にあるしな。機動性を活かすなら、便利なところにシェアしてもいいくらいだし、一緒にバッパー泊まってあげてもいいくらい。むしろその方が手厚いかもしれない。

 よく考えたら「別に要らないんじゃ、、」というものに、月間20万円も払ってることがバカバカしくなってきた。まあ、いきなりゼロにすることはないにしても、今だってこんなに広くなくてもいいなーとは思うしね。広い家願望は、これまで7LDKに17年も住んだから、もう十分って感じ。

 ゴージャスなオフィスで信用を〜とかいうなら、月1−2万円も出せば、シティのハイソなビルに登録すれば足りるのですよねー。ヴァーチャルオフィスってやつで、例えば、こことか。まずカッチョいい都心のアドレスを提供してくれる、郵便も受け取ってくれる、その番号に電話すると受付のお姉さんが応対してくれる、月に何回とか制限はあるけどゴージャスな応接室や会議室を使わせてくれる。お客さんが来たときだけ、ぱりっとした恰好で、ピッカピカの応接室で談笑していれば信用を得られるという。このサービスが世界中で受けてるってことは、「実はオフィスって要らないんじゃね?」という認識が広がってるからでしょう。少なくとも月間数十万とか出して維持する価値はないって思ってる人が多いと。

 ではAPLaCでもやるか?という、やるか、そんなもん!ですわ。そりゃ「APLaCのオフィスです」とかいって、シティの高層ビルの写真をパンフレットに載せておけば「見栄え」はしますよ。でもって、その種の見てくれに心惹かれる人はいるかもしれないけど、うちにくる人は基本IQ高い人が多いから、そんなもんに騙されない。むしろ「よっぽど儲かってるんだろうな→よっぽどぼったくってんだろうな」と思うだろう。また、そういう自立的判断や、批判能力のある人こそ来て欲しい。なぜならそれは海外という異郷でやっていくための必要な資質ですから。

 さっきの部分にかかるけど、何が何でも本業で稼がなきゃ〜とか思うと、こういうことをするようになっていくのがイヤなのですよ。そんなことして、虚構の信頼を得て金稼いでも楽しくない。結局誰とも打ち解けられないし、オフやっても詰まらないし、そもそもAPLaCやるのがイヤになるかもしれない。これって楽しいからやってるんですよ。実際、収入に関係ないことばっかムキになってやってるわけだし。

 APLaCの本質は、無形資産です。皆に、知識、ノウハウ、勇気、アイディア、やる気を差し上げるのがアクティビティの本質であり、それをより有効にリーズナブルに差し上げられたらそれでいい。だから商売道具である現地のノウハウなどのコンテンツは、最初から全部WEBに無料で載せてます。長すぎてうんざりするほど、これでもかってくらい書いてます。隠す気なんかねーよ。ただ、それでは実際に足りないから個別にフォローもする。その際、一番いいのは現場でつききりで「こうやるんだよ〜」って示すことです。

 要は誰かの役に立てばいいのだ。それで少しでも喜んでもらえたらいいのだ。それが知識であろうが、オニギリであろうが、無からハッピーがぽっと灯る、ささやかな奇跡に立ち会ってると、なぜだかしらんが僕はうれしいし、楽しい。味をしめたらもう病みつき。そんだけ。承認欲求でもないし(変わった人だという承認は受けられるかもしれんが)、自己実現ですら無いかもしれない。

チューターシステム

 ただね、それはどうしても僕がやらねばならないか?といえばそうでもない。基本的な部分は僕がやりますが、それはZOOM(一番使いやすいTV会議、携帯でもできる)でもなんでもできる。また、その後数年、十数年と続く長いアフターケアは、会う機会も、話す機会もやまほどあるから、そこですればいい。

 だとすれば、仮に僕が日本におったとしても、現地では他の人にやってもらえばいい。誰に頼むか?といえば、ウチの卒業生という優秀な人材が常にいるわけです。彼ら/彼女らに「チューター」として頼もうと。これは今までも何度もやってます。たまたまラウンドから帰ってきた人が、今来てる人と一緒にシェア探しに付き合ってもらうとか、バッパーのチェックインをやってもらうとか。

 これをもう少しシステム化したらいいんじゃないか

 必要なのは、空港迎えにいってもらって、Opal Cardをゲットして乗り方教えて、携帯のSIM買ってアクティベイトしてあげて(これが結構難しい)、バッパーなどのチェックインをやってあげて、使い方教えてあげて、学校に連れてって、あとはシェア探しに1日つきあうくらいかな。2日間くらいでいいでしょう。また、こちらで永住権取ってパーマネントに暮らしている人に1日単位で泊めてもらい、いろいろ教えてもらうという手もある。

 また、その間、毎日僕と30分くらい「今日はどうだった?」ってやることもできる。てか、FBのメッセンジャーやスカイプで、困った時に現場の映像を写してもらって、「あ、それはねー」って教えてあげることもできるし、必要があれば画面越しに現地のオージーと話してもあげる。そんなの日本からでもできる(場所関係ないし)。テクノロジーは進化してるんだから、使いこなさなきゃ勿体ない。

 僕がやらなきゃいけないのは、総論のレクチャーの部分、そして英語のレベルチェックと学校の選び方使い方、そしてシェア探しの基礎特訓(これは英語のレッスンでもある)。これは日本にいる時間が長くなれば、日本で対面して教えることもできるし、遠隔でもできる。日本を出るまでが不安だろうから、そこを力強くサポートして上げることもできる。あと僕がやらなきゃなのは、シェアのリスト作りかな。これも日本からGumTreeみてやればいいんだから遠隔でもできる。今でもやってるようにメールに添付して送ればいいし。リストづくりも卒業生にやってもらってもいいけど、か〜なり特殊な技術と知識がいるうえ毎朝4時起きだから無理かな(笑)。

 もちろん手伝ってくれる卒業生には日当払います。そんなに大盤振る舞いできないけど、それなりには利益還元します。それ以外に卒業生の立場でメリットあるか?といえば、過去の例、最近も何人かに聞いてるんですけど、快諾YESというお答えが多い(てか100パーそう)。それはそうだと思いますよ。だって、自分が人の役に立つのは無条件にうれしいですから。そこで「俺も苦労したんだからお前ももっと苦労しろ」って根性ねじ曲がってる、てかそこまで不幸な人はウチにこないです。それに、来たばかりのフレッシュな人を見てれば、自分がどれだけ成長したかすごくよく分かるし、同時にフレッシュな人と会うことで、自分も初心に帰れます。

 一方、来る人はどうか?というと、僕とは別に、ちょっと先輩に教えてもらうメリットは大きいと思います。僕が言うと、なんか先生がいうみたいだし、総論的になるしかない。総論が必要な部分は僕がやるけど、リアルタイムのシェアの話であるとか、エクスチェンジこうやってるよ、バイトはこう探したよ、今幾らもらってるよ、ラウンドはこうやったよ、ファームはこうだったよってことを直近体験として知ってる人の方が、より伝わりやすし、聞きやすいと思うのですよね。複数の人から意見聞いたほうがいいし。来たばかりで不安のときは、一人でも多く信頼できる日本人がいた方がいいです。

 いずれにせよ、やる以上は、僕が一人でやるよりも良かったって思ってもらわないと気が済まないですからね。

 あと、この人には誰が合うかなーというのは、長年の経験でなんとなくわかります。100%ではないにせよ、かなりの確率でマッチングできる。それに、ニーズや趣味に合わせてマッチングすることもできますよね。こっちで看護師として働いている先輩に話を聞きたいとか、オージーのスポーツチームに入ってる人に教えて欲しいとか。

 これをシステム化させたら、僕自身はノマド的に、日本もオーストラリアでも行ったり来たりできるようになる。親の介護もやりやすくなる。そういう発展性がある。それが一つ。

シェアリング経済化

 もう一つは、さらに進化させたら、シェアリング経済になる。
 Airbnbの現地ガイド版でVayableがあります。ローカルの人が現地ガイドとして世界的なサイトとして登録するというやつで、Airbnbと同じくらいにでてきたのかな。2014年にEssay 684:シェアリング経済とミクロ起業家の時代(1)などで紹介しています。創業者の女性の創立の辞(モロッコ体験談)がカッコ良かった。

 つまりウチにきて、ある程度やったら、今度は自分がチューターとして、それまでの「無形資産」(現地で頑張った経験)を、多少なりともマネタイズできる。単発バイトなんだけど、目に見える形で人の役に立ち、お金も入る。頑張った甲斐があった。それってうれしくないですか?そして、そういった経験を積み上げていけば、日本に帰った後、あるいはどこでも僕と同じようにエージェントやったり、誰かをサポートしたり、教えたりする仕事も視野に入ってくるでしょう。

 ならば!もっと広がるわけですよね。

 別にシドニーに限ることはないし、来た人の最初の世話に尽きるものでもない。メルボルン在住の人に生活ガイドやってもらったり、あるいは宿の提供とか、仕事探しのノウハウとか。そこは自分で何が提供できるか、費用はいくらかを書いて載せておく。オーストラリアでなくてもいい。NZでもカナダでもいい。他の国でも全然いい。都市別、ジャンル別でもいい。

 海外に限りません。日本国内でもアリです。単に旅行いったときに、一泊とめてというのでもいい。現地のガイドをお願いしてもいい。

 地域会議室で徐々に広がっているように、世界レベルでちょっとづつ広がってるので、それが出来たら多少なりとも副業・起業のキッカケにはなるかしらんし、各地で頑張ってる人に接するだけでも大きな刺激になるでしょう。

さらに先

 もっと先があります。先すぎてリアリティないかもしれないけど、例えば僕が恐れているのは、ウチの衆が不慮の人生の躓きをすることです。急に失業したけど、なかなか次が決まらない、日々の生活コストでもう金がない、どうしたらいいいんだー?って場合。あるいは、実家で親の面倒をみなきゃならなくなって、介護離職せざるを得なくなった。でも、ケアしながら地元で職探しも大変だし、休みがちになるから続かない、展望ない、スパイラルに落ちていくという。で、サラ金に手を出すとか。

 そこまでいったらもうヤバいので、その手前でなんかできないか。

 そこでこのノマド的でシェア的なシステムや発想に慣れていたら、やりようはあると思うのですよ。セーフハウスでもいいけど、親を知らない土地に連れて行くのが大変だってこともある。さて、一方では介護離職で毎日一人で奮闘し、しかし仕事もしてる余裕がない人がいて、他方では失業して生活破綻しそうな人、再就職はできるけど、そこで追い込まれるように人生決まっていくのがたまらんので、階段の踊り場みたいなところでゆっくり態勢を立て直したい人がいるとする。

 ならば、その二人を引き合わせたらいい。失業とか踊り場立て直し志望の人が、他の人の介護実家に住み込んで介護を手伝い。そのかわり家賃は無料ないし低廉にする。介護してる人だって誰かに来てもらった方が精神的にも身体的にも楽だし、計画的に時間が使えるからバイトその他収入の道もありうる。

 僕だって、親二人が同時多発テロみたいに同時にコケられたら死にますよ。俺の部屋ただで住んでいいし、メシも食わせるから、手伝ってくれよ、話し相手になってくれよ、留守番しておいてくれよって思いますよ。別にずっとおらんでもいいし、それも煮詰まるし、1ヶ月だけとかでもいい。本質は、家賃やら生活費やら介護やらなんやらで「追い込まれる」のを防ぐところにあります。

 でもって、1年くらいゆっくりしたいな、でもワーホリ年限とっくに終わってるしって場合、全国各地を一ヶ月づつ泊まり歩いて、毎日手伝ったり、語ったりして、全国の風土を味わうシステムがあってもいい。要はWWOOFやHelpxの自家製版みたいなやつなんだけど、もっと自分らで活用できるはず。

 あ、そのときね、自分が介護士の資格持ってたら、形式上は訪問看護にして介護保険で金入ってくるんじゃないかなーって淡い目論見もありますよね。どっかに登録せなあかんとかあるだろけど、そこはやりようあるだろ。それ入ってきたらバイトせんでもいいもんね。

世に出す

 で、この話はいつも同じ問題になるのですが、大事なのは人です。とんでもないのが入ってきたら地獄ですからね。だから人物保証はいる。どういう人なのかを積極的に伝えていった方がいい。全然知らない人よりも、体験談を読めばわかるとか、僕が紹介しているブログなんかでもわかる、オフであったこともあるとか。皆を名前出して紹介しているのは、APLaCの活動報告としてやってるというよりは、そういう将来の布石でやってる部分が多いです。実際、よく名前がでてきて、有名人になってる吉田氏なんかの場合、会ったこともない人から多額の資金援助を受けたりしてるわけですからね。

 僕が「世に出してあげたい」というのはそういうことです。知っておいてもらったら、「あ、○さんだったらいいですよ、楽しそうな人だし、信頼できそうだし」って話が早いのです。だからオフもやるし、知り合う機会もつくるし、実名でどんどん紹介するし。

 そういう態勢が整ってくればくるほど、あなたの人生もフレキシビリティも向上するだろうし、棒を飲んだような硬直的なものにならないでも済む。息抜きも、気分転換も、低廉な費用で気楽にできるようになる。そういう将来設計図があって、それがある程度稼働するのが、3年後なのか、10年後なのかわかりませんが、これだけははっきりしてるのは、思ってるだけでは何も変わらないことです。日常的な多少のトラブルとか困ったことがあったら、ピンチ=チャンスなんだから、問題点=改善ポイントを摘出し、並べ直して、再構成して、同時にさらに先々への布石になるような石をぽんぽこ打っていくべし。動かなければなにも始まらない。天の神様にお祈りしても、天のポリシーは「自ら助くる者を助く」だから、やっぱまずはてめーが動けよってことだし。

 そんなことを考えてます。

PS:次のオフィスはまた楽しんで探します。今の感じが「パルチザンの秘密基地」だったので、今度はよくドラマに出てくる「売れない私立探偵の事務所」みたいなのがいいなーとか(なかなか無いけど)

PS2:前回所持品の8割くらい処分したけど、今回はそこからまた8割くらい処分するつもり。フットワークを良くするには身軽にならねば。ウチの家具でもフトンでも欲しいものあげます!(PCとギターはダメだけど) 

PS3:6月中旬〜下旬にヨーロッパ行きます。その前後のどちらかで日本で説明会とかオフやります。とりあえずチューター&ノマドシステムの試運転って感じです。



文責:田村


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