今週はうって変わって個人的なネタを。
ちょうど一ヶ月前交通事故(物損)に遭いました。
鬱陶しい日々が続く反面、「これはネタになるな」とほくそ笑んでいたのですが、なんとか先週落着しましたので、オーストラリアに暮らす場合の多少のケーススタディになるかもしれず、お伝えする次第です。
正確に書いてたらかなり長くなってしまったので、項目ごとに全部タックしておきます。
第1幕:空港での追突事故&当て逃げ?〜痛恨の凡ミス
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8月1日の朝、カミさんを空港に送りにいったときに、タクシーに車両後部を追突されました。卑近なフレーズでいえば、いわゆる「おかま掘られた」ということですね。カミさんはもう降りてたし、僕自身、あれから特にむち打ちその他の症状もないので純然たる物損事故です。
場所は、シドニー空港の国内線のDepartureの、カオス状態でタクシーやらミニバスやら一般車両が混雑しまくっているところですね。まあ、いつ誰が衝突しても不思議ではないという、築地のセリ市みたいな状況。その出口付近で、前の車が出るのを停車して待ってたら、ドコン!と後部に衝撃が。
「あー、やりおったな」と思って後ろを見るとタクシー。シルバータクシーですね。さっそく降車して近寄ると、向うの運ちゃんも降りてきて、「やあ」「やっちゃったねえ」てな感じで目があって、とにかくメチャクチャ混雑してるし後ろが数珠つなぎになりかけているから、とりあえずどっか車を移動するべってことになった。タクシーが先になって"follow me"と先導。
まあ地元のプロだからゆっくり降車出来る場所も知ってんだろ、すぐそこだろうと軽い気持ちで付いていったのが大間違いの始まりでしたね。そのときは「ほんのすぐそこ」だし、バッチリ運転手さんの顔も見てるし、妙な人でもなかったしで軽く考えていたのですが、走り始めて気づいたが、あのあたりってゆっくり車を停められるようなところが実はない。それでもまあ一本道だしと思ってついていったら、だんだん道が広くなり合流し、周囲のあちこちから他の車両が割り込んでくる。まあ、その程度ならなんとかなるけど、間の悪いことにほとんどがタクシーだったりするわけですよ。
いやー、びっくりしましたね。カメレオンか忍法分身の術かってくらいで、あれだけ大量に似たような車が走られたらすぐ分からなくなる。なんとか分かるだろとタカを括っていたけど、間に3台も4台も入られて、周囲がタクシー十数台の海、しかも視界に映るのは車両の上部のタクシーの看板ライトだけとなると、ほんとーに見分けがつかなくなる。こんなにも!って思うくらいですね。「やべーなー」と思って、デカい交差点に差し掛かった所で、すぐ停車できそうな場所がありそうなのはこっちだ!と直感で進んだのだが、これが外れ。あのタクシーだろと思ってたのが「忍法移し身の術」ってやつで、ハズレ。あちゃーと思って切り替えそうにも、またあのへんはやたら大造り道路でUターンポイントがなかなか無いわ、朝のドラッシュで身動き取れないわ。結局もとに戻って可能性のある場所をあれこれ探したけど見つからずじまい。
大ボーンヘッドね。車移動の前に名刺一枚もらってきゃよかったし、車のナンバー控えるとか、写真とるかすればいいけど、「すぐそこ」だと思ってるし、なんだかんだいってこっちもいきなり衝突後10秒以内だから軽く動転するわで、手抜きをしたのが間違いのもと。もう「死んでしまえ〜」ですよね。
TIPS:渋滞した車から罵倒の嵐を浴びようとも、相手の身元は確認しておけ。せめてナンバープレート一枚、相手の顔写真一枚でもとるべし
結果的に当て逃げされ状態になってしまって、さあ困った。ぱっと見た感じでは、バンパーぼこっと凹んでるけど、まあそのくらいで、フレームも多少いってるから、値踏みで「2500ドルかな?」と思ったんだけど(後にこの値踏みは大体合っていた)、くそお、ここで天から2500ドル出費が降ってくるか〜、なんなのそれ、俺が何したって言うんだよ、ちくしょ〜とココロは波立つも、車は朝のラッシュにつまかって嘲るかのようなノロノロ運転。
ま、日頃皆に言ってるように、こういうときに不幸の二番底がくるよ、パニックになってもっと致命的なミスをするよ、ここで泡食って人でも轢き殺したら目も当てられないよと、とにかくイライラしながらも、人だけは轢かないようにと、それだけに気をつけて1時間もかかって帰宅。
第2幕:CCTV(監視カメラ)と初動
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帰宅次第、やるべきことはもう決めてました。通常一般の仕事をこなしながらも、まずはあのタクシーの身元をつきとめることです。これが出来るか/出来ないかが勝負で、方策として考えたのは
CCTVです。Closed Circuit TVで、要するに監視カメラです。
空港の降車場所というパブリックスペースだったからCCTV・監視カメラに映っている筈だろう、しかも両方車から降りて話してるし場所さえ特定して伝えれば見つけてくれるだろう、うまくすれば相手車両のナンバーも読み取って教えてくれるかもしれない。よし、シドニー空港に連絡だ。CCTVの映像なんかそんなに長く保存してないだろうし、早くそれを伝えて内容を確認してもらわないとならない。
もう一箇所、相手がタクシーだから、NSW州の交通局の規制下にあるかもしれないので、何か情報があがってるかもしれず、少なくともこちらから早期にコトを通報しておくほうが良いと。
もう一点、後々これがモメて裁判沙汰になったりした場合、「こーゆー事故があった」という立証責任はこっちにかかってくるから、事故発生の証拠を集めないとならない。こういうことって時間が経てばたつほど難しくなる。「1年前に事故がありました」って言ったって、もうその時点ではその証拠そのものがあやふやになっている。テキトーなこと言ってるだけじゃない?って思われたりするかもしれない。
しかし証拠といっても、今の段階では、破損した車両と僕の証言しかない。だったら「これから証拠を作る」という作業をしなくてはならない。つまり事故のことを(自分だけの記録ではなく)オフィシャルな記録に残しておくのは有意義だと思います。それも二箇所以上の公的機関に、後で形が残るような方法で連絡しておけば、「そういう通報があった」という記録は公的に残るはず。そして、何よりも事故後すぐ、新鮮ほやほやの初動の時点でやっておいた方が信憑性は高まる。念の為に2箇所以上の機関に通報しておこう。
ではシドニー空港といっても、空港のどのセクションに問い合わせるのか?さっそくネットで検索タイムだ!ということで、シドニー空港の事務局とNSW州交通局のタクシー統括セクションのコンタクト情報を探しました。大体こういうのはトップページの一番下か上の"Contact Us"にあるので比較的簡単なんですけど
シドニー空港の連絡先のページ
NSW州交通局のタクシー関連の意見メール
これは電話でも良いのですが、電話は避けたくて、メールにしました。
なぜなら、この種の電話って往々にして中々つながらないという恐れがある。第二に、電話口に出た人間が優秀な人だったらいいが、とんでもないスカタンだったりすることも残念ながら多い。全然やる気なかったり、仕事したくない一心で大嘘言ったりってことも珍しくない。第三に、これが一番大事なんだけど、電話では記録が残るかどうかわからない。モニターで録音してるだろうけど、こっちの控えがない。第四に、メールの場合は予め文章を作っておいて、コピペで複数箇所に送信できるが、電話いっこいっこやらないといけないので時間がかかる。すぐに分かって、即決できるような案件であれば電話の方が良いが、本件ではメールのほうが良いだろうと。
ということで、本来の仕事もしながらですので10分くらいで英作文の殴り書き起案。
I, Koichi Tamura, had a car accident with a taxi this morning (01/AUG/2014), about 7:30am at Departure Taxi and Passenger drop-off rank at T2 Sydney Domestic terminal.
The taxi had failed to stop in the queue and crashed to my car's rear bumper with considerable dent. I got off the car walked to the taxi driver and talked him as a usual manner. He replied that it would cause traffic jam, let's move to another place, follow me. Since his suggestion seems reasonable, I followed his taxi, but after all he ran away taking advantage morning congestion and lots of similar taxis.
I'm not sure whether he intentionally ran away or just unfortunate congestion mess, but the former case is extremely cunning and is not appropriate for public transport, the later case is fine, just we continue to talk.
I would like to do two things.
1) To report this incident to your authority
2) To ask you to find the taxi driver and advice me his contact OR let him know my concoct details
* the accident had happen at the end (exit) of drop-off rank
*The taxi is silver colour (I guess), the driver is around 40-60 age of male, 160-170cm heights, little bit middle eastern ?, had a little moustache
*my contact details are email (**@***)、0418-***(Mobile phgone) , living in Lane Cove.
私、Koichi Tamuraは、今朝(2014年08月01日)の午前7時30分頃、シドニー空港国内線T2出発ターミナル、タクシーや乗客が降車する場所において、タクシーとの自動車事故に遭いました。そのタクシーは、列のなかで停止するのを怠り、私の車の後部に追突し、後部バンバーに相当な凹みを生じさせました。私はすぐに車を降り、当該タクシーに歩みより運転手に対して通常の口調で話しかけました。彼は、ここでは交通渋滞を招くので場所を移動しよう、ついてきてくれと答えました。彼のいうことももっともだったので、私は彼の車を追いかけたのですが、しかしながら最終的には朝のラッシュと似たようなタクシーの車が多いことを利用して彼は逃げ去ってしまいました。
彼が、意図的に逃げようとしたのか、それとも単に朝の渋滞ラッシュによる不幸な偶然かは私にはわかりませんが、もし前者だとするならば非常に悪質であり、また公共交通機関の一角を担うタクシーのあり方として適当なものとは思えません。もし、後者の場合であれば問題ありません、運転手と賠償の話を続ければよいだけのことです。
さて、上記のような状況において、私が貴所に対して行いたいことは、下記の二点です。
(1)、このような事故があったということを、本件事例について正当なる管理権を有する貴所に通知すること
(2)、このタクシーを発見し、その連絡先を教えていただくか、あるいは彼に私の連絡先を伝えていただきたい
※この事故は、タクシーランク(乗降場)の出口付近で生じています
※そのタクシー会社はシルバータクシーだったと記憶しています。運転手は40-60歳程度で男性、身長160-170センチくらい、中東風ないし東欧風の容貌(?)、小さな口髭をたくわえておりました。
※私の連絡先は、メール、携帯番号、LaneCoveに居住しています。
とまあ、今読み直すと赤面するくらい、これまた「死んでしまえ」ってくらい文法ミスだらけですが(軽く10個以上あるね)、まあ気分焦りながらの走り書きなのでお許し下さい。ミスを直してから載せようかなと思ったけど、それも偽装っぽくてイヤらしいので、恥を忍んでリアルに出しておきます。
TIPS:初動は迅速に、後日のための証拠収集。出来るだけオフィシャルに、形に残るように
送ったのは、家についてからバーっと書いてすぐだから、午前9時くらいかな。
返信続々
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するとさっそく返信がきました。これ意外でした。オーストラリアのお役所ってやたら迅速じゃないかと。
返信1(Sydney Airport Customer Experienceより)、同日午前09時14分(要するに発信直後)
Hello, We appreciate you taking the time to contact us. Your enquiry has been received and is being reviewed by your Customer Experience team. We will respond to you as soon as possible. In the meantime, you may wish to visit our website to find information: www.sydneyairport.com.au
Kind regards Your Customer Experience Team Sydney Airport customer.experience@syd.com.au www.sydneyairport.com.au
※これは単に受け付けましたよって受信確認メールにすぎません。自動返信でしょうね。
次に当日のお昼頃にNSW州交通局からの返事がありました。「131500」って交通機関案内の電話番号でもあり、サイトの名前にもなっており、要するに交通局ってことでしょう。
返信2(NSW州交通局より)、同日午後0時06分
Classification: UNCLASSIFIED
Dear Koichi, Thank you. Your matter will be forwarded to the appropriate Taxi Company for follow up. The Taxi Company will be in contact within 14 days, however if you are not contacted you can call Roads & Maritime Services on 9689 8822 and quote Case Reference Number: 93***. Regards
「あなたのクレームは適切なタクシー会社に転送されます。そのタクシー会社から14日以内にコンタクトしてくるでしょうが、もししてこなかったらRMS(陸運交通局)に連絡するといいです。本件のレファレンスナンバー(照会番号)は93****です。」
※ビザでもそうだけど、このリファレンスナンバーというものが超大事です。数千数万という案件の中から「これ!」と特定するための番号であり、これがなかったら向こうもデーターベースから検索できない。逆にいえばリファレンスナンバーを貰えば、公式にお役所の記録に残った(証拠という形になった)ということでもあります。
今度は、RMS(陸運局)からメールが来ました。これはNSW交通局から廻ってきたので回答をくれたということですね。
返信3(RMS=陸運局、AccreditationComplaints@rms.nsw.gov.au)、同日午後零時52分
Dear Sir、I apologise for the incident described. Unfortunately, without a registration number, it is impossible for RMS to trace this cab.The airport may have cctv camera's which you would need to approach them to gain access to, we do not have authority to do so on your behalf.There are many hundreds of taxi's going through that zone hourly, and without the plate number it is impossible. Your description of the driver is not something we could use to identify either. Should you be able to obtain cctv footage or have a witness who can provide anything such as a company name, we will reopen this complaint for you. I sincerely regret not being able to help you Regards
Vicki Scheme Dispute Officer Accreditation | Safety & Compliance T 02 8849 2278 www.rms.nsw.gov.au
Every journey matters Roads and Maritime Services Level 5 27 Argyle Street Parramatta NSW 2150
内容的には「お力になれません」ってことで、それはそれでもっともな。
「RMSとしてはナンバープレートがわからないとそのタクシーを割り出すのは不可能です。空港だったらCCTVで捉えているかもしれませんが、RMSにそれを閲覧する権限は当たられていません。あのエリア(空港のタクシーランク)には1時間に大量のタクシー車両が通過するので、プレート番号がわからないと特定はできないのです。あなた(僕)の描写によるタクシー運転手の特徴も、これだけでは個人を特定することはできません。
もしあなたが、CCTVのクリップを入手したり、どなたか証人をみつけてタクシーの詳細がわかったならば、RMSとして本件調査を再開することもできるのですが。お力になれなくて本当に申し訳なく思います」
このビッキーさんという人が本当にいい人で、この人にあとで助けられます。
このメールも、官僚紋切りコピペメールではなく、ちゃんと事案を考えて文章を書いてくれていて、好感が持てます。めちゃ丁寧な書き方だし。それより、交通局から回ってきてからの処理速度が早い。常に述べてますし、あとでも述べるけど、
オーストラリアではいかにライトパーソンをつかむかが大事です。僕の場合は、初日にビッキーさん、そして次に出てくるピエールさんという二人のライトパーソンに巡り会えたのが最終的解決の決め手になってます。
ナンバープレート判明
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シドニー空港から電話がきました。シドニー空港の担当マネージャー(ピエールさん)が、
わざわざCCTVを見てくれて、タクシー会社の名前とプレートナンバーを読み取り、電話で教えて教えてくれました。大体夕方の6時くらいでしたか。実は前にもかかっていたんだけど、とりそこねていてのですね。何度も電話をかけてくれたピエールさん、いい人です、感謝です。でもって、電話のあとにまた確認のメールがきました。仕事が早くて、丁寧です。
返信4 Sydney Airport Customer Experience、同日午後6後02分
Your request 22889 has been updated with the details below. Please reply to this email if you have any additional comments
Hi Mr Tamura, As discussed, you will be required to call Silver Service to speak to the driver directly.
Regards Manager Ground Transport Sydney Airport www.sydneyairport.com.au
「(電話で)話したように、シルバータクシーに連絡してその運転手に直接話させてくれって言うといいですよ」
と、わざわざ書いてきてくれました。
これで朝のボーンヘッドは帳消し!わずか12時間ほどでCCTV経由でタクシー会社とプレート番号はわかりました。これで解決へ大きく前進!ってことですけど、しかし、「相手はタクシーだろ?」という不安が実はありました。結果的にその不安は的中しまくって、CCTVでプレート番号が分かるというのは、全体の3分の1くらいの工程でしかありませんでした。
第3幕:タクシー会社と運転手とのコンタクト
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ピエールさんとの電話とメール受信のあと、速攻でシルバータクシーにメールしました。
タクシー会社への第一メール 同日午後6後24分
Dear Manager, I, Koichi Tamura, had a car accident with a taxi this morning(01/AUG/2014), about 7:30am at Departure Tax and Passenger drop-off rank at T2 Sydney Domestic terminal.
The taxi had failed to stop in the queue and crashed to my car's rear bumper with considerable dent and rear frame (can't shut boot lid).
I got off the car walked to the taxi driver and talked to him with usual manner. He replied that "it would cause traffic jam, let's move to another place, follow me." Since his suggestion sounded reasonable, I followed his taxi, but after all, I missed him because of morning heavy congestion and lots of similar taxis.
I'm not sure whether he intentionally ran away or just unfortunate congestion mess, but the former case is extremely cunning and is not appropriate for public transport, the later case is fine, just we continue to talk.
I have contacted with both RMS and Sydney Airport, and Sydney Airport has found the incident with CC Camera and gave me information as follows;
Taxi Plate No, : T **** Taxi Company : Silver Taxi *the driver is around 40-60 age of male, 160-170cm heights, little bit middle eastern or east European appearance (not sure exactly), had a little moustache
I would like to do two things. 1) To report this incident to you 2) To ask you to give me appropriate compensation Damage is dented rear bumper and the rear frame which is dented or warped, boot lid doesn't shut at all.
I want to believe that this is a simple unfortunate happening with morning traffic mess, because as far as I felt this driver's attitude is gentle and reasonable manner. In short, I want to beieve that he is not a bad guy. It would be appreciated if you contact me and give me "what should we do next" thing. I lived in Lane Cove, 2066, NSW Thank you, Kind Regards,
内容はおおむね朝のメールと同じなんですけど、校正する時間があったのでそこそこミスも直ってます。
その後発見したのですが、トランクが閉まらなくなっている点について付記しました。フレームが歪んでロックの位置が微妙にずれているので。もう一点、シドニー空港のCCTVでタクシー会社とプレートナンバーが判明したことも書き加えています。
さらに、これは書こうかどうか迷ったんだけど、その運転手は故意に逃げたのではないような気がする、そんな悪い人ではないような印象だったと書きました。北風(コワモテ)でいくか太陽(ソフト路線)でいくかですが、ここはソフトだろうなって思いました。理由はあとでまとめて書きます。
経過報告と礼状
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翌日、ここまでの段階で、シドニー空港のピエールと、RMSのビッキーに経過報告とお礼メールを出しました。
Dear Pierre,
Thank you very much for your quick effort to check and response to me. Yes, as your suggestion, I have sent e-mail to Sliver Taxi and waiting for their reply. I really appreciate your help. Thank you! Kind Regards,
Dear Vicki Thank you very much for your quick responce.
Yes I know what you mean, I understand the situation and I also contacted with Sydney Airport at the same time. Sydney airport has contcted to me with CCCV information, that says Taxi Plate No, : T **** Taxi Company : Silver Taxi I, then, have sent e-mail to Silver Taxi yesterday evening and now waiting for their reply. I would like to say thank you for your quick move and report my current situation. Kind Regards, Koichi Tamura
ちなみにビッキーさんからその二日後に折り返し返信がありました。
Dear Mr Tamura Your complaint has now been forwarded on to Silver in the complaint form as well. Regards
Vicki
こちらがタクシー会社と番号を告げたので、RMSの方からも正式にコンプレインをタクシー会社に廻しておきましたという報告メールです。そこまでお願いしてないんだけど、このビッキーさん、すごい仕事がパキパキ早いです。
なんでここでメールしたかですが、この先どう転ぶかわからないからです。タクシー会社がシカトかますかもしれないし、嘘の情報渡されるかもしれないし、運転手が俺はやってないと言うかもしれないし、わからんわけです。そうなったら、CCTVの映像を法廷に提出って話になるかもしれず、またタクシー免許の許認可その他の行政処分でプレッシャーかけてもらうって話になるかもしれない。だから、「例の件ですけど」で話が通じるように、逐一メールしておいて情報通しておきたかった、というのが一点。
もう一点は、普通に人としての仁義ですね。良くしてもらったらちゃんとお礼は言う、礼状は書くってことをしないと、人としてマトモに扱ってもらえなくなる、、ってか、そんな利害打算よりも、やらないと気持ち悪いじゃん。
音沙汰なし〜督促メールの書き方
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さて、タクシー会社から連絡あるかな〜って思いつつも、全然来なくてその日は終了。そして土日の週末に入るので、こりゃ、多分週明けになるかなと。
ところが、週明けになっても電話が来ないので、業を煮やして火曜日に督促メールを出します。
Dear Manager, I've sent email about car accident with your taxi as bellow four days ago, but and still no response from you. I'm just wondering whether you have received my email or not, so I will send it again.
As I mentioned bellow, both RMS and Sydney Airport authority knows this matter. Please give me your response ASAP. Thanks Kind Regards,
メールの形式は、最初のメールの転送という形式にして同じことを繰り返すのを避けてます。
督促メールって出しにくいものですが、僕の場合、「万が一なにかの理由でメールが届いていないかもしれないので、確認のために再度送ります」と相手に逃げ道残しておいて督促するというやり方をよくやります。「何やっとんじゃい、早よやらんかいボケ〜」みたいなメールでもいいんだけど、でもそう言っちゃうと、向こうがビビったり、意地になったり、面倒臭がったりするリスクの方が高くて逆効果でしょう。相手の生殺与奪の権を握ってるくらいこちらが強かったらそれもアリだろうけど、そうでなければ、「あれ、おかしいですね〜、来てないですよ〜」という
言い訳の余地を相手に残しておいた方が、相手も動きやすいです。「重複の節はご容赦ください〜Please disregard this letter if you 〜」なんて言い方もよく言います。これ、電話料金とかうっかり支払い忘れて督促メールがきたときなんか文章パクリのチャンスです。
オーストラリアでは、仕事しない人はほんとーに仕事しないので、督促メールは年がら年中やってます(^^)。でも、督促したから事態が良くなるってことも少なく(とほほ)、これも言ってみればライトパーソン探しの一手段であり、「出会い探し」くらいに割り切っておればいいです。いい人にあたったら一気に解決することも珍しくないし。
アイリーンからの電話
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その督促メールの翌日の水曜日、携帯電話でシルバータクシーのアイリーンという人から電話がありました。丁度、ショッピングセンターの駐車場で駐車している最中だったので焦りましたが。要旨は「ご連絡遅れて申し訳ない。あなたの事故の件で、その日にそのプレートの車で稼働してた運転手に連絡しました。彼も非常に恐縮していました。ついては彼のコンタクト先ですが、今この場で電話で言いましょうか?それともあとでメールしましょうか?」というので、確実を期すためにメールしてくれっていいました。いい感じの人でした。
やった、これで本人確認できるぞ!と思ったのですが、ところがぎっちょん、待てど暮らせどメールは来ない。
電話の感じではもう即出すってニュアンスだったんだけど、来ない。おかしいな〜、メールボックスのゴミ箱ににいってるのかなと思ったりもするけどなし。
まる二日間待って、何もこないからまたぞろ督促メールを出しました。
Dear Manager Regarding to the car accident bellow (attached previous mails)--- Thanks for your call this morning (9:25am, 06/AUG). The caller (Ms Irene? i guess) told me that she will send me the drivers contact details by email.
However I haven't received the mail yet. Probably, it would be some mail transaction errors or something,
would you please send the again please? Thank you, Kind Regards
ところが、これでも返事が来ない!
ええ加減にせんかいって感じで電話しても、当然のことながらこの手の電話っていつかけても話し中とか、延々待たされたりとか、、、本当にラチ開かないのですよね。特にタクシーの苦情処理なんか、想像するだに無茶苦茶たくさんありそうで、電話したところで「どの件でしたっけ?」でさらに埒が開かないことも予想されます。
イライラしながら待ってる時に、「あれ、待てよ?もしかしてあの電話ってシルバータクシー会社からじゃなくて、なんかの拍子で運転手と連絡がついたRMSとかシドニー空港からかかってきたのかもしれないぞ。てっきりタクシー会社からだと思ったし、そう言っていたような気がするけど、ここまで来ないのは不思議だ。
だったら、一応聞いてみるべと、またシドニー空港のピエールとRMSのビッキーにメールを送りました。
結果的にはこの行為が決め手になりました。
ピエールさんとのやりとり
Dear Pierre Regarding to car accident with Sliver Taxi, request 22889 Thanks for your support.
I had contacted with Silver Taxi as attached emails bellow on Friday evening. After four days, on Wednesday mooring, I had a phone call about this matter and the caller (Ms Irene) told me
1. they contacted with the driver and his was very sorry
2. send an email about the taxi drivers contact details.
however no email yet.
At first I thought that call was from Silver Taxi (actually I didn't quite catch from where) and the caller's number was privatem I couldn't call back. On the second thought, it might have been from your section.
I'd like to (1) ask you to send me the drivers contact details if you know (2) to report how this matter goes,
I'm just wondering that this Sliver Taxi's attitude is normal? No response at all for almost one week except one call ( if they did it). It would be highly appreciated if you had any suggestion.
Thank you! Kind Regards,
(ピエールさんからの返信)
HI Koichi, Thank you for writing to Sydney Aiprort. Unfortunately we dont have driver details as Taxis are a privately run industry. If you are not getting the right answers from the Taxi company please contact the Police to help. Further you can call the Taxi council who may be able to help on 9332 1266. Regards
(タクシーは私企業なのでこちらでは詳細はわからないのです。もしタクシー会社から何も返事がなかったら、警察に通報するか、タクシーカウンシル(電話番号)に連絡を取ってみるといいですよ)。
(僕のレス)
Dear Pierre, Thank you very much for your always quick reply. I appreciate it. Thanks for many suggestion. I also had contacted to RMS and the officer know Irene from Sliver Taxi , he wrote he will contact to her. I'll do keep my fingers cross :) After waiting for her contact, I will move to another options which you
suggested. Thanks again, for helpful support. Kind Regards,
(↓下記のビッキーさん経由の進展を伝えてます)
ビッキーさんとのやりとり
Dear Vicki Regarding to car accident with Sliver Taxi, Thanks for your support. I had contacted with Silver Taxi as attached email bellow on Friday evening. After four days, on Wednesday morning, I had a phone call about this matter and the caller (Ms Irene) told me 1. they contacted with the driver and his was very sorry 2. send an email about the taxi drivers contact details. however no email yet.
At first I thought that call was from Silver Taxi (actually I didn't quite catch from where) and the caller's number was private I couldn't call back. On the second thought, it might have been from your section.
I'd like to (1) ask you to send me the drivers contact details if you know (2) to report how this matter goes, As I noted on the previous mail Taxi Plate No, : T**** Taxi Company : Silver Taxi
I'm just wondering that this Sliver Taxi's attitude is normal? No response at all for almost one week except one call ( if they did it). It would be highly appreciated if you had any suggestion. Thank you!
(ビッキーさんからの返信)
Dear Mr Tamura If you have spoken to Irene you have certainly spoken to Silver Taxi's. As they are the record holders for who was driving the cab at the time, I will contact them and request they contact you again. Should they not do so, the phone number is 9020 ***** Sadly with so many complaints to deal with there are weeks it is very hard to keep up, but I am sure, as Irene is very efficient, there would be a good reason for non contact. Regards Vicki
「もしあなたが電話で会話したのが"Irene"という名前の人だったら、それは間違いなくシルバータクシーのアイリーンさんです。彼らはその時点で誰がタクシーを運転していたかの記録を持っていますから。私の方からもう一度その会社に連絡し、あなた宛に連絡を取るように言ってみますね。もしそれでも連絡がなかったら、この電話番号にかけてください。悲しいことにあまりにも多くのコンプレイン(苦情)があり、処理しきれないのが実情なのですね。でも、アイリーンはとても有能な人で、もし彼女が連絡しなかったらそれはなにかもっともな理由があると思います」
★ここが非常に重要なのですが、タクシー会社だったらドライバーが誰かという情報を持っていること、ビッキーさんはアイリーンさんを知っており、有能だと言っていること。
なんで重要かというと、ライトパーソンであるビッキーさんがお墨付きをあたえる人であるなら、アイリーンさんもまたライトパーソンであるということです。確かに電話の感じでは、そうでした。そして、彼女につながる電話番号を教えてくれたことです。これがブレイクポイントになったのは後述。
(僕のレス)
Dear Vicki, Thank you very much for your helpful reply!
>As they are the record holders for who was driving the cab at the time,
I will contact them and request they contact you again. I really appreciate your help. So I'll be waiting for her mail for a while.
and if nothing happen,
> Should they not do so, the phone number is 9020 ****
Yes I'll do it in that case. Is this her desk's number? Cos there are no such a number on Silver Taxi's Web Page.
>Sadly with so many complaints to deal with there are weeks it is very hard to keep up, but I am sure, as Irene is very efficient, there would be a good reason for non contact.
Yeah, I think I can imagine those hectic situation. If the person efficient enough as you assures that Ms Irene is efficient, certainly she is, and some reasons as well. Anyway, thank you for everything. Have a good weekend. I hope I will with some progress :-) Kind Regards,
(ビッキーさんからの返信)
You are welcome I have sent the message along for the company to contact you, the number is the Customer Service number where Irene will be connected from.
You may hear from another employee as I have sent the email to management at Silver. Regards Vicki
「再度、タクシー会社にコンタクトを取るように連絡しました。アイリーン以外の人から連絡があると思いますよ」
※ということで、相変わらず一つ頼むと2つやってくれるビッキーさんであった。
第4幕:保険会社の壁
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この話がタクシー会社のどこをどうつながっていったのか、コンバイン社という、シルバータクシー会社の親会社らしきところの、保険事務セクションからついにメールがやってきました。事故後ちょうど一週間目の金曜日。
このときは、ようやく保険セクションまで話が届いたと喜んだものです。ぬか喜びに終わるんだけど。
親会社の保険セクションからのメール
Insurance Manager Combined Communications Network Pty Ltd 08/08 15:37
I refer to your email below which has been passed onto me for reply and I apologise for the delay in replying.
Taxi businesses are run by independent operators who are not employees of Silver Services. They utilise the services provided by Silver Services such as our customer call centre to run their businesses and accordingly their relationship to us is that of a customer.
Under the restrictions of the Privacy Act 1988 and the National Privacy Principles we are generally unable to disclose personal information about an individual to a third party. Unfortunately that means I am unable to provide you with the details of the operator of vehicle T ***.
However if you yourself do not have the details of the operator concerned I am happy to send on to them any requests for payment of damages. If you forward in a letter of demand along with a copy of a smash repair quotation I will forward it to the operator on your behalf. Regards
「私宛に回されてきたメールに返信いたします。ご連絡が遅れて申し訳ありません。
タクシー業界というのは個人営業であり、彼ら運転手はシルバータクシー社の社員ではありません。彼らは、シルバータクシー社が提供するサービス(顧客からの配車依頼など)を利用しているのであり、当社としては彼らタクシー運転手もまた「顧客」であるのです。
1988年プライバシー法の条項により、個人情報を第三者に公開することは禁じられております。残念ながら本件タクシー車両の運転手の詳細をあなたにお知らせすることは出来ないのです。
しかしながら、本件事故の賠償請求などを当該運転手にお伝えする橋渡し役はいたします。もしあなたが板金修理業者の見積もりのコピーとともに"Letter of Demand"を送付したいのであれば、当該運転手にお渡しします。」
要するに運転手の個人情報を教える気はない。できないと。ただし賠償などの書類を渡すことはしてあげるということですね。あれ、じゃあ、アイリーンさんがタクシーのコンタクト先を教えてくれようとしたのは何よ?矛盾してんじゃんって思うので、返信。
(僕のレス)
Dear Clare, Thank you for your mail regarding to Taxi car accident.
>Under the restrictions of the Privacy Act 1988 and the National Privacy Principles we are generally unable to disclose personal information about an individual to a third party. Unfortunately that means I am
unable to provide you with the details of the operator of vehicle T ***.
Oh, OK. Actually as I mentioned on my previous email (have you got it?), Ms Irene from Silver Taxi called me on Wed morning about the identity of the driver and she said she will send me it by email, which i've been waiting for in vain.
Anyway, as far as my car is fixed, I'm not interested in the driver's privacy. It's OK.
>However if you yourself do not have the details of the operator concerned I am happy to send on to them any requests for payment of damages. If you forward in a letter of demand along with a copy of a smash repair quotation I will forward it to the operator on your behalf.
OK, I understand, I'll have a quote from panel beater and send it to you by email with scanned quotation document.
One more thing, if the driver want to have a look at the damage of my car, I'm happy to send some photographs. If he wants to talk to me personally or have a look at my car directly, that's also no problem.
I left the car unfixed for legal evidence purpose. He can contact me anytime with this email address : I'm living in Lane Cove, NSW 2066 Anyway I've been in inconvenient days with using my wive's car, I wish to fix this ASAP. Thank you very much for your help. Have a good weekend, Kind Regards,
要するに「個人情報を教えてくれないのはわかった。でもアイリーンさんは教えてくれようとしたけどな、その点について以前のメールは読んでおられるか?いずれにせよ車が修理されるのであれば、こちらとしては問題ないです。見積もりを後日送るのでよろしく。また、車については後日の証拠保全のためにまだ修理しないで置いてあるし、そのタクシー運転手が被害状況を見たいのであれば写真を送付するし、さらに彼が直接私と話しをしたいというのであれば、当方のコンタクナンバーをお知らせするので伝えてほしい」と。
このあたり相手の運転手のためにあれこれオファーをしているのは、後日法廷なり仲裁機関なり、出るところに出た場合、「紛争の経緯」というのが重視されるからです。そのときに「こちらとしては万全の手段を尽くしていた」ということを時系列的に明らかにしたいからです。
Panel Beater(板金修理)6連敗
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ということで、よし修理の
見積もり(Quote/クォートという)取りだ!で、土曜日の午前中、近所のArtarmonの修理工場めぐりに出かけたのでした。
ところがぎっちょん、全然どこもとり合ってくれません。特に相手がタクシー会社と聞いただけで、もう全然やる気なし。一軒や二軒だったらまだわかるけど、6軒廻って全滅。これ以上は土曜日にやってる工場が見つからなかったし、もう閉まりかけてたからできなかった。でも、見積がなかったら賠償請求も出来ないじゃん。
ただ、これはある程度予想はついてました。嫌な予感というか。しかしここまでひどいとは思わなかったですね〜。あとでまとめて述べますが。あるところは、見積もり書いてやってもいいけど120ドル出せ、それで賠償金が取れたらその分はコミにしてやるって言われ、別のところでは110ドルで10ドル安くて、あとはもうタクシー会社の「タ」の字が出たらもうダメ。「なんでダメなの?」と聞いたのですが、「タクシーは払わないから」というお返事。They never payって言ってた。"hardly"とかじゃなくて"never"だもんね。絶対払おうとしないからって。
ちなみに、大体の修理総額は2500−3000ドルって言ってましたね。これは事故直後に僕が目算したのと合ってました。やっぱりねえって感じ。でも、これが嘘だったりするのも過去の経験で知ってます。それも後でまとめて述べます。
「ふー、やれやれ」で心折れそうになって帰宅したわけですが、「おし、ほんじゃあ」で、予めネットで探していた「オンライン見積もり」というのが幾つかあったので3つばっか申請しました。うち1件はサーバーエラー(やれやれ)。うち一件は梨の礫(やれやれ)。しかし、一件だけはマトモに返事がありました。電話かかってきた。その後にメールもくれました。やる気満々であると。
修理工場からのメール
Hi Koichi, As discussed over the phone, you are welcome to come in any time Monday onwards for us to assess the damage on the rear of you Magna.
We can recover the costs on your behalf from the party at fault at no cost to you. Once you bring the vehicle in for me to see, I will explain the easy process of making sure your car is in the same condition as before the accident. Have a good weekend, speak to you soon.
「電話で話したように、被害の査定のため、月曜以降だったらいつ来てもらってもいいですよ。賠償については、こちらの方で相手方に交渉して取り返してあげるし、そっちはノーコストですみます。お会いしたときに、どうやってそれをやるのか、その簡単なやり方を説明してあげます」
(僕のレス)
Hi, Thank you for your quick response and call.
It sounds nice too me, yah surely it does. Before we talk, I think I should tell you my situation, bit complicated. Seemingly it depends how you can successfully get the money from the Taxi diver. Would you please assess my case is worth for you with the details bellow;
「たいへん良いお話で興味があるんですけど、察するところ本件の成否は、そちらが賠償金を得られる可能性がどの程度あるかにかかっているように思われます。以下当方のケースの詳細を述べますので、それでもトライする価値があるかどうかご判断ください」
The Accident and afterwards (以下これまでの経過の説明〜長いので省略します)
With the case above, would you still have a try? how much is the success rate. I thought I have to go to police and get his identity, and do some legal work, long and time consuming way. If you still want to do this, it very nice to me.
However, one condition please, in the case you failed to recover the fee, can you promise not to ask the fee to me? "The worst scenario" for me is, I ask you, you try, you fail, you ask me, then we argue each other, thing get more complicated helplessly. That's the only thing I'm worrying about. If this point is surely clear, I'll ask you. As far as my car is fixed, That's OK for me. Sorry for long mail and thank you very much for spending your precious time. Kind Regards,
「これら事案の詳細をみて、成功率はどのくらいあると思いますか?こちらとしてはこれから警察に行き、且つナンバープレートから運転手を割り出し、それから長い長い法的手続きをとるしかないなと思ってます。もしそちらでやってくれるならこちらは大助かりです。
しかし、一つ条件があります。そちらに頼んだけど、結局賠償額をとりそこねた場合、またこちらに請求するというのは無しにしてください。「最悪のシナリオ」は、うまく行かずに僕ら同士が争いになるという、さらにややこしくて無益な状況に陥ることです。それだけを懸念しています。もしこの点さえクリアされるのであれば、喜んでお願いしたいと思います。長文にて、貴重なお時間を頂いて恐縮です}
(修理工場からの返事)
Hi Koichi, The only way I would be able to assist you in this matter is if Silver Taxi provide you with a claim/incident number. That way, I would be able to contact Silver Taxi and start in the recovery stage.
Please contact them and request a claim/incident number. You might have to lodge a police report to apply some pressure to the party at fault. Regards,
「たったひとつの方法としては、シルバータクシー社が「クレーム・事故番号」をくれることです。そうなればこちら側からタクシー会社に交渉できます。会社にコンタクトして、その番号を貰うようにしてください。場合によっては警察に届け出るなど、彼らにプレッシャーを与えなければならないかもしれません」
「おし、クレーム番号だな」と思って、さっそく週明けの月曜日の朝イチに、再び親会社の保険セクションにメールしてみました。
Regarding to my car accident with Sliver Taxi, Would you please give me your claim/incident number? That is necessary for fixing my car.
I intentionally refrain from reporting this matter to Police, because it might hurt the driver's carrier and his living, as it was an offence (failure to exchange names and addresses). However, if I don't get his identity and not fixing car, I have to go further step. So please send me a claim/incident number. Thank you, Kind Regards
クレーム番号をくださいということに加えて、「運転手の営業や将来を考えて敢えてこれまで警察沙汰にしてきませんでした。しかし、この番号がないと修理もできず、そうなるとやむを得ず警察に行くしかなくなります」と書きました。これは脅しというよりも真剣に好意で書いてるわけで、こんなもん両当事者が直接話したら結構うまく収まるはずだという見通しもあったからです。これも後述します。
I refer to your email below. As advised taxis are run by independent operators who are the ones responsible for insurance on their vehicles. Accordingly you will need to contact the operator to discuss making a claim via his/her insurance. If you do not have the details of the operator, I would be happy to forward any letter of demand and smash repairer quote to them on your behalf. Thanks and regards
しかしながら、お返事はこのように本当に紋切り型のコピペ風官僚メール。仕事する気あるの?って言いたいくらい。
Dear Clare, Thanks for reply,
Ok, Could you contact the operator today and pass my message? I'll go police tomorrow, because i can't make letter of demand without his details nor quote without number. I'll report this to police and submit Access Aplicaton to find out his details. Today is the last chance for him to settle this matter calmly. Please contact me on this email, or (phone no) Thank you, Regards,
ああ、これじゃ万策尽きて警察いかなきゃね、という本気でそういう時点で書いたものです。「明日警察にいきます。最後のチャンスですよ」と書いたけど、それきり。
要するに、この親会社の保険セクションは、ロングパーソンであり、ぜーんぜんやる気なし。タクシーは個人営業だから知らん、僕達関係ありません、知らぬ存ぜぬの一点張りです。
やれやれ、困ったもので、こりゃあマジに警察に届けて、粛々とやっていくしかないなと思いました。
「粛々と」というのは、予め下調べしておいたのですが、まず警察にいうといっても、何を言うのかです。単に事故のレポートだけだったら、それで終わりだから、もっと正式に「被害届」「告訴」という刑事法上の犯罪事実を言わないと警察も「捜査」はしない。
ではこの事例で犯罪はあるのか?というと、あります。事故後には、ドライバーはお互いに免許証や保険番号などの情報を交換しなければならないという規定があります。本件では結局相手の情報はわからずじまいだし、これだけこちらからコンタクト先を告げているのに連絡してこないのだから、その義務違反という犯罪事実があると。「Exchanging details 」というのですけど、これは例えば
NSW州のLaw Assistというサイトで解説されてました。
まあ、これでやっていけば相手方の住所氏名もわかるかなと。
RMSに行けばプレートナンバーだけである程度はわかるし、21ドル払えばもっと分かる。しかし、その車両のオーナーが仮にわかったとしても、それが運転手であるという保障はない。というか、日本のタクシー会社もそうだったと記憶しているけど、一人一台じゃなかったと思うのですよ。早番遅番のように一台の車両を複数人がシフト組んで乗ってたり。また、あとで述べるように保険ですらも自分らだけで私的生協みたいにやってるわけで、登録上の所有者と運転手が同じであるという保障はどこにもない。違う可能性もかなりあっるんじゃないかと。
まあ保険は運転手ではなく車両単位にかかるから運転手なんかわからなくても良くて、車両登録の詳細でCTP(強制保険)はわかるんだけど、でもCTPは物損をカバーしてない。それ以上の保険をかけているかというと後述のように不透明。仮に保険に入ってたとしても今度は保険会社がまじめにやってくれるかどうかも不透明。
そこから先は中々難しくて、タクシー免許であるとか、そのあたりから攻めるのかな?とか考えてました。だったら警察に犯罪捜査をやってもらって相手方を調べて、もしかしたら教えてくれるかも(示談で済むと取り下げになったりして、警察の仕事が楽になるから教えてくれるとか)。
その後の手続きは(結局やらずに済んだけど、下調べしていた範囲では)、まずは"letter of Demand"という公式な支払督促状を送り、あとは少額裁判のSmall Claims(1万ドル以下の案件)にやるのかなと。その他、タクシー免許の取消申請をしてですね、あの手この手でやってれば、そのうち向こうも話に応じるかもしれないなと漠然と考えてました。
これね〜、なまじ日本でいろいろやってたからカリカリきますね。これが日本でやってたら、弁護士法23条照会かけて、内容証明郵便ぶつけて、それでダメなら刑事告訴と、タクシー免許の取消の行政処分を促す申請して、同時並行で交通調停なり、民事訴訟かけて、その前に給料債権や賃貸家屋の保証金や生命保険の解約返戻金を仮差押えしてって幾らでもプレッシャーをかけて地獄の果てまで追いかけるやり方は思いつくんだけど、大して難しい手間でもないんだけど、しかし、こっちのやり方をよく知らないし、その権限もない。これ全部こっちの弁護士に頼んでたら、多分新車が買えるだろうな〜と。だから限られたオプション、限られた情報で、コスパ考えて次の手を打っていくしかない。なんか将棋指しているみたいで、それなりに面白いんですけど、「だーもー」ってイライラしますね(^^)。
第5幕:連絡先判明→修理交渉・実行
アイリーン再び
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こりゃ警察に行くしかないねってことで、警察に届けるための資料(経過がややこしいので紙にまとめたり、車の破損状況の写真など)を作りかけていて、「はて」と手が止まりました。まだやり残していたことがあると。
実は、この間、シルバータクシーから留守電が入ってて、「事故の件で電話しました、折り返し電話ください。電話番号は○○、本件の照会番号は○○番です」と言っている。アイリーンさん以外の人で、これは多分前述のビッキーさんが言ってた「会社の他の人から電話がいくだろう」ってことかと思いあたった。「おお」と色めき立って、言われている番号にかけてみても話し中。話し中てか、もういきなり切れてしまうという。回線パンク状態なんじゃないのってくらいで、以後かけても、かけても、かけても、かけても、都合20回くらい電話かけても一度として通じた試しがないから、もう諦めてたのですね。ダメだこりゃと。
でも、このときはた!と思い出したのが、そういえばビッキーさん、ここにかけろと別の電話番号を教えてくれたぞと。もう一度メールを読み直して、その番号にかけてみました。なんと一発で通じた。そして、「アイリーンさんお願いします」と言ったら、アイリーンさん本人がでてきてくれて、「番号ありますか?」と聞くので、留守電に入っていた番号をいうと、調べてくれて、「ああ、あの件ね」で思い出してくれたので、「これこれこういうわけでメール待ってたんだけど」「あら、送ったけどな、おかしいわね」ということで、「じゃあ、今から言うわよ」と、てきぱきと待望のタクシーの運転手の電話番号を教えてくれたのでした。名前もフルネームで。ちなみに名前は、やっぱ中東系でムハマンド・ハッサンで、実名出しても構わないだろうというくらいあっちではありふれた名前、多分この名前の人って地球に1億人くらいいるんじゃないかってくらい。
あっさりわかってしまった。結局キモになったのは、この一発で通じた電話番号であり、これはシルバータクシーのWebサイトには載ってない番号。裏番号ってほどではないんだろうけど、ちょっと分かりにくい。その貴重な番号をビッキーさんは教えてくれていたのですね。ほんと、ライトパーソンはやることが違うわ。これって、なんかドラクエに似てるって思ってしまった。どっかで「秘密の呪文」を教えて貰うんだけど、それが何に使うのかはその時点ではわからない。後になってここぞというときに意味を持ってくるという。そんな感じ。
ついにコンタクト成功〜タクシー運ちゃん保険
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でもって興奮で震える指で電話をすると(ま、別に震えてはなかったけど)、出ない。まあ、相手はタクシーの運ちゃんだから、すぐに出るとは限らないからガッカリすることはない。また、しばらくしてかければいいやと思ってたら、意外にも15分ほどして相手からかかってきました。「電話ミスってごめんね〜」と普通の電話。やっとこさ、待望の本題に入れて、「覚えてる?2週間くらい前にシドニー空港で事故った」「ああ、あんたか?どうしたんだよ、こっちも散々探したんだよ〜」という全然悪びれてない陽気な声。でもって、「この件はフェイズという人に電話してくれ、彼が仕切ってるから。電話番号いうよ〜」と教えてくれました。
でもって、そのフェイズに電話し、事情を説明すると、「OK、わかった、修理してあげるよ。場所はBankstownで、いまそっちは?そうか、今パラマッタにいるので、午後にはそっちに行くよ」ということで話はトントン進み、本当に午後に来てくれた。破損状況を見て、ああ、これなら2−3日あれば十分だ、また取りに来るよ、代車も出してあげるよ、えっといつがいいかな、と。
以後、このフェイズ氏がいい加減というか、普通のオージー的というか、約束した日には来れずに「今超忙しくて、ごめん」と先延ばしにする。取りに来るというのが水曜日だったのが来週の月曜日になり(これは本当に来た)、修理完了は2−3日という話が、木曜になり、金曜になり、またさらに月曜になり、それもダメで結局来たのは26日の火曜日の夜。ただし、結構きれいに直ってました。
というわけで事故があったのが8月1日で、修理完了が26日というほぼ一ヶ月弱これに振り回されていました。特に最後の逃げ水状態はイライラさせられましたね〜。でも、この過程と全体の構造は、以下に項を改めて書きます。ちょい複雑なもんで。
全体構造とまとめコメント
オーストラリアの自動車保険と保険への懐疑
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えっとどっから書こうか。まずこちらでの物損事故の処理方法ですけど、保険に入っているか入ってないかで全然違います。自動車保険は、日本における自賠責保険=強制保険があり、これを
CTP(Compulsory Third Party Insurance)といいます。またの名を
Green Slip(緑色の紙だから)。これは対人賠償無制限に出ますから、日本の自賠責よりもかなり使える。それ以外の任意は、物損も含む
Third Party Property Damageがあり、さらに 盗難などの保険があり、何もかもひっくりめた総合保険
コンプリヘンシブ(Comprehensive cover)があります。もし、物損保険やコンプリヘンシブに入っていた場合、これは簡単なんですね。自分の保険会社に事故があったことを連絡し、やってもらえばいいだけのことで、すごい簡単。
ウチも車二台あって、一台はコンプリヘンシブ入ってたんですけど、止めちゃいました。高いんだもん。これは車や運転手の状況などによって千差万別だから一概にいえないけど、普通に年間1000ドルくらいする。安いところもあるんだけど、今度は修理工場が嫌がったりして、結局使えない(数年前の経験がある、AMMIは絶対やらないとかいう工場がいくつかあった)。大体、車検とレジとCTPだけで1000ドル以上かかり、そこに任意でまた1000ドルかかり、2台あったら年間4000ドル。10年で400万円ってどうよ?と。うちコンプリだけで200万円。今の車はマメに整備に出しているから結構調子がよくて、10年以上長いこと乗ってます。この車は12年くらいかな、その間事故らしい事故は今回が初めて。もうこの車もいい年だから、売りに出しても3000ドルくらいでしょう。それに1000ドルの保険かけるか?と。
実際、保険に対しては僕は懐疑的で、保険入ってても結局出ませんでしたってことが意外と多い。修理代○○ドル以下は対象外ですとか、免責約款の多いこと。それは前職時代からよく見聞きしてたし、最近ではがん保険に入っても実はそんなに出ないのが話題になってたり(本まで出ている〜
がん保険のカラクリ (文春新書) )、オーストラリアの保険でも詐欺じゃないかとCHOICE(消費者団体)の槍玉にあがったり(
QLD洪水のとき2011年のShonky Award=ダメ商品大賞=に選ばれている)。海外保険でも、先日ラウンド先で足骨折してギブスしてた人に聞いたけど治療費全部で600ドルくらいで済んだと。それに保険会社って別の顔は機関投資家だから、株やら相場に手を突っ込んでリーマン・ショックで大損ぶっこいて翌年掛け金があがったり、テロがあったり、地政学上のリスクとやらでまた掛け金があがったり。要するに世界の矛盾や、金融機関の火遊びのつけを払ってるようなもんじゃんかよ〜って不満は僕にはあります。だから懐疑的。
そうはいっても人の命にかかわることは好き嫌い言ってられないから人損は保険に入るけど、それは自賠責(CTP)で全部カバーされるから問題はない。だったらもういいじゃないかってのが正直なところですね。ノークレームボーナスだって、意外としょぼいし、年々しょぼくなってる気がするし。10年間で保険料で1万ドル払うのと、10年間で100万レベルの事故を起こすのとどっちが高いか?ですよ。しかも事故起こしても保険が出るとは限らないというおまけ付き。
それにこっちの物損事故って、軽いやつだったら保険会社に連絡してもシカト、結局なにもなしってのが意外と多かったような経験記憶がある。以前の車でもハーバーブリッジ手前で追突されて、情報交換して相手の保険会社に連絡したけど、それきり。こっちも忙しいから取り紛れてしまった。他にも、知人がぶつけて、相手に情報教えて、いつ連絡がくるかと戦々恐々としていたら結局こなかった。もうちょっと凹んだくらいだったら事故のうちに入らないくらいの感じで、結局そのまま放置って話は他にも聞いたことがある。まあ絶対そうなるとはよう言わないけど、なんとなく思ってるよりはかなりアバウトな感触があります。
保険と修理の二重構造
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物損の修理代が法外に高いと思います。これねー、構造的にそうなってる気がする。なぜそう思うのかというと、数年前、カミさんが玉突き衝突に巻き込まれて、同じように後部を直したことがあるんだけど、最初はやっぱり2500ドルとか3000ドルとか言われたんですね。ウチの近所のArtarmonの自動車修理工場村(なぜかあそこは多い)で、ことごとく。これ、多分ノースの金持ちエリアだからだと思うのですよ。皆さん金あるからコンプリヘンシブに入ってる。金ある人は入ればいいんですよね、税金経費で落ちるから。こっちの高額(てか中高額くらいでも)税率ものすごく高いから、ある程度稼ぐようになったら、かなり税金精通してせっせと経費にしないといけないんでしょう。だから、ここらへんの修理工場は保険目当ての仕事が多いんだろう。
と勝手に推測をつけて、もうちょい庶民的な西エリア、特にパラマッタロードのBurwoodとかFivedockあたりに固まってるから、そこまで車飛ばして一軒一軒訪ねていって交渉して、バンパーの凹みはどうでもいいから車検通る程度にフレーム直して、「現金で払うよ」とか言ったりなんかして(意味わかるよね)(^^)、そしたら2500ドルのはずが750ドルという値が出ましたね。「やっぱね〜」と思って、他にも当たってるうちに、結局いくらだったかな250ドルかそこらでやってくれました。もう機械でちょっと牽引して引っ張ればいいだけのことだし、そんなにかかるわけないんだわ。十数年前、前の前の車のとき、壁にこすりまくって(こっちのフラットの駐車場には注意です!低くて運転席から見えない塀があるぞ)ドア二枚とフェンダー一枚やったときだって1700ドルだったんだし。引っ張るだけだったら数百ドルで済むはず。
だもんで、これ決着つかんかったら最悪その手だな、ま、500ドルもあれば出来るはずと踏んでました。大体売値3000ドルの車に修理代3000ドルかけてたらアホらしいし、そんなんだったら廃車/ライトオフ(write off )して新しいの買ったほうがいいくらいです。でもな〜、トランクが閉まらないだけ、それもわずか数ミリ差で閉まらないだけで、あとは至って調子のいい車だもんでそれも勿体ないなと。3000ドル出してどんな車買うか?と言われたら今の車を買うのが一番いい。
なんでこんなに修理代が違うのかといえば保険で出るか出ないかでしょう?保険って結局誰の懐も痛まないから(てか結局消費者の懐が痛む)気前よくどんどん見積とって満額支払われるので修理工場としては美味しい。だから保険外の仕事はやりたがらない。ということは、結局のところ、修理工場と保険会社がタッグ組んで高値に釣り上げて消費者食い物にしてるだけじゃんって、そういう構造が腹が立つのですね。これが現代のクソ資本主義かよって(^^)。
タクシー業界の事情と解決へ
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それにタクシー業界という独特にツイストがかかってきます。これは、オーストラリアの生活掲示板Whirl Pool(便利ですよ)で見つけて学んだのだけど(
Taxi hit me. No insurance. What to do?)、なんでタクシーの場合は、修理工場が音を上げるくらい払わないのか?
ここらへんは結構わからない世界で、そんなに理屈どおりはいかないでしょうね。日本のタクシー界もそうだし、運輸業界だいたいがそうだけど結構キツい業界です。運転手さんてそんなに恵まれた報酬にないし、でも事故のリスクは常にあるし。NSW州のタクシーは物損保険に入るのが義務付けられているらしいんだけど、本当にやってるのかな?という疑問もあります。そもそも保険会社がタクシーお断り(事故が多いので損するに決まってるから)ってのが多いとかいう噂も聞く。じゃあ、彼らはどうやっているのか。
プロとして裏の修理=保険事情に精通している彼らだったらどうするか、Whirl Pool掲示板で誰か書いていたのですが(そこだけ抜書きすると、"that regular insurance companies won't insure taxi drivers, so the "insurance" cabbies use is a kind of co-operative where they club together to self insure as a group.I'd expect a long, hard battle to get your money out of them")、彼らタクシー運転手同士で私的な保険組合のようなものをつくって、そこで直しているんだと。でもそれは彼らの車を直すだけで、他の車は直さないと。「なるほどね」と思いましたね。いわゆる保険会社のビジネスモデル(金融投資で儲ける)ではなく、純然たる事故のリスクヘッジだけで仲間内でやれば、それは安く済むはずですよ。それに修理工場と提携して安く済ませれば、なおのこと安くなるでしょう。やらないわけがないよなと。
そういう前提知識があったから、愛すべき運ちゃんムハマンドが、フェイズなる人物を紹介して、彼が全部やってくれるからって言った時は、「ははあ」と思いました。で、フェイズ氏はどういう生業をたてているのか分からないけど、そういう私的な保険を主催しているのか、彼自身が修理工場経営してて自家製の保険をタクシーの運ちゃんに売っているのか、そのあたりのカラクリはわかりません。
ただ、多分、そういう感じで話していけば、どっちも安く済むはずだし楽だな、だから運転手さんと直に話したかったのですね。その際、向こうが応じ易くするするために、最初の段階で北風と太陽だったら太陽にしようと思ったのでした。これが怒り狂って、警察だとか喚いてたら、向こうも面倒くさがってシカトしちゃうかもしれないし。「話せる相手」というニュアンスを伝えたくて、「運転手さんは悪い人には見えなかったけどな」と敢えて書いたおいたのです。でも、舐められて騙されても嫌だから、空港に連絡してCCTVで突き止めるくらいのことは出来る人である、だから騙したら後から幾らでも追いかけてこられるかもしれないなって思ってももらいたかった。このあたりの上手くいってるんだかいってないんだか、わからんかったです。今でもわからない。多分誰にもわからないだろうけど。
あと、フェイズさんと立ち話しているときに、どっから来たの?って話になってレバノンだって言ってました。なるほど、バンクスタウンのレバニーズか、ありがちな話だと。あのあたり、事故車を綺麗に塗りなおして高く(でも市場よりは激安に)売ったりしてる、その種のバイアスもあるだろうなと。だから超極悪な人達かもしれないなってのがひとつ。しかし、同時に、普通に生活している普通のおっちゃん達なんじゃないの?って気もする。直感的にはそうです。こっちが8割、極悪2割くらいのレシピーで、基本友好的に、でも最悪に備えてって、そのあたりが結構神経使う所で。
それをまた、フェイズ君たら、納期延び延びだから、「あれ、もしかして」と疑心暗鬼にもなって、そのあたりの精神的な辛さはありましたね〜。ただ、代車においていったのが、ルノーのわりと走行距離も少ない、どう考えても僕の車の市場価格の3倍はしそうな車だったので、間違いはないかなとは思いましたが。また、代車との引き換えの際は、お互いの免許証を写真でしっかり撮ったりしてたし、そこはちゃんとしてたし。んでも、延び延びになってくると、このルノーさえも盗難車じゃないの?って気もしたりして(^^)。
結果的にはちゃんと直してくれて、バンパーなんか今回の事故以外でもスーツケースがぶつかったり色々ぼこぼこだったのが新品同様に綺麗になったし、フレームも、多少ズレはあるんだけど、まあ十分満足すべき出来だし、最後のときには、ワイフらしきおばちゃんが一緒に乗ってきて、一筆書いてくれって、そこはしっかりしてましたね。もっとも、その場で一筆書いたんだけど、もしかして預けている間にどっかの部品抜かれてたり、思わぬ異常があとで発見されるかもしれないから、「この修理に満足してます」って一筆書くときに、"as far as I know at this point"(現時点において知る限りにおいては)という限定を一本その場で書き添えて、歯止めにはしました。これ書いておけば、あとで何か異常があったときに、「その時点ではわからなかった」って後で言えるから。
ところで、 そういえば「クレーム番号さえ判ればこっちで出来る」って言ってくれた修理工場があったけど、なんでそこまで強気になれるのか?ですが、多分、その種の仕組に精通している弁護士なりなんなりと提携してたんじゃないかしらん。慣れているんだろう。他の修理工場がやりたがらない仕事を積極的に受けていけば、これはこれでビジネスチャンスですから。
それでもケラケラ笑えるかが本当の勝負
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ほんでも、運転手のムハマンドさんにしても、陽気で小柄なお父ちゃんだし、フェイズ氏も経営大変そうな中小企業の親父さんオーラが出てて、延期の言い訳も面白くて(ハロー、ブラザー、ハウアユー?アイム、ベリーベリーソーリー、ギブミーワンモアチャンスプリーズ!アイベッグユー、バディ!とか舌足らずの英語が可愛い)、まあ、普通の市井の人達なんだろうなって思います。偏見も先入観も一切抜きにして、ただ目の前の人を素直に見て直感的にどうか、です。直感はシロだったんだけど、こうも延びると「あれ?」という疑心が芽生えて、それが一番鬱陶しかったですね。
これは個人的な人生哲学、、てほど偉そうなもんじゃないけど、こういうときって、騙されないでシタタカなことが偉いこと、だとは全然思わないんですよ、僕は。人間的にいったら、騙される方が偉いんじゃないの?と。だって基本的に人を信頼するというポジベースだし、そういう生き方の方が結局実り豊かな人生になるんじゃないかなって。切った張ったの前職時代を通過しての感覚です。
だってさ〜、羽振りよくやってる事業家の人達だって、結構騙されてるんですよね。1億円くらい軽く騙されてたりして、でもそれをケラケラ笑い飛ばして、気にしないで。でもってまた性懲りもなく、他愛なく騙されているってところが人間的度量なり愛嬌に通じてて人が寄ってきて、結局元は取っているとという。漢の高祖劉邦がまさにそういう人だったというし。死ぬほど頭が良くてバリバリ有能だった僕の前のボスでも年がら年中騙されてたもんな。依頼者に騙されるのは弁護士としてある意味勲章で、そこをびびってたらいい弁護士になれないよって。永ちゃんだって、ゴールドコーストで騙されて、大借金背負わされて、それでもきっちり完済してるもんね。あれで男を上げてる部分はあるよね。
逆に騙す側の人間って、その場は得してもどんどん人生袋小路に入っていくし。いい年して刑務所行ったり来たりしてる人って結構いるけど、大体そんな感じの人が多い。もちろん、見え見えの手に騙されたり、最低限の社会的ビジネス的常識もなかったら問題だけど、ある程度先にいったらプロでも騙される世界だから、そんなの結局はバクチなんですよね〜。
で、そのバクチで、人間っていいよねって方に張るか、人間は信じてはいけないって方に張るかといえば、前者に張ったほうがいいと僕は思うのですよ。何回騙されてもそれでも人を信じ続けるって生き方の方が僕は好きです。そこでどこまで心が折れずに信じ続けられるのか、そこが本当に勝負どころだと思うのですよ。人間としての器が問われるというか、それが本当の人としての「強さ」なんじゃないかと。小銭騙されてキーキー喚いてるような人にはなりたくないよなあ、いかにも小者感炸裂しててカッコ悪いじゃん。だもんで今回も全部ダメでした、大嘘でした、大損でしたとなったら、ケラケラ笑う心の準備だけはしてました。「腹をくくる」ってそういうことでしょ。
よく言うじゃないですか、賢くなるのは大切なことだけど、「小賢しく」なるなって。小怜悧で小賢しいくらいだったら、純朴な阿呆なまんまの方がなんぼかマシです。大体、人って、頭がいいやつをそれほど好まないですからね〜。あんまり身も蓋もなく馬鹿だったらそれも困りモノだけど、こと人生における幸せって意味では、多少頭が悪いくらいの方がアドバンテージだったりするんだと思います。逆になまじ頭良く生まれてしまった人は、ディスアドバンテージくらいに思って、それを上回るサムシングをゲットするように修行しないとならないんじゃないすかね。ま、そうやってセコセコ考えていることすら、セコいんだけどさ。面白いですよね、人って。長所は愛嬌を生まず、欠点こそが愛嬌を生むというこの不思議な機微。楽しいよね。
後日談その1
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というわけで一件落着になったところで、礼状です。ピエールさんとビッキーさんに下記のメールを入れました。こういう良い知らせを伝えるのは大事なことだと思うし。
ピエールさんへ
Dear Pierre, I'd gladly like to report of afterwards of my car accident, happened on 01/Aug, Sydney airport.
Having through long and complicated process, finally my car has been fixed without any cost!
Thank you very much for everything you helped me. I really appreciate your help. I just want to tell you this. Have a good day, Kind Regards,
(ピエールさんの返信)
Hi Koichi, Im very happy to hear you recieve the outcome you were after. Best regards
ビッキーさんへ
Dear Vicki I'd gladly like to report of afterwards of my car accident, happened on 01/Aug, Sydney airport.
Following to your suggestion, I had contacted Irene again, and she gave me the contact number. As you mentioned, she is so nice and efficient. Having through long and complicated process, finally my car has been fixed without any cost! Thank you very much for everything you helped me. I really appreciate your help. I just want to tell you this. Have a good day, Kind Regards,
PS:I want to thank Irene too, but obviously she is too busy on the phone, so if you had a chance to chat with her, please kindly pass my appreciation to her.
(ビッキーさんの返信)
Thankyou very much for your kinds words. I am glad the issue has been resolved, I wish more of our incidents finished this way! I will forward your email to Irene, thanks again Vicki
というわけで、どこまでもナイスな二人でした。
この二人と束の間連絡取れただけでも、僕は良かったと思います。
後日談その2
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いや、疲れた。ちょっと前のエッセイにも書きましたが、今年はギックリ腰&歯痛&偏頭痛の同時侵襲という生まれて初めての元寇みたいなドツボが前半にあり、後半になったらこれかよ、という。
面白いのは、その前に、メガネが壊れたのですね。ブリッジのところでポッキリと。何もしてないのに。嫌な予感、不吉な、、、と思ってたら案の定。でもって、風呂場の水もつまって、苛性ソーダ系のもので何度もやってたんだけど、なかなか進まない。なんか、この事故の進展と軌を一にしているような感じで(実際解決する頃には流れるようになった)。また、カミさんが日本に帰って、しかもお客さんもお盆の航空運賃高時期だからいなくて、一休みできるな〜って時に、これに忙殺されて。多分カミさんが帰ってくる前には直るのだろうと思ってたんですけど、本当にそうなった。帰ってくる前の日の夜に車が直ってきたという。
なんか偶然というのはあまりにもね。でもって、ブリッジをスペアに取り替えて直したはずのメガネが、いよいよ解決直前てころにまた同じように壊れました。「これで終わりと思うなよ」という悪魔の予告のように。多分そうなるだろうなと予期はしてたので、「はいはい、思ってませんよ〜」てな感じです。でも、今回は、なんでブリッジのところが壊れるのかを研究し、フレームの歪みとかも調節し、さらに他のメガネを多用するようにするなど、進捗はあります。
そして、車が直ったまさにその翌日、その夜。歯の詰め物がぽろっと取れたのでした〜。あ、やっぱりね。「はいはい」ですわ。今年はそういう年なんだよね。まあ、せいぜい修行させていただきますわ。
でも、いい勉強になりました、ほんとに。英語的にもいい練習になった。特にアイリーンさんの電話を受けた時に、ちゃんと全部聞き取れて、かつ”Irene"と見当をつけたスペルが合ってたのがうれしかったですね。ネットで調べると”Eileen”とかも多いんだけど、なんとなくオーストラリアで見聞きするのは"Irene"が多いような気がして。まあ、偶然のまぐれ当たりだとは思うけど。
んでも、例えば日本語で「カトウさん」といったときに「加藤」なのか「加東」なのかといえば、前者の方が多いでしょう。そういう感覚もまた英語力や言語力に入るんだよなと改めて思いました。いかに日頃から接していて、膨大の量の蓄積があるかどうか。
やあ、超長くなってしまった。でも、これ途中でやめられないし、二回に分けていうことでもないし。許されよ。
文責:田村