写真は、路地裏的アートのNewtown。美味しいスイカケーキのあるBlackStarというお店のあるAustralia Stです。
この張り紙をみているうちに
”thisoz.com.au"というのを見つけたのでアクセスしてみました。ゲイその他に対する偏見差別をなくそうというキャンペーンの一環として、皆が自分のメッセージを書いた写真をアップするサイトですが、こう書いてしまうと堅苦しくて「ちょっと違う」感じがします。「人権」「差別」とかいう単語の字面が悪いんだと思いますが、言ってる内容は「色々な人がいたほうが面白いじゃん、楽しいじゃん」という融通無碍でカラフルで豊かなものです。教科書的な堅い感じはゼロ。
ここで、日本は明治や戦後以降の上からの民主主義で、下から自然発生的に盛り上がったことがないので感覚的に通じない、根付いていないという説がでてきそうなんですけど、そんなことないと思うぞ。そんなの言われる前から体現していたと思う。例えば同性愛に対する禁忌意識は昔からないし(武士道の教科書の「葉隠」にもその種のマニュアルがあったというし)、最近の男の娘ブームも自然だし、そもそも歌舞伎の女形(玉三郎とか)は、全然差別もされてなければ、馬鹿にされてもいない。むしろ尊敬されている。ゲイではないけど芸であると。ああいったカラフルで、無茶苦茶にはっちゃけた感じが本当の日本人の豊かさだと僕は思います。だからこのサイトを見てても、すっと入っていけます。
でもって、皆が自分のメッセージを書いて写真に写ってるんですけど、見入ってしまいます。「いやあ、いいこと言うわ」って感じで、西欧圏でいわれる「自己主張というのはこういうもの」といういい例です。肩肘はらず、大上段に構えず、「僕はこう思うよ」って、それでいて絶妙なプレゼンになっているという。
"My heart is too "BIG" to be restricted by you small mind"(私のハートはとっても大きいから、あなたの小さな心(=アンチゲイとか心の狭い人達の考え)では押さえきれないわよ)
"All Love is Good Love"、あと"All Love is Good Live"ってのもありました。
"Gender is between the eyes, not the between thighs"(性別というのは(見つめ合う)目と目の間にあるもので、腿と腿の間のことではないのだよ)
"The more colours the better, Rock the Rainbow"(たくさんの色があればあるほど素敵、まるで虹のように)。この"rock the rainbow"は「ロック」という言葉の日本語訳が不可能なんだけど、カッコいいです。よく思いつくなこんなフレーズ。音楽のロックと同じコンセプトの単語なんだけど、「レインボーのように素敵にはじけようぜ」みたいなニュアンスを、もう二段階くらいクールに表現した感じ。それに見合うだけのカッコいい邦訳が浮かばない。
”Judging a person doesn't define who they are, it defines who you are"「いくら他人を決めつけてレッテルを貼ったところで、その人達がどういう人達なのかが明らかになるわけではない。それは(そういう決めつけをする)あなたがどんな人間であるかが明らかになるだけだ)。
きりがないのでこのくらいで、あとは見てください。面白いですよ。