このコンテンツは、1990年代に中高生留学を調べていた時に作成したものです。以後、全く更新しておりませんので10年以上古いコンテンツです。今後も更新する予定はありません。

したがって、リアルタイムにこのとおりである保証はないし、それどころかまず「違う」と思ってください。

「古文書」的な意味しかないので、バッサリ全部削除しようとしましたが、敢えて残しておきます。
かなり詳しく調べましたので、現在においても尚も「参考」としての資料価値があるからです。
 いわゆるハウツーマニュアルとしては無価値ですが、ものの考え方、システムの成り立ち方という原理部分、あるいは日本人的に盲点になるような部分などは、そう変わるわけもないし、今でも十分通用します。ご自身であれこれ考えたり、調べたりする参考にはなると思います。





APLAC/STUDY IN AUSTRALIA 6-1

第6章 留学中の諸手続きと注意事項(1)


    実際の留学生活が始まってから、留学生、保護者が注意すべき項目を挙げておきます。尚、これらの業務は留学斡旋業者を通していれば業者が代行してくれます。逆にいえば、これらの業務をきちんと行ってくれる業者を選択すべきといえます。


    1.授業料、雑費等の支払い手続き

      学校へ支払うべき授業料その他は、学校が規定した時期に正しく支払われなければなりません。支払いのタイミングは一般的にいって、入学前に最初の1年分、その後は半年づつ、あるいは学期ごとに請求されます。日本からの送金のタイミングで滞納してしまう危険性もありますが、滞納すると退学の対象になることもありますので、常に現地の銀行口座に余分に振り込んでおくようにした方がよいでしょう。

    2.お小遣いの送金・管理方法

      ほとんどの留学生は学校を通じて現地に銀行口座をつくり、そこに日本から送金してもらっています。この口座を留学生本人に管理させてもよいのですが、慣れない異国生活でお金の管理までさせるのは、かなりしっかりした学生でも難しいと思われます。通常、寮を付設した学校では寮長さん・寮母さんが口座の管理を代行してくれます。また、ホームステイの場合には留学斡旋業者が代行してくれるでしょう。一般的には、10年生までは学校の管理、11年生以降は自己管理としています。誰がどのように管理するのか事前に確認しておきましょう。

    ■現地情報■ 銀行

       営業時間は月曜日〜木曜日までは9時から4時まで。金曜日は5時まで。キャッシュカードで利用する自動引出・預け機(ATM)もあり、年中無休、24時間体制になっているところがほとんどです。留学生が自分の口座(普通預金口座−Saving Account、当座預金口座−Cheque Account)を開くこともできますし、日本から持参したトラベラーズチェックを換金してもらうこともできます。銀行口座開設の際には、ホストファミリーか留学先の先生などに同伴してもらう必要があります。

    3.パスポート、ビザの有効期限管理

      パスポート、ビザの有効期限が切れた状態でオーストラリアに滞在することは違法であり、更新手続きを怠っていると違法入国とみなされ、強制送還の対象になります。できるだけ日本にいる間に留学予定期間をすべてカバーするパスポート、ビザを取得しておくべきです。しかし、留学途中で期間の延長をしたくなるなど、現地更新の必要性も出てくるでしょう。そこで、お世話になるのが、次の日本国大使館/領事館及び、移民局です。

    ■日本国大使館/領事館  Embassy / Consulate-General

       オーストラリアに3ヶ月以上滞在する方は、日本大使館又は領事館へ「在留届」を提出する義務があります。下記大使館/領事館のうち最寄りのところから記入フォームを取り寄せ、郵送してください。
       尚、留学期間中にパスポートの期限がきれてしまう場合には、最寄りの大使館/領事館で「旅券申請手続き」を行わなくてはなりません。また、盗難、紛失の際も手続きが必要です。パスポートの代理申請はできますが、受け取りは必ず本人が下記のいずれかの大使館/領事館の窓口まで出頭しなければなりません。申請の際には戸籍抄本が必要なので、日本から郵送で送らねばなりません。詳しくは下記までお問い合わせください。

在オーストラリア日本国大使館
(キャンベラ)
112 Empire Circuit, Yarralumla, ACT 2600
06-273-3244
在シドニー日本国総領事館 Level 34, State Bank Centre, 52 Martin Pl. NSW 2000
02-9231-3455
在メルボルン日本国総領事館45th Melbourne Central Tower, 360 Elizabeth St. VIC 3000
03-9639-3277
在ブリスベーン日本国総領事館 Level 17, Comalco Pl. 12 Creek St. Brisbane,QLD 4000
07-3221-5188
在パース日本国総領事館 21st floor, The Forrest Centre, 221 St. George Terrace, Perth WA 6000
09-321-7816

    ■移民局   Immigration Office

       ビザの切り替え時には、ここで手続きします。更新したいビザの種類に合った申請用紙一式(中・高校留学生用学生ビザ)を取り寄せ、必要書類(受入校からのAAフォーム)を添付して近所の移民局に申請してください。
      移民局は上記以外にも全国各地にありますので、必要がある場合にはホストファミリーや寮長さん等の協力を得て、調べてください。

シドニー88 Cumberland St., The Rocks 2000
02-9258-4555
メルボルン55 King St., Melbourn
03-9612-3999
ブリスベン7th Floor, 100 Edeward St., Brisbane
07-3360-5111
 

4.留学生健康保険更新手続き

    留学生用健康保険は加入が義務となっているので、保険料は授業料と同時に請求されますので、日本から学生ビザを申請する際に受入校を通して既に申請しているはずです。現地到着後、最寄りの留学生用健康保険を扱う保険会社のカウンターに行けば、カードを取得できます。但し、保険期間は最初にビザ申請した期間分のみしかカバーされていません。留学期間を延長するのであれば、同時に健康保険延長の手続きもしなければなりません。最寄りの保険会社のカウンターに行き、保険料を支払えばよいのですが、留学生一人で手続きを行うのは困難でしょう。留学斡旋業者や受入校、ホストファミリー等の協力が必要です。

5.成績票

    学期末には学校から成績票が発行されます。本人に渡されるだけでなく、留学生の場合には親権者代理人宛てにも発行されます。親権者代理人が留学斡旋業者の場合には、日本の保護者宛てに翻訳して送付してくれるでしょう。

    成績評価のされ方は第3章で説明していますので、ご参照ください。留学当初の成績は誰でもよくないものです。英語力不足や環境不適応などのために、実力が発揮できないのは無理もありません。次第に異文化や言葉の壁を乗り越えることによって、実力が反映されてきますから、保護者はあまり焦らず長い目でみて留学生を応援することが大切です。

    但し、学校の先生から「意欲が見られない」といったコメントがある場合には、それが単なる環境不適応のためなのか、本人の精神状況とやる気を確認し、的確にアドバイスしてあげる必要があります。現地のカウンセラーもこういったアドバイスをしますが、日本にいる家族の勇気づけが留学生にはもっとも影響しますので、大きな気持ちで励ましてあげてください。

6.転校・留年等手続き

    オーストラリアの学校では転校や留年は本人・保護者側の自由に任されています。もし、編入した学校に合わないと判断した場合には、他の学校に転校することも可能ですし、「今の学年を再度勉強し直したい」という希望にも応えてくれます。但し、転校の場合には受入先の空き状況も影響してきますので、できるだけ早く方針を決定した方がよいでしょう。こういった手続きは、留学生自身が現地で情報収集したり、保護者の方が現地を視察するなどして自力ですることもできますし、留学斡旋業者に再度依頼してもよいでしょう。但し、一度依頼した留学斡旋業者が信頼に足る業者ではないと感じられたら、他の業者をあたってみるべきでしょう。

7.ホームステイ変更手続き

    ホームステイは「あたりはずれがある」と言われます。いい家庭、悪い家庭があるという意味でしょうが、たとえいい家庭でも留学生に合わないこともありえます。実際、A子さんとは問題がたくさん生じたが、B子さんとは大変うまくいった家庭というのもあります。ですから、ホームステイ先の家庭が留学生に合わないと判断された場合には、気兼ねなく変更することをお勧めします。ホームステイ変更手続きはアレンジ料100ドル前後ですので、費用的には負担ではないでしょう。それよりも、合う家庭を真剣に探すことにエネルギーを傾けた方がよいです。といっても現地事情を知らない保護者が自力で探すのは大変ですので、留学斡旋業者やホームステイの手配を受け付けている学校、業者を通すことになりますが、その際、できるだけ細かい条件を提示することです。「潔癖症の傾向があるので、清潔な家庭がいい」「同じくらいの年の子供がいる家がいい」「肉が嫌いなので、ベジタリアンの家庭が望ましい」といった具体的な希望を提示して、ホームステイ斡旋業者とよく話し合うことが大切です。

8.学期間休暇中の滞在先手配

    特に寮の場合には、学期間休暇中寮が閉鎖されてしまう場合が多いため、滞在先の手配が必要になります。また、ホームステイでもホストファミリーが長期旅行に出るなど、休暇中に留学生を受け入れられない状況がでてきます。こうした場合の休暇中の手配は、かなり面倒なものです。
    学期間休暇中は皆さんレジャーに出掛けるものですから、滞在先はどこも混み合いますし、学生だけで旅行させるのも心配でしょう。日本から家族が遊びに来るなら、一緒に旅行すればよいのですが、そうでない場合には滞在先の確保には苦労するでしょう。よくある過ごし方としては、短期間のホームステイをしながら都会の英語学校に通う、学校からあまり遠くない農場でファームステイする、学校の同級生宅でホームステイする等があります。
    これらの手配を自力でやるのはかなり大変ですので、留学斡旋業者が責任もってやってくれるか、事前に確認しておきましょう。

9.一時帰国の手配

    原則的に学期間中の一時帰国は許可されませんが、家族の健康上の理由など緊急の場合には、親権者代理人の判断に基づいて学校側も一時帰国を許可します。基本的には留学中の一時帰国は望ましいものではありませんが、万一の事態には致し方ありません。そんな時、一時帰国の手続きをきちんと行わねばなりません。
    まず、学校に親権者代理人を通して「休暇願い」を届け出る事。学校長からの許可が降りたら、航空券の手配。渡航日直前の航空券は空席が見つけにくいため、そう簡単に入手できませんし、空席がなければビジネスクラスなど高価な席を手配せざるをえないことになります。こういった学校への届け出手続き、航空券の手配等を留学斡旋業者が代行してくれるかどうかも、事前にチェックしておくべきポイントです。

10.日本のカリキュラムもフォローするには‥‥

    オーストラリアの高校を卒業して、海外の大学や専門学校を目指す学生、あるいは就職を考えている学生は日本のカリキュラムにこだわる必要はありません。オーストラリアの教育方針の中でのびのび学習すればよいでしょう。しかし、帰国後、日本の高校で勉学を継続する意思のある学生、及びオーストラリアの高校卒業後に日本の大学を普通受験しようと考えている学生は、日本のカリキュラムもできるだけフォローしておくに越したことはありません。
    日本のカリキュラムをフォローするための方法として、
      @日本大使館/領事館が無料配布する日本の教科書を入手して、自習する
      (但し、教科書無料配布は義務教育期間のみ)
      A日本人学校の補習コースに参加する
      B日本人家庭教師をつける
    といった方法が考えられます。
    但し、@以外の方法をとる場合には、都会に在住している必要があります。留学斡旋業者がどこまでこういった特殊ニーズに応えてくれるか確認しておきましょう。

11.信頼できるカウンセラーの確保

    カウンセリングの重要性には何度も触れてきました。依頼したカウンセラーが合わないと判断すれば、他をあたって探しましょう。いいカウンセラーの条件は、
      @人間的に成熟していること
      A保護者にとっても留学生にとっても、何でもリラックスして相談できる雰囲気があること
      B突っ込んだ質問に対して納得できるまで正直に答えてくれること
      Cこちらのニーズをじっくり聞いてくれること
      D現地の教育・学校事情に通じていること
      E異文化で生活する苦労をよく理解していること 等

    心理学の博士号といった肩書きよりも、実践で通用する人となりの方が重要ではないかと思います。人によっても合う/合わないがあるかと思いますので、その人となりから判断するのが一番でしょう。

■留学カウンセラーからのメッセージ■

親元を離れて中・高校生が初めて海外で暮らす時に、一番大切なことは何でしょうか? 英語力でしょうか? ちがいます。外国ではすべて自分が頼りなのです。日本の学校のように一から十まで学業面、生活面に注意を払い、学校と先生が一体となって手とり足とり生徒の世話をすることはありません。オーストラリアでは小さい時から個性を重視する教育方針をとって、自立の教育を行っているため、「自分のことは自分でする」習慣がついているのです。ここで日本の学校生活と比較して、「日本ではああやってくれた・・・」等と嘆いても始まりません。わからなければ自分で聞く、調べる。教えてくれるのをただ待っていても、誰も助けてくれません。これは冷たいのではなく、考え方が違うのです。これを肝に命じてください。「やる気」と「積極的な心がまえ」なしに留学してしまうと、一番辛い目に遭うのは、留学生本人なのですから。


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