このコンテンツは、1990年代に中高生留学を調べていた時に作成したものです。以後、全く更新しておりませんので10年以上古いコンテンツです。今後も更新する予定はありません。

したがって、リアルタイムにこのとおりである保証はないし、それどころかまず「違う」と思ってください。

「古文書」的な意味しかないので、バッサリ全部削除しようとしましたが、敢えて残しておきます。
かなり詳しく調べましたので、現在においても尚も「参考」としての資料価値があるからです。
 いわゆるハウツーマニュアルとしては無価値ですが、ものの考え方、システムの成り立ち方という原理部分、あるいは日本人的に盲点になるような部分などは、そう変わるわけもないし、今でも十分通用します。ご自身であれこれ考えたり、調べたりする参考にはなると思います。




APLAC/STUDY IN AUSTRALIA 4-3

第4章 留学プランの具体化(3)

4−3.留学費用について


「学校に支払う授業料と留学斡旋業者の手続き費用くらいしか見込んでいなかったために、留学が決定してから思わぬ出費になってしまって困った」という話をよく聞きます。実際にはこの他にもあれやこれやとかなりの出費がありますので、事前の心積もりが必要でしょう。しかし、その中には支払う必要のないもの、本人次第で割愛できるものもありますし、一見高いように見えて実は支払うだけの価値はあるものもあります。こういった判断は各自の留学目的と価値観によっても異なると思いますので、各自お任せするとして、次にかかりうる経費について個別に説明します。

************
−留学にかかる費用内訳−

参考: 1オーストラリアドル=約85円(1996年9月現在)

@学校に支払うもの

●授業料
    当然のことながら、留学生の教育費として授業料はどんな学校でも徴収されます。既に説明しましたが、オーストラリアではフルフィー・ペイ・システムといって、留学生が教育費を全額負担することを条件に留学を受け入れる制度をとっているため、公立でも年間6000ドル〜9000ドル程度を徴収されます。(NSW州の公立校の場合、11年生以上を受け入れ、96年度の授業料は8000ドル)
    私立の授業料は学校によってかなり開きがあり、年間6000ドル〜12000ドルくらいまで様々です。

    授業料の支払い方は、これも学校によりけりですが、最初の1年分、或いは半年分をまとめて編入手続きの際に支払い、あとは半年ごと、或いは学期ごとにに徴収されます。授業料の全額負担を条件に受け入れている事情から、滞納すると退学の対象になるという厳しい学校もありますので、支払いのタイミングについては注意が必要です。

●入学金
    入学金というものを徴収する学校と、しない学校とがあります。その金額もかなり幅があり、100ドルというところもあれば、2000ドルという名門私立校もあります。また、入学金とは別に「登録料」とか「申込金」といった名目で、50〜200ドル程度徴収する学校もあります。通常、編入をキャンセルしたり、学校により面接・審査の結果、受入を拒否された場合には、返還されません。

●デポジット(保証金)
    デポジットには返還されるものと、されないものがあります。元来、デポジットというのは預り金の性質を持つもので、万一留学生による弁済金が発生した時に充てるために編入学時に徴収するものですから、通常は留学修了時に弁済金がないことを条件に全額返還されます。
    しかし、学校によっては、この「預り金」返還の際に「よろしければ、そのまま置いていってもらえませんか?」という上品な言い方で、「寄付」を要請するところもあります。また、最初から「返還されるデポジット」と「寄付金としてのデポジット」を別々に徴収する学校もあります。

    寄付金は任意のところと、義務のところがあります。任意の寄付金については、義務ではありませんので、留学生本人と保護者の気持ち次第で、「お世話になったこの学校のために使って欲しい」と思うならば寄付すればよいし、そうでなければ返還してもらって構いません。
    金額は学校によってかなり差があり、500ドル〜3000ドル程度です。

●制服代
    公立でも私立でも制服はあります。が、「ブレザーとスカートだけ決まっているが、中は白いシャツなら何でもいい」という安上がりな学校から、「レインコートから体操服、靴まで学校指定」という学校までいろいろです。日本でも制服代は馬鹿にならないものですが、オーストラリアでも平均で400ドル前後、名門校など高いところですと、制服一式で1800ドル位になる学校もあります。

●教材費、特別授業費
    通常、授業料の中に教材費、特別授業費は含まれているものですが、学校のよっては、音楽、美術、スポーツなどの特別授業を選択した場合に限って別途、教材費、特別授業費を徴収する場合もあります。具体的には、音楽の楽譜代、楽器代、美術のカンバスや絵の具代などです。負担になるほど大きな金額ではありませんが、年間1000〜1500ドルくらい見込んでおきましょう。
    また、12年生でHSCテストを受験する場合には、550ドル徴収されます。

●遠足等の参加費
    修学旅行、社会科見学などの学習目的の遠足の際には、別途交通費や入場料など実費を請求されることがあります。中には参加自由の旅行・遠足もありますので、保護者の判断で参加させないこともでき、その場合には勿論参加費も必要ありません。費用は近所への社会科見学などで20ドル程度、他州にまたがる修学旅行の場合には100ドル以上になるでしょう。

A留学斡旋業者に支払うもの

●留学手続き代行費
    留学の情報提供、コンサルティング、学校選び、編入学手続き代行などの対価として、留学斡旋業者が請求する費用です。業者によって、そして業務内容によってピンキリで、2000ドル〜10000ドルくらいの開きがあります。が、こういった業務にはサービスの内容と質にかなり差がありますので、価格そのものよりもサービス内容や信頼度から、費用の価値があるかどうかを判断すべきでしょう。

●親権者代理人費
    いわゆるガーディアン費用。これも業者によりけりで、2000ドル〜10000ドルくらいとかなり幅がありますが、おそらく年間30〜50万円が相場ではないでしょうか。しかし、この金額も金額そのものではなく、業務内容と信頼度から判断してください。同じ料金でも、本当の子供のように世話してくれるところと、学校に入れたら放りっぱなしのところがありますので。

B滞在費(寮費、ホームステイ)

    滞在費は滞在形式を寮にするのかホームステイにするのかによって異なります。寮付設の学校の場合、寮に入ることが受入の条件となっているところと、寮でもホームステイでも留学生側で選択できるところがあります。
    寮費は一般に食費も含んでおり、授業料と同様、年間6000ドル〜12000ドルと開きがあります。授業料と寮費込みを一括して表示・徴収しているところもあります。

    ホームステイは地域にもよりますが、シドニー市内では割高で週あたり200〜250ドル、郊外では150〜180ドル程度が相場ですから、単純計算すると寮滞在費よりも高くなります。ホームステイは勿論食事込みですし、寮とは違ってホストファザー、ホストマザーが留学生の生活全般を世話してくれますし、異文化生活を生体験できるというメリットもあります。
    尚、寮の場合、通常は学期間休暇は寮は閉鎖されてしまうため、旅行なりホームステイなりをアレンジしなければならず、そのアレンジ費用、滞在先までの往復交通費、滞在費等が余計にかかりますが、ホームステイの場合にはホストファミリーが許可すれば、そのまま滞在できますので、手間的にも費用的にもその分お得です。

●休暇中の滞在費
    学期間休暇中はほとんどの寮が閉鎖されます。このため、寮生は休暇中の滞在先を手配しなければなりません。休暇中のアレンジを手伝ってくれる学校もありますが、通常は自力で行うことになります。近所の家にホームステイしてもよいし、ファームステイなどオーストラリアならではの体験をするのもよいでしょう。この休暇中の費用はどんな過ごし方をするかによって差がありますが、たとえば国内航空便を使って移動し、2週間ファームステイした場合、食費、交通費込みで1000ドル前後かかります。もちろん、休暇中の過ごし方次第で安くあげることは可能です。尚、学期間休暇は年4回(それぞれ2週間、3週間、2週間、6週間くらい)あります。

C留学準備費用

●現地視察費用
    学校選びのために現地に親子2人で1週間出掛けたとしましょう。航空券代(格安チケット利用で1人往復10万円くらい)、滞在費、国内交通費、食費、学校視察アレンジ者への謝礼、その他雑費等すべて考え合わせると、最低で50万円程度でしょうか。自力ですべてアレンジするなら30万円程度で可能です。高いように感じるかもしれませんが、長い目で見れば決行するだけの価値はあると思います。

●携帯品購入&郵送費用
    留学生活に必要となる物品(変圧器、日本食、日本語の本等)を購入したり、郵送したりという準備にも費用がかかります。5万円〜10万円くらい見積もっておきましょう。

D渡航費用

●航空券代
    正規の航空券を購入すれば50万円くらい、格安航空券で20万円くらい。(1年オープン)但し、片道航空券を利用すれば割高になりますし、一時帰国を何度もすれば当然費用もかさみます。

●国内交通費
    主だった国際空港から学校のある街までのオーストラリア国内交通費。バスで1時間程度なら片道20〜30ドルくらい見積もれば十分でしょう。これも休暇中の過ごし方や一時帰国の回数に影響されますね。

Eその他雑費

●通学費
    寮滞在の場合は校舎と同じ敷地内に寮が併設されている場合がほとんどですので、通学のための交通費は必要ありませんが、学校のすぐ近所にホームステイが見つからなかった場合には、バス通学等になりますので、通学費がかかります。オーストラリア人学生は学割がきくのですが、留学生には適用されないため、週10〜20ドルほどかかることもあります。

●お小遣い
    留学生のお小遣いは、できるだけ大人(寮長・寮母・ホストファミリー・カウンセラー・留学斡旋業者等)が管理するようにしましょう。自分でお金の管理をできるほどしっかりした学生でも、慣れない海外生活ですので、留学当初は本人に口座の管理等任せない方がよいでしょう。通常は下級生の間は大人が管理し、11年生以降は自己管理させています。寮滞在の場合には昼食も配給されますので、基本的に留学生がお金を使う機会はないので、お小遣い額は1学期間1000ドル程度で十分でしょう。(ちなみに田舎のある寮付設校では「望ましい小遣い額は1学期30〜50ドル」としています。)一方、昼食を自分で購入しなければならない場合には、1学期間400ドルくらいが妥当ではないかと思われます。

●保険(健康保険、海外傷害保険)
    留学生に義務付けられている健康保険は、ビザ申請時に受入学校の手配によって自動的に加入されます。この費用は授業料と一緒に支払うので、あまり意識されていませんが、1年間で約243ドルほどです。
    これ以外に、任意の保険(海外傷害保険等)に加入すれば、約款にもよりますが、1年間で100〜500ドルくらい掛かるでしょう。

●通信費
    留学中、日本とオーストラリアとのやりとりは、どうしても欠かせません。電話代は割引料金となる時間帯を利用すれば、1分100円程度ですが、なんとなく会話しているうちにあっという間に数千円くらいかかってしまうものです。電話の代わりにファックスや国際郵便を利用するなど、安くあげる方法はあります。

■総 計

・・・・・・さて、トータルでざっとどのくらいの予算が必要でしょうか?
以下にサンプルとして、「A.安くあげた場合」と「B.高く付いた場合」、そして、「C.平均的な価格」の金額比較を表にしてみます。
    ●Aは、留学斡旋業者も通さず、田舎にある学費・寮費の安い学校を選択し、留学中一度も日本に帰国もせず、家族も渡豪しなかったケースです。実際にこのケースを実行できるのは、現地に親しい知人がいる場合のみでしょう。
    ●Bは、都会にある学費の高い学校に、サービス料の高い留学斡旋業者を通して編入し、学校選択時と最初の1ヵ月、親が一緒に渡豪、更にホームステイをしたが途中変更し、海外傷害保険にも加入、家庭教師もつけるなど出来る限りのオプションをつけた場合です。
    ●Cは、良心的な価格の業者を通して郊外の寮付設の学校に編入し、年に一度帰国するという「ふつうの留学パターン」を想定し、更に学校選択の際の現地視察を自力で行った場合です。
A. B.C.平均
1年目 2年目〜1年目 2年目〜1年目 2年目〜
@学校に支払う費用

授業料

入学金

デポジット

制服代

教材費、特別授業料

遠足等の参加費用

6,400

6,000

0

0

300

0

100

6,100

6,000

0

0

0

0

100

20,300

12,000

2,000

3,000

1,800

1,000

500

13,500

12,000

0

0

0

1,000

500

8,500

7,000

0

0

500

500

500

8,000

7,000

0

0

0

500

500

A留学斡旋業者代行費

留学手続き費用

親権者代理人費

0

0

0

0

0

0

13,000

8,000

5,000

5,000

0

5,000

8,000

5,000

3,000

3,000

0

3,000

B滞在費

寮費

ホームステイ費手配

ホームステイ費

休暇中の滞在費

7,800

7,000

0

0

800

7,800

7,000

0

0

800

14,200

0

200

12,000

2,000

14,200

0

200

12,000

2,000

10,000

9,000

0

0

1,000

10,000

9,000

0

0

1,000

C留学準備費用

現地視察費用

携帯品購入&郵送費

500

0

500

0

0

0

7,000

5,000

2,000

1,000

0

1,000

4,000

3,000

1,000

500

0

500

D渡航費用

航空券代

国内交通費

1,100

1,000

100

0

0

0

5,000

4,000

1,000

5,000

4,000

1,000

2,100

2,000

100

2,100

2,000

100

Eその他雑費

通学費

お小遣い

保険

通信費

家庭教師代

開始時の親同伴生活

634

0

200

234

200

0

0

634

0

200

234

200

0

0

10,200

1,000

1,200

1,000

1,000

3,000

3,000

7,200

1,000

1,200

1,000

1,000

3,000

0

1,234

0

500

234

500

0

0

1,234

0

500

234

500

0

0

総 計 (A$)

日本円に換算すると・・
16,434

1,396,890

14,534

1,235,390

69,700

5,924,500

45,900

3,901,500

33,834

2,875,890

24,834

2,110,890

※単位はオーストラリアドル。
※日本円への換算は、1オーストラリアドル=85円として計算しています。

上記を比較してみますと、1年間に150万円〜600万円と、やり方次第で4倍もの差が出てくることがわかります。現実に150万円で済む条件に当てはまる人はあまりいないので、通常は初年度で年間300万円、2年め以降で年間250万円ほどの出費は覚悟する必要があります。300万というと高いようですが、学費だけでなく塾の費用やお小遣い、食費等ふだん気にしていない費用まで含めて考えれば、たとえば地方から東京の私立校に通わせるのと、さほど差はないはずです。

尚、留学費用を安くあげる方法としては、

    ・日本への帰国回数をできるだけ減らす
    ・休暇中に遠方に移動せず、近所でホームステイする
    ・通信費を減らすよう、電話を極力避け、ファックスや郵便を利用する
    ・在住の知人に親権者代理人を依頼するか、良心的な費用の業者を選択する
    ・業者を通さず、自力で学校選び、編入手続きを行う
    ・授業料の安い学校を選択する
    ・現地での英語力養成期間を短縮するため、日本で英語力を十分身につけておく
・・・等が考えられます。

留学目的を考え合わせた上で、それだけのお金をかけるだけの価値のある留学を選択してください。


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