オーストラリア人の肖像
"Reinventing Australiaより
Point of Order!/議事進行に異議あり!
政治?もううんざりだよ
The Story of Jason/ジェイソンの場合
★政治について何か言えっていわれても、ちょっと困ってしまうな。
僕の学校の友達の中でも、何かとんでもなくしょーもない出来事で持ち上がらないかぎりは、政治について話してる奴なんかいない。ほとんど皆シニカルになってるよね。
小学校のときに、社会科見学でキャンベラの国会に行ったことがあるよ。そのときはまだ11か12歳のコドモだったけど、その僕らでも、マジにうんざりしたのを覚えてる。
丁度そのとき国会質疑をやってたんだけど、もう凄いガキッぽいことやってるんだ。いい大人が、本気で小さなガキみたいことやってるんだぜ?誰かが喋りだしたら、反対側の連中は皆してそいつのことを笑い者にしたり、バカにしようとして、一生懸命ガンバってるんだ。もう誰一人として真面目にやってないんじゃないの?これぜーんぶ冗談でやってるんじゃないのか?って疑ってしまうよ。そんな場面ばっかりだもんで、僕らの引率の先生もすごいアセっちゃってさ、ほんと困ってたよ。
一回だけ、学校で模擬国会というのをやったことあるけど、そのときの議論の方が、あのキャンベラでやってる本物の国会よりも、ずっとシリアスだったよ。実際、沢山の生徒から素晴らしい提案が出されてたし、そこでの議論の中身もかなり鋭かったんだ。結構感動したよ。
オヤジやオフクロは、政治について年中話してるけど、同時にすごいシニカルだね。
ここ数回の選挙では、その度に投票する政党を変えてるみたいだし。いわゆる「無党派層」ってやつだね。オヤジは、もう昔と違って一つの政党をずっと信奉し続けることなんか出来はしないって思ってるそうだ。昔は、ずっとレイバー(労働党)一本で通してきたらしいんだけどね。でも、オヤジはよく僕に言うよ、最近は、ちょっとマトモな奴だったら、一つの政党に固執してないで、いちいち比較検討して吟味するようになったって。なぜって、政党もその政策をコロコロ変更したり、話もやたら複雑になってきて、もう一体誰がどんな政策を言ってるのか、それを理解するのが、本当にもうすごい大変なんだよ。でも、家で政治の話になったりしたときは、僕はもうそっと席を外すことにしてる。
しかし、いずれ僕が選挙権を貰えるようになった時には、いったいどうすりゃいいんだろう?
友達の中には、もう面倒臭いから選挙人名簿にも登録するのを止めるという奴もいるけど、でもそれをすると罰金を食らうんじゃなかったっけ(注:オーストラリアは義務投票制)?だから、その時がきたら一応何か考えなきゃいけないんだろうな。本気でいいなと思えるような政治家がいてくれたら話は楽なんだけど。
「選んだその国民に相応しい政治家が選ばれる」(※「この程度の国民に、この程度の政治家」というような意味だと思う)という諺を、学校の先生は教えてくれたけど、いや、それはそうなんだろうと僕も思うよ。でも、じゃあ僕はどうしたらいいのか?となると、相変わらず分からないんだよ。
僕が投票するときは、そうだな、多分大きな政党にはいれないと思う。
無党派で頑張ってる政治家とか、グリーニー(環境保護を掲げる人々)とか、そこらへんに投票するんじゃないかな。ああ、といっても、そんなに深く考えてのことでもないんだけど。
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