ちょっと一服・・・
妊娠中の健康管理については、昔から語り継がれてきたものから、現代科学的視点からの提案まで、いろいろありますね。「おばあちゃんの知恵」と評価すべきか、「単なるくだらない迷信」と判断すべきか、非常に難しいところがあったり、最近のリサーチ結果についても、著者であるお医者さんの価値観が混じっているように感じられて、「本当に信頼してよいのだろうか?」と疑問に思うこともあったりします。日本の常識とオーストラリアの常識が、時にまるっぽ違っていたりするのも、判断をさらに難しくさせてくれます。 で、この半年ほどいろいろ試してみて、どうも「やってよかったみたいだ」と実感していることを少し紹介してみたいと思います。 腹帯(さらし) 妊娠4ヶ月時に日本に帰国した折、母に「これ巻かないから、あんたのお腹はそんなに大きいのよ」と言われて、「ま〜たまた、古いんだから〜」とバカにしていましたが、整骨院の先生に「科学的に立証されてます」と太鼓判押されて、すっかりその気になりました(^^;)。迷信扱いするお医者さんもいますし、最近流行の妊婦用コルセットで代用できるという説もありますが、コルセットでは弾力性がありすぎてサラシのように胎児を固定させにくいんだそうです。 5メートルのサラシを半分に折った状態で巻いていきます。巻き方は、おへその下からはじめ、下腹部の重みを腰の上で支えるのがコツ。まだお腹が小さいうちは、下腹部でサラシを折り返すと、ズリ落ちにくくなります。 胎児固定、流産・早産の予防、腰痛予防、おまけに妊娠線予防にもなるかも・・・ということで、夏は汗を吸い取り、冬はお腹の冷えを予防してくれます。ちなみに、出産後も1ヶ月くらいサラシ巻いておくと子宮の位置と体型が元に戻りやすいらしいです。その後は、小さく切ってオシメに再利用するんだとか。昔の人もいろいろ考えたもんだ。 ヨガ・ストレッチ オーストラリアに来てはじめたヨガですが、妊娠前から日課となっていました。ところが、お腹がデカくなるにつれて、苦しくて無理なポーズがどんどん増えてしまいました。とにかく無理せず、お腹に不自然に力がかかると思われるポーズはやめて、同じ目的ができそうな他のポーズで代用するようにしました。 特に効果的だったのは、「猫のび」のポーズ。四つんばいになって、腰から背中を外と内側に順番にストレッチするやつ。あれは、どんなにお腹が大きくなってもできるし、気持ちがイイ(さすがに最近は四つんばいでストレッチするとお腹の先が床に触れるようになったけど)。慣れると、立ち姿勢でも、座り姿勢でも同じストレッチが出来るようになります。それと、仰向けに寝て曲げた足を左右に倒して腰をツイストさせるポーズも最後まで継続できました。腰痛が起こらなかったのもヨガのせいじゃないかな?って思います。 瞑想・リラックス 「瞑想やってます」と言えるほど、マジメに取り組んでいるわけではないし、妊娠や出産に役立てるためにはじめたわけでもないのですが。たまたま、いろんな瞑想方法を調べているうちに、「私って昔から瞑想みたいなことを自然にやっていたんだ」ってことに気付きました。時に何も考えずリラックスしてポケーっとしてしまうことがあるのですが、そういう時にメッセージというか、インスピレーションみたいなものをキャッチすることがあるんですね。お風呂入っている時とか、ベッドでゴロゴロしている時とか。 で、そういうリラックスの時間こそ、お腹にいる子供たちとコミュニケートするのにうってつけなんじゃないかってことに気付きました。二人の名前をキャッチしたのも、こんな時間でしたし、この子たちの魂がなんらかのミッションを目指して生まれて来ようとしているかのようなメッセージも入ってきたりしました。 さらに、これが分娩時にも役立つんじゃないかと読んで、アロマセラピーとコンバインさせ、最近では分娩中に使う予定の精油の香りを部屋に流しながら、子供たちとの共同作業としての出産・分娩をイメージするようにしているんですが。さて、本番はどうなることやら。 鉄分補給 妊娠初期、お医者さんに「鉄分の値がやや低めだから、双子なんだし、毎日飲んでおきなさい」と勧められて飲みだしたのが、FEFOLというシロモノです。鉄分(Fe)と葉酸(Folic acid)が入っているので、こういう商品名で販売されているんでしょう。後期の血液検査では、妊娠中に鉄分の値があがっていたのですが、FEFOLだけでは双子分の鉄分を供給することはふつうないそうで、お医者さんは目を丸くしていました。 FEFOL以外にプルーンジュース(まずいんだけど便秘にも効くし)を毎日飲んでいたのと、クレイ(鉄分を含むあらゆるミネラルが入っている)を内服していたおかげではないかと思われます。日本の妊婦さん情報によると、日本の鉄分補給剤は吐き気がする上に、うんちがネバっこくなるんだという話ですが、私は特にそういう問題はありませんでした。かえって便秘予防にもなったのかなって気もするんですが、単に気のせいでしょうか? クレイ&アロマ 起こりがちな妊娠中のマイナートラブルはほとんどアロマとクレイで退治してきました。詳しくは、「アロマセラピー実験記録妊娠・出産編」で紹介しています。特に、妊娠線予防オイルはオススメ(今のところ妊娠線も出ていないし、身体のカユミにも効果的だったし、おっぱいマッサージにも使えた)。 あと、クレイ内服は妊娠前の体内浄化だけでなく、妊娠してからのカルシウムや鉄分など、必要なミネラル分補給にうってつけで、胎児もよく育つんだそうです(双子なのにそれぞれが一人の子供並に育ってます)。おかげで風邪ひとつ引かなかったし。 妊娠初期の足のむくみと瀕尿には、アロマではあまり効果が見られなかったのですが、鍼灸師の友人に教えてもらったツボに、マグネットを貼り付けるという方法でかなり改善しました。 ハーブティー エッセンシャルオイルの中には刺激が強すぎて妊娠中は使いにくいものが多いので、ハーブティーで代用したりしました。消化不良の時にはペパーミント&カモミールティー、便秘にはフェンネルティーなど。 臨月になってからは、子宮周りの筋肉を和らげるラズベリーリーフティーを飲んでます(オーストラリアでは妊婦の間では「お産が楽になる」と有名みたい)。効果のほどはまだ分かりませんけど。 歩くこと まだ身体が軽かった頃は、よく夫と一緒に夕方から散歩に出かけ、1日4〜5キロ歩いていました。サマータイムが終わった頃から、日が落ちるのも早くなって寒くなって、身体も重たくなってきたので、そんなに沢山は歩けなくなったけど。でも、アロマ通販の発送があるので、ほぼ毎日郵便局まで歩いてました(重い荷物は夫に発送を依頼し、自分で持てるものだけは自分で持っていくようにした)。 ウォーキングは継続して2キロ以上歩かないと、あまり意味がないそうです。体内のカロリーを消費しだすのが2キロ以上、20分以上歩いた時からなんだそうで。理想的には、毎日、継続して4キロ以上歩くといいそうです。 寝ること 妊娠中はやっぱり疲れやすくなるみたいなんで、「疲れたかな」と思ったら無理せず、すぐに横になるようにしていました。まあ、お気楽に昼寝なんかが出来るのは、会社勤めもしていないし、お姑さんのように気を使う存在もいないという、恵まれた環境にあればこそ、ですが。 夫が家にいる時は、横になる時に夫に付き合ってもらって、ベッドでゴロゴロしながら他愛もない会話をよくしていました。なぜか、昔のことを思い出すことがよくあって、昔の彼氏の話とか、学校時代の友人のこととか、子供時代のこととか、親が話してくれた親の子供時代のことか、そんなことを話してました。これから産まれてくる子供たちの人生と、無意識のうちにオーバーラップさせて考えていたのかもしれません。 また、ホルモンの関係でしょうが、感情がとても鋭敏になっているようで、過去の整理しきれていなかった悲しい気持ち等をリアルに思い起こしては泣き出したりすることもありました。が、これが精神的な「お掃除」になったようにも思います。 話の内容はどうあれ、夫とゴロゴロの時間は、とても貴重だったなあって思います。 外食 特に後期になってから、腱鞘炎で手が使えなくなってしまったせいもあって、料理するのが大変だったものですから、よく外食に出かけました。初期の頃は「外食なんかしてると栄養バランスが悪くなるし、カロリー取りすぎるし、何が入っているか分からないから、健康によくないんじゃないか」って敬遠気味だったんですが。いざ、出かけてみると、けっこう気分的にリフレッシュになってよかったなと思います。 外食する時は思い切りおしゃれして(って言ってもデカイお腹をカバーできるドレスなんか、ほとんどないんですけどね)、普段はしないお化粧もして、出かけるわけです(^^;)。お店の人たちも別段イヤな顔もせず、デカイお腹にいろいろ気を使ってくれたり、フレンドリーに話し掛けてくれたりして。 産まれてきてからしばらくの間は、外食どころではないでしょうから、今のうちにあちこち行っておこうと思ってます。7月からGST(消費税)も導入されちゃうことだしね。 妊娠日記 健康管理とは直接関係ないけど、妊娠してから毎日なにがしか記録を付けることにしました。特に、アロマのブランド設立という私にとっては一大事業を立ち上げるタイミングとダブっていたので、そっちの方の記録が欲しかったってのもあるんですが。結果的には、何週めからつわりが始まって終わって、胎児が動くのが確認されたのがいつで、むくみが出てから治るまでにどれくらいかかって、どんな食事をしたら便秘が解消して・・・といったことが分かって、健康管理の上でも利用できました。 育児経験者から聞く話では、「子供たちは自分たちの出生話が大好き」なんだそうで、言葉が分かるようになったら、日記を持ち出してきて話して聴かせるのもいいかも・・・とか思ってます。ついでに、分娩室にも日記を持込んで、陣痛の合間に実況中継で記録しておこうとか考えています(^^;)。 |
ちょっと一服・・・
お腹が膨らんでくると、街歩いているだけで皆さんに声かけられます。いかにもお腹が重たそうに見えるのでしょうか、皆さん、「Are you OK?」「Are you well?」などと気を使ってくれます。そして、八百屋のおっちゃんからデリバリーのにーちゃんまで、妊娠ネタを振ってきます。そんなわけで、最初は何を言ってるんだかよう分からなかった「妊婦さんのお決まりのフレーズ」もすっかり覚えてしまいました。ここらで脱線して、ちょっと紹介してみますね。 「妊娠している」という形容詞は、Pregnantですが、「Are you pregnant?(妊娠してるの?)」みたいなことは、まず言われませんね。一目瞭然なんでしょう(^^;)。 誰かに出会って開口一番聞かれるのは、「How long to go?」です。文法的に考えるとヘンテコリンな疑問文なのですが、要するに「あと、どれくらい?」「あと何ヶ月したら子供が出てくるのか?」という意味ですね。この質問、ちょっとメンドイんですよね、「えっと、今は何週めだから、あと何週だから・・・」と計算しないと答えが出ないから。 代りに、「When is your due?」と聞いてくれると、もっと答えやすくてありがたいんですけど。「Due」ってのは「予定日」のことだから、「The end of June」なんて具合に答えられるわけで、どのタイミングでも九官鳥のように繰り返せるから楽です。 出産経験のある女性だと、「Where are you giving a birth?」なんて質問が来たりします。「give a birth」ってのが「出産する」という意味でして、「どこ(どの病院)で産むの?」という意味になります。で、病院の名前を告げると、「ああ、あそこは友達が産んだけど、よかったって言ってたよ。私もお見舞い行ったけど、ホテルみたいなキレイな部屋でね。でも、その隣の○○病院はちょっとねぇ」とか、そういう話になだれ込んでいくわけです。 「I've got twins.(双子なんですよ)」と言うと、次に聞かれるのが、「Do you know if identical?」という質問でして、一卵性か二卵性か?と。一卵性双生児のことを「Identical twins」といい、二卵性を「Nonidentical twins」というらしいです。さらに「How do you know they are identical?」なんて質問もありました。そりゃ超音波検査したからに決まっているわけですけど、そう言っても相手は納得しないので、「Because they are sharing the same placenta(同じ胎盤を共有しているから)」などと説明しなければなりません。興味のある人は、さらに突っ込んでいろいろ聞いてくるんですけど、ここらになると医学用語が登場したりして、お手上げになります(^^;)。 あと、非常に頻繁に聞かれるのが「Do you know what it is?」です。これ、最初聞かれた時、一体相手は何を知りたいのかがサッパリ検討つかず、ポカ顔をしてしまいました。そしたら、相手が「I'm asking about sex.」と親切にも助け船を出してくれました。そこで、私はハタと考えた。「セックス・・・、つまり、こんなにお腹が大きくても、ちゃんと性生活が出来るのか?という質問だろうか?」と。 もうお気づきですね、相手さんは「お腹の赤ちゃんが男の子か女の子か、分かっているの?」と質問しているわけです。「what it is」というのが、boy か girl かを指しているという、すごい飛躍。こんなん瞬間的に意味把握できないって。 ちなみに、夫婦生活について質問されたと思った私が、なんと答えたかはご想像にお任せします・・・。 その他にも、分娩室のことを Delivery Suite と呼んだり、病院の産科病棟を Labour Ward と呼んだり、会淫のことを Perineum、会淫切開は episiotomy 、さらに痛み止めの種類名などなど、知らない単語が沢山出てきて、とっても勉強になりました。って妊娠でもしなけりゃ、日常的には二度と使わないような言葉ばっかりですけどね。まだベビー用品用語の中に、イマイチ意味不明なのがあったりするんですけど、そのうち分かるでしょう。ホントに英語は奥が深い。 |