シドニー生活雑記帳 STORAGE MAKI(1)





細胞総とっかえ&海外アレルギー症状





    生まれ育った土地を離れて、異なる環境で生活していると、原因不明の体調不全に陥ることがあるようです。私は医学者ではないので、科学的な裏付けについてはよく分かりませんが、経験的、そして聞いた話では、確かにそういうことってあります。そんな人間のからだの不思議について語ってみたいと思います。

    相棒、田村は渡豪後、何度か原因不明の高熱&嘔吐現象に見舞われています。1日ベッドでうーうーうなっていると回復してしまうので、医者のお世話にもならなかったそうですが、数時間は「このまま死ぬんじゃないか」というくらい苦しい状況だったそうです。それも一度のみならず、何度かこんな状況に遭遇していましたが、半年過ぎた頃から「そういや、あれ、来なくなったな」という具合にケロリと忘れていました。

    後から同じような話を、シドニー在住の日本人にたくさん聞きました。人によって症状は違いますが、要するに原因不明のまま体調がおかしくなり、「なんなの、これ?」と不思議がりつつ苦しむうちに、いつのまにかそんなこともなくなってしまうという。知り合いに「私、風邪ってひいたことないんです」という超元気な女のコがいますが、健康を絵に描いたような彼女ですら渡豪直後は何やかんやと医者のお世話になり、結局原因不明のまま終わったそうです。また、「なんとなく微熱+身体がだるい」という症状が2ヵ月くらい続いて、その後はケロっと治ったという人もいます。かくいう私は、やはり渡豪直後に二度ほどリンパ腺がはれて熱を出しました。






    まあ、慣れない海外生活で身体的にも精神的にも疲れがたまり、体調が崩れるのだといえば納得できるのですが、それだけでもないような気がします。「人間の身体は常に細胞が生まれ変わっているが、何ヶ月かの周期で細胞が全部入れ替わる」なんて話を昔聞いたことがあります。本当かウソが知りませんが、常識的に考えるに信憑性の高い話だと思います。そこから推論するに、おそらくはオーストラリアには日本にはない菌なり環境なり抗原なりがあって、ここで生まれ育ったネイティブには備わっている抗体を持たない我々にだけ、特殊な反応が顕れるのではなかろうか。だから一度具合が悪くなったら、免疫が出来て、その後は反応しなくなるのではなかろうか、と。

    ですから、海外生活を始めたばかりの頃に、何か身体に異変が起こっても、そうそう心配する必要はないんじゃないかと思います。免疫さえ出来てしまえば、次から克服できるのだから。(この説が本当だとしたら、の話だけど)要するに「身体の細胞総とっかえ」が完了するのを待てばいいわけでしょう。


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    しかし、もうひとつ、この説では克服できない現象が見られるのでした。どうやら渡航直後ではなく、半年〜1年くらい経った頃からお腹の具合が悪くなるという話。私は経験ないのですが、一度ならず聞いたことがあります。原因はなんだか知らないけど、オーストラリアの乳製品らしくて、乳製品を断つと途端に回復しちゃうということです。こっちの乳製品に含まれる何がしかの成分が、身体を刺激するらしく、しかもそれが直後じゃなくて時間を経てから反応が出るというわけです。


    想像ですが、乳製品でのトラブルはおそらくアレルギー反応の一種じゃないかと思うんです。というのは、免疫できたらOKというわけじゃなく、その体質と一生付き合わなきゃならないらしいから。私の場合、乳製品はあまり積極的に摂る方ではないので、そういうトラブルは起こらなかったのですが、コンタクトレンズでアレルギー反応が出ました。

    オーストラリアに来てから急にコンタクトレンズが入らなくなったのです。正確に言うと、入れてると不快(かゆい、痛い、よく見えない、涙が出てくる、レンズがまぶたの裏に入ってしまう等)で、はずさざるを得なくなるのです。で、検眼医に行きました。そしたら、「原因不明のアレルギー反応ですね。おそらくはオーストラリアの空気中にある何かに反応しているのでしょう。唯一最高の解決策はコンタクトレンズを使わないことです」と、ちっとも解決策とは言えない解決策を提示されて、今もって眼鏡中心の生活を余儀なくされています。最近では「1日で捨てる使い捨てレンズ」というものが割とリーズナブルな価格で発売されたので(30日分で90ドル)、これを調子のよい時だけ利用することにしています。


    ここらへんのこと、どなたか医学的に説明してくださると嬉しいのですが、今まで医学的コメントは聞いたことありません。きっと医者にも良く分からないんじゃないかな。まあ、海外生活にあたっては、こんなこともありますよ、というネタでした。
    (福島)





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