シドニー雑記帳
ホームページ開設一周年とAPLaCの今後 (その2)
続きます。引越しの話でした。
一つは、サーバーの引越しです。先月、うちらのサーバーが突如ドメインネームを変更したもんだから皆様に不便をおかけしました。オーストラリアのAusnetというサーバーなのですが、www.world.netというドメインネームが、www.ausnet.net.auに変更することになり、これに伴って、「親亀子亀の原理」で我々のホームページアドレスも変わってしまったという話でした。
ちなみに事後にいろいろ知ったのですが、ドメインネールが変わるというのは、そこそこあるようで、日本でも変わるところがあるみたいですね。例えば、日本のサーバーは、アドレスの最後に"jp"がつきますが(オーストラリアは"au")、その一つ前に、"or" "com" "edu"とかつきます。これはサーバーを設置している機関組織の性質を意味するらしく、会社だったらcom、大学など教育機関だったらeduなどとなっていると。で、今般、日本でも、その分類の改訂が行われているらしく、従来orとかに括られているもののうち、"ne"になるとかならないとか。詳しいことはわからないのですが、www.○○○.or.jpだったのが、www.○○○.ne.jpになるものもあると。いろいろ大変そうです。
さて、今般の変更騒ぎで、我々は現在のサーバーの対応に不満を抱いたわけです。だって、直前に電報のような素気もないメール一本くれただけで、いつから変更になるのか、なぜ変更になるのか、経過措置はどうなるのか、何にも教えてくれない。問い合わせても、なんか要領を得ない。なんか、だんだんこのサーバーやる気がなくなってるみたいに感じられるわけです。いや、サーバー経営者自身はやる気があるのかもしれないけど、末端の職員レベルに何かこう覇気がない。
おそらくは、企業買収やらリストラやらで、職員もやる気がなくなってるのではと推測します。リストラもすりゃいいってもんじゃなくて、リストラすればそれだけ残った職員の仕事量が増えるわけだし、引継ぎその他で事務混乱が起こるだろうし、同僚がボコボコ首になってりゃやってらんないだろうし、自分も次の就職先を考えたりするだろうし、自ずと限度というものがあると思います。そこらへんは、消費者が反応して、「リストラでサービス低下して客が離れた」という現象をつくって、経営の失敗を示すべきかなとも思うのですね。オーストラリアも転職が盛んなのはいいのですが、一般に引継ぎが目茶苦茶で(というより引継ぎが「無い」場合も多いとか)、だから役所なんかに問い合わせても、電話に出る奴出る奴適当なことばっか言うから、全然分からん。
柏木の友人がオーストラリアの官庁に勤めてるのですが、内部から見ると、そこらへんの事情がよく分かるそうです。配転希望その他が通るのはいいけど、新任の部署でやるのは分厚いマニュアルを2〜3日かけて読むだけ。もういきなり現場。誰もよく分かってないまま適当に処理してるという。よく「あんた、そう言ったじゃないか」「いや、そんなこと言ってない」の言った/言わない論争をやってるとか。福島も、先日、留学関係の手続サポートで教育省に行ってましたが、見たところ誰ひとり手続を正確に理解してる人はいない(いるのでしょうけど、そういうエラい人は奥にいるので窓口にいない)。「これじゃ、今まで、聞く度に違うこと言われるわけだ」と納得したとか。分かってない人に何を問い合わせても無駄ですよね。「オーストラリアでは3回聞くまで安心するな」というのが通り相場でしたが、場合によっては「100回聞いても安心するな」ということになりそうです。とほほ。
まあ、その分、日本が優れているかというと、これまで仕事柄さんざん銀行やら役所やらで交渉していた経験で言えば、アテにならないのは日本も同じ。そんな幻想持つべきじゃないですわ。裁判所だって、判決言渡期日は来月とか言っときながら、延期延期で結局1年以上待たされたこともありました。厚生省に裁判上の手続で照会かけても、半年たっても音沙汰がないわ、電話で問い合わせても埒があかないわ、挙句の果てに書類無くしたからもう一回送れとか。銀行さんだって、バブルがはじけて以来、「担当者が替わったので分かりません」攻撃ばっかだし、その手の責任逃れをされた日本人はおそらく何百万という単位でいると思います。HIVや、原発「ふげん」の状況を見てれば、あとは推して知るべしでしょう。
ただ、日本の場合は、あんまり転職とかしないので、どの職場にも生き字引みたいな人がいて、その人がきちんと管理しているので、問い合わせで嘘言われるということは少ない。これは日本のいいところだと思うのですが、末端の人が比較的頑張ってるように思います。裁判所の名誉の為にも言いますが、市民から質問を受けて、「こういう場合はどうなるんだろう」で、職員同士で議論したり調べたり、人に聞いたり、かなり真面目にやってはります。「万が一にも役所が嘘は言えない」という意識が強いように思う。この「役所無謬の原則」が裏目に出ると、「不祥事は徹底的に隠す」という方向に流れちゃう。オーストラリアは、わりと平気で嘘教えるけど、不祥事もバカバカ暴かれてますよね。どっちがどうとも言い難いのですが。
余談はさておき、サーバーの引越を検討しようということになりました。もともと現在のサーバーではユーザーホームページの容量が5Mバイト(追加でもう5M)ということで、全然足りないということもあります。もっと画像を多用したいのですが、容量が足りない。
ところで、元来、このホームページはあまり画像を用いない筈でした。意味なし画像ばかり散りばめて、アクセスがトロくなるのが嫌だったからです。実際腹立ちますもんね、チンタラチンタラ、バナー広告ばっかり延々ダウンさせられるのは。
しかし、1年前に比べて状況は大分変わりました。日本のアクセス状況もかなり改善されて、オーストラリアではまだまだ珍しいISDN回線を使っておられる方も増えてきましたし、モデム速度も一般に速くなってきた。トロいプロバイダも淘汰されていってるし、パソコン本体の性能も上がってきている。これなら、多少画像を取り入れてもロードにそれほど負担は掛かるまいという気になってきたわけです。トップページの写真のバイト数も徐々にあげていきました(より大きく、鮮明に)。
また、大枚はたいてデジカメ購入したということもあります。デジカメのいいところはフィルム代や現像料気にしないで写真が撮れることですね。もう、かれこれ2200枚になりますが、これイチイチ現像に出していたら破産してしまふ。どんなに安いDP屋さんに持っていっても、フィルム代含めて一枚10円平均はするでしょうから、もう22万円分くらい掛かってる筈ですもんね。デジカメも、買うときは周辺機器含めて13万円くらいしましたが(日本で買って持ってきてもらった)、もう十分にモトは取りました。そのうちホームページで使用した写真は、全体の5%くらいしかないです。あとは死蔵。勿体無いし、やっぱり画像があった方がイメージ掴めていいというレスポンスもあったりします(特にホテル情報など)。
というわけで、もっと画像を取り入れようと。しかし、現在は容量パンパンで、これ以上UPしようと思うとどこかのファイルを消さないとならないという苦しいことを強いられているわけです。もう一気にドーンと100Mくらいの容量が欲しいな、と。
で、プロバイダ選びがはじまったわけです。
今度は日本のプロバイダにしようと思いました。アクセスするための発射台になるプロバイダは、別途現地の固定制のサーバーを確保してますから、今回探すのは単なるホームページコンテンツの「置き場」としてのサーバーです。だから、世界のどこにあっても良いわけですね。
で、日本にしようと思ったのは、オーストラリアに比べて日本のプロバイダの方が競争激しいから、品質や設備がいいことと安いこと。これ、いろいろ見てまわってそう思います。
アメリカももっと競争激しいから良いのですけど。もう一点ポイントとしては、日本国内からは日本のサーバーの方がアクセスしやすいだろうということです。自分のサーバーから、目的のサイトまで、どれだけ時間がかかって、どこを経由していくかを示すソフトなりコマンドがありますが、オーストラリアから日本までやろうとすると、13ヶ所くらいあちこち経由して辿り着く。どこかで渋滞してたら結局トラフィックがトロくなってしまいます。国内だったらその半分くらいの経由で済むような感じなので(あくまで「感じ」ですけど)、やっぱり日本から読もうと思ったら日本にあった方がいいのかなと。
じゃあ、日本のどのプロバイダにしようかなということになりますが、これもプロバイダ情報に関するサイトが沢山あります。これを探すところから始まりますが、そのためには検索(サーチ)エンジン選びから話が始まったりします。
あんまり悪口は言いたくないのですが、超有名なYahoo(ヤフー)の検索エンジンってあんまりいい思い出がありませんです。特に登録する側に立つとそうです。ほんと登録しにくいサーチエンジンワースト3に入ると思いますが、カテゴリーを細分化しすぎ。こんなにドンピシャで当てはまるサイトなんかないでしょうに。誰のホームページだって、「あれもやってこれもやって」と複数のカテゴリーがまたがるものなのに、あんなに細かく区分けされたらやりにくくてしゃーないですわ。自分がどのカテゴリーにハマルのかを調べるだけでも小一時間かかります。そんで、やっと登録できたと思ったら、それがエンジンに乗っかるまで優に一ヶ月以上掛かっちゃうし。
APLaCでも、アロマのページと、シドニーの職探しと、留学関連なんか、やってる主体が一緒なだけで、内容的には全然違うでしょ。だから、検索の便宜のためにそれぞれ別途登録しようとしたら、既に登録されているものと実質上同じだから登録出来ませんと言われてしまった。だったら最初から細かいカテゴリーなんか設けないで欲しいです。強引に狭苦しいカテゴリーに押し込んでおいて、例えばAPLaCだったら一切合切「オーストラリア、シドニーの旅行情報」の項目に押し込んでおいて、それから外れるアロマ(正確には何のページだったのか忘れたけど)を別途登録させないというのは筋が通ってないやん!と、まあ、こう思うわけです。
だから、余所さんが登録する場合も似たようにうんざりしてYahooはパスしてるんじゃなかろかと思って、検索するときもヤフーなんか使いません。もう使ってたまるかという感じですね(苦笑)。情報遅いし、カテゴリー面倒臭いし、目的のサイトに辿り着けないし、要するに「使えない」わけです。確かにズララと情報は出てくるのですが、そのなかに「これだ!こういうホームページを探してたんだ!」と思えるようなものが入っている率が低いのですね。また、紹介文句も文字制限しすぎていて、それ見てもなんだかちっとも分からない。
もう、あらゆるホームページを数百数千に美しくカテゴライズすることだけにしか興味がないのでしょうか。そーゆー自己完結したがる性癖を官僚主義というのだと思うのですが、どうでしょうか。ベンチャー企業が大きくなった途端、サラリーマン社員が増えて、いきなりドッとレベルが下がるというのはよく聞くけど、言っちゃ悪いけど、そんな感じですね。創業者のスピリットなんか所詮伝えきれないのでしょうか。
官僚主義的な検索エンジンでいえば、NTTなんかもそうですね。あんまり使ったことないし、登録もろくすっぽしてないから忘れてしまったけど、覚えているのは、いつ登録にしにいってもサーバーがダウンしていること。これ、ちょっとムカついてるので、だんだん地が出て関西弁丸出しになりますけど、あンな〜、天下のNTTやろ?日本の電話の元締めやろ?そこのサーバーがダウンしていてどないすンねんな?それも、たまたまやなし、行くたびにコケとるやん?つながったと思たら、むっちゃトロいし。何やのそれ?笑かしてくれるやん、、、と、まあ、思ってしまったりするわけです。
話それましたが、プロバイダ探しです。役に立つサイト沢山ありました。皆さん、無料で貴重な情報を提供してくれてます。こーゆーの見ちゃうと、APLaCでも無料でやらなカッコつけへんやんとか思ってしまうのですが。
参考までに、これは便利だなと思ったプロバイダ選びガイドのサイトは以下のとおりです。これですべてではないし、十分に解説もしてられませんけど。ちなみに、これらのサイトは芋つる式に見つけたもので、最初のとっかかりになったサーチエンジンは、リクルートのあちゃらNAVIでしたっけ。
http://www.tky.threewebnet.or.jp/~masao777/select.htm
−基礎を知るにはいいでしょう。
http://www.twin.or.jp/~yshira/provider.htm
−ここも基礎知識を仕入れるのにいいでしょう。
http://www.blackend.com/provider/
−ここのリンクは圧巻です。
http://www.infomania.co.jp/easyBBS/messages/room.bbs
−貴重な口コミ情報が掲示板の形で大量にあります。
http://opendoors.asahi-np.co.jp/prov/
日本のプロバイダのデーターベースのようなところ。よくこれだけまとめたと思います。絞り込み検索が便利。
http://www.hartc.com/provider.html
各プロバイダへの伝送速度の膨大な実験記録。
さらに、そこからプロバイダを絞り込んでいって、オーストラリアの別サーバーから直接ftpサイト(ホームページのファイルを出し入れする場所)にアクセスできますか等など、複数の質問メールを出して、吟味していきました。やっぱ打てば響くように回答メールが来るところは印象いいですよね。回答に1週間以上かかるところは基本的にパス。また、いずれもホームページ容量無制限、100M、30Mとかいうところです。また、オーストラリアからアクセスしてみて、レスポンスが早いかどうか(回線が相対的に太いか)もチェックします。
あらかた絞ってきたところで、新たな問題が出てきました。会員専用のページ(事務連絡など)について、そのサーバーのドメインからでないとアクセス出来ないというパターンもあるということに気付いたのですね。何を言ってるかというと、Aネットというサーバーがあるとしたら、ダイアルアップでそのサーバーに繋げた場合しかアクセスできないページがあるということ。逆にいえば、オーストラリアの別サーバーからアクセスしようとすると、アクセス許可が出ずにエラーになってしまう。だから、日本のアクセスポイントまで国際電話かけてアクセスしないとならないという厳しい話になってしまうのです。これで、諦めたサーバーもありました。
いろいろ選んできたわけですけど、ほんと、語学学校じゃないですけど、いろいろありますねえ。総じていえば大手は、やっぱり四角四面のところがあって、やりにくい。質問しても「規則ですから」というお役所みたいな応対になったり、事務処理が遅かったり。ユーザーの便宜というよりも内部の事務処理の効率性の方をついつい重んじてしまうというあたりも大手のデメリットの一つでしょう。例えば、案内ページ、申込手続などが分かり難かったり。Asahi-netなんかも悪くはないんだけど、高すぎるし、案内ページが分かりにくい。
中小は玉石混交なんですが、そこを注意深く選んでいった方がいいと思います。最終的に選んだところは(近々分かるでしょうが)、経営ポリシーがものすごく明瞭だし(なんとなくAPLaCに似てるような気がします)、情報公開もバンバンやってるし、質実剛健なところでした。申込でも代表者の人が応対してくれて、いろいろ雑談したり(メールでですけど)、こっちのホームページも見にきてくれたり。最後まで対抗馬になったのは、Air-netとネットラピュタでした。どっちも良いサーバーだと思います。ラピュタは、容量が30Mで少ないのですが、案内ページで、こっちが聞きたいことを全て説明してくれていて好感度高いです。
そいえば、商用ホームページと個人ホームページを分類して、商用の方を高くしているサーバーが多いのですが、あれって、何故?理由ないと思うんだけどなあ。APLaCなんか、サポートサービスページとかアロマは商用だけど、全体の95%は無料ボランティアの情報ページなんで、どっちにすりゃいいのかと思ってしまうし、どうして商用ページだと高いのかわからない。商用ページだからアクセス数やトラフィックが重くなるというもんじゃないでしょ?むしろ、宣伝一色のページなんか誰も見たくないからかえってスカスカなんじゃないかな。
ここらへんも商用・非商用を区別してないサーバーもあります。それって正しいと思うのですけど。その逆に、どこだっけな、so-netだっけな(違ってたらゴメン)、商用を厳しく分離していて、「実費でおわけします」というのも駄目、「○○の会を開催します。会費は○○円」というのも「商用」ですとかいうサーバーがあって、「何言ってんだい」と思ってしまいました。そんなこと言ったら、なんでも商用になっちゃうじゃん。ネットで知り合った人と懇親会ひとつ開けないじゃん。あるいは、役に立つだろうと思って、素人郷土史家が足で歩いたガイドマップや解説本を作ったとしましょう。手作りで、とても味のある冊子が出来たとします。それを希望者に実費(コピー代)で郵送しましょうとかいう場合も「商用」なんかい?商用、非商用というのは、インターネットにおいて、そんなに大事なことなんかい?僕にはそこらへんの理由が理解できないのですけど。
いかん、「引越し」のもうひとつの話題、シドニー不動産探し話まで進まなくなってしまった。この話はまたいずれ。
1997年10月19日:田村
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