賃貸不動産の探し方
99.10.26初出
2010年03月30日改訂



賃貸不動産の探し方− その2 −






 家の中を見ることをインスペクション(inspection)といいます。試験には出ませんが、覚えておくべき重要単語です。

 インスペクションを申し出る前にある程度のところまでは分かります。大体、インスペクションまでしたくなる物件は、10軒に2軒あるかないかといったところでしょう。

 まず外観を見るまでもなく地図段階でハネられるものもあります。立地ですね。アドレスさえ分かれば、おおよその位置は地図で分かります。この場合、土地カンがあれば、「ああ、あそこね」とピンときます。治安というか大体の雰囲気は見当がつきます。バス停や商店街までの距離も重要なポイントになるでしょう。なお、僕らのように車をよく使う場合は近隣道路の規制などからアクセスの便利さを見たりもします(一方通行ばっかりで中々幹線道路に出られないとか)。

 現場までいけば、そのあたりのことは更に分かります。バス停があったとしても、1時間に1本くらいしか来ないのだったらあんまり意味ないし。

 フラットの場合は、建物外観だけを見るのではなく、目的の○号室が何階のどっち向きかということもチェックしておくといいでしょう。あと、大抵1階の庭に共同物干し場があったりしますし、下に共有のコインランドリー機が置いてある場合が多いです。




   「これは」と思う物件があったらインスペクションを申し出ます。不動産屋さんに「中を見たいんですけど」と言えばいいだけです。have a look とか have an inspecition あたりで通じるでしょう。これに対する不動産屋さんの対応はケースバイケースです。ヒマでやる気がある人の場合、「じゃ、今から車で連れていってあげる」といって乗せていってもらえたりします。あんまりありませんけど。多くの場合は、アポイントを取ります。「じゃあ、今度の金曜の午前10時、現場ってのはどうかしら?」とか言われます。あるいは「明日の11時に同じ物件を見たいっていうお客さんがいるから、その時刻に現場に来てください」とか。

 なお、まだ入居者(近日退去予定)がいる場合、入居者に連絡をとってからのアポになりますので、「連絡をとってみるから、明日の朝にでもまたウチに電話入れてくれる?」と言われることもあります。あとで電話する場合には、担当者の名前を聞いておくといいです。ただ日本人以外の名前の場合、一発で聞き取れて且つ覚えるには相当の習練が必要です。必ずしも英語名じゃないですし(ロシア系とかインド系とか千差万別)。Could you spell it ?とかいってスペルを聞いて書き取っておくといいでしょう。今度電話するときアナタの(不正確な)発音では向こうも誰だか分からんということも往々にして起こります。そのときはスペルを言うと相手に通じます。なお、スペルを言われて一発で書き留められなかったりします。 そのときは”A for apple" "B for boy"とか確認用のフレーズもあります。



 ところで、毎週土曜日は「インスペクションの日」です。OPEN INSPECTIONといいます。家探しをする人々の為に、時間を決めて物件を公開する場合がありますが、その殆どは土曜日に集中しています。この日、不動産屋さんは、朝の10時頃から昼の3時頃まで、20分単位くらいであちこちの物件を走り回り、鍵を開け、お客さんが来るのを待ってます。

昔は新聞広告

 ではお客さん(つまり我々)はどうやってこの情報を手に入れるかというと、土曜の朝イチにニュースエージェンシーに行って、SMH(シドニーモーニングヘラルド)の土曜日版を買い、そこにあるクラスファイドと呼ばれる各種広告から賃貸不動産の広告を見ます。なお、土曜日版は百頁以上あって、日本の新聞の元旦版くらいのボリュームがあります。この中から賃貸不動産広告の頁を探すのもテクニックが必要で、下手したら「あれ〜どこにあるのかなあ。あ、これは自動車の売ります買いますか、えーと」とかいって埒があきません。SMHの場合、不動産の部は、REAL ESTATEと題してある分冊がありますが、中をみると花形の売買物件ばっかりで、賃貸やシェア広告は弾き出されてビジネス欄の片隅にあったりすることもあります。わからないときは、本体分冊あるいはその次あたりにClassfied Indexという目次欄がありますから、そこで見るのが一番早いです。

 昔のSydney Morning Herald(新聞)の賃貸不動産広告↓
 ある意味ではこのくらい情報が少ない方が絞り込みやすかったとも言えますな。




今はネット

 今はインターネットで探すのが一般的だと思いますが、例えばオーストラリアに着いてすぐなどネット環境が自在に整ってないような場合、この新聞というのは重宝します。基礎技術ですので削除しないで残しておきます。

 なお、ネットの場合、情報量の豊富さからいって、Domainがメインで、Realestate Comがサブくらいの感じでしょう。

 2017年現在ではAllHomesというのがDomain以上の在庫数を誇ります。


 
 ページをめくると、「Flat & Unit to LET(賃貸アパート)」「Houses to LET(賃貸一軒屋)」という項目がある筈です。時期にもよりもますが、数千という単位でずら〜っと並んでいます。エリアごとにABC順に並べてありますので、Glebeエリアを探してる場合は、順に見ていけば、Glebe物件は固まって載ってますのでそこを見ます。

 余談ながら僕らの場合、「東西南北どこでもよくて、総合力をもって決める」という難儀な方針でやってたので、殆ど全てに目を通さざるを得ず大変です。「もうこのエリアしか探さない!」と決め打ちできればいいのですが、よーく地図を見ると、「あれ、Queens Parkって、ボンダイの駅にメチャクチャ近いじゃないか。環境も良さそうだし、ううここもチェックせんと」とか広がっていきます。ボンダイジャンクションまでバス30分エリアといったら、チェックするエリアだけで軽く10を越えるでしょう。事前によーく地図を見て、地名と位置を頭に叩き込んでおくことをおススメします。

 その広告をよく見ていくと、上の写真で赤くマークした部分のように、インスペクションをやる物件にはその旨の記載があります。記載の文言はマチマチですが、「11:15-11:30」のように時間指定があるので分かるでしょう。公開インスペクションのある物件は必ず住所表示がしてあります(そうでないとその場所に行けない)。



 広告文は、日本の「○○町7万8000円2LDK(6+4.5)東南角駅歩5分」のように、短いスペースに情報が凝縮されています。当然、英文の場合も単語全部を書かずに略語で書かれています。

 これはもう数え方によっては数百種類あるんじゃないかと思われますが、特に覚えなくても英語力のある人だったらピンと来るように書かれてます。でも僕らは最初は英語力メロメロだったから、結構暗号でした。

 手当たり次第に書き出してみようかと思いましたが、キリがないのでやめます。それに、そのまま覚えるよりも、「何の意味だろうな、これ?」と辞書ひいたり、推理したり、必死に考えてください。そのうちカンが出来てきますから。そうなればある程度ピンとくるようになります。そうやった方が結局早いです。また、他の広告で全スペルを書いている場合もありますから、そのあたりも見比べていけばいいヒントになっていきます。上の写真の各記載の意味が分かりますか?

 Modとはモダンの略で、現代的なデザインということですが、これもこの国では何を指してモダンというのかは、結局現物見ていくしかないのですね。ウルトラ・モダンなんて書いてあるのもあります。簡単にいえば「トレンディドラマに出てきそうな感じ」だということですね。現物の感覚が判らないから記載の意味も判らないというものもたくさんあります。まずは、冷やかしでいいですから、幾つか見て回っていくうちに、感覚が判ってきます。

 LUGはロックアップガレージの略で、鍵の掛かるガレージがついてるという意味。DLUGはダブルだから二台駐車できるということ。Flrはフロア(床)の略。Pol Flrでカーペットではなく板のフロアリングをしているという意味ですが、これは”polished (磨かれた) 床”ということで、イメージ良く言われます。Immac(immaculate=無垢の)、stunning(びっくりするほど素晴らしい)など、あの手この手の形容詞もあります。写真右:このくらいまでいくと本当にpolishedですね。





 なんだかんだでこれまで数百軒以上見て歩いてますが、その経験によりますと、いろいろ書かれているこれらの広告文は総じて正しいです。だいたい9割方は「なるほど」と思います。広くもないものを広いと書いたりはしませんし、よい具合に特徴を書いているなと思います。

 ただ「裏の意味」も洞察しなければなりません。huge garden(広い庭), sunny roon(日当たりのいい部屋)とか書いてあると勝手に麗しい家を想像しますが、「そういえば家のコンディションについてはかいてないな」とうがってみます。もしかしたらすごいボロなのかもしれません。これも何度か足を運んでいるうちに、「確かにその通りなのだが、しかし、、」というのが判ってきます。最もスペースの関係で割愛されてる場合もありますから、何ともいえないのですけど。写真右は「広い庭」と書かれていた物件。確かに庭は広いのであるが、、、、殺風景。

 あとエリアについても隠された意味があって、あんまり人気のない地名であった場合、「人気のあるエリアの近く」という書き方をする場合があります。例えば、St Petersというわりと殺風景なエリアがありますが、これはニュータウンの隣ですのでよく「New Town area」として載ってる場合が多いです。上の写真の右の段で、「Newtown/Stanmore」と書かれているのがありますが、あれ実際はStanmoreにあります。ただ、ニュータウンの方が人気があるから最初にニュータウンとしてあるわけです。そうすればNのNewtownの欄に載りますから。

 ちなみに、ニュータウン付近に住んでた僕の感覚でいえば、住むんだったらスタンモアの方が安くて静かでいいと思いますけど。ニュータウンと名がつく行政区画は、実は8割方は殺風景だったりうるさかったりします。その周辺のキャンパーダウンの方が全然静かで環境いいです。ストリート一本違うだけで結構雰囲気変わったりしますから、本気で探す気ならば、1日十数キロ歩いて歩いて歩きまくってください。不動産探しに限りませんが、こちらにくると足腰丈夫になりますよ(^^*)。僕らも最初来たとき、宿に帰ってそのままベッドにぶっ倒れて寝てしまったりしてました。





 
 最後にキッチンとバスルームの写真をいくつか。

 千差万別の一軒屋に比べれば、フラットの場合はハッキリ言って似たり寄ったりです。以下、いくつかフラットのキッチンとバスルームを並べてみましたが、そんなに大きく違うものでもないことがおわかりかと思います。

 ただ、フラットのバスルームは、バスタブが無いことの方が多いです。写真ではバスタブがついてるものを2枚あげてますが。お風呂大好きな人は、「バスタブのあること」を条件に入れておくといいでしょう。
 台所についていえば、ストーブ(レンジのこと)がガスだと何かと分かりやすくて便利でしょう。あと、こちらは流し(シンク)が異様に小さいので、シンクが二つ並んでるものだと便利です(フラットには滅多にないでしょうが)。








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