1997/12/26 前日まで東京へ出張だったので、26日午後3時すぎに、妻が風邪だと大ウソをついて直接東京から帰宅。帰ったら本当に風邪をひいていてちょっとあわてる。たいしたことない(ほんまか?)のでバタバタと出発。関空で医者に寄って、薬だけ貰いアンセットに搭乗。機体の差かもしれないけれど、カンタスの方がシートは広いと意見は一致。実際はどうなんでしょう? 途中、シドニーで入国、国内線でアデレードを経由しパースヘ。と書けば短いけれど、関空からパースまで20時間かかっていた!もっとも途中で時計を現地にあわせて早めたり、遅らせたりしたのでホテルに着いて落ち着くまで計算ができなかった 現地のガイド(日本人)の話で印象に残っているのが、ここ(パース?オーストラリア?この点を聞きのがした)では「イヤなことはありませんが、刺激的なこともありません。」とのこと。妙に関心する。 着いたその日は、町をうろうろ。どこの店もセール中なのでかなり賑やかで人出も多い。前出のガイド氏によると、これはウソの風景だとのこと。普段のパース市街はもっと人が少ないらしい。けれども、クリスマスの飾り付けが暗くなるととても雰囲気があり、いつか観た映画のワンシーンのよう。もっとも、午後9時を過ぎなければ暗くならないし、その頃にはすべての店が(パブすらも!)閉まっているので、わびさびのある味わい深い風景ですが。 その夜はあまりにも、疲れていたのでルームサービスを注文。味はまあまあでも値段は安い!二人で20数ドル・・・日本のルームサービスのことを考えたらずっとおトクだと思う。 ちなみにホテルはRYDGES PERTHです。なかなかおしゃれかつ奇麗なホテルで、インテリアはモダンで掛かっている絵はアブストラクトが主。建ててから1〜2年だそうです。 着いた翌日28日は、イルカと泳げるドルフィンスイミングツアーに参加。 ロッキンハムから出るのでパース市内から車で30〜40分ほど。料金も一人130ドルでモンキーマイアに比べるとちょっとお手軽。さて、総勢40名ほど(ほとんど全部日本人)乗せてクルーザーが出発。まずはイルカを探して海上を走り回る。この日は不漁?であまり多くのイルカが泳いでおらず、2〜3頭のイルカ達をシュノーケリングしながらウォッチング。しかし、たまに横をサッと泳いで行ったり、下の方でヒラを打ったりしているイルカを観ると、水族館でのアクリルガラス越しで観るイルカや、紅白縞の輪をくぐる芸人イルカを観るのとはちょっと違う迫力を感じる。 また、船酔いに苦しむ人が結構多く、ひどい人は1回もシュノーケリングできなかったよう。私は本業が釣師なので(おいおい!)この程度の揺れでは別段どうということもなし。ただ、嫁はそうとうヤバイところまできていたらしい。 その後キャプテンやスタッフががんばって探したにもかかわらずタイムアップ。一瞬、海亀がチラリと見えたのがもうけものだったけれど。そしてまたもとの桟橋へ帰港・・・するとそこではスピードボートの大会が開かれており、爆音を轟かせ楔のようなボートがカッ飛んでいた。ガイドによるとこの大騒ぎで明日のツアーは思いやられるとのこと。イルカは音に敏感で、こんな大騒ぎをするとまったく寄り付かないらしい。 イルカの大群には会えなかったけれど後でじわっと良かったなと思えるツアーだった。(もっともパンフレットもガイドも大群などとは一言もいってない。完全に私の妄想です。) その日の午後はフリーマントルへ。 パースのかおりさんのメールにあった通り風の強い土地だった(フリーマントルドクターというんですか)。昨年シドニーのパディントンへ行ってから、雑貨屋を覗くのが趣味になり今回の旅行もそれを楽しみにマーケットと雑貨屋をひやかしブラブラする。しかしゆっくり見ることができない! 午後から行くなら絶対早めに行くか、1日予定を組んで行くべきだった(店が早く閉まることより、我々の日程が少ないことに腹が立つ。というより悲しくなってくる)。 心残りはとても安くて種類の豊富なパイン材の家具。荷物は2人でスーツケースひとつなので、小さいチェストなら手荷物で持ち帰れるのではと本気で考えた。フリーマントルマーケットと路地を隔ててとなりの倉庫のような店だった。(家具などの大物を安く日本へ持ち帰る手だてはないもんですかね〜) ところで、フリーマントルへはトランスパース(電車です)で2ドルちょっとで行けるのですが、何と改札が無いのです! 途中の駅はもちろん、フリーマントルもパースにも! 当然現地の人にとっては「!」マークをつけることも無いのかも知れませんが、たしかシドニーは自動改札だったし、後に行ったメルボルンのトラムには昔懐かしい切符売りの車掌さんが乗っていた。パースではだれもキセルをしないのだろうか? よくよくのチケットを見ると、2hourなんたらかんたらと印字してある。たぶん2時間以内であれば往復できるのであろうと勝手に理解して過ごしてしまった。 2日めの夜はまだ疲れが残っていたらしく、夕飯も食べずにグーグー寝てしまった(今考えるともったいない)。 次の日12/29日の朝は、近くの「Croissant express」というカフェでサンドイッチの朝食をとる。やはりパンが主食の国ではパンを食べるべきだと再確認する。とてもおいしい。 その後ロットネスト島に行くつもりで、フェリー乗り場にテクテク歩いてゆく。船着き場には切符売り場らしき建物が2軒。そのうち一軒に近づくと、カウンターのお姉さんがスワン川クルーズをしきりに勧める。「いやそうではなくて、我々はロットネスト島に行きたいんだ。」とたどたどしい英語(?)で言うと、お姉さんはうつむいて首をふり「今日の船はもう終わりだ」と言う。出港時刻を調べない方が悪いのだった。 それじゃあ気を取り直してどこへ行こうかと町中へ向かって歩きながら思案する。 ショッピングモールを歩きながら、あれはマレーstとヘイstを結ぶMYERの近くだったか・・・なぜかフラフラとフードコートに迷い込む。気が付いたら二人とも中華料理がテンコ盛りになったプレートを手にしていた(意識のないまま買ってしまったかの様に書いているがもちろん確信犯である)。朝飯食って2時間も経ってないのに、とりあえずかぶりつく。トン足がけっこういけた。 で、食べているだけでなく行き先を決める。前日電車に乗った際、フリーマントルのひとつかふたつ前の駅できれいな海岸があったのを思いだし、そこへ泳ぎにいくことに決定した。(もっともその駅の名前はぜんぜん覚えてないし、泳げる かどうかも分からないのだけれど。「いけば何とかなるやろ」などと割といい加減。) 結果としてこれが正解! 海が見えるから、この辺でええやろと降り立った駅から歩いて3分でちょうど海の家(もちろんオーストラリア版)の前に出た。シャワーが完備された脱衣所と小さな売店があり、店番には中学生ぐらいの男の子がいる。英語が喋れたら「もし日本で同じ商売をするなら、かき氷と焼そばを忘れんようにな。」と忠告して差し上げるのに・・・などと馬鹿なことを考える。 そして、その海のきれいなこと! 砂の白いこと! (かおりさんのメールには午前中がいちばんきれいで、しかも今年はもうひとつだとありましたが、あれ以上きれいだったら、いったいどうなるんだ?というのがわが家ではナゾです。) ただひとつだけ心残りは夕日を見られなかったこと。これは残念で仕方がない。 その夜は、パース駅の北側へ行きシーフードをいただく。以前オーストラリア各地で食べた、あの牡蠣や海老や蟹の味が忘れられずにいるのでシーフードプラターを注文する。(日本風にいえば刺身の船盛りにあたるのだろうか?)ワインはリストを見せられたけれど分けわからん。見栄をはらずにハウスワインを注文すればいいのに、唯一知っていた「ブラックタワー」を頼んでしまう。なんでここまで来てドイツのワインを飲むんだ!ここを何処だと思っているんだ!オーストラリア人がどこかで怒鳴っていそう。 ところで、料理はまずまずだったけれど、肝心の牡蠣がいまひとつだった。しかしよく考えてみればここは夏真っ盛りで牡蠣のおいしい季節から外れているはず。いまひとつなのは当然なのか・・・。(よくRの付かない月、つまり5、6、7、8月には牡蠣を食べないと言いますが、オーストラリアではやはり反対の11、12、1、2月がダメなんでしょうか?) しばらくしてお腹もいっぱいになり、密かな楽しみのカジノへ向かう。前出のガイド氏いわく、ジーンズはダメと言われていたにも関わらずそのままの姿(もちろんジーンズ。しかも少々汚い)でいざ出陣。結果は敢えなくアウト。入り口のお兄さんに「ブルージーンはだめだよ」いわれてすごすごと帰る。 ヤケ酒ではないけれど、ホテルに帰りバーで「ソルティ・ドッグ」を注文するが通じず。(そんなに有名なカクテルではないのかな?) 3日め12/30はピナクルズへのツアー。 朝8時にピックアップ。配られたパンフレットを眺めると、何と片道280kmあるというではないか!「えーそんなん4時間以上かかるやん! 帰ってくるのが6時やったら、着いた途端に帰らなあかんがな!」と思いきや、しばらくして納得した。日本で高速道路を使わないドライブなら、だいだい平均時速60kmで計算するのだけれど、ここではどうやら平均100kmで計算できるようだ。そういえば、どのツアーも車の移動ではものすごく飛ばしていたっけ。 途中でコアラとカンガルーを見学。とめどなく(地平線が見える)広い畑を見ながら移動する。ガイド氏(英語オンリーの人だった)の喋る内容を、単語だけ拾うとキャロットを作っているとのこと。でも地平線の果てまでニンジンを作って、どうやって収穫するんだろう?ただ、日本では絶対見られない地の果てまで続く畑を、日本製の軽トラックがトコトコ走って行くのを見ると「ここは一体どこ何だろう」と思うと同時にそのアンバランスさに笑いがこみあげてくる。(畑の見回りとか行って全部回る前にガス欠になったりして。)また、途中でワイルドフラワーを見学。しばらくして海岸線にでる。ここで昼食。 そしてピナクルズに到着。ホントのことをいうともう一つだった。というのは、パンフレットからのイメージでは、地面が砂漠で岩がニョキニョキ生えているところを想像していたのだけれど、実際はボサボサの草や木がところどころに生えていて、思っていた風景とちょっと違った。それよりもここに到着するまでの景色が面白かったからかもしれないが。 その後、海岸線を南下しつつ砂漠に立ち寄る。はっきりいってこれがいちばん印象に残った。かおりさんがたしか書いてくれていたと思うのだけど、落差何十メートルの砂丘から一気に車で滑り降りるのはとても面白く、でもそれは乗っているよりも外から見ている方がずっと迫力があった。丘の頂上では絶えず吹き付ける風でサラサラと砂が舞っているし、風紋も美しい。 すべての旅行にいえると思うのだけど、パンフレット(特に名所旧跡)などがあると、すでに見たり行ったような気になってしまい感覚が鈍くなってしまうと思う。特に写真はウソを伝える道具なので、事前にパンフレットなんか見ない方がよいのではないだろうか。もっともうちの嫁のように、パンフレットを集めまくって妄想にひたるという楽しみもありますが。 でも、旅先の感動を持ち帰ろうとして撮ったはずの写真を現像してみると、自分が得た感動の10分の1も写ってなかったことは誰もが経験していると思う。たとえば人に対して「ここはきれいだったんだよー」といいながら写真を見せると か・・・。それは、腕やカメラが悪いわけでなく「思い」や「そのときの感覚」まで写真が写せないから。だから旅行するときは、自分の眼と、耳と、舌とを総動員して「感じる」ことがいちばんだと思う。なんだか結論じみた話になったけど、ピナクルズの印象と砂漠の印象で写真の無力さを感じたので記してみた。 で、その夜はまたしても駅の北側へ行きフードコートの中華をいただく。スイートサワーソースのポーク(多分酢豚)を食べるがドド甘い。なんで?甘い甘いといわれる日本の酢豚より甘い。これからメニューにスイートと記されているものには気をつけよう。 翌日はメルボルンに向けて出発。いろいろ心残りがあるからまた来ようと思った。 以下は簡単な印象とちょっとした謎です。
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パースは、私たちの独断&偏見では、奇麗だけどつまらない町でした。で、私たちは1日半だけ見て廻って、その後はパースの外に出て見ました。いやはや、外の方が私たちにはずっと良かったです。まずロットネス島は、お勧めです。サイクリングにもってこいです。 あとは、パースの北約900キロのシャークベイまでぜひ行ってほしいですね。インド洋がすばらしいです。モンキーマイアではイルカに会えます。ジュゴンやジンベイザメを見にいくツアーもあります。Denhamという町が滞在には向いています。シャークベイに2日滞在するとして、往復各1日で、計最低4日は必要ですが、途中でピナクルズという奇岩とか、ストロマトライトという最古の生物が群生する海岸があったりして、なかなか退屈しません。 オーストラリアのド田舎を往復2000キロ運転するというのも面白い体験になります。 |