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ADELAID CITY GUIDE




by 鹿島雅代さん(アデレード在住)
更新日:1999/12/15



    6km四方の主なストリートで整然と区画整理されたアデレードは、ルートマップを片手にウォーキングするのに理想的な街といわれている。日本の3倍の面積(984,000ku)を持つ南オーストラリア州都、アデレードに州全体の総人口150万人のうち、7割強の107万人が住んでいる。

    アデレードはイギリスをはじめヨーロッパ各地からユートピアを求め移住してきた人々により建設された理想都市。丘と海に挟まれた市街は、ニューモデルシティ建設の命をうけ派遣された、ウィリアム・ライト大差の都市計画に基づき設計されていて、トレンズ川を中心に整然と区画整理された通りの周囲を美しい公園が囲んでいる。

    その景観の見事さは「おそらく地球上でこれほどよく計画され、治められ、かつ節度のある満足感に満ちた都市は他にないだろう」(ニューヨーカー誌)と賞賛されるほど、まさに南半球のユートピア都市。また、19世紀開拓時代の住宅やパブなども残っていて、古い伝統と新しい文化がみごとなまでの調和を見せています

    (南オーストラリア州政府観光局小冊子より抜粋)


    後半の下りは誉めすぎの感もありますが、ウォーキングするには手ごろな大きさで、かつ整然と整っているので、確かに歩きやすい・わかりやすい都市だと思います。

    日本の京都に似ていて、碁盤とは言いませんがストリートが行儀よく交差しています。だから、勘の良い方なら2日程市内散策をすれば、たぶん各ストリート名を覚えてしまいそうだし、アデレードシティの大体の概観はつかめるのではないか?と言う位、コンパクトな街でもあります。

    結局わかりやすいと言う事はその分、観光には向かない街でもありますね。2〜3日でわかってしまうなら、1週間ここに滞在すると観光するところがなくなってしまい、大抵の人は飽きてしまう事でしょう。事実、日本からのツアーにはほとんどアデレードは登場しないし、あったとしても、カンガルー島がメインでシティは付けたし程度。滞在もやはり多くて2日というところ。要するにアデレードは観光する街ではなく、住むのに適した街なのだと言う事をこの頃痛切に感じます。

    アデレードの良さは2〜3日程度ではわからない。住んでみて通常の生活をしてみるとわかる、“ごくごく普通”ののんびりゆったりした時間の流れを感じられれば、多分あなたはアデレードのとりことなることでしょう。ただし、間違っても東京やニューヨークなどの刺激的な街がお好きな人は、同じものをアデレードには期待しないように。退屈して死んでしまうかもしれません…(笑)






    アクセス


    空港⇔市内
    アデレード国際空港はシティから西約7kmに位置している。
    Transit Airport City Busが平日6:40〜20:40の間30分から1時間おきに運行している。国際線ターミナル〜国内線ターミナル、ケズウィック駅と寄り、シティのSouth Terrace→Victoria Square→North Terrace間の市内主要ホテルを回ってくれます。1人6$。
    但し、タクシーでもシティまで15分程度で12$前後で行けるので、2人以上なら、タクシーの方が安いし、早いし便利です。





    気候


    こちらに来たのが6月中旬でまだ冬から初夏にかけてしか経験していないため真夏はわかりません。それも今年だけなのであまりあてにはなりませんが。所謂、地中海性気候。比較的、温暖で穏やか…だと思います。冬の間は確かにそう思いました。

    日本の6月。そろそろ梅雨に入るかという少し夜が暑く感じられるようになってから、こちらに来る事になったため、季節が反対のオーストラリアは「冬」という概念があり、相当覚悟してきました。ですから、寒さに対しては「あれっ」という位(拍子抜けする位)暖かく感じました。とりわけまだ冬が始まったばかりだったのか、平均気温は15〜16℃。少し厚めのジャケットで充分。

    こちらの人はちょっと日が照ると途端に半袖か女性でもタンクトップやノースリーブのワンピース、という感じです。私は極端に寒がりなので結構重装備ですが、それにしてもこれは信じられなかったです。いつも、外国の人の皮膚感覚は絶対日本人とは違うと思っていましたが、さすがにこれはないだろう…と苦笑してしまいます。余程、暑がりの方かファッション最優先の方以外は真似されない方が良いと思います。まぁ、暖かいといっても冬は冬なので風はさすがに冷たく日陰に入るととたんに寒く感じるのですが、日が照ると日差しは日本の真夏位あり(ちょっと痛く感じる)目の弱い人や皮膚の弱い方は冬でも日焼け止めを塗り、サングラスを携帯されたほうが良いかもしれません。

    8月に入ってから最高気温が11℃くらいになり、8月が一番寒い月なのかとも思いますが、それでも最低気温は0℃は下らないので3℃で霜が降りると、ニュースになる位。日本の真冬を考えるとかなり暖かく、これを冬と呼ぶならかなり過ごしやすいのではないでしょうか。

     (後日談:中には寒いと言っているこちらの人に「これが冬なら楽でしょ?」聞くと、気温だけ考えれば、寒いとは言えないけれど、なにしろ夏が40℃近くになるのでそこからの15℃だから、差が20℃近くあり、だから辛いのよとのことでした。確かに、日本の四季の変化は割と緩やかにやってきますが、こちらはかなり突然気温差がくるので、体がそれに対応していかないようです。)

     年間降水量のほとんどが、冬の6月〜8月までに降るという事ですが、それにしても極端に雨が少ないです。大雨と言えるような日はこちらに来てから2日くらいしかなく、風と共に降り、それも半日も降ればすぐ上がってしまいます。海岸が近いせいか、天気の変わり身が激しく厚い雲に覆われていたと思ったらあっという間に青空になり、安心しているとまたすぐに雲が覆ってくるという繰り返し。低気圧があるときは要注意だと思います。

     そのようなので、こちらの人で傘を差している、又は日本のようにもって歩いている人を余り見かけません。多少の雨ならほとんどの人が塗れて歩くか、カフェやフードコートで雨宿りを兼ねて一休みをするようです。

     9月に入った途端、春だよと現地の人に言われました。そう言われても…はい、今日から春というわけでもあるまいに…と思っていたら、結構、暖かいというか最低気温が5℃を下らなくなり、代りに最高気温が25℃を超える日が出てきました。そうなるとこちらの人は本当に「真夏!」という格好をするし、お店も真夏の洋服(タンクトップやノースリーブ、ワンピース等)が多くなってきました。

    そして、やはり乾燥は結構きつくなるようです。少し歩くとたいして暑くもないのにやたら喉が乾く。地元の人が必ず小さいペットボトルに水を携帯しているのも理解できるくらい、乾燥していますね。春から夏、歩く方は必ず水分携帯をお勧めします。10月から11月にかけて街中はワイルドフラワーが咲き誇ります。少し郊外の住宅地を歩くとデイジー(それも多種類)やバラやフジ、アイリス、名前もわからない花々が至る所で咲いています。もちろんジャカランダの紫の花も。日本の春がピンクの桜に代表されるならオーストラリアはジャカランダの並木道でしょう。それはそれは美しい紫の並木です。

    確かに地元人が自慢するだけの事はあるくらい、さわやかで天候にも恵まれたこの季節が、アデレードを訪れるには一番適しているのではないかと思います。

    ただし、9月後半からかなり真夏に近いくらい日差しが強くなり、今度は日焼け対策が重要となります。気持ちの良い季節なのでついつい気軽に外に散歩に出がちですし、また湿気がない分、気温ほど体感的には暑く感じないので油断をしてしまいます。が、私はほんの1時間程歩いただけでも帽子のつばと長袖シャツ(襟なし)の首周りの間が赤く焼けてしまいました。皮膚の弱い方はてきめんですので、かなり紫外線が強い事を意識してくださいね。

    ただし、この気温もそう長くは続かず、極端に気温が下がる事もあります。前週は35℃近くまであったのに、今週は18℃位ということも多々ありますので、体温調節は適宜行ってください。地元人の真似をして無理して薄着をしても、風邪を引くのがオチですから… 

    10月最終週の日曜日からサマータイムです。日本との時差は1時間半となります。ですから、直後の11月は夜8:00でも明るい。これなら仕事が5:00に終わって(というか、5:00にお店は閉まる)これから遊ぶぞー!!と思えるくらい充分時間はありますねぇ。12月までは順調に日が伸びていくでしょうから、これからが、バーベキューシーズンなのでしょう。





    交通機関


    無料バス "CITY FREE"
     街中を黄色のバスが通っていたらそれが無料のシティバスです。ポップなイラストが全面に書いてあり、停留所も同じ感じなので街中を歩けばすぐにわかります。

    街の中心部を通るBee Line(99B)とシティの大まかな外枠のテラス通りを回ってくれるCity Loop (99C)があります。誰かが、「BとCがあるならAもあるのではないか?」と言った笑い話にでもなりそうな話しも良く聞きますが、Beeは文字通りハチのように行ったり来たりするからBで、CはCircleのCですのでお間違えのないように…… 

    どちらも、同じ黄色のバスで、どこからでも乗車可能。基点となるビクトリア・スクエア(Victoria Sq.)はどちらも一瞬同じ通りを走りますので、前面のCかBを確かめて乗ってください。

    BラインはVictoria Squareから中心道路のKing William St.を通りNorth TerraceをWestの方角に進みHindley Street. でUターンをしてからまた同じ道を戻ります。 CラインはVictoria. Squareから時計回りと半時計回りに街中を回ります。

    無料バスは、オーストラリアの他の大都市にも(トラムだったりバスだったり)あるようなのですが、ここが本家本元(笑)最初に始めたのだそうです。アデレードのような小さなシティの感じをつかむのに、手軽な観光バスとして利用しては如何でしょうか。

    私が乗っている限りほとんどの運転手さんは親切で人懐こく話好きなので(中には一言も口を聞かない人もいますが)、語学が堪能なら話しかけてみると穴場を教えてくれたりします。その他各バス停の周辺名所を解説したりしてくれていますので、注意深く聞くと下手なシティ観光バスよりお勧めです。バスの中には時刻表ほか名所のパンフレットが常備されていますし、観光案内のビデオもありますので、1周回ってみるのも手かもしれません。 私は、最初は乗り方も分からなかったし、恐る恐るという感じでしたが、今は買物用の自家用車という感じで利用しています。1周と書きましたが、反対周りもしていますので、最短距離を考えて乗る事も出来ます。とにかく便利なバスです。月〜金は8:00前後〜18:30迄15分間隔。(金曜日だけレイトナイトショッピングに併せて21:30まで延長してくれますが、30分置き)土曜日は朝8:00〜18:00迄、30分間隔で走っていて日曜日はお休みです。



    バス
    この狭いシティから郊外まで何本ものバスが出ていて、住人の足となっています。町の真中を走るKing William St.とCurrie St.の角にPassenger Transport Infocentreがあります。ここは、あらゆるバスや唯一のトラムの時刻表やルートを書いてある小さなリーフレットが揃えられています。

    まずそのパンフレットの中から、Metro Guide(これも揃えられて無料)という赤い小雑誌をもらい(自分でゲット)、自分の行きたいバスの番号を調べ、その番号のリーフレットが100番から900番台まで順序良く並んでいますからそれをもらいます。(もちろん無料)中に時刻表やルートが書いてあるという寸法です。住人は自分の良く乗るバスのリーフレットを必ず持っていて、時刻を確認したりしています。

    そこでは、チケットも購入できるので、(もちろんバスの中でも運転手から購入できますが)心配な方はあらかじめそこで購入すると適切なアドバイスと共にチケットを売ってくれます。 料金等はリーフレットに書いてあるので、ご参照ください。



    トラム
    ビクトリア・スクエアからGlnelg行きのトラムが唯一のトラムです。1両か2両編成の茶色の小さい電車なのですぐにわかると思います。日本の長崎や広島に残っている路面電車を思い浮かべていただければ良いのではないでしょうか?かわいらしいせいか、よく写真に撮られていたりします。

    トラムもバスとチケットは同じです。2時間以内なら片道のチケット代で大丈夫なので、グレネルグの海岸に遊びに行って2時間以内にトラムに乗りこめば安上がりですね。更に、まだ時間が余っていたらバスに乗ることも可能です。うまく組み合わせてみては如何でしょう。

    中に車掌さんがいて、発車してから回ってくれるのでその人からチケットを購入できます。そのチケット販売機を首から下げているのですが、これが小さくてもなかなかに優れもので、私は密かに気に入っています(笑)チケットの有効時間を刻印してから手渡してくれますので、時間を確認されると良いでしょう。降りるときは手前の駅でサイドについているブザーを押して知らせます。ちなみにグレネルグ海岸は終点で、30分程度。のんびり乗っていてください。



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