今週のHOLIDAY(08.05.05)
ESSAY BREAK (05MAY2008) : ただいま帰省中
実は、一昨日来、日本に帰省中であります。上の写真(東寺の五重塔ですね)の位置から数百メートル離れた自宅でこれを書いてます。
今、親のパソコンを借りて書いてますが、勝手の違う他人のマシン、いつものように書けるべくもなく、今週と来週はお休みさせていただきます。
諸般の事情がALL READYになってからの「寸暇の行動」だったため、事前に予告もできませなんだ。なんせ航空券を取ったのも出発の前々日でしたし。
今回はウワサの格安航空会社JET STARを使ってみました。カンタスの子会社ですね。
安いので有名ですが、「安かろう悪かろう」とか色々聞いていたので、「まあ、試してみるべ」と思って乗ってみました。結論から言えば、別にそんなに悪くないし、次回も利用するかどうかと聞かれたら「する」と答えます。
大体、最近日本人全体でひきこもり傾向があるらしく、海外渡航者も激減してるらしいから、オーストラリア=日本間はいわゆるコードシェア便、同じ飛行機を複数の航空会社が利用するパターンが多いです。今回のJET STARも、JALとカンタスのコードシェアだから、僕はJET STARだと思って乗ってますが、カンタス便やJAL便だと思って乗ってる人もいるわけで、その意味ではどの航空会社だからどうという議論も空しい部分もあります。まあ、座席の割り当てやら、サービスの内容やら規則やらはそれぞれ違うので、まったく同じというわけではないでしょうが、機体それ自体については同じです。
JET STARについて、乗って初めて「ほう、そうだったのか」と知ったことがいくつかありますので、TIPS代わり、備忘録代わりに書きとめておきます。
機内サービスのオプション
これが今までと違うところで、機内食や毛布などはオプションで別料金を出して予約しなければならないシステムになってます。機内食セットが3000円、毛布セットが600円、エンターテイメントセットが900円です(日本からブッキングする場合。オーストラリアからも似たような値段です)。
毛布セットは、毛布と空気を入れて膨らませる枕、アイマスク、耳栓ですが、これは自分で用意できます。というか、一回利用して貰って帰って再利用すればいいんじゃない?って気もしますね。パチっていっていいのか?というと、いいです。だって ”On board comfort for your international long haul flight, which you can take away and use again and again”って書いてあるもん。テイクアウェイして再利用すればいいよ、と。浮輪式(空気膨らまし)枕は、意外と重宝します。枕として使うと分厚くて使いづらいですが、腰に当てたり、横腹に当てたり、楽な姿勢の保持のために使えます。空気を入れて膨らませるのがよくて、厚みや容積は調節できます。
エンターテイメントセットは、大きな弁当箱みたいなコンテンツメモリ内蔵のマシンを貸してくれます。保証のためのIDカードと交換に貸与されるのでIDのご用意を。
この弁当箱ですが、これがなかなか面白いオモチャでお勧めです。900円だったら機上時間で割れば1時間100円だし。最初に日本語と英語の言語選択があるのですが、日本語を選択しても、大きなタイトルくらいしか日本語になっておらず、細かくメニューを進んでいくと結局英語になっちゃいます(^。^)。
メニューは確か、映画、TV番組、音楽、ゲーム、あともう一つJET STARの社内広告みたいな項目がありましたっけ。映画とTV番組は全部洋画とオーストラリアのTV番組。邦画も日本のTVもありません。だから日本のものを見たい人にはつらいものがあります。映画も言語選択をすれば日本語吹き替えになりますが、吹き替えのしてない映画も結構あり、そのときは字幕なしに英語で見ていくしかないです。映画や番組の説明文も全部英語。だから英語が全然できないと辛いかも。あ、あと、オーストラリアの映画というジャンルがあって、ローカルでマイナーなんだけど時に名作があり、時に駄作があったりします。映画的には全然面白くないのだけど、よく知ってるシドニーの街角があちこちに出てきてそれが面白いというのもあります。
音楽メニューは結構充実していて、ジャンル別にアルバムが各20枚くらい入ってます。これも邦楽はなし。あるんだけど、お琴とかそんなのが2つばかり「世界音楽」のジャンルのなかにありあります。お琴は結構よかったです。なかなかじっくり聞く機会がないですから、聴いたら凄いですよ、うん。琴のチョーキング(弦の上を押して音程をUPさせるテク)とかバリバリあったりして。日本のものはそのくらいで、J-POPなんか影も形もないです。まあ、世界レベルでの存在感を正しく表現してるともいえます。基本的には洋楽のロックが多いですが、古典的名作もあったりして、名盤というのは知っているけど聞き逃していたアルバムを聴けます。また、最近どんなんが出てるの?という試聴にも使える。知らないアーチストを結構聞きまくりました。MTVも一応あります。
まあ、英語問題がありで万全ってことはないのですが、暇つぶしにはいいです。無料の機内放送とは違って好きなときに好きなところを何度でも試聴できるので。大体、オーストラリア・日本航路って、ドル箱路線じゃないからJALにのってもボロい機体が多く、いっつでも機内放送だけ、手元のディスプレイもなしだったから(便によっては違うのかもしれないけど)、それに比べればいいおもちゃです。あ、機体でいえば、2・4・2座席のこじんまりしたものでした。機内放送のディスプレイ(天井から固定されている)のも非常に小さく、僕の席からは何一つろくに見えません。その意味もあってこの弁当箱は重宝します。
不満は音量が小さいこと。音楽くらいだったらまだ聴けるけど、映画になると音声最大にしても機体のエンジン音がうるさいからあんまり聞こえない。いらいらしますが、まあ、じっくり鑑賞するのはまたの機会ということで、取りあえず試聴、試写の暇つぶしくらいに思ってたらいいですわ。あと、あんまり賢いシステムではないようで、再生中にあれこれ操作しすぎるとハングってしまって再起動なんてことになります。イヤホン系の宿命でジャックの接触が甘くなってて左は聞こえるけど右は聞こえないなんてこともありますから、交換してもらいましょう。
さて、問題の機内食ですが、これは結論から言うと予約しなくていいです。すべきでない、くらいに言ってもいいかも。
なぜかというと、事前に予約しなくても機内で買えるからです。新幹線の車内販売と同じですね。それは、まあ、知ってたのですが、しかし「思いっきりぼったくられるんちゃうか?」という貧乏人根性が抜けない私は、事前に買い込んで、しかも出発の朝にオニギリまで作って臨んだのですが、意外にリーズナブルなお値段です。いわゆるフルミール(あれこれついてる機内食)は予約者優先かもしれないけど、でも、もともとお仕着せメニューでは好き嫌いもあるし、それほど別に素晴らしい!って物が出てくることもないので、単品バラで十分でしょう。気になっていた水だって600MLで3ドルだったらまあ許せます。缶ビールも600円くらいだから、まあ、そんなもんでしょ。
本当は自宅からボトル持参したいのですが、ご存知テロ対策で100ML以上は持ち込めません。出国審査とチェックを過ぎてからしか事前にゲットする機会がないです。で、失敗したのは、搭乗口近くの店で水などを買ったことで、これが1本3.85ドルもしました。機内で買ったら3ドル。なんだ機内のほうが安いじゃんという。ただ、食事は事前ゲットのほうがいいですね。9ドルチキンフォカッシャをテイクアウェイで買いましたが、オーストラリアのフォカッシャとか巨大ですからね。一個で腹いっぱいになりますし、美味しい。日本にいると、そのあたりのパンの種類に疎く、ついつい出来の悪いサンドイッチあたりに走るのだけど、サンドイッチというのは立ち食いそばみたいにその場で作ってもらうのが原則。出来合いのものでは、フォカッシャとかターキッシュブレッドあたりが主流ですし、美味しいです。ということで、結論としては、食事はそのへんのものを出国審査のあとに購入用意し、水分系は機内で買ったほうがいいかなって気がします。
あと、個人的なサプライズでは、数年前にお世話した人がスチュワーデスさんになってて、「田村さんじゃないですか?」という奇遇邂逅がありました。もう永住権も取って、JET STARは就航時から働いているそうで、手空きなときに雑談をしてました。この仕事してるとこういうサプライズがあるのが楽しいです。シドニーの街角で、あるいはどっかの店に入ったら、「あー!」とお互いに指をさしあって驚くという。
えーと、それから、値段ですけど、行きも帰りも318ドルで取れました。でも激怒のクソ高い空港税が同じくらいかかるから、オプション込みにすると結局1000ドル超えます。本当は日程を違えた買ったのですが、満席。キャンセル狙っても、JET STARというのはキャンセルが出にくいので待っても無駄らしいです。なぜかというとキャンセルしてもお金は戻ってこないので、航空会社としてはそれでよく、キャンセルされた座席を再び市場に出すということはしないそうです。だから満席だといっても乗ってみたらガラガラということもありうるし、そうであっても席はゲットできない、、という話を旅行代理店の人から聞きました。とりあえず片道だけ買って、帰路は日本で、、と思ったのですが、そういう事情ならしょうがないやって感じですね。
機体メンテが長引き、出発が一時間以上遅れたので、結局到着も1時間遅れでした。関空から京都の実家まで結構距離があるので、どういうルートが最適か、事前に時刻表などで調べまくったのですが、1時間もズレたらパーでした。定刻夜の8時半着、それが9時半着、なんだかんだで空港を出るのが10時ともなるとさすがに選択肢が減ってしまっていました。結局、自宅に帰りついたのは夜中の1時前でした。疲れた、、、
ちなみに参考までに関空=京都(駅)のルートは@JR特急「はるか」、A空港バス、B南海ラピート+御堂筋線+JR京都線、CJR関空快速+JR京都線があります。慎重に検討した結果、コストパフォーマンスではCがベストだというのが僕の結論でした。@は所要時間1時間16分で3700円、Aは1時間45分で2300円、Bは純粋乗車時間だけなら1時間半だけど乗り換えその他で2時間以上かかり2160円、Cは純粋乗車時間1時間37分で(乗り換え一回同じ大阪駅構内)1830円です。@とCは同じJRでも料金が倍くらい違います。でもって、時間は20分くらいしか違わない。まあ、連絡のよしあしがありますが、大阪駅環状線ホームから7−8番線まで150メートル歩く手間と新快速の待ち時間(最大20分)、それと大阪=京都の29分間まあ座れないだろうリスクを考え、それらを回避するために料金を倍払いますか?という選択ですね。
Aの空港バスは、ガラガラだし、身体的には一番楽です。有力な選択肢ですが、なにぶん公道を走るので渋滞その他の、英語でいうと"shit happens"のリスクがあります。一回関空に向かう途中に事故渋滞に遭遇し、あわや乗り遅れ、航空券パーかというドキドキトラウマ経験もあります。Bの南海、御堂筋、JRですが、これは結構歩くし、乗り換え二回ともあると連絡の良し悪しが結構響きます。やったことあるけど、厳しいですね。
ということで、予定によれば20時30分着。僕の荷物は常に少なく、機内持ち込みだけでOKにしてますから入国もほとんどロスタイムなしに出れるので、うまくすれば20時50分の関空快速に乗り、22時03分大阪駅着、22時20分大阪発49分京都着、あるいはなんだかんだで入国が遅れても最悪21時29分の関空快速には乗れるだろう、そうすれば23時9分には京都についてる筈だ。それをも乗り過ごしたら21時45分のリムジンバスに乗ろうなんて考えていたのですが、1時間着陸が遅れたら全部パーでした。そこまで想定していなかったミスですね。十分考えられるのに、くそお詰めが甘いぞ。
結局出てきたのは21時55分ころで、そのころにはリムジンバスは終了。駅に行ったら、一番早くて30分待ちの22時32分初の快速。ガビーンとなって、そうだリムジンバスで大阪駅に行くという手もあるぞと思いついて走っていったら、タッチの差で22時05分が発車してしまっていたという。詰めが甘いというのはこういうことで、プランBどころかプランEくらいまで考えておけということですね。でも、Dバスで大阪駅にいってそこからJRというのも、関空大阪駅が58分ということを考えると意外にいい考えかも。もっとも、大阪市内を走るので道路渋滞その他のリスクはバリバリありますけど。
しかし、22時32分だと大阪駅23時35分着でしょ、休日ということもあり、もう新快速終わってます。しょーがないので高槻まで先に着くドンコーに揺られ、そこから快速に乗り、京都駅に着いたら深夜0時30分。そこから20分以上かけてエッチラ歩いて1時前に帰宅というザマでした。くそお。もし22時5分のバスに乗れ、定刻どおり進んだら23時20分の最後の新快速に乗れたのに。しかし、新快速の最終電車が23時台って早くない、、のかな。
もう一つ後日談というか、後刻談がありまして、タバコを切らしてしまいました。いくら値上がりしたとはいえ、オーストラリアに比べたらタダ同然に安い日本でタバコを買おうと思ってたら、夜になるとタバコの自動販売機が停止しちゃうんですよね。忘れてた。途中で買っておけばよかった。KIOSKもどこもしまってるし、、、ということで、家に着いて、超遅い晩飯を食べたあと、どうしても食後の一服をしたい私は、深夜の街をタバコを売ってるコンビニを探して放浪したわけです。タバコゲット時刻、午前2時30分。疲れた。
1年10ヶ月ぶりの日本ですが、もはや大した感慨もないです。最初のころはね、あれこれ感動したり、違和感があったりしたけど、もうなんだかんだで14年ですからね。懐かしくすらないです。ごく普通にいるって感じ。
ただ、薫風かおる候、5月に日本に滞在するのも14年ぶりです。新緑やつつじが綺麗ですね。
今回改めて気づいたのは、やはり湿気の高い気候、いくら爽やかな5月といえどもかなり湿気が高く感じます。不快なほどではないけど。でもこの湿気の高さで、楽なのがコンタクトレンズです。一日装着できますもん。オーストラリアではこうはいかないですね。1日数時間が限度でしょう。6時間越えると目が痛くなってきます(僕の場合)。ドライな気候に完全適応した僕ですらそうですもんね。日本から行かれる方は、コンタクトレンズは使えなくなる可能性があること(もちろん個人差はあるけど)を、念頭に置かれておくといいです。
あとは、温度変化が少ないので楽ですね。オーストラリアの急激な変化、しかも乾燥気候で冷え込むので、「涼しい」と思ったときにはもう身体が冷えてて風邪をひくという、まるで「後ろからバッサリ」みたいな怖さがあります。だから油断できない。Tシャツ一枚でいいときでも、いつ再び着込むか頭の片隅でしっかり計算しておかないとならない部分がありますが、日本は楽ですねー。油断できます。
油断で思いついたけど、バスや電車で乗客があれだけ寝てる国も珍しいのではないでしょうかね。「油断してるなー」って気もする反面、「皆さん、疲れてはるのかな」という気もします。別にシドニーでも乗車中に寝てる人もいますし、別に寝たからといっていきなり盗られるってことはないですよ。でも不断の緊張というか、アイドリングのレベルが高いので、ああも開けっぴろげでは寝ない。あとは、なんというのか基礎体力の違いでしょうか。それと睡眠時間をしっかり取り得る生活習慣などの違いでしょうか。それとも、眠り呆けている姿を他人に見せるのはエチケット違反という意識でしょうか(泥酔姿を見せるのも同じくNG)。皆さん普通に起きてます。頑張って起きてるのではなしに、眠くならないんだから起きているという感じ。少なくとも、行楽帰りの家族全員寝てるという姿を見るのはマレです。
あかん、こんなに書いてたらホリデーにならん。もう寝ます。ではでは。
最後におまけを一枚。機中から撮った夕焼けの雲海です。わりと綺麗にできたので。
文責:田村
★→APLaCのトップに戻る
バックナンバーはここ