でも、これは、他人事じゃなくてさ、あなたもそういうところがあるでしょうし、僕にだって多分にあります。”Nobody is perfect”ということで、完璧な人間なんかこの世にいませんし、誰だってどっかにジクジクした心の痛みをひきずってるわけで、そこを突かれると厳しいから、どうしてもその点について防衛的に物事を運んでいこうとします。大は人生キャリアの選択から、小は飲み会での会話の流れの誘導にいたるまで、いじこい戦略を巡らしたりするんですわね。無意識的に。
逆に最初からスイスイ器用にこなしている人というのは、「器用貧乏」になる恐れが強い。そこそこはできるけど、そこそこしか出来ない。英語でも、"Jack of all trades not a master"(何でも屋のジャック、でも名人級に出来るのは何もない)という表現があります。学校でもクラスのベスト3くらいにはすぐに行くけど、そこから先には進めない。クラスの人気者だけど、卒業したら凡人人生。これを打破するほうが遙かに難しいですよ。空手などの格闘技でも読んだことがありますが、器用にスピード昇級を重ねる人よりも、成長進度の遅い不器用な奴が必死に努力して獲得したワザの方が、一撃で倒せる必殺技になる。