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今週の1枚(04.05.10)
ESSAY 155/ハードディスクが壊れた(パソコンとほほ物語)
写真は、Bondi Beachそばのフリーマーケットの風景。これはフレーム(額縁)屋さんですね。
さて、日本の皆様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?
僕の方のGWはですね、別にこっちにGWなんか無いのですが、以前にも書いたようにGW時期は航空券が高くなるので一般観光客は別として、僕が主としてお手伝いをしているワーホリさんや留学生さんはあまりこの時期来ません。ですので、結果的にこちらもGW的に結構骨休みができたりします。
で、ゆっくり素敵なホリデーを満喫したかというと、さにあらず。ヘロヘロです。積年の怠慢のツケが溜まって集中的に歯医者通いをしているというのもヘロヘロの一因をなしていますが、それだけではないです。
ヘロヘロの大きな原因は、ハードディスクがぶっ飛んだことです、しかも120GBまるまる。これはキます。かなりキます。知ってる人は知ってるだろうけど、しかしこうなってみると大容量ハードディスクも考え物ですな。他人からもらって、あとで見ようとストックしておいた、NHKのプロジェクトXの第一回から第百十数回分がまるまる消えました。しかし、これとてたかが14GB程度でしかないです。
なぜに、かくゆー事態に陥ったかというと、話せば長いことながら、要するにハードディスクをフォーマットしなおして、パーテーションも切りなおして、再インストールしようとしたわけです。、、って、パソコン知らないと何のことか分からんですよね。でも、インターネットでこの文章読んでるくらいなんだから、ある程度はわかりますよね。僕もそんなに詳しいことは知らないのですし。
パソコンのシステム(OS)は家みたいなもので、だんだん老朽化します。ウィルスにやられなくても、あっちゃこっちゃにファイルが散逸し、不正終了する度にどっか壊れるみたいで、最初はピキピキ動いていたのが、徐々にトロくなってしまったり、フリーズとまではいかなくてもしばし考え込むようになったりします。特にWindowsは、いくらメンテしてても壊れますね。よくは知らんけど、なんか設計思想そのものが巨大なツギハギみたいになってて、びしっと一本通ってないよな気がします。大体、Windowsって好きで使ってる人は少ないですよね。仕方なしに使ってるという。
使い方にもよるけど、なんにもしないで使いつづけていると、いつか大コケします。ある朝電源いれて立ち上げたら、起動しないで画面真黒のままとか。一種の時限爆弾みたいなものですな。その前に前兆は沢山あります。動作が遅くなるのもそうですが、いきなりコケて再起動始めるとか、末期症状になるとフォント(文字)がバケたり、カーソルが変な形になったりします。クラッシュ間近ですね。
そうなったら困るのでコンスタントに家の大掃除をします。というか大掃除くらいではおっつかないので、根太や柱や土台のコンクリレベルまでやりなおします。Windowsには修復インストールといって、もう壊れた部分を修復するための再インストールがあります。でも、チマタの話では、修復インストールは役に立たないとも言います。やればやるほどもっと壊れると(^_^)。いやー、僕も同感でして、以前修復インストールしたらOSがひとつ増えて、「げげ」と思ったらまた増えて、とんでもない話になってました。ひとつのマシンにWindowsが4つインストールされたこともあります。なにが修復じゃいって。でもって、これがあとから消そうと思っても、なかなか消し方が分からないという。
今回もかなりキてたので、いよいよやらねばならんなという時期ではありました。数ヶ月前には、ユーザープロファイルがぶっ壊れて、それまでやってた名前でログインしようにも出来なくなってしまってましたしね。あと、異様にリソースを食って遅くて遅くてしようがないという。メモリーは空いてるのだけど、CPUが満杯になってしまう。タスクマネージャーで見ても不審な点はなく、どっかで下らないソフトが暴走してる感じです。通例ウィルスに感染するとなりそうなんだけど、ウィルスもファイアウォール+毎日スキャン+時々セマンティックなどのサイトでチェックしてるから、ウィルスではないとは思います。
そそ、ウィルスといえば、ウィルスメールとSPAMメール、もういい加減にしてくれって感じですねー。毎日2−300通きますよ。ばーっと選別して削除していくのですが、間違いないようにしてはいますが、これが手間ですね。ここでお願いです。出来るだけタイトルは日本語にしてくださいね。ユーザー名も日本語にしてくれた方がなお更分かりやすいです。こっちに住んでるとこれらのメールは十中八九というか99.9%英文ないしは文字化けした中国文です。日本語メールだったらまず間違いなく正規メールですので。あと、妙なエンコードかけたり、HTMLメールなどにしてますと、化けてしまって削除するケースが多いです。
迷惑メールもですね、最初はチェック機能のついた排除ソフトとか使ってましたけど、キリないからやめました。あれって、「こういうのは迷惑メール」という特徴をいろいろ設定してそれに該当したらハネるようになってます。たとえば、宣伝メールの3大分野は、ヴァイアグラの販売、財テク系、一般ポルノないし出会い系です。ですので、タイトルに出てきそうな文字を登録するわけですね。"Viagra""Prescription(処方箋)""Drugs""Pharmacy(薬)"とか、経済系だと"Saving""Investment""Stock"とかその辺ですね。あと出会い系とかエッチ系は”Love""Lonly""Night"とか歌詞の文句みたいな単語ですね。そのあたりを登録しておけば、これに該当したメールはハジいてくれるわけです。ところが、敵もさるものでして、ハズしてくるんですよ。たとえば”Viagra”だったら、"Vi'agra"とか"Vi/agra"とか、どっかにアポストロフィとか記号とかを入れて検索に該当しないようにズラしてくるのですね。イタチゴッコ。
それに、正規メールでも、タイトルを書いてこない人とかいます。
あの、もっと余談ですけど、メールのタイトルで大体その人となりが分かるって気もしますね。「こんにちわ」「はじめまして」「おしえてください」とかいうタイトルは、つけたくなる気持ちは良く分かりますが、出来れば避けた方がいいと思います。あなたのメール環境がどうなのかは知りませんが、僕らのようにビジネスでメールを使ってる環境では、毎日数十通、メールを貰う人でのべ数千人くらいいます。そうなるとですね、メールボックスのディレクトリだけでも数百ありますし、そこでばーっと一覧で見ようにも、「はじめまして」みたいなタイトルばっかり数百通並ぶのですね。もう埋没してしまって探せなくなります。
できれば、忙しい相手に出すビジネス系のメールでしたら、タイトル読んでメールの内容が半分推測できるくらいの方がいいんじゃないでしょうか。「10月23日のアポの確認です 田村」「質問:Windowsの再インストールの注意点について」とかね。継続的に何度もメールの往復をしてるんだったらいいけど、返信メールのそのまた返信メールを繰り返しすぎるのも問題。スレッドが長くなりすぎてメールボックス内が整理しにくくなります。しかも、最初の「こんにちわ」でタイトル変更をしないものだから、永遠に「RE:こんにちわ」というタイトルのまま延々累積する。ついでにいえば、メールアドレスはコロコロ変えないのが好ましいです。アドレス検索が出来なくなります。また変えるにしても最低ユーザーネームは統一しておくこと。
でも、これ、ぜーんぶ破ってる人が多いですね(^_^)。アドレスも違う、ユーザーネームも違う、タイトルは「はじめまして」で、しかも本文中にも自分の名前を書かない人が結構います。3ヶ月くらいたってから、「以前メールで質問しましたけど、例の件、今でもOKですか」みたいに書かれると、「むむ、誰だ、この人?」となります。そこで、さらにアドレスは違うわ、ユーザーネームも気分で変えているわでは、過去のメールを総チェックすることになります。かなり時間かかります。
こーゆーのは、メールのエチケットとかいう以前の問題だと思いますな。
パソコンが普及したとか、浸透したとか、若い世代はコンピューターに強いとかいろいろ言われているけど、僕は信じないよ。以前に比べて状況はむしろ悪化してるかもしれないし、それはパソコンを道具としてちゃんと使えていないってことだから。」パソコンを使う」「メールをする」というところで燃え尽きて、「私が」パソコンを使うという、主体性が全然確立してない。道具に使われてるだけ。本当の意味での普及、浸透というのは、使うサイドがちゃんと主体性を持ってることだと思います。僕らはメールをするのではなく、コミュニケーションをしてるんでしょう?それは川向こうで大声で呼びかけるか、糸電話か、絵葉書か、筆談か手段はなんでもよくて、その手段のひとつとしてメールがあるだけ。
話、それました。というわけで、結構システムがボロボロになってきたので、ここら一度再インストールをしようと思ったわけです。それも修復セットアップなんて生ぬるいことではなく、ハードディスクをまっさらにしてゼロからインストールする。家でいえば、全部家屋を叩き壊して、ブルドーザーで全部整地しなおしてから、建て直すってことです。
家屋を叩き壊す前に家財道具は避難させます。いわゆるバックアップです。DVDという大きなメディアも出てきたので、バックアップは楽になってきてます、、、と思ったのだけど、今となっては「たかが4.7G」でしかないです。これがまた一枚焼くのにえらく時間かかるし。もう半日作業でバックアップを終えます。
さて、いよいよ破壊&整地作業です。整地すなわちフォーマットですが、これが面倒くさい。Windowsを立ち上げている状態では、そのWindowsのあるパーテーションはフォーマットできない。それ以外の部分はできるのですが。つまり整地作業をするにしても、作業員がどっかに立っていなくてはならない。しかし作業員が立っている区画は整地できない。ジレンマですな。
そういう場合は、あらかじめWindowsで修復セットアップファイルとかいうのをフロッピーで作っておいて、再起動させるときフロッピーから立ち上げて、とりあえずそれでMS-DOSコマンド画面(真っ黒な画面に直接文字を打ち込んでパソコンを操作する)にしてから、FDISK C:とか入力してやればいい、、、、ハズだったんですね。
鼻歌まじりに「ふんふん」いいながら入力したら、「無効なコマンドラインです」とかほざきくさって、「げげっ」となったわけです。このあたりから脱線が始まります。パソコンっていつもこうですよねー。言われたとおりやってるのに、どっかでその通り動いてくれないです。絶対どっかで「反抗」する。コマンド変えたり、ナニ変えたり、アレ変えたり、真っ黒な画面に向かって模索し、試行錯誤すること数時間。パソコンっていつもそうですよねー、ちょっと何かやろうとすると、平気で10時間20時間の仕事になるという。大体こういう基本レベルの作業というのが異様に時間がかかる。再起動ひとつでも数分、フォーマットだけで30分くらいかかったり、試行錯誤でAからDの方法をやろうとしてもひとつの方法に1時間くらいかかるから、どんどん時間ばっかり食うのですね。殆どがイライラしながら待ってる時間になります。
昔のWindows98の起動ディスクを入れてたちあげてみたり、Win95にしてみたり、、、あれこれやってました、、特に98はFAT32フォーマットで、NTFSフォーマットは認識しないとか、やたら面倒なんですわ。でもって、適当にやってるうちにボリュームラベルを壊してしまったようです。もうCとかDとかいうもの自体を認識しなくなってしまいました。まあ、どうせフォーマットするから同じだとか思ってやってたのですが、これがアカンかったのでしょうね。
結局フォーマットはなんとか出来たんです。またこれが基本MS-DOSがどうしたとか、論理MS-DOSがどうした、拡張パーテーションがどうしたとか鬱陶しい話になるのですが、それはさておき(僕も結局良く分かっていない)、なんとかWindowsを再インストールして立ち上げてみました。出来ました。めでたしめでたし、、となるはずだったのですが、ここでHDD(ハードディスク、Hard Disk Drive)がぶっ飛んでしまったのですねー。
僕のパソコンにはHDD(ハードディスク)が二つあります。メインには最初からあった20GBのもので、ここにWindowsをインストールして、ソフトをあれこれインストールしてます。そして、別に120GBの内蔵ハードディスクを買ってきて、もっぱら倉庫として使っていました。今回、整地だのフォーマットだの言ってたのは、全部最初の20Gのハードディスクその1の方です。ハードディスクその2の方は何もインストールしてないし、データが収まってるだけなので、関係ないです。
ところがハードディスクその1をフォーマットするときにあれこれやっていた際に、ナニがどう間違ったのか(これは未だに判然としません、何故だ?って感じ)、ハードディスクその2もぶっこわしてしまったみたいです。症状としてどうなるかというと、Windowsのマイコンピュターなどで見ると、確かにハードディスクその2は表示されるのですが、アクセスできない。つまりハードディスクその2のアイコンをクリックすると、「フォーマットしますか?Y/N」と出てくるという。つまり未フォーマット状態、整地以前の原野状態にしか認識されていないという。「そんな馬鹿な!」ですよね。
母屋と倉があって、今回は母屋の取り壊しと整地と新築作業をしていただけで、隣の敷地にある倉は最初から問題外だったはず。ところがいつのまにか倉は無くなり、無くなるどころか更地以前の原野状態になっているという。「この世は夢か幻か」と信長のように一さし舞いたくなるような状況になっているわけです。もちろん舞ってる場合じゃないんだけど。
直感的には、「こら、もうアカンな」というのが50%、「なんとかなるんじゃないのか?」というのが50%です。
データーというのは削除してもフォーマットしても残っていると言います。「削除」とかいうと、文字通り、シュレッダーにかけて粉々になってしまったかのようにイメージしますが、実はHDDにまるまる残ってます。ただしインデックスだけ無くしているから、読み取れなくなってしまっていて、それで「削除」ということになっているそうです。本でいえば、読んだところに挟んでおくシオリであったり、付箋みたいなものが取れてしまったようなものでしょう。そして、どこに何が書いてあるのかをまとめて記載しているのが、MFT、マスターファイルテーブルと呼ばれるもので、本でいえば目次みたいなものでしょう。削除なりフォーマットというのはその目次を全部ないし部分的に破棄することだといいます。まあ、僕も、見たわけじゃないのでよう分からんのですが、そういう話らしいです。
だから、削除したデーターは復旧できる(こともある)そうですし、逆に削除したからといって安心してはいけない。復旧のプロにかかったら楽々と復元できてしまって、うかつにパソコンを人にあげたり、捨てたりすると、自分の大事な情報が第三者にわたってしまう可能性もあると。そういうところから、削除データーを復活させるソフトウェアとコンビになって、絶対に復活できないように粉微塵にしてしまうソフトが売ってたりします。また、ハードディスク本体を受け取って、そこからデーターを復元させることをビジネスにしているところも沢山あります。
さて、機械本体の不調ということもありえるし、とりあえずハードディスクを買ったお店に行って聞いてみました。今回は、West Rydeというところにあるチャイニーズのパソコン屋さんです。こっちにきてから、もう5,6台パソコンを買ってますが、歴代ずっとチャイニーズ系の店で買ってます。理由は、第一に安いこと、第二に壊れたときアフターケアを頼むわけですが、こっちは日本語版Windowsなわけで画面の文字は当然日本語です。でもチャイニーズは漢字が共通してる部分が多く、推測がつくのでアフターケアが頼みやすいことです。まあ、となりでいちいち英語に翻訳しなきゃいけないことに変わりはないけど、それでも当りがつくって部分は大きいです。
案の定、「むむむ」という顔をしたお店のおにーさんは、「Lost and Foundというソフトで復旧できるかもしれない。とりあえず明日そのソフトを手に入れてやってみよう」といってくれて、翌日一日格闘してくれていたそうです。ただし、この復旧ソフトが英語版なので(当たり前だけど)、文字化けしちゃって、あれこれやってみたけど結局よくわからなかったというのが結論でした。でも、一日トライしてくれただけでも感謝です。費用は無料。
このようなハードディスクのデーター復元を専門にやっているレスキューセンターのような会社にお願いすることも考えました。しかし、高い。例のパソコン屋の人に聞いてみたところ、シドニーにもあるそうだけど、「高いよー」と。幾らぐらい?ときくと、インスペクションだけで180ドル、あとはデーター1MBあたり100ドル以上とか。「1Mで100ドル?!」と絶句してしまいました。こら無理ですわ。1Mで100ドルだったら120GBで幾らだ?計算する気にもならない。1000MBで1GBだから、12万MB?1MB1ドルでも12万ドルかかりますねー、1M100ドルだったらその百倍ですねー。12万ドルあったらサラのベンツの上級機種が楽に買えますね。そうかー、ベンツ120台か。ほっほっほっ安いのう、、とか言ってみたいですわ。無理、無理、絶対無理の世界ですな。誰が利用するの?と聞いたら、「大企業だよ、彼らはお金あるからねー、大事なデーターだったら幾らでも出すだろう」って。そうだよねー。
ちなみに日本のレスキューサービスは、これよりもぐっとリーズナブルですが、それでも復元したのをCD-Rにして、一枚数千円です。CDなんか800MBくらいしか入らないから、これでも150枚くらいかかりますね。1枚1000円だとしても15万円ですね。大体7000円とかそのくらいでしょうから、無理ですね。よほど大事なファイルが特定できるならいいけど(要するに顧客ファイルの1MBだけがほしいとか)、ただのデーターだけ120GBだったら割に合いません。
というわけで、今度は日本語版の復旧ソフトで試してみようかということになります。でも、日本語版ソフトって何があるの?とインターネットで調べてみたら、あるわあるわ、沢山ありますねー。やっぱりパソコンに関しては日本は凄いですね。思うのだけど、日本におったら、自動車買って、AVなどの電化製品買って、パソコンを買って、ガンガン使いこなさないと嘘ですわ。世界でこんなに安くて豊富で質がいいところってないんだから。日本でそれをしないのは、温泉に行って温泉に入らないようなものかもしれない。ああ、だけど、自動車買っても高速料金が高いから遠くにいけない、AVを揃えてもコンテンツが日本語でないと駄目という制約がある(音楽は別だけど)、パソコンを買ってもインターネットなどで日本語バリアがまたある。
とりあえずFinal Dataというソフトの試供版をダウンロードしてやってみたのですが、10万ファイルくらい発見してくれました。試供品だから最初から復元はできないから、本当に復元できるのか、どれだけ出来るのか良く分からんけど、まったくなんともならないってことではなさそうです。しかし、これ、真剣に丁寧に120GBをスキャンするだけでも1日くらいかかりそうですな。一回やったらメモリがパンクして再起動してしまった。それにざっと10万ファイルくらい断片化してるのだが、これをいったいどうやって復元したものか、、、、なんか気が遠くなりそうな感じですな。
それよりもこの日本語版ソフトをどうやってゲットするのかという問題があります。いや、別に、インターネットのサイトから直接クレジットカードで買えばいいんだけどね。でもね、どれを買ったものかってのもあるし、こう言っちゃナンだが、もう少し”リーズナブル”にゲットできないかしらね、とか思ったりもするのでした。
ここで、ふと思うのですが、ソフトの値段って高くないか?と。一本大体1万円、10万円を超えるソフトも結構あります。それって高すぎないか?
以前、どっかで読んだのですが、日本で一本500円くらいのソフトを売り出した会社があるとか。すごい価格破壊だけど、その社長だったかが、こう言っていたのが印象的です。確かにソフトを開発するのはすごく労力がかかる。でも、それは本でも同じではないか?文学、小説、これらも作品を完成させるために膨大な時間と労力を傾注しているわけで、それなのに一冊1万円とか10万円とかいう値段にはならない。文庫本だったら数百円であると。なぜソフトだけが安く出来ないのか、出来るんじゃないかって。
なるほどねーと思いました。確かに言われてみれば、ソフトの開発に比べて、小説などの作品の執筆が楽か?というとそんなこともないでしょう。そりゃ竹村健一氏のように適当にネタを口述筆記して量産してるのを見たら楽そうにみえるけど、コツコツと何十年にもわたる取材を重ねて刊行した本だってあるわけです。小説だって今の僕には一行もかけないですよ。ものすごい知的作業と文章スキルの上に小説は作られるわけです。でも、数百円。ハードカバーだって2000円くらい。だったらソフトだってもっと安くて、薄利多売で売ればいいんじゃないかって気もします。
そりゃ、ソフトと小説は違う面もありますよ。ソフトは共同作業だし、企業経営としてやっているもので、それなりに設備も必要です。基本的に個人が机に向かってコリコリ書いてればいい小説とは違うでしょう。でも、ソフトだって一人で開発できるし、設備っていっても多少のプログラミングソフトがあればいいって場合もあるでしょう。逆に、小説ではなくドキュメンタリーや実用書などはスタッフの共同作業だったりもしますし、最終的には印刷・出版というソフト以上に巨大な設備が必要です。
だから一概には比較できないし、一概にソフトが常に書籍よりも金がかかるってもんでもないんじゃないかってことです。書籍は、数百円の文庫本から、一冊数千円から1万円を超える専門書まであります。結局は需給バランスに合わせてそうなってしまうのでしょう。「共謀共同正犯の事例研究」とかいう本を出しても買う人は限られてますよね。だから幾ら安くしても買う人が増えるわけでもない。
でも、思うのですが、開発側のソロバンで価格を決めても、消費者の値ごろ感からかけ離れてしまうとどうなるかというと、結局は違法コピーがはびこるだけです。かけ離れていないものはコピーされません。どういうことかというと、一冊数百円から2000円以下の本だったら、まず全ページをコピーしようなんて人はいないでしょう。コピー代の方が高くつきますし、製本も悪いし、場所をとってかなわない。買ったほうがよっぽどマシです。でも、一冊8000円くらいする専門書だったら、専門研究職にある人以外、学生さんだったら該当個所をコピーしますよね。なお、図書館でコピーするのが違法なのかどうかは、難しい話になるのでここでは割愛します。でも、いくら違法だとかなんとかいってもコピーはするんじゃない?仮に手書きで書き写したって著作権法でいう「複製」にはあたるんじゃないかな。
ソフトだって、値ごろ感さえ合致すれば、そんなに違法コピーもされないような気がします。1本10万円とか言われたら、税金で経費で落とすとかいうメリットがないと、そうそう個人で買えないですよね。でも、1本500円とか1000円くらいだったら買いますよ。コピーだって無料ではないのだし、メディア代(CD代)がかかるし、マニュアルもついてないし。そもそもコピーは完璧だと
いう概念があるけど、完璧じゃないです。CDやDVD焼いてる最中にスクリーンセーバーが起動して信号が乱れてコピーの一部が破損したりもします。所詮機械のやることだから、壊れることもあれば、失敗することもある。だから、500円、1000円くらいだったら本物買ったほうがマシだと思うのではなかろうか。僕はそう思うけど。
そうそう、それと日本でパソコン買うと、死ぬほどソフトがプリインストールされてきますけど、あんなことやってるから「ソフトは無料」みたいな誤った概念がはびこるのではないか?と。それにギンギンにインストールしてるもんだから、デスクトップはアイコンだらけ、下の方にはクィック起動のアイコンだらけで、これだけソフトを常駐させてたらリソース食って溜まらんでしょう?起動させるのも時間がかかるし、動作も遅くなるし、壊れる可能性も高くなるし。あんなことやるくらいなら、ソフト商品券とソフトのカタログ本をセットにして渡せばいいんじゃないかって気もします。ただ、まあ、自分でインストールできない消費者が多いのでしょうねー。なんとも言えないけど。
というわけで、ハードディスク復旧作業はGWが終わってもまだまだ続きそうな勢いです。
でも、ま、いい勉強になったわ。そうでも思わないとやってられませんわ、とほほ。
文責:田村
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